イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#469 C.O.C.X./Tomasz Stanko (Pronit)

Tomasz Stanko - C.O.C.X.


A
1.Mademoiselle "KA"
2.Babylon Samba
3.Gama
4.Mr. DD

B
1.C.O.C.X.
2.Jose & Lak
3.Kameleon
4.Song for Pula
5.Fioletowy Liquor

Tomasz Stanko (tp) Apostolis Antymos (guitars-drums,b,g,perc)
Witold Szczurek (b,gong) Jose Antonio Torres (conga,perc)

Rec-1983



トマシュ・スタンコのフュージョンっぽいアルバム。いやコレはフュージョンでしょう。60年代には実に攻撃的なラッパを吹いていたスタンコは此処にはおらず、全然違う境地を見せている。完全エレクトリック・サウンドの、妙にトロピカルな雰囲気を醸し出すギターとパーカッションのリズムにのせてスタンコのペットが朗々と唱いあげる。個人的には久し振りにこの手のサウンドに触れたけれど案外楽しめました。

以前取り上げた『Purple Sun』(Calig)はこの作品の10年前のものですが、トマシュ・スタンコという人はその年代のムーブメントに敏感といったらよいのか、時代時代の流行のサウンドを率先して取り入れているように聴こえます。もちろん全てのアルバムを聴けているわけではないので単純に自分の巡り合わせがそのような感じになっているだけなのかもしれませんが。

この作品がリリースされた83年頃のフュージョンは、洗練さが際立ち音の泡立ちも良い充実した内容のものが多数出ている時代だと個人的には感じているのですが、この作品もそのような作りこみがなされているように思いました。正直に云えば多少の野暮ったさも感じたりしているのですが、スタンコのペットにはただポップなだけに終わらせない自身の筋を通した演奏が聴かれることは嬉しい部分です。

なかなか進んで手に取るような作品ではないのですがフュージョンの洗礼もしっかりと受けている小生にとっては無視することは出来ない内容であることも確かです。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/29(金) 00:06:15|
  2. Trumpet
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#468 Guitar On the Go/Wes Montgomery (Riverside)

Wes Montgomery - Guitar On the Go


A
1.The Way You Look Tonight
2.Dreamsville
3.Geno

B
1.Missile Blues
2.For All We Know
3.Fried Pies

Wes Montgomery (g) Mel Rhyne (org) George Brown (ds) Paul Parker (ds→onlyB-1)
Jimmy Cobb (ds→onlyB-3)

Rec-1959,1963



少ない編成でガチンコで演奏されるものに弱い。振ればカラコロと音の鳴る小さな脳味噌では大きい編成になればなるほど各々のプレイが見えにくく、というか見えなくなり個人のプレイを聴き分けることは駄耳では困難になってしまう。トリオ・フォーマットはとても好きですが、こういう少し変則的なものはさらに興味を惹きます。

ウェス・モンゴメリーのレギュラー・トリオのいわく付きの作品。何やらこの作品と『Portrait of Wes』(Riverside)はウェスとプロデューサーのオリン・キープニューズの許可なくリリースされたとのこと。ビジネスには揉め事はつきものですが当事者となるのはかなわんですね。彼がヴァーヴに移籍した以降に発売されたそうで、レーベルサイドの諸事情に巻き込まれたのだそうな。この手の話は他でもちらほら聞きますね。

このフォーマットでの吹込みではやっぱり『Boss Guitar』(Riverside)がベストでしょう。B-1は1959年の録音、ジャケットに表記がないのですが、どうやらB-3はジミー・コブがドラムで参加した「ボス・ギター」時のセッションのもののようです。聴き比べた範囲では同様のテイクに聴こえます。とっ散らかった編集盤とはいえさすがにウェス、存在感抜群のカッコいいプレイが最高です。そしてウェスの信頼する相棒、メル・ラインのオルガンはサラッとしておりウェスのギターにマッチしています。

ゴタゴタのある作品でも聴くたびに巧さに唸る名ギタリストであるのは誰もが認めるところでしょうね。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/28(木) 00:17:57|
  2. Guitar
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#467 Gettin' Around/Dexter Gordon (Blue Note)

Dexter Gordon - Gettin’ Around


A
1.Manha de Carnival
2.Who Can I Turn to
3.Heartaches

B
1.Shiny Stockings
2.Evertbody's Somebody's Fool
3.Le Coiffeur

Dexter Gordon (ts) Bobby Hutcherson (vib) Barry Harris (p) Bob Cranshaw (b)
Billy Higgins (ds)

Rec-1965



全くジャズと関係ない話で恐縮ですが、目下一番関心のあるスポーツがサイクル・ロードレースであり、シーズンの開幕を毎年楽しみにしています。ちなみにケイリンではないですよ。最早ダルマのような体型に成り果ててしまった小生ですが、昔はトライアスロンの大会に出たことが数回あります。成績は語れるようなものを残せていませんし、リザルトを後ろから辿れば早く確認できる程度の実力です。そんななか練習の一環としてロードレースの試合にも出たことが数度ありました。鈴鹿サーキットや伊豆の修善寺の競輪学校内にあるサイクルスポーツセンターを走ったことがあります。修善寺にはビギナーにとっては凄いバンクがあってかなりのダメージを負ったことを思い出します。

今年も初戦のツアー・オブ・カタールが開幕し先日テレビで中継があり、相変わらずの熱いレースに釘付けになっています。ふとロードレーサー・バイクがジャケットになったジャズ作品はあるのか気になったのですがあまりに対象が無尽蔵で探していて早々に音を上げてしまいました。そんな時思い出したのがこの一枚。この自転車たちいい味出していますね。昔は日本にも荷台やスタンドがごついタイプがたくさん走っていましたが、いつのまにか見かける事もなくなってしまいました。

そんなデクスター・ゴードンのこの作品は寛ぎに満ち溢れた優雅なサウンドが印象的なクインテット。ボビー・ハッチャーソンもこの時期の作品に見られるテンションの高さは影を潜めリラックスしたように感じられる演奏が微笑ましい内容になっています。A-1あたりはブルーノートの中でも名曲扱いされているのではないでしょうか。個人的好みはA-3とB-3。バリー・ハリスの軽く飛び跳ねるようなピアノがいい感じです。そしてビリー・ヒギンズのスネアのリムがコツコツいうドラムも良い雰囲気です。

神経をすり減らせるような演奏も欲しますが、安心感のある演奏もたまには聴きたくなるのです。

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  1. 2008/02/27(水) 00:09:57|
  2. Tenor Sax
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#466 The Source/Kendrick Scott Oracle (World Culture Music-CD)

Kendrick Scott Oracle


1.View From Above
2.Mantra
3.107 Steps
4.Search for Noesis
5.Journey
6.VCB
7.Memory's Wavering Echo
8.View From Above (Reprise)
9.The Source
10.Psalm
11.Retrospect

Kendrick A.D. Scott (ds,voice→2,9,11) Walter Smith III (ts→2,3,7,9)
Seamus Blake (ts→1,5,10) Myron Walden (as→1,7,ss→2,3,9,b-cl→3,7,11)
Mike Moreno (g→1,4,5,6,7,11) Lionel Loueke (g→2,3) Lage Lund (g→6,7,9,10)
Aaron Parks (p→1,3,5,8,9,10,el-p→2,6,7,11) Robert Glasper (p→2,el-p→9)
Derrick Hodge (b→1,3,7,9,10,el-b→2,6,11) Gretchen Parlato (voice→5)

Rec-2006



ただ今時間をかけて受け入れ中の作品。これは直情的な私にとって、一聴してすぐ結論付けるような簡単に理解出来るアルバムではありませんでしたが、この作品のスケールの大きさとアレンジの奥深さが聴く度に溶け出してくる感覚を味わっています。とても魅力的なミュージシャンが多数参加しているのですぐ手に取ったのですが、凡耳でこの音楽を掴むのはまだまだ時間が掛かりそうです。ついでにパーソネルの入れ替えが多岐に亘っておりライナー通りに上記に表記しましたが、曲ごとの付け合せも結構大変です。

ドラマー、ケンドリック・スコットの主宰するレーベル「ワールド・カルチャー・ミュージック」の第一弾アルバム。このレーベルからはこの作品にも起用されているギタリスト、マイク・モレーノの作品『Between the Lines』もリリースされており、モレーノの魅力溢れる一面が切り取られた優れたアルバムでした。スコットは今月リリースされたクリスクロス・レーベルの新譜4枚のうちウォルト・ワイスコフとダニー・グリセットのセッションにも参加しており、順調に録音を重ねているようで今後も楽しみです。

11曲の殆どをスコットのオリジナルが占めていますが、3曲目にビョークの曲を取り上げています。アルバム・トータルで簡単に云えばダークに沈み込むミステリアスな曲が多いですがその表現力の豊かさには感嘆します。派手さを披露するだけが音楽ではないことをこのサウンドは示しており、7曲目などは荘厳さも漂わせ彼らの意欲的な姿勢を感じさせます。5曲目にはなかなか上手い女性ヴォーカルをフィーチュアし、アーロン・パークスのピアノとシーマス・ブレイクのテナーと絡む様は素晴らしいです。

自分にとってこの作品は媚薬的要素があり繰り返し聴かされる不思議な威力があります。その質は一発お気に入り確定盤とは違い、常に新たな発見を求める為の欲求を掻きたてられる神秘盤という位置付けです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/26(火) 00:11:04|
  2. Drums
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#465 I'm Shooting High/Gildo Mahones (Prestige)

