イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#946 That's Gonna Leave a Mark/Matt Wilson Quartet (Palmetto-CD)

Matt Wilson - That's Gonna Leave a Mark

1.Shooshabuster
2.Arts & Crafts
3.Rear Control
4.Getting Friendly
5.Two Bass Hit
6.Area Man
7.Lucky
8.That's Gonna Leave a Mark
9.Celibate Oriole
10.Come and Find the Quiet Center
11.Why Can't We be Friends?

Matt Wilson (ds) Andrew D'Angelo (as,b-cl) Jeff Lederer (ts,ss,cl) Chris Lightcap (b)

* Guest Vocalist *

-The Swayettes- (only11)

Karlie Bruce (vo) Ayana Del Valle (vo) Elizabeth Dotson-Westphalen (vo)

-The Wilson Family Singers- (only11)

Audrey (vo) Henry (vo) Max (vo) Ethan (vo) Felicia (vo) Matt (vo)

Rec-2008



連日新譜がドカドカと届き収拾のつかない状況ですが、昨日も3枚届いて取り敢えずはかじり聴き。各々一回ずつ聴いてみた。まずはトランペッターであるウォレス・ルーニー (Wallace Roney) の "If Only for One Night"(HighNote)。オーソドックスな内容と思いきや、イリディウムでのライブということで意外と多彩。キーボードを使用した1曲目が引き立っている。次にドラマー、ジョー・チェンバース (Joe Chambers) の "Horace to Max"(Savant)。タイトル通り、シルバーやローチほか大御所のナンバーで固めた作品。王道を往くジャズながら多様な編成で楽しい。チェンバースのドラムはもちろんヴァイビストとしての演奏も聴ける。ヴォーカルが二曲あり、ピアノのヘレン・スン(サング)(Helen Sung) が一曲で参加していることに萌える(なんでだぁ?)。最後はトロンボーン・ショーティ (Trombone Shorty) の "Backatown"(Verve Forecast)。かる~くジャズを超越している。最早ファンクでありロックである(なるほど今年のフジ・ロックに参戦予定だそうでちょっと気になってしまった)。分厚いブラスに濃厚なヴォーカル。素敵。以上、ツイート風でおおくりしました。ちなみにツイッターのアカウントはまだ取っていません。このブログをサービスしている FC2 もツイッターでインフォメーションを配信しだしたようなのでコチラもいよいよ乗り出してみようかな。

それとこれから発売されるものも豊富で相変わらず懐が苦しくなりそうだ。つい先日リリースのあったクリス・クロス・レーベルからさらに4枚が5月18日の予定でアナウンスがあった。今回はアレックス・シピアギン (Alex Sipiagin) の "Generations"、ティム・ウォーフィールド (Tim Warfield) の "Sentimental Journey"、ウォルト・ワイスコフ (Walt Weiskopf) の "See the Pyramid"、デヴィッド・ヘイゼルタイン (David Hazeltine) の "Inversions"。メンツ的なサプライズは少な目かな。クセのあるもの好きの当方が楽しみなのはベン・モンダー (Ben Monder) の "Bloom"(Sunnyside)。どんな浮遊ギターが飛び出すのか楽しみ。アヴァンギャルドでは "The Ex Guitars Meet Nilssen-Love / Vandermark Duo Vol.1"(Smalltown Superjazzz) の "Lean Left" かな。ケン・ヴァンダーマークとポール・ニルセン・ラヴ、そしてテリー・エックス (Terrie Ex) とくれば絶対に凶暴でノイジーなサウンドであることは自明でしょう。6月のリリース情報も徐々に出てきているのでますます取捨選択に悩みます。んなわけで相変わらず旺盛なジャズライフですが、蜘蛛の巣の張った己の鈍い感性には一度二度の摂取では「暖簾に腕押し」であり「糠に釘」であるので、全く筆が進まないということで今回も新譜はツイートのみで諦め、ちょっと前に出たものでお茶を濁します。

リリースされてからボチボチ一年が経とうとするこのアルバム。最初聴いたときオーネット・コールマン風のサウンドに感じられてクセになり、マット・ウィルソンと云うこのドラマーの名前が己の愚脳に刷り込まれました。本当は意外と一般的な名前なので結構時間が掛かりましたが・・・。彼は90年代後半から既に結構な数のリーダー作品を残しているようですが、買ってみたのは初めてです。よくよく調べてみればマイラ・メルフォード (Myra Melford) の Trio M の一員とのことで既に聴いていたのと、他流試合を凝視してみると彼の目指すジャズの立ち位置が垣間見れるのでした。

