イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#559 Jazz Portraits/Charles Mingus Jazz Workshop (United Artists)

Charles Mingus - Jazz Portraits


A
1.Nostalgia in Times Square
2.I Cha't Get Started

B
1.No Private Income Blues
2.Alice's Wonderland

Charles Mingus (b) John Handy (as) Booker Ervin (ts→exceptA-2)
Richard Wyands (p) Dannie Richmond (ds)

Rec-1959



ドスッと重たいものを聴かないと満足出来ないような状態になってきました。良い傾向なのかどうか判りませんが、個性の少ないものに反応しにくくなってきたのはちょっと偏向気味なのかもしれません。それと今まで満足していた美し綺麗系サウンドが退屈になる自分がおります。まぁ好みのものに波があるのは昔からなのでまたいずれ変化するのでしょうな。今のところは本能の赴くままに摂取し続けます。

濃いものと云えばミンガスってのはあまりに単純でしょうかね。単純脳が連想するのはこの辺りが最初に閃くものなのですが。ただ多少は工夫を凝らしてあまり定番でないものにしてみようかと思います。ライブであったことぐらいの認識程度であまり印象に残っていなかったというのが本音なのですが。当方の考えるミンガスのクインテットというのは小さな編成という位置づけになります。エリントンと演ったトリオなんてのもありますが、大人数でグワァァァンと演るのがミンガスのイメージとして刷り上がっているのでクインテットとはいえ少なく感じてしまいます。

A-2以外はミンガスのオリジナル。ドスッと重たいというほどのものではないのですが、聴いてみるとやっぱり存在感抜群のベースと若干のコミカルさや気だるさを感じさせる楽曲に彼の神髄を見ることが出来るのです。このライブではコンボならではのカチッとしたまとまりがあり、彼の代表作と云われる作品に見られる意表をつくような展開はそれほど感じられません。またこの時期のミンガスの録音ではおなじみのジョン・ハンディのアルトとブッカー・アーヴィンのテナー、長い間屋台骨を支えたダニー・リッチモンドのドラムという当方にとっても好ましいメンバーのライブであることが嬉しい。いぶし銀のハンディのアルトとアーヴィンのテナーは軽快ながらも飄々とした独特の味のあるプレイで渋さが滲み出ています。ミンガスは各曲でガッチリと骨太の長めのソロを執っており、芯の強い演奏はリッチモンドの控えめながら的確な仕事と相まって全体をしっかりと引き締めます。ここでのピアノはワイアンズなんですね。派手さはないがミンガス・サウンドの彩りに欠かせないトータル・サウンドに則った堅実なプレイが心地よく響きます。

インパクトの強いワイルド・ミンガスも良いですが、コンパクトな編成ながらも一聴してソレと判るサウンドはやっぱりさすがと云わざるを得ない技量の凄さを改めて感じます。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/31(土) 22:34:18|
  2. Bass
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#558 Into the Blue/Nicholas Payton (Nonesuch-CD)

Nicholas Payton


1.Drucilla
2.Let it Ride
3.Triptych
4.Chinatown
5.The Crimson Touch
6.The Backward Step
7.Nida
8.Blue
9.Fleur de Lis
10.The Charleston Hop (The Blues Steps)

Nicholas Payton (tp,vo,syn) Kevin Hays (p,key) Vicente Archer (b)
Marcus Gilmore (ds) Daniel Sadownick (perc)

Rec-2007



今ではバリバリ活躍している中堅と云われる世代のジャズ・ミュージシャンに関して殆ど聴けていないのが困りもの。ここ2~3年前にジャズに戻って来れた当方には近年モノのジャズに10数年以上のブランクがあるため、名前を当然知っていても肝心の演奏に触れておらず比較のしようがないので正直書き辛いものがあるのですが、その点含み置いて貰えると有難いです。実際に後追い出来る楽しみもあって喜ぶべき部分も多いのですが、全ては資本がないと聴くことすら侭ならないので当方にとってはとてつもなく困難且つ長い道のりです。肝心の旧譜も名の通ったミュージシャンですら、結構なタイトル数が廃盤ですし困ったものです。

前振り通りニコラス・ペイトンのリーダー作でさえコレが当方にとっての初体験であります。都合良く新譜のリリース情報を見ていたため予約していました。ですので聴いたまんまの感想に終止させて頂きますのでどうかご了承下さい。コレが彼にとってどのような路線にあたるのか皆目見当もつかなかったので一応ウェブで一通りチェックすると、どうやらデビュー時はアグレッシヴに吹きまくるタイプだったようで、それ以降にスタイルやサウンドの変化が見られているということと、その変化があまり芳しくない評価を生んでいるような感じを受ける論調が多かったです。とは云え醸し出される雰囲気にジワッと滲み出てくる渋いプレイが光る作品(ポジティブな意味で)であるなぁと思って聴いているので知らぬが仏であった方が良かったのかどうか、うーむ複雑な心境であります。

タイトルが何を意味するのかは無知な人間には計れないが、何となく「ブルー」というものから連想させるサウンドに仕上がっています。感情をコントロールされたトランペットはバックのエレピに相まって涼しい印象を与えます。そのシンセやエレピなどが使用されているにもかかわらず、いわゆるエレクトリック・ジャズと言う範疇の音には聴こえません。それとドラム+パーカッションという編成でラテンの方面を即座にイメージしてしまう我が単純脳を嘲笑うが如き、正反対のクールな効果を上げるリズムに目からウロコが落ちる思いになります。8曲目で聴かれるペイトンのヴォーカルはどのような評価のされ方なのか全く想像できませんが個性を感じさせるノドであると感じました。正直云えば音程から判断するに上手いかどうかは結論を出すことが出来かねますし、まぁ味があるという表現で逃げてしまいます。

もちろんバリバリ吹かれるトランペットというものにも目のないワタクシとしてはペイトンの鮮烈なデビュー時は大いに興味があります。どのくらいの作品が今でも入手可能かコレから調べることにします。遡って評価が覆るのかどうか定かではありませんが、今回の内容は当方にとっては新鮮な響きをもたらしてくれています。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/30(金) 20:43:19|
  2. Trumpet
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#557 The Suitcase - Live in Koln '94/Steve Khan (Tone Center-CD)

Steve Khan - The Suitcase


Disc 1
1.Where's Mumphrey ?
2.What I'm Said
3.Blue Zone 41
4.Melancholee
5.Played Twice
6.The Suitcase
7.Dr. Slump
8.Blades

Disc 2
1.Guy Lafleur
2.Uncle Roy
3.Eyewitness
4.Capricorn
5.Dedicated to You
6.Caribbean Fire Dance
7.Mr. Kenyatta

Steve Khan (g) Anthony Jackson (contrabass-g) Dennis Chambers (ds)