Gildo Mahones


A
1.Water Blues Fall
2.Good Morning Heartache
3.The Sweetest Sounds
4.Stormy Monday Blues

B
1.I'm Shooting High
2.Bal Ha'i
3.Tales of Brooklyn
4.Hey Girl

Side-A

Gildo Mahones (p) George Tucker (b) Jimmy Smith (ds)

B-1,B-2

Gildo Mahones (p) Larry Young (org) Peck Morrison (b) Oliver Jackson (ds)

B-3

Gildo Mahones (p) Leo Wright (as) Kenny Burrell (g) George Tucker (b)
Jimmy Smith (ds)

B-4

Gildo Mahones (p) George Tucker (b) Jimmy Smith (ds) Ozzie Beck (vo)

Rec-1963



このアルバムのA面を伏せられて聴かされたら、駄耳の自分は確実にレッド・ガーランドと答えると思います。私が云うことに説得力も何もありませんがソックリに聴こえます。音質はもちろん、特にブロック・コードなどは錯覚に陥ります。そもそもギルド・マホネスの名前が脳裏に浮かぶのは至難の業ですが。

この作品はPR-16004としてリリースされているのですが、1964年の録音も収録されている2枚組の『The Great Guild/Guild Mahones Soulful Piano』(PR-7339)と結構内容が重複しています。個人的にはこのアルバムのほうが後発ではないかと思っていたのですが、どうやらコレが彼のデビュー作であるようです。彼は1948年から活動しており、途中3年ほど兵役に捕られていますがレスター・ヤングとの仕事で名を挙げたそうです。ということは結構遅咲きの初リーダー作ということになりますね。オジー・カデナのプロデュースです。

A面のトリオはマホネスの良く転がるピアノが満開状態で、程よいアーシーさも一興です。その分B面でのアプローチが面白く映ります。B-1,B-2はラリー・ヤングのオルガンを伴奏のみに使うという贅沢さ。オルガンが加わると音圧に深みが出ますね。B-3は唯一管と弦を加えたクインテットになっています。これも加わった二人がソロを執るわけではなく、サウンドに彩りを添えるような役割に徹しています。B-4はマホネス・トリオの演奏に載せてジョニー・ハートマン張りのヴォーカルが「バイバイ・ベイビー」とリフレインするだけの妙なトラック。コレは果たして成功しているのだろうか疑問の残る曲となっています。

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  1. 2008/02/25(月) 01:02:20|
  2. Piano
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#464 Well-Tempered Alto Saxophone Suite, "Partita's-Unfinished"/Kaoru Abe (Nadja)

Kaoru Abe 阿部薫


A
1.α

B
1.β

C
1.γ

D
1.δ

Kaoru Abe (as) 阿部薫

Rec-1973



私のような凡庸な耳の人間にこの音楽を語るのが不可能であるのは判っているのですが、彼が放つ音を無心で繰り返し聴いている。

阿部薫の「彗星パルティータ」。その脇には「未完成」の文字。聴く前には少し気負って構えてしまったけれど、決してただの攻撃的な音楽ではありません。例えば魂の叫びとかそういう難しいことは解らないが、冥想するが如く眼を閉じて無になりながら、阿部のフリー・インプロヴィゼーションの極致を有難く戴いています。

阿部薫は1978年に29歳で夭逝されており、これは没後の1981年に未発表だった作品が陽の目を見たとのこと。「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」と四部に分けられ構築された組曲。2枚組みであるのでジャケの見返しには様々な著名人からの追悼文が捧げられている。ミルフォード・グレイブスやアーサー・ブライス、リー・コニッツ。日本のミュージシャンでは山下洋輔や近藤等則。作家の村上龍や五木寛之。他に坂本龍一や役者の殿山泰司等々。

アルト・サックス一本でここまで表現する凄さには戦慄を覚えます。どの程度まで彼の意とするところを自分が汲み取れているのかは、かなり怪しいのではありますが、必死に食らいつくような姿勢で接するような聴き方でなく、あくまでも自然に対峙して受け止めてみた上で、この演奏の重さを感じ取っているところです。沁みます。

阿部薫をWikiで調べてみたら簡単な略歴が載っていた。ブロバリン98錠を服用して中毒死。ブロムワレリル尿素は簡単に言えば睡眠薬。製薬会社のセールスだった私には複雑な感情が沸いてくる。この手のものの取り扱いの指導にかなりの神経を使っていた過去があるから。

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  1. 2008/02/24(日) 02:37:48|
  2. Japanese
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#463 Something's Coming !/Gary Burton (RCA Victor)

Gary Burton - Something’s Coming !


A
1.On Green Dolphin Street
2.Melanie
3.Careful
4.Six Improvisatory Sketches

B
1.Something's Coming
2.Little Girl Blue
3.Summertime

Gary Burton (vib) Jim Hall (g) Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds)

Rec-1963



極めて感覚的な人間であることを自覚している。ジャズを聴く醍醐味として、例えば奏者のアドリブ等技術的な部分に対して、或いは演奏のバランスやハーモニーに対して、またはアグレッシブなプレイや情感溢れるプレイなどの表現方法に対して、一般的にはそういう部分に多くの注意が払われているのではないかと思うのですが、自分の場合はそれと同等、或いはそれ以上に楽器が放つ音(音質)という部分も重要になってきます。それは単純に自分の好みの音であるか否かだけのことであるのであくまで極私的なことであり、また説明が難しい部分でもあります。

コレはジャズのみならず、自分が楽しんでいるロックもメタルもテクノもフォークもその他諸々もジャンルに関係なく全てに当て嵌まります。テクニックに度肝を抜かして「凄い人がいるもんだ」と圧倒されたりしても、その技術的な凄さを認めつつも放たれる音が好きになれなかったりすることが侭あります。それにより手に取る回数が減ることも。こういう趣向が強いのは聴く側にとっては不幸なことであるのか考えたりすることもあります。その分意識的に聴く物に対して極力選好みを廃するように、何でも聴くように努力をしているつもりではあるのですが、傍からみれば結構偏っているのかもしれませんね。

御託を並べてしまいましたが、ヴァイヴであればゲイリー・バートンの音は当方にとってはまさにツボであります。どんなに優れた他のヴィヴラフォニストでも「音」という聴覚的な意味では彼の右に出るものがいないという、極めて偏執であり感覚的なものが自分を支配します。

このアルバムはギター入りのカルテットで、どちらかというと彼の傾向である品の良さに溢れており、ジム・ホールのギターがそれに拍車をかけます。とは云え結構骨っぽいところもあり、A-2~A-4は難しい曲を上手く解釈し野心的な部分も見えます。A-1,B-1,B-3などのグルーヴ感溢れる曲もありますが、この作品では彼の3作目(オムニバス・セッションを含めると4作目)ということも関係しているのか、デビュー作の『New Vibe Man in Town』(RCA Victor)と比較すれば明らかに新境地を開拓していることが解ります。

近況ではつい先日もチック・コリアとのデュオで、名盤の誉れ高い『Crystal Silence』(ECM)の続編といっていいのか、『New Crystal Silence』(Concord Jazz)がリリースされたばかりと、チックとのコンビも健在でまた美しいハーモニーを披露してくれています。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/23(土) 21:52:36|
  2. Vibraphone
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#462 The Eric Byrd Trio (Foxhaven Records-CD)

The Eric Byrd Trio


1.Taken by Force
2.Another Time, Another Place
3.Fall of Night
4.Goldie
5.Under a Blanket of Blue
6.Maybe Baby (for Emmanuelle)
7.The Chant
8.When You're Smiling (The Whole World Smiles With You)
9.A WMC Autumn (for Dean Marty and Admissions)
10.Jazz Thing (Cool Cool Jazz)
11.Epilogue - Blessed Assurance

Eric Byrd (p) Bhagwan Khalsa (b) Alphonso Young, Jr. (ds)
D-Rhyme (rap→only10) Raphael Taylor (vo→only10) Carl Taylor (vo→only10)

Rec-2001



彼のHPを見ると新譜も出るようである。いや出ているかもしれないので調べてみたら一応3月5日の新譜として『Brother Ray』がHMVのサイトに登録されている。今度のはホーンやらギターやらヴォーカルやらが入っているらしい。結構期待大である。今日取り上げるのはアメリカのローカル・ピアニスト、エリック・バードの2001年のピアノ・トリオ作品。テクニック良しメロディ良しのナイス・アルバム。この作品は自主制作盤ですが国内盤も出ているようです。

いきなり強烈なドラム・ソロから入る一曲目はアーシーさの漂うドライブ感抜群の一品。黒人ならではのスモーキーさが堪らない。何せ曲が素晴らしい。こういう突っ走り気味の曲調は大好物であるのですかさずとり憑かれてしまう。そして微かにラテンタッチが匂う3曲目。好みのツボを刺激されて腑抜けになってしまう。7曲目のノリも捨てがたい。実にポップでタッチも鮮やかなプレイを堪能できます。バラッドも上手い。情感溢れるピアノにアルコ奏法を多用したベースが見事な4曲目や、曲の美しさや擦られるスネアが心地よい8曲目など渋さも光ります。そして沁み入る9曲目、最高です。

そんな中ボーナス・トラック扱いの10曲目はトリオの演奏にのせて何とラップをやっています。何とも違和感がありイカさないコーラスまで入っていて少々苦笑いしてしまう珍品です。最近の作品、特にアメリカからの新譜はラップ&ヒップポップをシンクロさせたりスポークン・ワードを演奏にのせたりと斬新なアプローチが見られこちらもかなり面白がっていますが、フィットするものとしないものはやっぱり出てきてしまいますねぇ。