オーネットを想起させたのはピアノレスであったことが多分に考えられるのですが、ココはトリオでは無くカルテットという編成。もちろん宙を旋回する二管フロントも大いに起因しており、アンドリュー・ディアンジェロとジェフ・レデラーの素直でないプレイがオッサンを惑わします。ココでのマット・ウィルソンのドラムはミドル・テンポが多く、テクニカルというよりはラフなスタイルに感じられます。クリス・ライトキャップのベースはしっかりとした骨格を生み出していて効果的ですね。そういえばライトキャップも強烈なメンツを従えた Bigmouth という名義で "Deluxe"(Clean Feed) と云うタイトルの新譜が出るようで、スティーヴ・リーマンやルドレッシュ・マハンサッパの参加する "Dual Identity"(Clean Feed) とともに楽しみな作品が同時期にリリースされる予定です。

脱線したので話題をこのアルバムに戻すと、自分の印象としては水分の少ないドライなサウンドで、ザックリとしたプレイが飄々と奏でられるサマが不思議な感慨をもたらしてくれます。メンバーのオリジナルが大半を占める中にヒッソリと忍ばせてある5曲目が意表を突いていて面白いですねぇ。ラストはヴォーカルやコーラスを大胆に導入した曲ですが、うーんコレどうなんだろ。ウィルソン・ファミリー・シンガーズなので家族と共演といったところでしょうか。気になる方はレーベルサイトの →ココ← からお試しを。全曲をダイジェストではなくフルで聴くことが出来ますよ。
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  1. 2010/04/24(土) 03:31:55|
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#928 Night Songs/Ferenc Nemeth (Jazz Engine-CD)

Ferenc Nemeth - Nightsongs

1.War
2.A Night
3.Intro to Vera
4.Vera
5.New Song
6.Ballad for the Stars
7.Theme to L.L.
8.L.L.
9.Lullaby

Ferenc Nemeth (ds) Mark Turner (ts) Chris Cheek (ts) Aaron Parks (p) Lionel Loueke (g,voice)
John Patitucci (double-b)

Rec-2005



クリス・ポッター入りのダニエル・ザボ "Daniel Szabo" の新譜を聴いていて、ドラマーがこのアルバムの主であったことを知り、関連作として続けて手に取って聴いてみたのが本日記事にした作品。

これはハンガリー生まれのドラマー、フェレンク・ネメスの自主制作盤をイタリアのレーベルであるジャズ・エンジンがライセンス契約した復刻盤です。オリジナルは2007年にこのアルバムと同一タイトルで Dreamers Collective Records というレーベルで下掲のジャケットでリリースされていたようです。このオリジナルのジャケットを掲載したレビューがウェブ上にそれなりにあり、一部ではその内容の素晴らしさを力説する記事も見受けられたので、このアルバムの発売当初から既に反響があったことが判りました。あいにく当方にとっては、その当時は新作ジャズを探求し始める直前だった為、引っ掛からずに昨年の復刻によって聴くことが出来た次第です。

Ferenc Nemeth - Nightsongs (Original)

彼のウェブサイトでディスコグラフィーを確認してみると、単独のリーダー作としてはこのアルバムがファーストとなるよう(Javier Vercher との双頭名義の作品もフレッシュ・サウンドからほぼ同時期にリリースされています)で、サイドでの仕事は1996年から始まったようです。ザボ盤以外の自分が経験した作品ではポルトガル生まれのギタリスト、フランシスコ・パイス(ペイスと読むのかも?)"Francisco Pais" の2枚のリーダー作である "Not Afraid of Color"(Fresh Sound New Talent) と、"School of Enlightenment"(Product of Imagination) で聴いており、またこのアルバムにも参加しているリオーネル・ルエケの作品 "Karibu"(Blue Note) でも叩いているのを聴いたことがありました。そういえば来月ブルーノートから発売される予定のルエケの新作、"Mwaliko" にも彼はクレジットされていますね。未聴のもので他に気になるところでは、同じハンガリー人でピアニストのカルマン・オラーの作品でも彼は演っているので気になってしまいます。