Rec-1994



この作品が正規にリリースされて3ヶ月ほど経ちましたでしょうか。リリース直後に手に入れてそのサウンドに感心し、ココで聴いているオッサンは妙な笑みまで浮かべる始末で、その凶暴なリズムに「まいったなぁ」と頭を掻き、一度この音を取り込んだら最後、繰り返し聴くことを余儀なくされてしまうインパクトの強いライブ盤でした。そもそも狙いはデニス・チェンバースだったのですが、スティーヴ・カーンのスマートなプレイが実に格好良いし、アンソニー・ジャクソンも暴れているしで久しぶりにこういうサウンドのものも良いなぁ、と思わされました。

スティーブ・カーンの認識は、ろくに経験をしていない当方にとっては単にフュージョン・ギタリストという位置づけでした。どんなプレイかもあまり知らなかったのでmp3で聴いてみれば、理知的なというか冷静なクールに決めたプレイが聴こえてきたので意外だった。加えてデニス・チェンバースはジョン・スコフィールドの来日のときに実体験し、あまりのド派手なパフォーマンスに度肝を抜かれ、半分魂も抜かれたような状態で帰宅した経験があるので、同様にライブ・パフォーマンスであるということで否応無しに期待させられていたのです。そしてアンソニー・ジャクソンに関してもフュージョン畑でマルチに登用されていたので凝り固まったイメージが出来上がっていたのですが、凄くジャジーな音だったので聴かずにはおれない衝動がありました。

そもそもこのブート音源を聴いたカーンが、あまりの出来の良さに正規に流通させたといういわく付きの作品なのですが、クサレ耳の当方でもこのパフォーマンスの素晴らしさは聴けば納得、平伏します。フュージョン・イメージを描いていた当方には、このサウンドはジョン・スコ・グループでのサウンドと比較すればキーボードがいないこともそうなのですがアプローチの仕方が明らかにジャズ寄りであり、実にホットなギター・トリオです。派手めなサウンドに注意が行きがちで、実際に凄いパフォーマンスであるのでその部分は仕方ないことではあるのですが、繰り返し聴いているとカーンの力量をより確かに計れるのが静かな楽曲にあることがよく解ります。ギター・フィーリングはまさしくジャズであり、渋くキメるカーンの後ろで重戦車のように煽るリズムの対比がこのグループの聴き所のような感じがしています。

無条件にカッコいい音で、聴いているものがマンネリ化してきた時に刺激を与えるカンフル剤のような使用方法でコレをかけるようにしています。

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  1. 2008/05/29(木) 21:12:22|
  2. Guitar
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#556 Filles de Kilimanjaro/Miles Davis (Columbia)

Miles Davis - Filles de Kilimanjaro


A
1.Frelon Brun
2.Tout de Suite
3.Petit's Machins

B
1.Filles de Kilimanjaro
2.Mademoiselle Mabry

Miles Davis (tp) Wayne Shoter (ts) Herbie Hancock (p,el-p→exceptA-1,B-2)
Chick Corea (el-p→onlyA-1,B-2) Ron Carter (b→exceptA-1,B-2)
Dave Holland (b→onlyA-1,B-2) Tony Williams (ds)

Rec-1968



ここのところコルトレーンの没後に未発表としてリリースされた作品を大量に取り寄せ、特に後期のヘビーなサウンドを浴びまくり半分ジャンキーのような朦朧とした状態になっていたので、なかなかそれ以外に対抗できる猛烈音源がないのが困りものです。コルトレーンのそれらを書いてみれば良さそうなものですが自分の中で纏めることが出来ず(何を聴いても纏まらんのが痛いですが)、こういう時には基本に戻って昔感銘を受けたものを改めて聴いてみようと思った次第。ピアノ・トリオのようなものよりは充分に対抗できる骨っぽいサウンドが必須のような気がしたので色々と物色した結果これを自分に施します。本当は濃厚なエレクトリック・マイルスが適しているような気もするのですがまずはエレピの入ったこのあたりで様子を見る。これで軌道修正できるかどうかは甚だ疑問ですが、ものは試しと言うことで。

思えばマイルス・デイヴィスを生で見たことがある。この表現はシチュエーションが微妙なのでうまくニュアンスが伝えきれていない。時は1985年、処は科学万博のステージ。日にちはよく覚えていないけれど、午後からのステージで明るかったことは良く覚えている。「Human Nature」を演っていた。赤いペットが眩しかった。なぜ「聴いた」ではなく「見た」なのか。答えはソコで働いていたから。学生時代に万博会場の遊園地(星丸ランド)のバイキングの船でバイトをしていました。もちろん通しで全て見たかった。休憩時間に張り付くように座りきれない座席の外側から見ていた。余裕のあるときにちょっとだけ抜けてステージと遊園地を往復した。誰が見ても目立つド派手な制服を着せられ東奔西走する姿は間抜け以外の何物でもない。懐かしい思い出であるなぁ。あれからもう23年ですか。

マイルスのアルバムに関しては詳細云々を書く必要はないでしょう。うーん堪らん、この雰囲気。単に編成が多いとか出てくる音が大きいとかエレクトリックだとかの次元で迫力を語ることが空しくなるようなテンション。ピリピリと張りつめた独特の空気感に満足する。ハンコック&ショーター、チック&ホランドの2つのセットとも好きなのですが、歴史を追って聴いていった場合で、目新しさと言う意味においてはやっぱりチック&ホランドのナンバーに注目が集まるようです。確かにチック&ホランドの曲にはそれまでと違うファンキーさを見いだすことが出来るのは否めないですが、スリリングに迫るハンコック&ショーターが大好きな小生としては優劣なんかつけられません。

久しぶりにコレを聴いて昔の青い頃の記憶が甦りました。

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  1. 2008/05/28(水) 23:45:14|
  2. Trumpet
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#555 Fool Time/Baptiste Trotignon & David El-Malek (Naive-CD)

Baptiste Trotignon & David El-Malek


Disc 1
1.Al Admat Israel
2.Sunday the 13th
3.Massada
4.The Great Nieces
5.Soukha

Disc 2
1.Shadow of a Doubt
2.Bass on Top
3.At Night
4.Bolero
5.Le Chemin du Serpent
6.Inner Urge
7.In a Dream

Baptiste Trotignon (p) David El-Malek (sax) Darryl Hall (double-b)
Dre Pallemaerts (ds)

Rec-2006



バティスト・トロティニョンは以前にステファノ・ディ・バティスタのアルバムでのオルガンに感銘を受けていたため気になる存在だったのですが、彼の演奏するピアノをまだ聴いていなかった為色々物色したところ、ライブ盤ということでもあったのでこの作品を取り寄せてみました。