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  1. 2008/02/22(金) 17:13:45|
  2. Piano
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#461 Twi-Life/Marcus Strickland (Strick Muzik-CD)

Marcus Strickland - Twi-Life


Disc-1
1.Oriental Folk Song
2.The Beast Within Beauty
3.Thump & Cadence
4.An Oasis of Bronze
5.Sesame Street
6.Smoothie
7.Brooklyn Street Fair
8.The Whole Page

Disc-2
1.Majesty
2.Shift
3.Haile Selassie
4.In Faith
5.The Nottage Cottage
6.Moon Ruler
7.Glitch
8.Paradigm
9.Twi-Life

Disc-1 -Marcus Strickland Quartet-

Marcus Strickland (ts,ss) Robert Glasper (p→except1) Vicente Archer (b)
E.J. Strickland (ds)

Rec-2005

Disc-2 -Marcus Strickland "Twi-Life" Group-

Marcus Strickland (ts,reeds) Lage Lund (g) Brad Jones (el-b) E.J. Strickland (ds)

Rec-2006



貪るように聴いている。こういう作品に出遭えたことに感謝。素晴らしい。マーカス・ストリックランドの自身のレーベルStrick Muzikからリリースされた第一弾の二枚組みアルバム。

この作品は二つのセットで収録されており、1枚目はストリックランドのワンホーン・カルテットでロバート・グラスパー・トリオがバックを務めています。2枚目は”トワイライフ・グループ”と銘打ち、ラージュ・ルンドのギターにブラッド・ジョーンズのエレベを加えたカルテット。二つのセットともドラマーは双子のE.J.が担当しています。

1枚目一発目の「Oriental Folk Song」を聴いて只ならぬ雰囲気を感じ取ります。これはグラスパーの抜けたサックス・トリオの演奏で、イントロのヴィセンテ・アーチャーのベース音の塊が飛び出してきた時点でヤラれてしまいました。エモーショナルなテナーに肉厚なベース、そしてテクニカルなドラムとのっけから熱い演奏です。2曲目以降はカルテットで。グラスパーはフレッシュサウンド時代より更なる進化を遂げたブルーノート時代に移ってからのサウンドアプローチを垣間見せ、変な表現ですが彼独特のフロウが効いていて物凄く心地よい。特に5曲目や7曲目あたりにソレが色濃く窺え、5曲目あたりは当方のツボにビンビン来まくります。ストリックランドの技も冴えソプラノの美しさも極まっています。そしてE.J.特有のタイム感覚が存分に満喫できるドラミングが堪らない。ライド・シンバルが耳の奥にまで届きます。

2枚目はガラッと変わってギター入りのカルテット。1曲目は様々なリード楽器を駆使した曲で、独特の深みを出すことに成功しています。2曲目以降はテナーに専念するストリックランドの表現力と、マイルドなサウンドが印象的なラージュ・ルンドのギターのマッチングが好いコクを出しています。ギターとの相乗効果かエレベのサウンドにも違和感がなく浮遊感のあるサウンドに感じられます。ストリックランドが起用するギタリストはマイク・モレーノにしろ気になるプレイヤーが多いので、ラージュ・ルンド名義の作品もチェックしなければならない義務感に駆られてしまいました。E.J.はココでも健在で個性の強いサウンドの多い中、堅実な仕事は力量の大きさを物語ります。

ちなみに第二弾は『Open Reel Deck』(Strick Muzik-2007)で、トワイライト名義のライブになっています。ギタリストをマイク・モレーノに、エレベをカルロス・ヘンダーソンに変更し、ゲストにトランペッターと一曲だけピアノが参加し、スポークン・ワードを大胆に取り入れた斬新なアプローチです。曲によって音源を加工し、まさにオープン・リール・テープを模したような物凄いインパクトです。自己表現が炸裂したこのアルバムも強烈でした。

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  1. 2008/02/21(木) 19:12:34|
  2. Tenor Sax
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#460 Skate Board Park/Joe Farrell (Xanadu)

Joe Farrell


A
1.Skate Board Park
2.Cliche Romance
3.High Wier-"The Aerialist"

B
1.Speak Low
2.You Go to My Head
3.Bara-Bara

Joe Farrell (ts) Chick Corea (p,el-p) Bob Magnusson (b) Lawrence Marable (ds)

Rec-1979



世の中には未だ聴いたことのない音楽(ジャズに限らず)がゴマンと眠っておりそれら全てに接することは当たり前ですが不可能であるので、聴いてみて気に入ったもの、偶然目に付いて興味を持ったもの等々から接しているのが実情ですよね。自分の嗅覚で探していく楽しみはもちろんのことですが、紹介して戴けた物を探す楽しみというものもあります。後者は自分の趣向が廃されるケースも多いので思わぬ発見をすることが侭あって実に楽しいです。この作品はいつも拙ブログにコメントを寄せて頂き大変お世話になっているSonnyさんが以前「ジャズ批評」の「ジャケ買い」の号で取り上げられた三枚のうちの一枚がこのアルバムでした。知ってはいたのですが今まで縁のなかった一枚です。

その三枚(他に『Ramila the Dancer/Norman Simmons』-Spotlite, 『Do it Now, Worry About it Later/Clifford Coulter』-Impulse)は、すべて手元にないものであったので色々探すのに手を尽くしていましたが先日都内でコレを発見、うまい具合にゲットできました。

ジョー・ファレルのワンホーン・アルバム。ファレルのオリジナルがA-1,A-2,B-3、チックのオリジナルがA-3となっており、メロディが印象に残るナンバーばかりです。B-1,B-2は御馴染みの曲ですね。繰り返し聴いていて思ったのはドライブ感の素晴らしさ。特にB-1は最高です。この作品のベーシストを当方は知らなかったのですがグングンと引っ張っていくベースで爽快です。それに乗って繰り出されるファレルのテナーは小気味良く、チックの跳ねるようなピアノやエレピに相まって気分が高揚します。そしてローレンス・マラブルのいぶし銀のドラムも効いています。A-2,B-2に比較的スローな曲を持って来ているのですがこういった曲調のものも聴かせます。B-2のファレルの音色はうっとりします。一番好きな曲はチックがエレピを駆使するB-3かな。

ちなみにカバーもプロデューサーのドン・シュリッテンが手掛けているんですね。シムズやサンタクルズのボードを持ったアンちゃん達の中にムサい風貌のファレルが突っ立っています。足元にはスケボーが。確かに凄いインパクトのジャケットですなぁ。



お知らせ:現在コメント、TBを承認制にしております。ご了承賜りますよう宜しくお願い致します。事後報告になりご迷惑お掛けしました。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/20(水) 00:23:08|
  2. Tenor Sax
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#459 Native Dancer/Wayne Shorter (Columbia)

Wayne Shorter - Native Dancer


A
1.Ponta de Areia
2.Beauty and the Beast
3.Tarde
4.Miracle of the Fishes

B
1.Diana
2.From the Lonely Afternoon
3.Ana Maria
4.Lilia
5.Joanna's Theme

Wayne Shorter (ss→A-1,A-2,B-5,ts→A-3,A-4,ts,p→B-1~B-3,ss,p→B-4)
Herbie Hancock (p→A-1,A-2,B-5,el-p→A-3,B-3)
Wagner Tiso (el-p,org→A-1,A-4,el-p→A-2,B-2,B-5,org→A-3,B-3,b→B-4)
David Amaro (g→A-3,A-4,B-2,B-3,B-5) Jay Graydon (g→A-1,b→A-2)
Dave McDaniel (b→A-1,A-3,A-4,B-1~B-3,B-5)
Roberto Silva (d→A-1~A-4,B-4,perc→B-1~B-3,B-5)
Airto Moreira (perc→A-4,B-1,B-3,B-4) Milton Nascimento (vo,g→A-1,A-3,A-4,B-2,B-4)

Rec-1974



ジャズ界では確固たる実力と活躍を見せつけているウェイン・ショーターですが、このあたりの作品はどういう形で接しておられるのかちょっと気になるところです。同列で楽しまれているのか、敢えてスルーなのか。かく云う私はこれが好きなんです。コレをジャズといってイイのかどうかは良く判りませんが、この音楽の持つ温もりというか肌触りというか、琴線をくすぐられます。そういえばハンコックもショーターもこの時代は大きな変貌をしていましたね。

このアルバムが自分にとって特別であるのはB-1の存在。例によってAMラジオで20年ぐらい前に聴きました。その不思議な楽調に吸い込まれそうになったのを覚えています。エレピにギター、心地よいパーカッション。そしてヴォーカル。ショーターはもちろん、ミルトン・ナシメントとアイアート・モレイラの存在がとてつもなく大きい作品です。

この作品の位置づけを検証する為、いろいろ既出の資料を見ていて何となく判ったような気分になる。ショーター名義で見ればこのアルバムは『Odyssey of Iska』(Blue Note-1970)から4年ぶりということになるのですが、1974年はウェザーリポート(WR)の真っ只中でした。この作品のキーマンの一人、アイアート・モレイラはウェザーリポートのデビュー作にも参加しています。そして次作のリーダー作は『Atlantis』(SME-1985)ということなので11年後ということになります。WRの最終作とほぼ一致する年となるんですね。WRの活動期間は1970~1986年。ということはWR活動時の数少ないリーダー作ということになるようです。WRの期間にはサイドでもハンコックはもちろん、もうひとつの活動の場V.S.O.P.や、スティーリー・ダンやジョニ・ミッチェル、サンタナ辺りの作品にまでも顔を出していますし、まさに八面六臂の活躍です。