パーソネルの傾向を見てみるとこのアルバムも今までの関わりが濃い盟友との録音になっているようで、当方にとっては今までに多く接することが出来てきた馴染みのメンバーばかりであるので、どのような演奏なのかをある程度想像しながら聴き始めてみたのですが、実際に出てきた音はイメージと若干異なった雰囲気も感じられ、一筋縄ではいかない現代的なサウンドということもあって、思いのほか新たな発見が出来て嬉しい誤算になりました。届いてから約二ヶ月ほど経ちましたが、聴けば聴くほど旨味の出てくるアルバムでなかなか気に入っています。

コンテンポラリーなサウンドが全体を支配し、聴くたびに入り込んでしまう魅力に溢れています。特に良かったのは、◎アーロン・パークスが自身の力量をしっかりと開示していることが素晴らしい。◎リオーネル・ルエケのギターがとても好いアクセントになっている。◎ジョン・パティトゥッチのベースの存在感はやっぱり大きい。◎フェレンク・ネメスは見せ場も作りながらトータル・サウンドをしっかりと意識している。と云ったあたりでしょうか。クリス・チークとマーク・ターナー(指のケガをする前のレコーディング)のテナーをフロントに据え、個性的な二者がいつものようにウネウネと迫ってくるのですが、これがクリエイトされたサウンドに良くマッチしていて思わず唸ってしまいました。ストーリー仕立てになっているかのような各曲の表情の変化を楽しみ、その深さを感じとりながら進行していくような作品に仕上がっていて、聴後に豊潤な余韻が残るのも嬉しいところです。どちらかといえばジャズ本来のテイストと云うよりも、ほんのりと香ってくるスパイシーなサウンドがこのアルバムの特色とも云えるのではないでしょうか。

単純に出来ている人間なので、解り易く勢いのあるサウンドにはすぐに反応し狂ったように摂取し続けるのですが、この作品は当方にとっては反復することによってその凄さが理解できる類のアルバムと言えそうです。とても好いです。

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  1. 2010/01/28(木) 03:19:54|
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#922 In This Day/E.J. Strickland (Strick Muzik-CD)

E.J. Strickland - In This Day

1.Abandoned Discovery
2.Asante (for the Tribes of Ghana)
3.Eternal (Intro)
4.Eternal
5.Pedrito's Prelude
6.New Beginnings
7.In Faith (In This Day)
8.In This Day
9.Angular Realms
10.Find Myself
11.Wrong Turn
12.Illusions
13.Robin (Intro)
14.Robin Fly Away

E.J. Strickland (ds) Jaleel Shaw (as) Marcus Strickland (ss,ts) Luis Perdomo (p)
Hans Glawischnig (b)
Cheray O'Neal (spoken word→only3,7) Charenee Wade (vo→only3) Tia Fuler (fl→only12)
David Gilmore (el-g→only9,ac-g→only13) Brandee Younger (harp→only13)
Pedro Martinez (congas→only2,5,6,12,djembe→only2) Yosvany Terry (ts,chekere,bell→only6)

Rec-2008



年末年始の空き時間にこれからリリースされる新譜(向こう3か月分くらい)と、来日するアーティストのライブでどのようなものがあるのか、それはもう目を皿にして調べてみました。興味深いものをチョイスしたらあるわあるわ、新譜だけでも50枚くらいになるしライブも何本もある。当然全部をフォロー出来るはずもなく、これから取捨選択に苦しみ抜くことになりそうです。

その中でも特に気になるのは、2月22日リリース予定(日本盤は3月10日)になっているブラッド・メルドーの"Highway Rider"(Nonesuch)。2枚組ということ以外、現時点で詳しいデータを掲載しているサイトを見つけられず、どのようなものなのか皆目見当が付きません。コレ、昨年の12月中頃からウェブ上で散見できるようになったんだけれど、編成とかメンツとか新録なのか、はたまたライブなのか未だに詳細が見えなくて、もしかしたらすんなりリリースされるのかどうかすら怪しいのかなぁとも邪推してしまいます。いや、規格番号も決まっているようだしそれは大袈裟ですな。