デヴィッド・エル=マレクのサックスをフィーチュアしたカルテットなのですが、ちょっとこちらの期待が大きかった為なのか、それとも当方のベクトルがパワフルで過激なガツン系ジャズの方面に思いっきり向いているせいなのか、それとも単にクサれ耳のせいなのか、思っていたほどの満足度が満たされなかったことと、その不確かな理由に悶々としております。無論彼らのレベル云々の話では毛頭なく、無理に結論付ければ2番目の理由が大きいのではないかとの自己分析です。3番目はいつものことですので云うに及びません。実はここのところとり憑かれたように後期コルトレーンの連続摂取を続けております。ジャズを聴けていなかった十数年の間に鬼のように出ていたコルトレーンの後期の未発表ものを結構な枚数取り寄せ猛烈な勢いで服用していました。コルトレーンのスピリチュアルなプレイとエルヴィンの天空へ続くビートを浴びているうちにドーパミンが噴出し、白目がちな怪しいオッサンと化している自覚があります。おぉ、いかんいかん。

トロティニョンだった。パリのライブなのですが2枚組になっていて、ジョー・ヘンの「インナー・アージ」以外は二人のペンによるもの。もちろん上手い。エル=マレクのテナーは男らしく太い。若干の艶もある。しかもよく唱っており曲によってはモーダルなアプローチが執られる。時折見せるゴリっとした質感は結構好みのタイプだ。一方のトロティニョン、コレまた抑揚の付け方が上手い。フロントであることを誇示するようなスタイルというよりも、4者と共存していくような立ち位置。ソロになれば雄弁さを発揮する。単に綺麗に叙情的に旋律を奏でるヨーロッパのピアニストにありがちなスタイルでは決してない。リズム陣も特段の派手さはないがキレているし体も揺らされる。結構ハードなサウンドも含んでいるし、トータルの水準も高いのに素直に入ってこないのは何故なんだろう。

思うにこれは今聴いちゃいかんのだろうと思いました。心穏やかなるときに改めて試してみなくてはならないのだろうと思いました。劇薬を使いすぎると慢性化して、本来効く筈のものの効果が薄くなります。今自分がそのような状態におかれているような気がしているので、ちょいと頭を冷やして改めてチャレンジしてみます。

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  1. 2008/05/27(火) 23:08:51|
  2. Piano
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#554 Dodo's Back !/Dodo Marmarosa (Argo)

Dodo Marmarosa


A
1.Mellow Mood
2.Cottage for Sale
3.April Played the Fiddle
4.Everything Happens to Me
5.On Green Dolphin Street

B
1.Why Do I Love You ?
2.I Thouoght About You
3.Me and My Shadow
4.Tracy's Blues
5.You Call it Madness

Michael "Dodo" Marmarosa (p) Richard Evans (b) Marshall Thompson (ds)

Rec-1961



かなり有名な作品なのですが殆ど聴かず終いでした。恐らく購入当初に聴いたときに第一印象に引っかかるものがなくて死蔵してしまったのだろうと思います。20年以上前には手に入れていると思うので随分と久しぶりの体験となるのでしょうか、自分でもあまり良く覚えていないというのが本音です。つい先日ウェブでこのドド・マーマローサの作品に関しての記事を読んで、改めて聴いてみようと思いました。

繰り返し聴いてみて枯れた味わいとそれに相反する凄みが何とも興味深く、筋の通ったバップに根ざしたプレイと渋いブルース・フィーリングが滲み出ている演奏にちょっとビックリする。いやぁ、いいじゃないですか。学生の頃の自分にはこの静かなる迫力は解らなかったと云うことか。でもコレは彼の35歳の頃の録音で、12年ぶりの「Back !」であり「Return」となる作品だそうな。モダン・ジャズ黄金期の50年代の殆どを棒に振っていたと云うから勿体ない話です。そもそもパーカーとダイヤル・セッションで40年代にプレイしているピアニストで、LPサイズで6枚に収録された「オン・ダイアル」の記録について手元にあるレコードで付け合わせてみれば、Vol.1にパーカー・セプテットで11曲(1946年)、Vol.3にパーカー・オールスターズとして12曲(1947年)、Vol.5にパーカー・セプテットとして1曲(1946年でVol.1と同セッション)の24曲分が記録されていました。

A面の出だし2曲がこの作品の人気を決定付けているようなそんな論調が多いようですが、確かに冒頭のマーマローサのオリジナル曲は良いですね。そして続くA-2のリリシズムも素晴らしい。アルバム全体を聴いてみて、一音一音に思った以上の重みがあり実際に聴いている以上の圧力を感じる演奏で、若かりし自分のように簡単に聴き流せるような代物では決してありませんでした。特に彼が演奏するバラードのプレイにそのメラメラとしたものを感じます。

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  1. 2008/05/26(月) 23:49:55|
  2. Piano
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#553 One Long String/Red Mitchell Trio (Mercury)

Red Mitchell - One Long String


A
1.One Long String
2.Peggy
3.Narbild
4.Undertow

B
1.Total Tumult
2.Stella by Starlight
3.Pojken I Grottan
4.When I Have You

Red Mitchell (b) Bobo Stenson (p) Rune Carlsson (ds)

Rec-1969



1968年にストックホルムに渡ったレッド・ミッチェルは、必然的にヨーロッパのレーベルに沢山の作品を残しています。ですので後年は必然的にヨーロッパのミュージシャンとの共演モノが多いことになります。この作品は渡欧の翌年の吹き込みになります。

当時の流行を色濃く反映した、と云いたいところですが比較的あっさりめのサイケデリックな色合いのデザインのジャケットであるこの作品には、現在もECM等に録音を継続し続けているスウェーデンのピアニスト、ボボ・ステンソンをフィーチュアしたピアノ・トリオのフォーマットで録音された作品です。レッド・ミッチェル自身もベーシストとなる前まではピアノを専門でプレイしていたそうですし、当方の知っている範囲では実際に自身の宅録作品となる『Home Suite...』(Caprice)などではピアノを前面に出した部分を持った作品も吹き込んでいます。ステンソンに関しては、当方が彼の作品を聴けていないので近年のプレイとの比較のしようがないのですが、彼は60年代前半から活動を始めたと言う事なので割と初期の作品になること(この作品の頃は24歳だったそうな)と、且つ彼のスタイルが確立された時期にあたるとの言及があるので興味深いものがあります。

A-1,A-2,A-4,B-1B-4の5曲がレッド・ミッチェルのオリジナル、B-3がボボ・ステンソンのオリジナルになります。リリカルなステンソンのピアノと、メロディアスなミッチェルのベース・ソロがタップリ割かれた内容になっています。レッド・ミッチェルのベースは縦横無尽の大胆なラインを執っていくので、追っかけて聴いていく事が非常に楽しいのです。もちろんこのアルバムでもそのベースワークが満載で、自分の作品である事をベースで主張するかのような活躍です。一方のステンソンは理知的なプレイで淡々としており、アグレッシヴさをさほど感じることはありませんが、美しくピアノを鳴らすことに長けているようです。ステンソンと同じくスウェーデンのドラマー、ルネ・カールソンは小気味良さの際立つプレイが気持ちよく堅実なプレイが光ります。