そしてこのアルバムはショーター夫人(アナ・マリア・ショーター)の薦めによってミルトン・ナシメントとの共演が実現との記述が。奥方がブラジル人だということも恥ずかしながら初めて知りました。ちなみにこのアルバムをブラジリアン・フュージョンと表現している。そうか、確かに解り易いかも。

しかしながら中波でこのあたりの作品をBGMならまだしも一曲流すということはもはや望みようもないようです。エアチェックなんてのも既に死語になっていますしね。でもこういうアナクロな手法を自分が好んでいることを自覚しており、そういう手法からなかなか脱却出来ないのは自分が古臭い人間であるということを物語っていますなぁ。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/19(火) 00:19:42|
  2. Soprano Sax, Baritone Sax
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#458 Dolce Far Niente ...i Nic Wiecej/Nahorny Trio (Confiteor-CD)

Nahorny Trio


1.Dolce Far Niente i Nic Wiecej
2.Jej Portret
3.Czas Rozpalic Piec
4.Pytam Zimowych Gwiazd
5.Ksiezyc Nad Koscieliskiem
6.Nieposluszne Dzieci
7.Aura i Filon
8.Zymaza
9.Wam Jest do Smiechu, Mnie Nie
10.Mily Jesienny Wieczor
11.Ulula
12.Chopin Genius Loci

Wlodzimierz Nahorny (p) Mariusz Bogdanowicz (b) Piotr Biskupski (ds)

Rec-2000



ココ十数年のジャズのアルバムを、本やらウェブやらで色々と物色していると気になるものに引っ掛かるのは自然の流れかと思うのですが、この作品はところどころでちょくちょく紹介されており、果たしてどんなものかと思い描いていました。ポーランドのウラジミールス・ナホルニーのピアノ・トリオ作品。自分が聴いたことがあるのはこの作品のみですので他の内容は判りませんが、彼のキャリアは長いようで67年にサックスのみをプレイした『Heart』という作品もポーランドのレーベルのMuzaに残しているようです。おそらくどちらが本業とか云う次元で語るものでは全く無く、当たり前ではあるのですが余暇で演るピアノなどというチョロイ代物ではありませんでした。

音はいかにもヨーロッパらしくクリアであるため、この時点で聴き手を峻別することは致し方ない部分になるでしょうか。雑味のない透明感のある音ですがガンガンと押しの強いパワフルな演奏で迫る曲もあり、またエモーショナルなプレイも見られるバランスのよい配置がされた構成になっています。クラシカルなアプローチも多く見られ、音のゴージャスさのみが先行する訳ではなく、その中に含有されるピアノのアタックの強さが快感を呼び起こします。それに相まって派手めなサウンドのドラムと流麗なベースが壮大な世界を創出します。

7曲目と12曲目以外は彼のオリジナルで、ポーランド語で書かれたタイトル群は曲によっては英語のタイトルも付記されていて、その意味が把握できるものも含まれています。彼の作曲能力は素晴らしく、そこで弾かれるメロディは聴後に印象に残ります。後を引く美味しさのある作品でした。

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  1. 2008/02/18(月) 00:14:21|
  2. Piano
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#457 At the Frankfurt Jazz Festival/Phil Woods and His European Rhythm Machine (Embryo)

Phil Woods - At the Frankfurt


A
1.Freedom Jazz Dance
2.Ode a Jean-Louis

B
1.Josua
2.The Meeting

Phil Woods (as) Gordon Beck (p,el-p) Henri Texier (b) Daniel Humair (ds)

Rec-1970



こういうスピード感溢れるジャズは聴いていて気持ちいい。フィル・ウッズのヨーロピアン・リズム・マシーンでのライブ作品。ジャズ・マシーン・シリーズはどれもアグレッシブなウッズが楽しめるので大好きなものが沢山ありますが、個人的には今のところはコレを筆頭に推したい内容も大変充実したアルバムです。そういえばジャパニーズ・リズム・マシーンや2000年の作品にはイタリアン・リズム・マシーンなんてのもあるようです。

この作品の豪快さを何と表現したらいいのか。A-1の、のっけからウッズの歪んだアルトがバリバリ吹きまくられる様を聴くと、すぐにこのアルバムの輪郭を捉えることが容易です。とにかく疾走しまくるジャズが楽しめる、ハードなライブ好きには堪らない内容であることがすぐに確信出来ます。

このフランクフルトのジャズ・フェスではピアノにゴードン・ベックが起用されています。ヨーロピアン・リズム・マシーン名義では、ピアノはジョルジュ・グルンツが務める作品が多いので、ゴードン・ベック好きには見逃せない作品になっており、弾きまくられる彼のピアノやエレピはスリリングで充実度も満点です。そしてリズムはお馴染みアンリ・テキシェとダニエル・ユメール。ハードなドラムと演奏にウネリをもたらすベースは素晴らしく、鋭利な刃物のような演奏を体現しており生温さを感じさせないテンションの高い引き締まったプレイに満足します。

フィル・ウッズに関してもご多分に漏れず近年モノを聴けていない状態で、彼をトータルに捉えるには程遠い状況であるのですが、パワフルな演奏好きとしては何とか追っかけていきたいアーティストです。といいつつ彼のHPでディスコを確認し、あまりの膨大な演奏歴にただただ絶句するのでした。そのキャリア、素晴らしすぎます。

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  1. 2008/02/17(日) 14:52:02|
  2. Alto Sax
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#456 Give/The Bad Plus (Columbia-CD)

The Bad Plus - Give


1.1979 Semi-Finalist
2.Cheney Pinata
3.Street Woman
4.And Here We Test Our Powers of Observation
5.Frog and Toad
6.Velouria
7.Layin' a Strip for the Higher-Self State Line
8.Do Your Sums-Die Like a Dog-Play for Home
9.Dirty Blonde
10.Neptune (The Planet)
11.Iron Man

-The Bad Plus-

Ethan Iverson (p) Reid Anderson (b) David King (ds)

Rec-2003



彼らがやってくる。しかももうすぐである。観たい。是非観たいが無理な状況である。悲しい。次は何時なの?私の知っている範囲では、ブルー・ノート東京で19日20日と、モーション・ブルー・ヨコハマで21日に公演があるようです。

絶対にジャズの客層と違うような気がする。自分がもし観れるのであるならロックを観に行く感覚で行くと思う。それこそ頭フリフリ、ひょっとしたら拳を振り上げるかもしれない。大げさかもしれないが、場所に拠ったらダイブやモッシュがあってもおかしくないような感じを彼らの演奏から想像してしまう。真っ当なジャズ・ファンからは邪道扱いなのかもしれない彼らのサウンドは自分にとっては刺激的であるので、ダレが云ったか「正しいジャズ・ファン」というものには一生なれないのは明白だと自覚する。

近作の『Prog』(EmArcy)を未だ聴けていないので今日は4年ほど前のこの作品を楽しんでいます。彼らの面白さはタテノリのオリジナルはもちろん、拝借してくる楽曲の奇抜さ。この作品でもUSオルタナティブ・ロックの6曲目のピクシーズ(Pixies)、メタルの大御所11曲目のブラックサバス(Black Sabbath)などなど。3曲目はオーネット・コールマンの曲だし。その独自の解釈に圧倒されます。どうやってもこのピアノ、ベース、ドラムをジャズ的な感覚で聴けない。轟音ピアノ・トリオとはよく云ったもので、イーサン・アイヴァーソンのピアノもそうだけど、リード・アンダーソンの弦を引きちぎるが如きベースに、機関銃の如き連射されるデヴィッド・キングのドラム。アナザー・ワークにも同質のバンドがあり、デヴィッド・キング率いる「Happy Apple」はバッド・プラスと並列で聴くと面白いです。

こういう発達系の音楽に対してはアリだと自分は思っていますが賛否の起き易い素材ではあるでしょうね。異ジャンルを好む若い世代のファンが取り込まれる可能性が高そうなバンドです。

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  1. 2008/02/16(土) 22:28:27|
  2. Combo
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#455 Open Strings/Jean-Luc Ponty Experience (MPS)

Jean-Luc Ponty Experience


A
1.Flipping, Part 1
2.Flipping, Part 2
3.Flipping, Part 3

B
1.Open Strings
2.Sad Ballad

Jean-Luc Ponty (vin) Joachim Kuhn (p) Philip Catherine (g)
Peter Warren (b) Oliver Johnson (ds)

Rec-1971



シリアスに攻めるサウンドが印象的なアルバム。ジャン・リュック・ポンティのエクスペリエンス名義の作品。

自分にとってのジャズ・ヴァイオリニストといえば、貧弱なリスニング経験であるので数があまり挙がってこないのだけれど、先ずはステファン・グラッペリで、続くのが大好きなスタッフ・スミス、そしてこのジャン・リュック・ポンティ。それと現在活躍している日本の寺井尚子ぐらいしか頭に浮かんでこない。グラッペリやスタッフ・スミスの音楽にジャズの楽しさを感じるけれど、ポンティはどちらかというとフリーのスタイルが持ち味の革新的なスタイリストであるという認識です。多作家であるのに当方が70年代前後の数枚しか聴けていない為、このような認識で固着しているのですが、後年のアトランティック時代のポンティにはヒット作があるそうで、体験すれば違った印象になるのかもしれません。この年代のものを聴いていると、全く違うジャンルですが演奏の姿勢という意味に於いて、クラブ系で活躍するヴァイオリニストの金原千恵子のようなスタイルを思い出してしまいます。