他に個人的にめぼしいものでは High Note の2枚(ジェリー・バーガンジ、ジェレミー・ペルト)、Criss Cross Jazz の4枚(ジム・ロトンディ、ラージュ・ルンド、デヴィッド・ビニー、ワイクリフ・ゴードン)、Concordからトランペッターのクリスチャン・スコット、Challenge からヴィンセント・ハーリング&アース・ジャズ、ECM のステファノ・バタグリアのデュオにフランソワ・クチュリエのソロ・ピアノ、Blue Note からリオーネル・ルエケ、Whirlwind からゲイリー・ハズバンドのグループでも活躍中のベーシストのマイク・ジャニシュ(コレはいいメンツ!)、Origin からベーシストのアーロン・イマニュエル・ライトのデビュー作に、対照的とも云えるベテラン・サックス奏者のハドリー・カリマン、Cube からナイポンクのライブ、フリー&インプロ関連では Clean Feed からトニー・マラビー、Hatology のマニュエル・メンギス、Thirsty Ear のマシュー・シップのソロ、PSI のエヴァン・パーカー、Atavistic からペーター・ブロッツマン(フル・ブラスト)のカップリング2枚組、ちょっと脱線してジプシー&マヌーシュ・ギターではイギリスの Le Chant Du Monde からヨルギ・ロフラー、アンジェロ・ドゥバールあたりが出るようで実に興味深い。駄目だ、書き出すとキリがない。Dreyfus からエリック・レニーニ入りのアルド・ロマーノや Intakt からエリオット・シャープ御大のアルバムも出るし・・・。

転じてライブでも観たいもの目白押しですが、フットワークの重い地方在住者なのでやっぱり指を銜えて眺めるのが精一杯。ジェラルド・クレイトン(w/ジョー・サンダース、ジャスティン・ブラウン)やブランフォード・マスサリス(w/ジョーイ・カルデラッツオ、エリック・レヴィス、ジャスティン・フォークナー)、ジョン・アバークロンビーのオルガン・トリオ(w/ゲイリー・ヴァセイシ、アダム・ナスバウム)等は観たいなぁ。ヴォーカルならジェーン・モンハイト(マイケル・カナンがピアノ!)やニコレッタ・セーケ(ロバート・ラカトシュがピアノ!)あたりは気になります。でも個人的にはダヴィッド・サンチェス。というのもサイドとしてラージュ・ルンドとドラムでE.J.が来日予定のようです。ルンドのギターはサンチェスの近作でも聴けたけれど、E.J.がどのようなサポートをするのかが気になるところです。お二方ともちょいちょい来日しておりますが、今まで縁がなかっただけになおさら興味深いです。ということで前置きが長すぎですが、今日はE.J.を聴いていました。

ストリックランドのレーベル「ストリック・ミュージック」から、この初リーダー作も半年以上前にリリースされましたが、このレーベルは兄弟の共同運営ということなんでしょうかね。ラヴィ・コルトレーンのプロデュースによる、斬新さも組み入れた一編となっています。フロントにマーカスとジャリール・ショウを配した二管クインテットが基本ですが、曲によってヴォイスやスポークン・ワードを大胆に起用したり、ギターや疾走するコンガが入ったりと多彩な表情を魅せてくれます。ただし突飛な印象は皆無で、彼らの統一されたカラーが発揮された現代的なジャズをカマしてくれます。決して派手な色合いではなく、様々な楽器によってサウンドに変化をつけている割りには真摯なジャズになっており、マーカス名義の"Open Reel Deck"のような狙った感は薄く、抵抗なく入っていけるサウンドになっています。クレジットにはないのですがルイス・ペルドモはエレピも使用していて、ことのほかコレが効いていていい塩梅のアクセントになっています。しかしながらこのアルバムの『アサンテ』のカッコ良さ、ほれぼれしますなぁ。

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  1. 2010/01/07(木) 04:18:06|
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#919 Klemens Marktl Free Spirit Quartet Live (Alessa-CD)

Klemens Marktl - Free Spirit Quartet Live

1.The Opener
2.Wiedergeburtsorganisationsblues
3.Darkness
4.Bobby
5.Sounds of a City
6.Song for Rosa
7.When Eric Met Ornette

Klemens Marktl (ds,comp.) Johannes Enders (saxes) Peter Madsen (p) Milan Nikolic (b)

Rec-2008



困ったもので自分の趣向に合致するレビューを目撃すると無視できない性分です。このアルバムに関しては発売前からどこのサイトでもそのカッコ良さを強調した惹句が踊っていて、それこそ聴く前から音が勝手に脳内に渦巻いてしまいました。約10日前にライブを観るため上京した折にCD屋をひやかしていましたが、その時コレが店頭にも結構なスペースで面陳されていて、ウェブで買うほうがかなりお得だったのにもかかわらず思わず手に取ってしまいました。