一番気にいったのが、彼らのオリジナル曲を差し置いて美しい印象的なメロディを持った3拍子のA-3でした。それとこのトリオからはあまり想像できないモーダルなアプローチが冒険的に聴こえるB-1なども注意を惹く印象的なトラックでした。

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  1. 2008/05/25(日) 22:44:51|
  2. Bass
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#552 Diz Big Band/Dizzy Gillespie (Verve)

Dizzy Gillespie - Diz Big Band


A
1.Roses of Picardy
2.Silhouette
3.Can You Recall
4.O Solow

B
1.Cool Eyes
2.Confusion
3.Pile Driver
4.Hob Nail Special

Side-A

Dizzy Gillespie (tp,vo) John Barrows (fr-h) Jim Buffington (fr-h)
Jim Chambers (fr-h) Fred Klein (fr-h) Danny Bank (bs) George Berg (woodwinds)
Jack Greenberg (woodwinds) Tom Parshley (woodwinds) Wynton Kelly (p)
Percy Heath (b) Jimmy Crawford (ds) Johnny Richards (arr.,cond.)
and 9 strings

Side-B

Dizzy Gillespie (tp) Quincy Jones (tp) Jimmy Nottingham (tp) Ernie Royal (tp)
Leon Comegys (tb) J.J. Johnson (tb) George Mathews (tb) George Dorsey (as)
Hilton Jefferson (as) Hank Mobley (ts) Lucky Thompson (ts) Danny Bank (bs)
Wade Legge (p) Lou Hackney (b) Charlie Persip (ds) Buster Harding (arr.)

Rec-1954



ディジーお得意のビッグ・バンド。A面は9月16日、B面は9月15日の録音でオリジンはノーグランからのリリース。それぞれ違う2セットでの演奏ですが、使用される楽器が全く異なっているので雰囲気も全く違います。

A面は50年代の映画のサントラとも云われれば信じてしまうようなそんな雰囲気。ディジーのクリアで抜けの良いトランペットが美しく、時折魅せるハイ・ノートが素晴らしい。敢えて云えばジャズ的な要素が薄く、ともすればポピュラー・オーケストラの様相を呈しますが、絶好調のディジーのトランペット以外にも当方には聴き所がありまして、それはウィントン・ケリーのピアノです。オーケストラのバランスを重視されたサウンドですのでなかなかソロを執る訳ではないのですが、突如浮き上がってくるように侵入してくるケリーのピアノは注意を惹かれるのには充分な存在感があります。A-4にはディジーのコミカルなヴォーカルが挿入されていて、前の3曲とはちょっと違う愛嬌のある雰囲気に仕上がっています。

続くB面の方が圧倒的にジャズ・ファンには訴求力があるメンバーだと思います。当然サウンドも、如何にもディジーの定番ジャズ・ビッグバンドとの印象を受けるパワフルな展開を持ったプレイを披露しています。ソロの比重も高くなりフルバン本来のゴージャスさも兼ね備えたカッコ良さです。ディジー以外ではJ・J・ジョンソンとラッキー・トンプソンのパートが多いのですが、ラッキー・トンプソン好きの小生にとってはちょっとした青臭さが残る垂涎モノのソロが聴ける事が嬉しい。

ブラスの醍醐味が味わえるB面が当方にとってのベストになりますが、一日違いで全く違うアプローチで録音するという企画はなかなか興味深く、その妙味を楽しめるという意味では意義深い内容の作品だと思います。まぁ比較的マイナーな扱いを受けている作品ですが。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/24(土) 23:16:53|
  2. Modern Big Band
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#551 Modernistic/Jason Moran (Blue Note-CD)

Jason Moran - Modernistic


1.You've Got to be Modernistic
2.Body and Soul
3.Planet Rock
4.Planet Rock Postscript
5.Time into Space into Time
6.Gangsterism on Irons
7.Moran Tonk Circa 1936
8.Passion
9.Gangsterism on a Lunchtable
10.Auf Einer Burg / In a Fortress
11.Gentle Shifts South

Jason Moran (p,mini-p)

Rec-2002



ジェイソン・モランのピアノを遅ればせながら聴いてみた。一応このソロの作品と、ギター入りのカルテットで録音された「Same Mother」(Blue Note)を取り寄せ、どちらも個性的なアルバムで印象に残り甲乙つけ難い強烈な出来なのですが、自分の好みは若干こちらの方が良かったです。才気煥発なピアノと言ったらいいのか、良い意味として云うのだけれど極めて個を主張するピアノで、昨今の流麗なタッチの主流ピアノとは相反する自我の強い演奏が聴かれます。

モランのオリジナルは4,6,7,8,9,11の全6曲。このアルバムののっけから、ストライド・ピアノの雄ジェイムス・P・ジョンソンの楽曲に強烈な解釈が加えられてあって度肝を抜かれた。完全に自分のものにしておりこのインパクトはちょっと想像し難いものでした。聞き慣れている筈の2曲目も特徴のあるリフを選択した表現方法は何とも痛快でただ事ではないことが判ります。3曲目の決して滑らかに流れないメロディが耳にこびり付いて離れません。続く4曲目は前の曲の対になるのでしょうか。5曲目は展開の読めないアタックの強い曲でコレは病み付きになります。6曲目にも琴線に触れる美メロが独特の個性の中に埋め込まれていてハッとします。7曲目ではミニ・ピアノを使用し遊び心も忘れていません。おもちゃのピアノのようなサウンドはレトロ感を誘発するような効果を上げています。8曲目はタイトルの「パッション」のイメージの逆をいくような静かなナンバー。9曲目などは、恐らくモランの一番の魅力を引き出したような楽曲なのだろうと思う。凡なる私にはある種の奇抜さとともにとてつもない凄みも感じさせられます。10曲目はひたすら美しく叙情的に、ラストの11曲目は情感溢れるピアノに胸を締め付けられます。

全体的な感想を纏めると「ピアノ岩石落し」と「危うい美しさ」。モンクっぽくもあり、アンドリュー・ヒルっぽくもあり、圧倒的なインパクトとともに狂おしいくらいに沁み入ってくるメロディ。かなりの戦慄を覚えており鬼才と言っても差し支えないくらいの素晴らしさです。いやぁ参りました。

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  1. 2008/05/23(金) 23:59:45|
  2. Piano
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#550 Vu-Tet/Cuong Vu (ArtistShare-CD)

Cuong Vu


1.Intro
2.Accelerated Thoughts
3.Solitary Confinement
4.Just a Memory
5.Never, Ever, Ever
6.Now I Know (for Vina)
7.I Promise