さてこの作品。先ずジャケットからジャズっぽくないですが、フリーの要素が強い作品になっております。この作品に参加しているピアニストのヨアヒム・キューンのアルバムを聴いたことのある方なら想像し易いサウンドになっているといっていいかもしれません。全体的に体の内側をえぐってくるようなサウンドです。敢えて掻き毟られるという表現を使いますが、ポンティのヴァイオリンはそんな感じに聴こえます。A-1は繰り返されるリフが印象的。A-2はキャテリーンのエレキ・ギターがサウンドに幅を持たせます。A-3はヴァイオリンを指でピッキングしているのか、その後に出てくるキャテリーンのハードなソロがあります。タイトル曲のB-1は長尺の実験的な作品。B-2もダークに迫ってきます。

どちらかというと自分にとっては消化するのが難しい作品ですが、奏者の緊張感も伝わってくるようなヒンヤリとした冷たさが漂った作品でした。

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  1. 2008/02/15(金) 23:12:20|
  2. Flute, Clarinet, Tuba, Violin, etc
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#454 O Som/Meirelles e os Copa 5 (Philips)

Meirelles e os Copa 5


A
1.Quintessencia
2.Solitude
3.Blue Bottle's

B
1.Nordeste
2.Contemplacao
3.Tania

J.T. Meirelles (ts,fl) Pedro Paulo (tp) Luiz Carlos Vinhas (p)
Manoel Gusmao (b) Dom Um Romao (ds)

Rec-1964



カモがネギ背負ったような人間である。限定盤に弱い。ましてやビニールである。コスト・パフォーマンスが悪いことを承知であるのに気になってしまう。CDが出ているのにLPで買ってしまう。あまり執着していないつもりでも、並べられて「どっち?」と迫られるとデカい方に手が伸びてしまう。困ったものである。購入後に必ず思う。なーにやってるの、と。

そしてユニバーサルの抱えているレーベルが当方の泣き所である。ツボを刺激しまくる。無性に気になるのが悔しい。そして欲求を抑えられず撃沈する。まーたいつものパターンか。

冗談はさておきこのアルバム。昨年の暮れだったかLP5枚、EP1枚がユニバーサルより再発された中の一枚。一番の狙いは「ラルス・ガリン&オキ・ペルソン」のフィリップス盤だったけれど、音に関して予想が付かないのがこのアルバムだけ。他のスタファン・アベリーン、ダイアモンド・ファイヴ、ユセフ・ラティーフは大体今までの作品である程度の想像は出来ました。

ジャズ・サンバの金字塔なる惹句からサンバ色がかなり強い陽気なものと構えて聴いてみたら、カッコいいモダンなジャズではないか!と嬉しいほうに予想が外れた。なかなかやるぞブラジルのミュージシャン。控えめにサンバのリズムを刻んでいるけれどアプローチは至って真っ当なジャズ。J.T.メイレレスのテナーにペドロ・パウロの派手さはないがクールに奏でられるペットが絡む聴かせる内容で、ルイス・カルロス・ヴィーニャスのピアノも軽快です。マノエル・グスマンの安定したベースにコツコツとリム・ショットが心地よいドン・ウン・ホマォンのドラムが響きます。

感情を上手くコントロールした演奏はカッチリと極まっており、とりたててサンバを強調するような手法には思えず、抑制の効いたカッコよさが味わえるまずまずの内容でした。過度の先入観を捨てて接すれば上質な演奏を率直に吸収できるかと思われます。ちなみに彼ら、メイレレス・イ・オス・コパ・シンコは結構作品があり近年もリリースしているようです。

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  1. 2008/02/14(木) 02:17:12|
  2. Combo
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#453 The Little Giant/Johnny Griffin (Jazzland)

Johnny Griffin - Little Giant


A
1.Olive Refractions
2.The Message
3.Lonely One

B
1.63rd Street Theme
2.Playmates
3.Venun and the Moon

Johnny Griffin (ts) Blue Mitchell (tp→exceptA-3) Julian Priester (tb→exceptA-3)
Wynton Kelly (p→exceptA-3) Sam Jones (b) Albert Heath (ds)

Rec-1959



このアルバムを原体験したのはかなり早く、高校生になるあたりだったかと思う。一曲目に飛び出してくる音塊にひっくり返りこれぞモダン・ジャズ!と快哉を叫んだもの今は昔。アレから数十年。いまだにあの感動を引きずる事の出来る内容と、このサウンドの圧倒的存在感は薄れません。懐かしくもあり興奮も甦る数少ない作品になっています。

それまで聴いてきたスウィングやディキシーにはない音圧に吹っ飛び、まさにジャイアント!と納得する分厚さに痺れ、コルトレーンに慣れずにモダン・ジャズの入り口をうろつく小生の腕を引っ張った張本人がジョニー・グリフィンその人であります。これぞホーン!と断言できるダイナミズムにやられっぱなして全身に戦慄が走ることうけあいの一品。豪快なサウンドから突如顔を出すウィントン・ケリーの効き目は格別で、鼻の穴も広がりっぱなしでダラシなくなります。ジャズに浴びせ倒しを食らった様な感覚に陥ることはそうそうあるものじゃありません。

しつこいですが、どこを切ってもダイナミックなサウンドで力が入りまくります。編成が比較的大きくてもグリフィンはもちろん、ブルー・ミッチェルとジュリアン・プリースターもここまでスケールが大きかったのかと思わずにはいられないプレイぶりです。全6曲のうち、唯一A-3のみがピアノレス・トリオになっており、ここでもグリフィンのテナーは豪放且つ艶かしく、サム・ジョーンズとアル・ヒースのリズムのカッコ良さも最高潮です。全てのプレイヤーがキレまくっている怒涛の迫力盤です。

全くの余談ですが、このグリフィンのジャケを見ているとアルト奏者のマルタ氏(丸田良昭氏)を思い出すのは私だけでしょうか。

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  1. 2008/02/13(水) 00:16:50|
  2. Tenor Sax
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#452 On the Loose/Sharp Nine Class of 2001 (Sharp Nine-CD)

Sharp Nine Class of 2001


1.I Want More
2.Dedicated to Dad
3.Billy
4.For Fewer Words
5.Reassurance
6.The Quota
7.All is Not Lost
8.Bird Lives

Jeremy Pelt (tp) Marcus Strickland (ts,ss) Julius Tolentino (as)
Jeb Patton (p) Brandon Owens (b) E.J. Strickland (ds)

Rec-2000



最近若いミュージシャンの元気なジャズから沢山の活力を貰っています。もちろん自分にフィットする、しないの差異が生じるのは仕方のないことですが、新たにリリースされる新譜を聴くのが楽しく、その上で好みのプレイが飛び出してくれば小躍りして喜びます。

それと同時に気になったアーティストの関連作を追っかけていくのも実に楽しいです。どんどん派生して新たなミュージシャンを発見するのが何よりも嬉しいです。何度も触れていますが自分にとっては割と最近までジャズに対して十数年のブランクがありました。本質的には録音順に楽しむのが本筋であろうかと思いますが、逆に最近知った素晴らしいミュージシャンの足跡を遡って辿れるのは自分の特権であり、メリットがあると前向きに考えるようにしています。ただこの件もしつこく触れたのですが、なかなかCDが手に入らないという側面もあって往生するのですが、まぁ気長に向き合おうと思えば苦にもならずに逆に探す楽しみにも変えられます。

コレも結構手元に来るのに時間のかかった一枚。その分聴ける喜びもひとしおです。ストリックランド兄弟とジェレミー・ペルトが入っているので期待していました。マーカス・ストリックランド名義のアルバムを4枚ほど聴きましたが、年々表現方法を変遷させ近年の作品では斬新なアプローチを築いているので8年ほど遡ったこのアルバムの演奏を注目していました。リーダー作の『At Last』(Fresh Sound New Talent-2000)と同年の録音で、この作品でも参加のベースのブランドン・オーウェンズも名を連ねています。またジェレミー・ペルトのリーダー作に関してはMaxjazzの3枚のみを体験しており、ストリングス入りでヴァイオリンの大倉めぐみも参加したゴージャスな『To My Heart』(2003)、ストレート・アヘッドなものと軽いエフェクト効果でスパイスを効かせた『Identity』(2005)、エレクトリックでハードに迫るライブ『Shock Value : Live at Smoke』(2007)とヴァラエティに富んだ充実した内容が見られました。もちろんサイドで参加しているアルバムも良いものが多かったので期待は高まります。

シャープ・ナインに吹き込まれたこのセクステットは、近年の上記の作品に比べれば萌芽のような初々しいストレートなジャズが聴かれるので実に微笑ましく、一所懸命に取り組む若者の姿がダブり好感が持てます。ソロも奇を衒わずストレートに表現され活きの良さは瑞々しく輝いています。演奏のバランスもよく考えながらプレイしているようなそんな雰囲気。真摯に格闘する若者達の姿が上手く切り取られた佳作でした。立ち位置をココに定めて眺めてみれば、今現在彼らが求めている表現方法に新たな感慨が生まれます。さらにスタイルを磨いていって新たなる変貌を期待せずにおれない頼もしさを彼らには感じます。

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  1. 2008/02/12(火) 18:45:41|
  2. Combo
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#451 Kid Ory the Great New Orleans Trombonist (Columbia)

Kid Ory


A
1.Tiger Rag
2.Bucket Got a Hole in it
3.Eh, la Bas
4.Joshua Fit de Battle of Jericho
5.The World's Jazz Crazy, Lawdy so I am
6.Farewell to Storyville
7.Creole Bo Bo
8.Bill Bailey Won't You Please Come Home