ドラマー、クレメンス・マークトルの入魂ライブ。レビューを読んだ範囲ではオーストリア出身だ、ドイツ出身だとどちらが本当なのかよく判らなかったので彼のウェブサイトで確認すると、1976年のオーストリア生まれだった。彼名義のアルバムとしては、2003年にオランダ録音のクインテット"The Challenge"(Jazz'n Art)、2004年にニューヨーク録音のカルテット"Ocern Avenue"(Fresh Sound New Talent)に続く3枚目の作品で、このアルバムは初のライブ盤になるようです。セカンドはクリス・チークにマット・ペンマン、アーロン・ゴールドバーグなどソソるメンツと演っていますねぇ。先ずはダイジェストででも聴いてみようかしらん。

このアルバムは惹句からイメージした、当方の勝手な脳内再生ほどのブチ切れ具合ではなかったにせよ、ライブ盤ということもあって硬派な部分も併せ持ったストレート・アヘッドなジャズの仕上がりになっていました。1960年代後半のフリーに突入する前の頃のようなホットな演奏を髣髴とさせ、特にモーダルなジャズ好きへの訴求効果は抜群であると考えます。ここ2年程度ぐらいでしか最近のジャズのムーヴメントを探れていない当方にとっては、このメンバーではピーター・マドセンしか知っているアーティストはいませんでしたが、ジャズの醍醐味に溢れていて皆がカッコ良く決めており、特にヨハネス・エンダースのサックスはゴツさと渋みすら感じさせるダンディズムに溢れ、もちろんハードさも持ち合わせています。ココでは主にテナーでの吹奏ですがラストでのフリーキーに迫るソプラノも聴きものです。エンダースのことを知りたくなったのでちょちょいと検索を掛けると、ドラマーのビリー・ハートのところで演っているマルチリード奏者ということが分かったのですが、既に多くのリーダー作を発表しており、またエレクトロニクスを駆使したグループを持っている等なかなか多彩です。しかも様々なアルバムでハードなジャズを好む筋から賞賛されているではないか。一気に当方の関心度が高まります。

このような演奏は、ともすれば「いまさら感」を持たれてしまうのかもしれませんが、この音がツボの当方には当然満足度の高い作品となりました。決してトータルで一本調子に攻め込むだけの内容ではなく、3曲目や6曲目のように荘厳な展開のトラックも用意されており、ハードなだけではなくシリアスな一面も垣間見せます。エンダース以外も好演で、やはりマドセンの煽り立てるようなピアノはグッとくるものがあります。エネルギッシュな打鍵に煌びやかさや優雅さも備わったサウンドは聴き手を揺さぶってくれます。そしてマークトルの荒ぶる感情をコントロールしたドラミングもなかなか気持ちがいい。小気味良くアタックを決めていくかのような堅実な表現も好ましいですが、4曲目あたりでは気合入りまくりでブッ叩いていて豪快です。やっぱりブチ切れるべきときはしっかり切れまくるドラマーというのが最高です。ベーシストのミラン・ニコリッチ(と読んでいいのか?)の事を調べようとして検索すると、セルビアのアコーディオン奏者やサッカー選手ばかりが出てくるのですが、同じアレッサ・レーベルでドラマーのJoris Dudliのアルバム"A Rewarding Journey"にもセクステットの一員として参加していました。派手さはありませんがソロも多く、存在感もしっかり保持した仕事をしています。

人それぞれの感想の違いはあるでしょうが、まずは看板に偽りなしの好盤であったと云ってもよいと思います。当然のことながら当方にとってはリピート率が非常に高くなっています。

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  1. 2009/12/29(火) 18:35:12|
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#917 Ducktones/Donald Edwards (Zoo'T-CD)

Donald Edwards - Ducktones

1.Heads-N-Skins
2.The Saboteur
3.Apple Street
4.Geraldine
5.Snow Child
6.Black Narcissus
7.Ducktones
8.Blue in Green
9.For Instance

Donald Edwards (ds) Brice Winston (ts) Jonathan Kreisberg (g) Robert Glasper (p,el-p)
John Sullivan (b)