Cuong Vu (tp) Chris Speed (sax,cl) Stomu Takeishi (el-b) Ted Poor (ds)

Rec-2007



パット・メセニー・グループのトランペッターとのことで興味を持った次第。最近のメセニーに関しては、「Day Trip」や「Tokyo Day Trip Live EP」、あとはブラッド・メルドーと演ったCDくらいしか聴けていないので、このクン・ヴー(クォン・ヴー)の入った演奏を聴いたことがありません。ベトナム出身とのことでどのようなプレイなのか興味津々でした。都合良く新譜が出たので迷わず購入。アーティストシェアというレーベルは興味深い作品が沢山あってワクワクする。DL販売かネット通販専門というレーベルで本家アメリカでは原則として店頭販売されていないらしいのですが、日本ではユニオンなどの店頭にも並び、ネット・ショップでも注文できるということで大変有難い事です。同時に買ってみた同レーベルのカート・ローゼンウィンケルのヴィレッジ・ヴァンガードでの2枚組ライブも格好良くて素晴らしかった。取り寄せ中のジョン・ゴードンやダニーロ・ペレスも楽しみです。

一聴した時になんとロックなサウンドで暴走機関車のような音楽であろうかと思った。触れると火傷をするような音楽であろうかと思った。でも継続して聴いていくと最初に興味を惹かれたワイルドさ以外に計算し尽くされたツボを押すような気持ちいい部分も伴っていることにようやく気づいたような気がする。特にフロント二管のハーモニーの美しさが際立つ曲にそれを見いだしています。エコーが効果的に使用されていることがサウンドの肝になっていて全体の空気感を支配しています。かなり硬派なサウンドですのでジャズという概念の上では賛否も分かれそうですが、もちろん私は好きですよ、こういうガツンとくるものは。

イントロと題したスペイシーな導入に続けて飛び出してくる2曲目が強烈で、クン・ヴーとクリス・スピードの高速のリフが破壊力抜群です。そしてバックのツトム・タケイシのベースが凄い。エレベにディストーションをかけたように聴こえる歪みまくるグルーヴ感は体験したことのないもので、独特のウネりまくるベース・ラインに釘付けになります。テッド・プアーのドラムは地鳴りのようなパワフルなドラムで腹の底に響きまくるドスの効いたビートが威圧的で堪りません。5曲目も同様に絶句モノの一品です。

こういった張り手を食らわされるようなサウンドを妙に欲してしまうのは自分自身が不健全であるような状態なのかなぁ、と下らん事を考えながらヘッドホンで爆音で聴いてしまうのです。多少の耳鳴りには目を瞑って、この麻薬的なサウンドを摂取し続けています。

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  1. 2008/05/22(木) 23:41:37|
  2. Trumpet
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#549 Infinity/John Coltrane (Impulse)

John Coltrane - Infinity


A
1.Peace on Earth
2.Living Space

B
1.Joy
2.Leo

A-1

John Coltrane (ts) Alice Coltrane (p,org,harp,vib) Charlie Haden (b)
Rashied Ali (ds) Ray Appleton (perc)

Rec-1966

A-2

John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Alice Coltrane (harp,tamboura)
Joan Chapman (tamboura) Jmmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)
Oran Coltrane (bells)

Rec-1965

B-1

John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Alice Coltrane (harp,vib)
Jimmy Garrison (solo-b) Charlie Haden (b) Elvin Jones (ds)

Rec-1965

B-2

John Coltrane (ts,b-cl) Pharoah Sanders (ts,fl) Alce Coltrane (p,org,tympani)
Charlie Haden (b) Rashied Ali (ds) Ray Appleton (perc)

Rec-1966

-Add Strings-

Murray Adler (concertmaster) Michael White (vin) Gordon Marron (vin)
James Getzoff (vin) Gerald Vinci (vin) Myra Kestenbaum (viola)
Rollice Dale (viola) Edger Lustgarten (cello) Jesse Ehrlich (cello)
Alice Coltrane (comp.,arr.,cond.)

Rec-1972



コルトレーンの「My Favorite Things」が同級生から借りたフュージョンのレコードの中に紛れ込んでいて、それを体験したのが中学生の頃であったことは以前どこかのログに書いた事があります。その友人には兄貴がいてその影響下にあったんですな。そのときはコルトレーンの良さが全く解らず彼のソプラノがチャルメラに聴こえた事まで白状しました。もう30年くらい前の事になりますか。そんな折、グリフィンのゴツいテナーにヤラれて以来、ようやくモダンの厚い扉を開ける事ができたのが高校生の頃。モダンと云えばマイルスやコルトレーンといった大御所が門戸に突っ立っているのはいつの時代も同じ(なのかな?)。少ないバイト代がジャズ・ジャイアントのナイス・プライス・シールの貼ってあるフニャフニャ外盤に消えていき、それでも満足して繰り返し聴いていました。

コルトレーンのアルバムをディスコを片手にレコ屋を探しまわるといった高校生は、端から見れば甚だ気色の悪いものだったでしょうが本人はいつだって真剣でした。まだCDはありませんでした。そんな中でコルトレーンの後期インパルスものは、人並み(?)だったと云えばいいのか全く理解不能で閉口したりしました。ただ拷問のようにせっかく買ったという事もあって当時は聴く事を止めなかったせいか、コナレてくるのは不思議な感覚でした。理解とは全く違う意味合いのことですが。

そんな事を続けていればコレクションもそこそこサマになってくるのですが、どうしても手に入らないものが出てきます。現在のようにネットが普及しそれこそ海外からも簡単にブツを引っ張れる時代になるとは当時の学生には思いもよらなかった事ですが、コルトレーンの没後に出た、このいわく付きの「インフィニティー」を見つけるのにはジャズ・ジャイアントの作品とはいえかなり苦労した事を思い出します。

そもそも「インフィニティー」は、ジョン・コルトレーンの未発表オリジナルの演奏にアリス・コルトレーンがストリングスをオーバー・ダブさせたり、チャーリー・ヘイデンのベースに差し替えたりと、熱心なコルトレーン・フリークが激高したという内容ですが、オリジナル・フォーマットで既に数曲が陽の目を見ている今現在この作品を聴けばアリスの意図が汲み取れるのかもしれないという興味深い側面も持つのかもしれませんね。そのように振ってみるのですが、実はまだ加工されていない此れ等の曲を聴いた事がありません。

資料的な部分に触れると、それらはインパルスの未発表セッションとして没後約10年経った時期に「The Mastery of John Coltrane」シリーズとして4種のタイトルでリリースされた中に3曲分収録されたのが最初のようです。その内の一枚『Trane's Modes』は持っているのですがこれには当該曲が収録されておらず、この作品のA-1が『Jupiter Variation』、A-2,B-1が『Feelin' Good』に収録されています。『Jupiter Variation』に関してはヘイデンのベースが聴こえるという完全なオリジナルという形ではないようですが、かなり近づけられたものであるようです。