B
1.Savoy Blues
2.Creole Song
3.The Glory of Love
4.Mahogany Hall Stomp
5.Blues for Jimmie
6.At a Georgia Camp Meeting
7.Go Back Where You Stayed Last Night
8.Yaaka Hula Hickie Dula

Side-A

Kid Ory (tb,vo) Mutt Carey (tp) Barney Bigard (cl) Buster Wilson (p)
Bd Scott (g,vo) Ed Garland (b) Minor Hall (ds) Helen Andrews (vo)

Rec-1946

Side-B

Kid Ory (tb) Teddy Buckner (tp) Joe Darensbourg (cl) Lloyd Glenn (p)
Julian Davidson (g→onlyB-1,B-3,B-4,B-6) Eddie Scrivanek (g→onlyB-2,B-5,B-7,B-8)
Morty Corb (b) Minor Hall (ds) Lee Sapphire (vo)

Rec-1950



久しぶりにニュー・オーリンズ・ジャズを。大好きなアルバム。本当に久しぶりに聴いて非常に満足しました。やっぱりいいなぁ。録音年代から鑑みれば二つのセットの録音を、期間も4年ほど離れているセッションですのでそれらを後付けでカップリングしリリースしたと考えるのが妥当なようです。この体裁での初出かどうかは判りませんが。通して聴いてみても違和感のない統一されたサウンドに脱帽です。

トロンボーン奏者、キッド・オリーが中心となったバンド。このスタイルではジャック・ティーガーデンと双璧の大好きなトロンボニスト。とにかくニュー・オーリンズ・スタイルの楽しさ、トロンボーンの豪放さが味わえる名盤だと思います。ハイライトはやっぱり冒頭を飾る「タイガー・ラグ」だと思います。突進するかのようなリズムが素晴らしい。定番のトランペットにクラリネットを加えたスタイルは小気味良いリズムを刻みながらゴキゲンな音空間を作り出します。曲によりこれまた定番のヴォーカルをフィーチュアしA面はオリーを含むヴォーカルが、B面はまた別のヴォーカリストが盛り上げます。豪快さと哀愁を併せ持つ16曲にシミジミします。

ディキシーを好む層に若い方が少ないのは仕方がない事なのでしょうね。思うにこれらのジャズとモダン・ジャズを分け隔てなく楽しむ自分のようなものも少数のようです。バップとフリーの比較などとは比べ物にならないぐらい両者には大きな垣根があるような気がします。確かに同じジャズでありながら演奏スタイルは勿論、コンセプトも全く違うのでやむを得ないのかもしれません。モダンに醍醐味を見出す方からすればディキシーやスウィングなどはアドリブという意味でのスリリングさを求めるには物足りないでしょうし、ひょっとしたら全て同じように聴こえてしまうかもしれませんねぇ。肝心なことですがトラッド・ジャズに関しては最早商売にもならないと見え、復刻も殆ど進まなければ触れる機会も当然少なくなる訳で、ファンになる方も縮小していくのは自明ですからね。オールド・スタイルも贔屓にするオッサンとしては寂しい思いをしております。

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  1. 2008/02/11(月) 00:22:30|
  2. Dixie, Swing, Trad, New Orleans
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#450 Man From Two Worlds/Chico Hamilton (Impulse)

Chico Hamilton - Man From Two Worlds


A
1.Man From Two Worlds
2.Blues Medley : a) Little Sister's Dance, b) Shade Tree, c) Island Blue
3.Forest Flower - Sunrise
4.Forest Flower - Sunset

B
1.Child's Play
2.Blues for O.T.
3.Mallet Dance
4.Long Song to a Baby

Chico Hamilton (ds) Charles Lloyd (ts,fl) Gabor Szabo (b) Albert Stinson (ds)

Rec-1963



久しぶりにCiscoのサイトを徘徊していたら、チコ・ハミルトンがチャート・インしていたのでのけぞってしまった。ジャズ絡みのサンプリングものがチャートに入るのは何も珍しいことではないけれどCiscoのサイトで見るとエラく違和感があるのは自分だけだろうか。普通にマイルスやコルトレーンのジャズの作品とかも扱っているんですけどね。

なにやら「Mysterious Maiden」という曲は1980年の『Nomad』というアルバムに収録されているそうなのですが、当方は全く知らない作品でした。聴いてみるとえらくポップな仕上がりで、まぁ主にDJがクラブで使用するサンプリングされたものなので当然ではあるのですが、ちょっと気に入ってしまった。そんな感じでチコ・ハミルトンに気をとられていたら自分も聴きたくなったので今日はコレを聴いてみる。

チコ・ハミルトンに関しては過去に数枚取り上げていて、その度に苦手だと書いたような記憶がある。言葉足らずだったのかもしれないけれど自分の苦手なチコはパシフィックのアルバムに集中していて、それはいかにも室内楽然とした体裁が気に入らず自分にとっては退屈になる印象のものが多かった為です。このアルバムのようにインパルスの諸作などは結構好きだったりします。なんといっても一癖も二癖もあるメンバーが宜しいではないですか。

いきなりゴリッとした音が飛び出してくるアルバート・スティンソンのベースからしてパシフィックとの違いが明確です。そしてロイドの癖のあるテナーはもちろんですが、何と言ってもガボール・ザボのペッキペキのギターがこのサウンドの肝を担っています。インパルスに沢山の作品を残したザボですが、それらの作品に通ずる期待を裏切らないいつものサウンドが出てきて嬉しくなってしまいます。このメンバーですのでチコのプレイも明確で、飄々としたコミカルな楽曲も上手く纏めています。A-3,A-4にはロイドの代表作もプレイされていて本家のアルバムにも負けない味わい深い演奏です。

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  1. 2008/02/10(日) 00:09:08|
  2. Drums
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#449 Kiso/Akira Miyazawa (Victor-CD)

Akira Miyazawa - Kiso


1.Kiso 木曽
2.Asama 浅間
3.Hakuba 白馬
4.Hida 飛騨

Akira Miyazawa 宮沢昭 (ts,fl) Satou Masahiko 佐藤允彦 (p) Yasuo Arakawa 荒川康男 (b)
Takeo Moriyama 森山威男 (ds)

Rec-1970



中古の値段は需要と供給のバランスによって変動するのは重々承知の助ですが、一昔前の稀少な和ジャズレコードへの価格設定はひっくり返るような値付けがされており、最早笑うしかない状態になっておりますね。

はなから相手にしない、というか出来ない次元であるので「Think!」レーベルの復刻には飛びついてしまいました。特に宮沢昭の諸作はハードルが高かったので嬉しさも倍増でした。一昨年から『いわな』(Victor)、『木曽』(Victor)、『山女魚』(King)、『Musical Play in Jazz』(Union)、『Four Units』(Union)、『Now's the Time』(Takt)と6枚が復刻され、オーソドックスなものからフリーまで様々ですが、全てを取り寄せたのはもちろん内容の高さにも非常に満足していました。演奏のアプローチが広範囲に亘っているので一概にベストを決めることが難しいですが、このアルバムの存在感はあまりに圧倒的で個人的没入度が猛烈に高い一品でありました。この演奏のインパクトは最強でした。

この作品は簡単に云ってしまえばフリー・ジャズですが、そんなひと言では片付けられない深みと鬼気迫る迫力を兼ね備えた全4曲でした。宮沢の男らしい濃度の濃いテナーは存在感抜群で、3曲目の「白馬」で聴かれるフルートは荘厳です。フリーキーに走らずに感情をコントロールしつつも確固たるパッセージを発し感動します。佐藤のピアノは渦を巻き聴く者を引きずり込み、荒川のベースは自由度を増し旋回します。森山のドラムは精霊が降臨したかの如きパワーで、この演奏の凄さを高めている重要な役割を担っています。

日本を代表する山間地の地名を冠した4曲は、聴き手を凍りつかせるスピリチュアル・ジャズを展開し、我が凡庸なイカれ耳を破壊し撃ちのめします。

自分の求めるフリーの形が完全に具現化された稀有な演奏です。コレは一生モノです。

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  1. 2008/02/09(土) 18:31:00|
  2. Japanese
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#448 Moods/Paul Quinichette (EmArcy)

Paul Quinichette


A
1.Tropical Intrigue
2.Grasshopper
3.Dilemma Diablo
4.I Can't Believe You're in Love With Me

B
1.Plush Life
2.You're Crying
3.Shorty George
4.Pablo's Roonie

Side-A

Paul Quinichette (ts) Herbie Mann (fl,ts) Jimmy Jones (p) Al Hall (b)
Tommy Lopez (conga) Manny Oquendo (bongo) Willie Rodriguez (timbales)

Side-B

Paul Quinichette (ts) Sam Most (fl) Sir Charles Thompson (p) Jerome Darr (g) Barry Gabbraith (g) Paul Chambers (b) Harold Wing (ds)

Rec-1954



ポール・クィニシェットのちょっとエスニックなアルバム。この作品は2セットからなっており、どうやらアルバムのコンセプトはラテンにあるようで、B面には19歳のポール・チェンバースが。

ラテン・フレーバーの強いジャズに関して毛嫌いする方が多いかもしれませんが、適度な風味でそれほどアクの強いものではありません。このA面はスリー・パーカッションですがジミー・ジョーンズのピアノとアル・ホールのベースがラテン寄りになり過ぎない塩梅で効いているように感じられます。クィニシェットのテナーの主張は控えめですが比較的流麗で、ブレスがタップリ音色に含有され煤けたサウンドが心地よく感じます。その分本領発揮と云えばいいのかハービー・マンのフルートが縦横無尽に活躍し、ヌケの良いサウンドに虜になります。