Rec-2002



いやぁ驚いた。始まる前からすごい人だった。コットンクラブにはかれこれ10回以上は観に行っているけれど自分が経験した過去最高の入りだったような気がする。発売当初からチケットの動きがいつもより早かったことは気づいていたけれど、まさかココまでとは!こちとら開演の2時間半前に受付の様子だけ見て、その後外にメシを食いに行こう(ちょっと言い訳。久しぶりの東京でCDを買い込みすぎてかなり散在していたのでメシを安くあげようと思っていた。)と算段していたのだが、既に列が出来ていて25~35人分の席が押さえられている状態に愕然としてしまった。もちろん安メシはお預けでその最後尾に並ぶ。案内氏が奇しくも触れていたけれど、回を重ねるごとに盛況になり今回は満員御礼とのこと。初めての公演の時はそれほど客が入らなかったとこぼしていたが、その初回から欠かさずステージを目撃し感激し続けてきたオッサンは今回も予定をやりくりして馳せ参じてしまった。結局メシは抜いた(セコイね!)のだが、演奏がとても楽しくて空腹に沁みるビールも美味かった。

一番盛り上がるのではないかという理由で、田舎モンの当方でも日帰りが可能(日曜日は開演時間が早い!)であったロバート・グラスパー・エクスペリメントの最終日の最終セットを観てきました。コットンクラブでは3回目の公演ですが、エレクトリック中心でのセットは初めて。トリオでの過去のステージを2回とも観ている当方にとってはかなり興味深くて果たしてどうなることかと思っていましたが、既にいい塩梅に酒をかっくらって出てきた連中の演奏は、即興性が強めのステージになったけれど見応えがあって大変満足したのでした。

今回のフォーマットでの来日と云うことが一番の要因でしょうが、学割が使えた事も相まっていつもよりも客層が若い!そして恐るべしクリス・デイブ人気。予想はしていたが見事にドラム・セットの前から席が埋まっていったのはさすがに笑ってしまった。そりゃそうだ、待望の来日だったもんね。自動小銃が如きクリスのビートに度肝を抜かれ、このグループでの彼の存在の大きさを改めて実感しました。デリック・ホッジは5弦と4弦のエレベを用意していたけれど、自分の観たセットでは5弦しか使っていなかったなぁ。ケイシー・ベンジャミンの世界はCDやYouTubeだけだとイマイチよく判らなかったのですが、生で見てみるとなかなか強力でとても感銘を受けました。アルトにエフェクトを噛ましスペイシーなサウンドを構築したり、ヴォコーダーの多様性を実際に目撃するとそのスケールの大きさに感心させられます。グラスパーはアコピにローズ、エレピを駆使し、相変わらずいつものグラスパー節を炸裂させて応戦していました。前回のステージ(今年の4月)あたりからコナれてきたのか、彼のステージでのはっちゃけ振りが加速度を増してきたようで、今回も「A・トレイン」や「シャイニー・ストッキングス」などのフレーズをかまし、もはや客いじりをするのは恒例になってきたようですな。今回も音楽以外でも楽しませてもらいました。どうやら興行的にも成功しているようなので、近いうちの再来日を期待しておきます。

さて題目のCDにグラスパーが参加しています。ある方のログを読んで、コレにクレジットされていたことを思い出したのです。今までにかなりの参加作を聴いてきましたがコレは完全に失念していてまだでした。録音時期からある程度時間が経過しているため廃盤かもと思いつつ一応オーダーを掛けたのですが、約一ヶ月かかったものの無事到着しました。コレはドラマーのドナルド・エドワーズ名義の日本制作のアルバムなのですが、思いのほか骨っぽくコンテンポラリーな内容に「いいじゃないか!」と思わず歓喜しました。いきなり1曲目からドラム・ソロという気合の入りようで、エドワーズのドラミングは全体を通してもなかなかスリリングです。グラスパーはピアノとエレピで参戦し、彼のファンならば2曲目や4曲目、9曲目あたりには思わずニヤリとされるのではないでしょうか。それとこの作品ではジョナサン・クライズバーグのギターの存在感が抜群です。早いフレーズを破綻無くキメまくりカッコいいったらありゃしない。個人的には疾走感のあるトラックに見事に反応し、聴けて良かったと安堵しています。

今回の上京では、グラスパーが2曲だけ参加している"Introducing the Javier Vercher Trio"(Fresh Sound New Talent)も中古で見つけるといったオマケもあって、そういった意味でもなかなか有意義でした。

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  1. 2009/12/22(火) 03:04:09|
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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