上記の通りである為オリジナルと比較できないのですが、想像以上にストリングスの存在が大きく違和感を持たざるを得ません。いかにも宗教的な響きでアリスのハープが迫り出してくるほど強力です。肝心のコルトレーンが混沌としたストリングスやその他のパーカッション等の闇から現れてくる様は何とも不思議な感覚で、そういう意味では貴重な体験と云わざるを得ない音源です。でも聴けば聴くほど装飾なしの音に接したくなるのはアリスの仕掛けた魂胆であるかのような、変なやっかみを誘発させられる精神的によろしくないものであることは確かです。

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  1. 2008/05/21(水) 20:00:38|
  2. Tenor Sax
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#548 Kansas City Memories/Nat Pierce and his Orchestra (Coral)

Nat Pierce


A
1.The Bearded One
2.I'll Buy That Dream
3.Maple Leaf Rag
4.Slippery When Wet
5.You Call it Madness (But I Call it Love)
6.A Trip to Nathan's

B
1.Old Rev
2.Sioux City Sue
3.That's All
4.I Ain't Got Nobody (And Nobody Cares for Me)
5.Rojiserro

Nat Pierce (p) Joe Newman (tp) Bill Harris (tb) Hal McKusick (as)
Freddie Greene (g) Oscar Pettiford (b) Jo Jones (ds)

Rec-1955



モダン・ジャズ中心の世界ではなかなかスポットが当たらず表舞台に出てこない、泣き所のような扱いの作品ですが大好きであります。ウディー・ハーマン等のビッグバンドを主戦場として渡り歩いたのが原因になるのでしょうか。このコンボではとても良くスウィングしており、往年の名手達の競演は期待に違わぬ好内容です。

ナット・ピアースのカンサス・ジャズ。トラッド臭溢れる小気味よいリズムとゆったりしたソロが楽しめる渋い作品です。この手のプレイはお手のもののフレディ・グリーンのカッティング・ギターにペティフォードのベース、ジョー・ジョーンズのドラムというバッキングは盤石の布陣。ピアースのピアノはよく転がるチャーミングなプレイで素晴らしい。それ以上に心を揺すられるのがジョー・ニューマンのトランペット。何という味わい深さだろうか。滑らかなペットのコントロールにミュートでの深みあるプレイ。マクシックのアルトやいぶし銀、ビル・ハリスのトロンボーンも好演しています。ナット・ピアースの本質はビッグ・バンドものになるのでしょうが、当方が殆ど聴けていない事と元来のトラッド好き、コンボ好きがわざわいしているのか圧倒的にスモール・コンボの方に感銘を受けます。全体的に醸される雰囲気一発という要素も大きいですが、何とも言えない滋味深さに息が止まりそうです。

この辺りの作品は無視されがちで殆ど放置される状態である中で、スペインのフレッシュ・サウンドが、このアルバムを含めたナット・ピアースのLP3枚とEP1枚(他には「Nat Pierce and the Herdsmen」(Fantasy)、「The Nat Pierce Bandstand」(Vanguard)、「Jazz Romp by Nat Pierce Jazzmen」(Keynote)の3枚)をカップリングした2枚組CDがリリースされているようで見事な仕事として勝手に評価させて頂きます。ちなみにこのCDは本アルバムのA-5は除いているようです。

全くのマイナー盤ですが当方の宝物であります。スウィング好きの方は安価で転がっていたら拾ってあげて下さい。

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  1. 2008/05/20(火) 20:51:21|
  2. Dixie, Swing, Trad, New Orleans
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#547 Life at the Donaueschingen Music Festival/Archie Shepp (MPS)

Archie Shepp - Donaueschingen Festival


A
1.One for the Trane Part.1

B
1.One for the Trane Part.2

Archie Shepp (ts) Roswell Rudd (tb) Grachan Moncur (tb)
Jimmy Garrison (b) Beaver Harris (ds)

Rec-1967



このアルバムを取り上げようとして記事を書き始め、ほんのちょっと前に気づいたことなのですが、ジャケットをマジマジと見つめていましたらコレは誤植ではないのかという部分にぶつかりました。自分の中ではジャケットのタイトルの部分で「Live at~」が「Life at~」になっているのは誤りだろうと勘ぐっていました。ちなみに所有は国内再発盤なのですが、一応Wジャケの見返しの部分に日本語のライナーが記載されており、そこには「Live at~」の冠でタイトルが表記されていますのでますます誤りであろうという結論を出そうとしていました。なぁんだちゃんと校正ぐらいしなさいよ。てな感じでね。そうしたらシェップの公式HPのディスコグラフィーでは「Life at~」として記載されているのでこんがらがってしまいました。こうなると話はややこしくなります。間違いは自分の方ではないかぁ・・・と。で、結論はシェップが言うのだから全くのこちら側の勘違いであるという事にして、このブログのタイトルも「Life at~」表記にしたのですが、未だにシックリこない自分がおります。ちなみに二つのタイトルで検索をかけると、どちらも多く出てきますが若干「Live at~」のほうに軍配が上がりますね。それと画像検索でジャケットを見てみるとやっぱり「Life」になっていますね。所有の盤のレーベルには「Live」の文字が。コレの結論はどこかで既に出ている話なのかもしれませんが・・・うーむ・・・。くだらないことに引っかかるこちらもこちらですがね。どうでもいいと言われればそれまでなので。

この作品はアーチー・シェップのドイツのドナウエッシンゲンでの実況盤。シェップのアルバムは最近の録音に関しては全く所有していないものの、ハードなシェップが楽しめる60年代後半~70年代にかけての作品はそこそこの枚数を持っています。正直に云えば語れるほど聴いているとは言えないので、持っている作品の中で一番ハードなやつはどれかなぁ、と思い色々な意見を鑑み総合的に判断した結果、この作品が匹敵するのではないかと勝手ながら解釈しました。

このアルバムのサブタイトルは「ワン・フォー・ザ・トレーン」となっていますが、コレは国内発売の為の便宜的なものなのでしょうか。40分以上続く白熱のタイトル曲1曲を半分にぶった切った形で編集されております。トレーンはもちろんコルトレーンのことで、彼の没後3ヶ月後の演奏で入魂の一撃といったところでしょうか。