対するB面はモダン寄りなサウンドを構築し、変化をつけた構成に意表を衝かれます。メンバーにもかなりの変更があり、こちらは2ギターでクィニシェット以外は全て違うアーティストです。最初このLPフォーマットはひょっとしたら違うイシューの作品をカップリングした仕様なのかと思っていたのですが、そのような記述が全く無いのでこれが本来の姿のようです。ちなみにA面は54年11月22日、B面は同年同月4日の録音です。

B面には大好きなサー・チャールズ・トンプソンがピアノを弾いていて嬉しい限り。サイドも良くて特にサム・モストのフルートはいいですね。フルート好きの贔屓目もありますが。演奏はこの年代を感じさせるスタイル。軽やかなスウィング・スタイルと室内楽的なアンサンブルが共存し、B-4に関しては少しラテン・テイストを効かせています。

当方の所有は国内盤のリイシューですが、ライナーに記されているパーソネルが曖昧な記述であったので、取り上げるにあたって裏ジャケや外部サイトなどで付け合わせをしていました。上記で正しいようなのですが色々と検証をしているうち、どうやらライナーの解説がA面にB面のメンバー、B面にA面のメンバーと、その曲に全く逆のパーソネルを当て嵌めレビューされていることに気が付いてしまいました。ブラインドの猛者には絶対になれない当方には調べなければ判らない事実でちょっとビックリしてしまいました。

まぁ自分が日々更新しているこの駄文も、知識不足のかなり信憑性の低い代物であるので、生温い眼で読みとばして頂ければ幸いなのですが・・・。

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  1. 2008/02/08(金) 18:09:52|
  2. Tenor Sax
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#447 The Empty Foxhole/Ornette Coleman (Blue Note)

Ornette Coleman - The Empty Foxhole


A
1.Good old Days
2.The Empty Foxhole
3.Sound Gravitation

B
1.Freeway Express
2.Faithful
3.Zig Zag

Ornette Coleman (as,tp,vin) Charles Haden (b) Ornette Denardo Coleman (ds)

Rec-1966



久しぶりにこれを聴くにあたって、デナード・コールマンはどうしているのか気になりネットでちょっと調べてみる。そしたら割と最近オヤジのオーネットとともに来日していたようで、健在ぶりを発揮しているらしく嬉しくなった。

デナード10歳での録音。普通に考えればさすがに突飛な起用に思われ、まともな方であればこのドラムは即座にツッコミを入れるくらいの代物であるのかもしれませんが、ソレを承知した上でコレに違和感をそれほど感じないのは己の腐れ耳のせいなのか、それともオーネットの音楽性ゆえのマジックなのか。まぁ前者であることは間違いないですが何とも困ったことにすんなり受け入れる自分の耳が痛々しい。もしかしてオイラはオーネットの考える術に嵌っているのか。そしてこの時の共演者チャーリー・へイデンはなにを思って演奏していたのか。ここら辺のエピソードは既に明らかなのだろうが無知な私でもちょっと気になります。

オーネットはアルトのみならず、ペットにヴァイオリンと己のスタイルで突き進む。一昔前までなかなかキモを見出せず格闘していた彼の音楽に対し、見出すことまで行かないが今では自分の中にシックリ入ってくる感覚がちょっと不思議な感じです。

A-1はアルトでプレイ。デナードにテンポを狂わされながらも演奏にとり憑かれてしまう。A-2はトランペット。妙に牧歌的でこのアルバムで一番好きな演奏。A-3はヴァイオリン。これはちょっと自分が理解できる枠の外にある演奏。B-1はミュート・トランペットで即興。なんとデナードのドラムを全面に押し出している。B-2はアルトに戻ります。おおらかで深い音色に何ともいえない感慨を受けます。B-3もアルトで。彼ならではのスタイルが嵌り込んだ駄耳に刺激を与え続けます。

著名な方でオーネットを全く受け入れない旨の発言をよく目にするのですが、それほどヒドイものに映るのでしょうか。彼の面白さ(という表現を敢えてします)にやっと入り込めてきた小生にとってはちょっと残念な気もします。まぁ人それぞれ好きなものを聴けばいいことに変わりはないのですがね。

ちなみにカバーはオーネットの筆によるもの。多才ですなぁ。

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  1. 2008/02/07(木) 19:04:03|
  2. Alto Sax
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#446 J.R. Monterose in Action, + The Joe Abodeely Trio (Studio 4)

J.R. Monterose - Studio 4


A
1.Waltz for Ciaire
2.I Should Care
3.That You are

B
1.Red Devil
2.Loevr Man
3.Herky Hawks

J.R. Monterose (ts) Joe Abodeely (ds) Dare Oehler (p) Gary Allen (b)

Rec-1964



J.R.モンテローズのマイナー盤ながら滋味深い作品。モンテローズのテナーは豪放磊落なように聴こえて、結構センシティブなプレイも見せる奥行きの深さを感じさせるプレイヤーで、この作品も渋いメンツとともにその特長を活かしスケールの大きさと細やかさを併せ持った演奏を展開しています。実はこのアルバムかなり好きです。

バックを務めるジョー・アボディリー・トリオに関しては殆ど未知のアーティストでしたが、彼らはアイオワでモンテローズとこの当時組んでいたレギュラー・クラブ・メンバーだそうで、なかなか堅実なプレイでテンポが早めのスピーディで疾走感溢れる演奏やリリカルに語りかける演奏と緩急織り交ぜたバッキングは好感が持てます。

何かと白人のロリンズという節で語られるようなことが多いようですが、モンテローズのサックスはメロウという表現がピッタリの艶かしい音色も潜在的に持ち合わせているように思われ、特にこの作品ではこの要素が滲み出ているように感じられます。

希少性云々のみで片付けられない内容の伴った作品であった為に一目置かれるアルバムになったことは想像に難くありません。今現在はこのCDも廃盤のようですので、早く簡単に手に取ることが出来るようになって欲しいものです。もうひとつ関連作として63年の同クラブ、同メンバーでの録音で、彼の死後追悼盤としてフレッシュ・サウンドから『Live at the Tender Trap』というタイトルでCDでリリースされた作品があるようです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/06(水) 02:26:50|
  2. Tenor Sax
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#445 Bassments/Jesper Lundgaard & Mads Vinding (Touche Music-CD)

Jesper Lundgaard & Mads Vinding


1.My Favorite Things
2.Django
3.Jordu
4.Those Who Were
5.Visa fran Utanmyral Emigrantvisa
6.Waltz for Debby
7.Two Little Pearls
8.I Have the Feeling I've Been Here Before
9.Gee Blues
10.Blackbird
11.I've Never Been in Love Before
12.Jesper's Samba

Jesper Lundgaard (b) Mads Vinding (b)

Rec-2006



量販CDサイトを徘徊していたらベース・デュオの新譜が引っ掛かる。最初額面通りに受け取ってよいのか判らず、なんか違う仕掛けがあるのかと思いきや本当にウッド・べースのデュオ作品でした。

引っ張る前は、こういう奇抜なものは物凄い刺激を受けるか退屈なものかのどちらか極端な印象を受けるのだろうと想像していました。

イェスパー・ルンゴーはホレス・パーラン(Horace Parlan)の『Relaxin' With Horace』(Stunt)や、アレックス・リール(Alex Riel)のCowbell盤などで好みの演奏をしていたこともありずっと気になっていました。マッズ・ヴィンディングは古くはデューク・ジョーダン(Duke Jordan)の『Flight to Denmark』(SteepleChase)などで聴くことが出来、近年のアルバムではユージン・パオの『Pao』(Stunt)などの演奏を楽しんで聴いていたので、敬遠する要素が全くないことから喜んで予約しました。ちなみに添付されたライナーにはルンゴーの名前がイェスパー・ルンドゴールと表記されています。いずれどちらかに統一されていくでしょう。

そして到着したCDを繰り返し聴いているのですが、上記で触れたような極端な感想が出ず未だに何かを探りながら接している状態というのが本音です。一聴してその斬新さに前のめりになったのですが、興奮が徐々に取り除かれるにつれ色んなことを考えるようになってしまいました。このサウンドにインパクトを受けることは必至でベース・ファンなら狂喜すること請け合いですが、小生のような楽器を嗜む訳ではなくジャズを聴くのみの人間にとっては個性が全面に出すぎていて、なんか逆に掴み所がないというか捉え所がない音楽に感じられる部分が引っ掛かっています。ただ取り上げられている曲に馴染みのものが多いので、その曲の解釈の面白さに助けられている部分もあるので自分の関心はシッカリと繋ぎ止められる要素がこの作品にはあります。多分全曲オリジナルなどの作品だったらもうちょっと違った感想になるのかもしれません。上手く説明できないことがもどかしいですが。

主に主旋律と伴奏を交互にしており、複雑に絡み合う様は実にスリリングです。時折二人して怒涛の旋律の洪水へとなだれ込んでいく様はこの作品の強烈な聴き所であり、ベースという楽器のテクニカルな部分が濃く抽出されており存分に満喫できます。内容が面白く演奏も素晴らしいのは理解しているのですが、常に手が伸びる作品というより気分を変えるのに利用するような位置づけに当方の場合はなってしまうような気がします。

もうちょっとこの作品と格闘しないと、違う何か(本質)が見えてこないのかもしれないですねぇ。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/05(火) 01:43:49|
  2. Bass
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#444 Plays the Winners/Georgie Auld (EmArcy)

Georgie Auld


A
1.It's a Good Day
2.You're Faded
3.Taking a Chance on Love
4.I'm Shooting High
5.Seven Come Eleven
6.Everything Happens to Me
7.Learnin' the Blues