実際に聴いてみてなかなか骨のある内容で満足しました。と同時にシェップにはハードという曖昧な尺度は通用しないということも思い知りました。当方のシェップに対するイメージはフリーであるものの聴き辛さは少なくコミカルな部分も持ち合わせたサウンドといったものですが、アルバムの特性からいってもシェップのコミカルさは一切なく本能剥き出しのテナーを披露します。導入のながーいギャリソンのベース・ソロからその予兆を感じさせます。ただやっぱり耳を劈くようなフリー・キーとは別次元のプレイを見せており、ぶち切れるのとは別のテンションの高さが聴いていて感じられます。エンディングに近づくにつれ、映画「いそしぎ」のテーマが引用されていてニヤリとします。それと気になるのは2トロンボーンの効果。ラズウェル・ラッドとモンカーの即興とも言い難い部分もある妙なハーモニーが実にホットで聴いていて気分が高揚します。相変わらずどちらか判別不能の当方のカス耳ですが、フリーというスタイルから見いだすのは難しいと無理矢理匙を投げておきます。

ミュージシャンの思いを正確に受け取るという事は、当方にとってはとてつもなく高いハードルのような次元の話ですが、シェップの発する鎮魂に対峙して何度も何度も繰り返し聴いています。

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  1. 2008/05/19(月) 22:53:49|
  2. Tenor Sax
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#546 Hip Twist/Shirley Scott (Prestige)

Shirley Scott - Hip Twist


A
1.Hip Twist
2.At Last
3.Rippin' an' Runnin'
4.The Very Thought of You

B
1.Violent Blues
2.That's All
3.All Tore Down

Shirley Scott (hammond-org) Stan Turrentine (ts) George Tucker (b) Otis Finch, Jr. (ds)

Rec-1961



シャーリー・スコットのアルバムは特に好みというわけではないのであるが何故か結構棚の中に納まっている。コレはひとえに安価で購入出来たという、ミュージシャンにとっては無礼千万な理由が大きいということが正直なところだと個人的には考えています。昔は中古屋に行けば、ひやかしではなく何らかの盤は買いたいと思って行っていたので目ぼしい物がなくて手ぶらで帰りにくい小心者は、腐心して今日買うべきブツを必死に探していたことを思い出しました。最近の相場は全く知りませんが一昔前はシャーリー・スコットのアルバムはオリジナルでもそこそこの値段で買えたものでしたので殆どがその手の盤になります。しかもコンディション良好。そんなこんなで贔屓云々以前のアーティストの作品を少なからず抱えるという部分ではこのシャーリー・スコットなどは完全に当て嵌まるのかもしれない。かといって全く苦手であるということはないので、時たまこうやっては引っ張りだして聴いてみます。以前には『Plays Harace Silver』(Prestige)や、『Soul Searching』(prestige)等を取り上げたことがあります。

夫君であったタレンタインを迎えたアルバムはたくさんありますがこれもそんな中の一枚。彼女の特徴は多くのオルガニストがベーシストを起用しないことが殆どであるのに対し、シャーリーに関して云えばベース・ラインを弾かない為その例から外れるということ。ここではジョージ・タッカーがサポートしているのですが、タッカーといえばホレス・パーランのBN盤やジェローム・リチャードソンのニュー・ジャズ盤で当方が贔屓にしているベーシスト。いつも通りの強靭なデカ・ベースであるのは確かなのですが、如何せんオルガンというベースにサウンドがカブりがちな楽器を相手にしているとあっては、その魅力も半減してしまうというものです。シャーリーはオルガンでも女性らしい軽やかなサウンドで、楽器特有のグルーヴ感というよりはピアノ的タッチに感じられる。ベース・ラインを入れないのはピアニスト出身だからではなくフット・ペダルが苦手だからベーシストを加えたという記事もありました。タレンタインの芳醇なテナーがムード満点なジャズにひと味加えたスパイシーさを醸しており、アッサリしたシャーリーのオルガンにネットリとしたタレンタインのテナーが面白さを感じさせます。

たまにしか聴かないアーティストですが、思いのほかB-3のブルージーなナンバーが良かったです。

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  1. 2008/05/18(日) 20:30:51|
  2. Organ
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#545 An Open Letter to Thelonious/Ellis Marsalis Quartet (ELM-CD)

Ellis Marsalis


1.Crepuscule With Nellie
2.Jackie-ing
3.Epistrophy
4.Monk's Mood
5.Straight, No Chaser
6.Light Bue
7.Teo
8.Ruby, My Dear
9.Rhythm-a-ning
10.'Round Midnight
11.Evidence

Ellis Marsalis (p) Derek Douget (ts,ss) Jason Stewart (b) Jason Marsalis (ds)

Rec-2007



ジャズのブランクが大ありの当方にとってはエリス・マルサリスと云えば未だにウィントンやブランフォードと演った『Father and Sons』(Columbia)で止まっているという有様で、CDの量販サイトやウェブ上で彼の様々なリーダー作がリリースされているのを見るに付け、長い間聴けていなかったジャズのブランクがありすぎることを改めて実感させられてしまいます。今後後追いでこの時期のジャズをフォローしていくには、あまりに聴けていない作品の多さにかなり絶望的な感じも受けたりしています。手に入らないタイトルもかなりあって空しくもなります。そういう意味では新譜というものは、こちらが意識している限りタイムリーなアーティストからの贈り物であるので、懐の許す限り接していければと思っています。浅い懐が悲しくもありますが。

この作品はエリス・マルサリスのモンク集。デレク・ドゲットのサックスが入るワンホーン・カルテット。ウィントンやブランフォードが、その演奏スタイルから連想するにエリスの息子達であることがにわかに信じ難い旨の意見を著名な方が発しておられたことを思い出しましたよ。それくらいにエリスのピアノは彼らからかけ離れたスタイルであるということを言いたいのでしょうね。訥々と弾かれるエリスのピアノはモンク集ということもあって色合いが完全にソッチ方面に行っております。ドゲットのサックスはさしずめチャーリー・ラウズと云ったところでしょうか。個性の塊のようなモンクの曲をチャーミングに吹き上げています。そしてこの作品では、やはり息子のジェイソン・マルサリスがドラマーで参加しているんですね。なにげにジェイソンのプレイを聴くのは初めてだったりします。このアルバムの内容も関係しているのでしょうが、派手さは少なく小気味よいプレイといった感じを受けました。そういえばデルフィーヨ・マルサリスのプレイを自分が聴いたことがあったか思い出すことができません。

しかしながら、どこを切っても個性的な曲でモンクというスタイリストの偉大さを改めて実感させられますなぁ。誰が演奏してもモンクの曲と判るというのはとてつもなく凄いことだと思いますね。そんなアーティストは彼のほかにどれだけいるでしょうかね。

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  1. 2008/05/17(土) 23:12:04|
  2. Piano
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#544 Constellation/Sonny Stitt (Cobblestone)

Sonny Stitt - Constellation


A
1.Constellation
2.Ghost of a Chance
3.Webb City
4.By Accident

B
1.Ray's Idea
2.Casbah
3.It's Magic
4.Topsy

Sonny Stitt (as,ts) Barry Harris (p) Sam Jones (b) Roy Brooks (ds)