B
1.You are My Lucky Star
2.Taps Miller
3.What's New
4.You Come Along (From Out of Nowhere)
5.I Found a Million Doller Baby in a Five and Ten Cent Store
6.That Old Feeling
7.One for My Baby

A-1~A-5,B-1~B-5

Georgie Auld (ts) Frank Rosolino (tb) Lou Levy (p) Leroy Vinnegar (b)
Mel Lewis (ds)

A-6,A-7,B-6,B-7

Georgie Auld (ts) Larry Bunker (vib) Johnny Gray (g) Lou Levy (p)
Leroy Vinnegar (b) Mel Lewis (ds)

Rec-1963



スウィング系テナー奏者、ジョージ・オールドの作品。ふっくらした芳醇な音色が包み込む贅沢なサウンドが気持ちいい。60年代に入ってからもこのような渋い内容のアルバムをリリースしていることが嬉しいですね。

この作品はもともと2枚の米フィリップス盤だそうで、ソレを日本で再編集し2枚目収録の4曲を加えてエマーシー名義でリリースしたものです。中心になるのはオールド=ロソリーノ・クインテットの10曲で、ムード溢れるテナーにまろやかなトロンボーンが絡みつく甘美なサウンドが、若干のエコーとともに艶かしく響きます。各面の後半に添えられた4曲は、ラリー・バンカーのヴァイヴにジョニー・グレイのギターが入ったセクステットで、よりオールドのテナーを引き立たせるサウンドになっている印象です。バッキングはウェスト・コーストの面々でトラッドに即した演奏に好感します。

ジョージ・オールドの参加している作品を殆ど聴けていないこともあってどのようなプレイヤーかよく知らなかったのですが、このアルバムだけの感想としては非常に艶っぽいテナーを聴くことが出来ます。活動は30年代後半からのようで、バニー・ベリガン、アーティ・ショウ、ベニー・グッドマンと名門楽団の一員として腕をあげていったらしく、未だ触れていないこれらの音源にも興味を抱きました。また結構自身の名義での作品があるようなのですが国内盤の発売が皆無である為なかなか接することが出来ないのが残念なことです。

ジャズの復刻に関しては泣く子も黙る日本ですが、未だ陽の目を見ない作品がまだまだあるのですねぇ。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/04(月) 00:14:38|
  2. Tenor Sax
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#443 Tempo/Palatino - Romano, Benita, Ferris, Fresu (Label Bleu-CD)

Palatino


1.Nautilus
2.Lost Shadows
3.Shawn
4.Dixie
5.Istanblues
6.Tempo
7.From Station to Station
8.I Keem
9.October 14th
10.Country Boy
11.Le Roi Rene
12.Last Call From the Stars

Aldo Romano (ds) Michel Benita (b) Glenn Ferris (tb) Paolo Fresu (tp)

Rec-1997,1998



ドラム、ベース、トランペット、トロンボーン。ありそうでいてそんなにない編成か。アルド・ロマーノ率いるパラティノ名義のアルバム。リズムの上でグレン・フェリスとパオロ・フレズの管が踊る、彼らが発する独特の浮遊感が結構病みつきになりました。

このレーベルらしくのっけから異質な肌触りではあるけれど、全然難解ではなく寧ろ明快。今まで感じることのないタイプの興奮を味わうことが出来ました。ピアノを配さないことによってリズムの輪郭がクッキリ浮かび上がり、トランペットとトロンボーンの会話が見事に捉えられているかなり上等な代物でありました。

僅かにエコーがかった演出は朝靄の中から浮かび上がってくる輪郭のような効果を音楽にもたらし、徐々に目の前に現れて来るような感動があります。この編成から感じられる奇抜さというのは殆どないので神経を其方に奪われる事がなく、純粋にプレイを聴くことに集中出来その巧みな編曲に魅せられます。アルド・ロマーノとミシェル・ベニータのリズムは技巧的に走らないプレイで楽曲の持つ世界観を最大限に生かすように緻密に計算された演奏に感じました。

スモーキーに燻されたジャズの対極にも位置しない斬新さに暫らくとり憑かれる事になりそうです。
  1. 2008/02/03(日) 00:13:32|
  2. Combo
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#442 Sonny Rollins Plays G-Man (Milestone)

Sonny Rollins Plays G-Man


A
1.G-Man

B
1.Kim
2.Don't Stop the Carnival

Sonny Rollins (ts) Clifton Anderson (tb) Mark Soskin (p) Bob Cranshaw (el-b)
Marvin "Smitty" Smith (ds)

Rec-1986,1987



ビッグ・ネームに限らず80年代後半から2000年頃までの約10年間の録音に絶望的に疎い。個人的にこの時期のジャズが完全に抜け落ちている。そもそも音楽自体を聴く余裕も持ち合わせなかった時期なので、ジャズに限らず全てのジャンルで知識が乏しい。大御所アーティスト達の作品は、いわゆる名盤扱いされているものに関しては結構な確率で聴くことが出来ていると思うのですが、70年代後半くらいからの作品の多くは、前述の理由だけではないのですがあまり所有していません。もうひとつはこの年代以降に出てきたミュージシャンにも疎いので後追いでフォローするのですが、既に廃盤になっていたりしてなかなか音源に辿り着けないのでもどかしい状態です。

そんな中、このアルバムはリアルタイムで購入している数少ない一枚。アナログでリリースされたのもこのあたりの年代まででしょうかね。ロリンズのこのアルバムも既に20年以上前の作品になったのですね。

これはライブ・アルバムで、上記の3曲のほかに「Tenor Madness」(CDに追加収録)と「Autumn Nocturne」(未発表)が同ステージで演奏されているようです。なおB-1の「Kim」には翌年の1987年にテナーをオーバー・ダブしているのと表記があります。相変わらず言われて気づく駄耳です。迫力ある吹きっぷりは変わりませんがこのアルバムのロリンズはかなりアグレッシブで、A-1ではフリーキーでブロウする姿が聴かれます。ノンストップで押し寄せるテナーはワイルドで、握り拳になってしまいます。最初聴いた時にちょっとした違和感があったのはボブ・クランショウがエレベを用いているからなのですが、この力強いテナーにはより明快なラインの見えるエレベの選択は間違っていないと思うようになりました。A面で圧倒されていたクリフトン・アンダーソンのトロンボーンがB面ではしっかり主張しています。楽曲の楽しさがB面ではより色濃く演奏に反映しておりノリのいいテンポは体を揺すられます。

未だ聴けてない近作の『Sonny, Please』(Doxy)も早く聴いてみないと。かなり金欠気味なのが痛いですが。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/02(土) 01:45:43|
  2. Tenor Sax
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#441 Lonnie Plaxico Live at the 5:01 Jazz Bar (Plaxmusic-CD)

Lonnie Plaxico - 5:01


1.Red Light District
2.Emergence
3.Delusion
4.Too Young to Go Steady
5.Inner Voice
6.Squib Cakes

Lonnie Plaxico (b) Alexander Norris (tp) Marcus Strickland (sax)
George Colligan (key,B3-org) Nathaniel Townsley (ds)

Rec-2002



先日のおのぼりついでに、ネットでなかなか手に入れるのが難儀なCDで、目星をつけていた分をまとめて購入してきました。えらい出費になってしまったのはこの際目を瞑ることにします。このように前もって準備してCD屋に行っても買い逃しをたくさんやっていることに帰ってから気がつく始末。アレとかコレとか・・・。

そんな中、大いに期待し見事的中したのがロニー・プラキシコのインディー・ライブ盤群。とりあえず買ったプラキシコの2枚のアルバムのうち、このアルバムの異様且つ異常な熱気に腰が抜けました。この作品の対になるといってもいいのか、コレより約一週間前のもう一枚のライブ『Live at the Zinc Bar NYC/Lonnie Plaxico Group』(Plax Music-2002)も激しくて凄い。ラヴィ・コルトレーンなどが入った大編成盤『West Side Stories』(Plax Music)まで手がまわらず次回までお預けということに。

9曲入りの『Zinc Bar NYC』とは曲が重複しており、『5:01 Jazz Bar』の6曲は全て『Zinc』のほうにも収録されている。メンバーの違いとしてはトランペッターがアレキサンダー・ノリスからジェレミー・ペルトに変わっているだけで、同様のクインテット演奏になっています。

とにかく溢れ出るビートに感涙する。アレキサンダー・ノリスの攻撃的なペットとマーカス・ストリックランドの感情剥き出しのサックスは鏃となって聴き手を攻撃します。独特のウネリを表現するジョージ・コリガンのキーボードやオルガンは熱狂の渦に叩き落します。そしてプラキシコのベースはウッドは強靭で物凄いグルーヴ感、エレベではチョッパーをブチかましズビズビいうベース・ラインに往復ビンタを食らわされます。忘れてはならないドラマー、ナサニエル・タウンスレーはどうなってしまっているのか?一発キメてステージに上がっているのか?機関銃の如く繰り出される連打に鼻血が噴き出します。凄い!凄すぎる!オーディエンスが興奮の坩堝と化しているのがまた素晴らしい!かなりの攻撃を受けてグロッキー状態です。

ライブ特有のワイルドさは一級品で、録音の状態がイマイチであることをカバーするのに余りある熱気です。こういうエレクトリック・ファンク・ジャズはウルサがたは眉間にシワを寄せるかもしれませんが、ロック好きが虜になる要素は満載です。知らず知らずに手が伸びるカンフル剤のような盤になりました。皆さんも一度コレにガツンと殴られてみては如何でしょうか。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/02/01(金) 00:31:49|
  2. Bass
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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