Rec-1972



探していたスティットの「コンステレーション」を入手したので聴いてみた。これで、『Tune Up !』(Cobblestone)、『12 !』(Muse)と併せて、ドン・シュリッテン-バリー・ハリス3部作を遂に通しで聴くことが出来る。やっと念願が叶ったというところです。

針を落とせばいつも通りの快調な音色が出てきて嬉しくなる。A-1はスピードの早いスティットのアルトが映えており、A-2ではテナーに持ち替えバラッドを朗々と唱い上げる。A-3はバド・パウエルの曲でアルトを使用、バリー・ハリスのスウィングするピアノが気持ちいい。A-4はアップテンポのテナーでのナンバー。グルーヴ感の凄さを実感できます。B-1はアルトでチャーミングな曲調が印象的。B-2はテナーで演奏され、流麗なフレージングに息をのみます。B-3はアルトで泣きのメロディが温もりを感じさせる。最後のB-4は御馴染みのナンバー。テナーで吹かれるこの曲にはジャズならでは醍醐味が詰まっていました。

通して聴いてみると、スティットのアルトとテナーを交互に配置したアルバム構成になっていてメリハリを利かせた形がとられているような感じがします。バリー・ハリス・トリオはスティットを活かしたバッキングで堅実なプレイを展開しており、サム・ジョーンズのベースとロイ・ブルックスのドラムも渋いリズムを刻んでいます。

こうやって徐々にではありますがスティットの過去の録音を後追いで接するにつけ思うのですが、安定した水準のアルバムを持続してリリースし続けていることを目の当たりにすると、世間的にはパーカー絡みで云々される彼ですが私にとってはこのプレイヤーの力量を感じずにはいられません。

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  1. 2008/05/16(金) 23:31:19|
  2. Alto Sax
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#543 My Favorite Guitars/Andreas Oberg (Resonance-CD)

Andreas Oberg


CD
1.Funky Tango
2.Troublant Bolero
3.Waiting for Angela
4.Aqui, Oh
5.Uptown Down
6.AM Call
7.The Changing World
8.The Trick Bag
9.Here to Stay
10.Endless Love
11.Villa Hermosa
12.Valdez in the Country

Rec-Unknown

DVD
1.Le Q Theme
2.AM Call
3.Blue in Green

Rec-2006

Andreas Oberg (el-g,ac-g,vo,arr.) Kuno Schmid (p,key→only1~4,7,10,key-b→only6,arr.)
Tamir Hendelman (p,key→only5,8,9,11,arr.) Marian Petrescu (p,key→only6,11.)
Kevin Axt (b) Harish Raghaven (b) Vic Stevens (ds,perc)



男前過ぎるスウェーデンのギタリスト、アンドレアス・エーベルグのカッコよさの際立つプレイが堪能できる最新作。曲によってはストリングス基調のものであったり4ビート以外のトラックも多いので、純然たるメインストリーム・ジャズ・ギターを期待すると不意打ちを食らう感もありますが、ストリングスにありがちな過剰な甘さを感じることは少なく、彼のギター・プレイにスポットを置けばかなりのテクニシャンであることは間違いないというものがビンビンと感じられ、存在感あるスマートなプレイがタップリと堪能できました。

例によってこのアーティストで最初に体験したのがコレになります。彼のHPを見るとこの作品の前までにノルウェーのHot ClubというレーベルからCD3枚とDVDをリリースしているようで気になるところです。この作品は彼のアメリカ・デビュー盤ということで12曲収録のCDと、2006年にライブ収録された演奏が3曲収められているDVDとの2枚組で、当方のような初心者にとっては音と映像で楽しめる有難い仕様になっています。タイトル通りリスペクトしているギタリストに捧げられた作品で、ウェス、ベンソン、パット・マルティーノ、メセニー、ジャンゴ、トニーニョ・オルタ等々プレイされるラインナップは、彼の影響された流れが垣間見え興味深いところです。そういったラインアップの中に彼のオリジナルが2曲(6,10)含まれています。ピッキングの正確さやハーモニー、エモーショナルなプレイや早弾きなど音だけでも充分実感できるのですが、DVDを見るとそのテクニックを目の当たりにすることが可能なのが嬉しいところです。4曲目にはヴォーカルというよりもコーラスといったほうがよい彼のヴォイスも絡めたアコギ・ナンバーなどもあり表情豊かなアルバムに仕上がっています。今度は完全にギターをフィーチュアした既作のソロ・アルバムを聴いてみたいなぁと思い描いています。

しかしながらオネェちゃんが放っておかないであろうルックスというのは羨ましい限りですなぁ。それでギターもクールにこなすということは、選ばれた人間には天は二物を与えてしまうようですね。と、オヤジは拗ねるのでした。

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  1. 2008/05/15(木) 23:58:00|
  2. Guitar
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#542 Prime Directive/Dave Holland Quintet (ECM-CD)

Dave Holand - Prime Directive


1.Prime Directive
2.Looking Up
3.Make Believe
4.A Seeking Spirit
5.High Wire
6.JugglersnParade
7.Candlelight Vigil
8.Wonders Never Cease
9.Down Time

Dave Holland (double-b) Chris Potter (ss,as,ts) Robin Eubanks (tb,cowbell)
Steve Nelson (vib,marimba) Billy Kilson (ds)

Rec-1998



昨年のデイヴ・ホランドの公演には本当に行きたかったと思っている。いや、全くもって今さらなんだけどこのアルバムを聴いてみて、さらにその感を強くしている。こんな駄ログながらいつもお世話になっているpiouhgdさんが、一日2セット体験という何とも男前な鑑賞を成し遂げ、そのレビューを拝読し悶絶する田舎モノでありました。嗚呼、都会に出たいのぉ!

で、ほとぼりの冷めた今頃に何ゆえブリ返すのか。彼の近作である『Critical Mass』(Sunnyside)は、その個性的なサウンドと圧倒的なパフォーマンスが表現された傑作として愛聴してきたのですが、その先、というかそれ以前の作品に遡ってみれば手元に殆ど作品がない状態でありました。自分が把握している(手元にあって聴いている)ホランドのパフォーマンスを振り返ればマイルス・デイヴィスやエリック・クロス、チック・コリアの70年代等、その時代まで戻らなければならないという何とも懐古趣味的な状況を呈しており、そういうのは宜しくないと思ったので現在のフォーマットに近い作品として色々探った中の一枚としてこのアルバムを取り寄せてみたわけです。そして改めて思ったのです。パフォーマンスを観れる機会を逸したことの大きさ、この後悔に苛まれているというわけです。素晴らしいではないですか、この作品も。

2005年録音の『Critical Mass』と比較してみると録音が約7年前となり、参加メンバーを見てみればドラムのネイト・スミスがビリー・キルソンになっていることぐらいで大きな変化はありませんでした。今さらですがこのホランド・クインテットの活動の長さというものを実感したという情けなさです。

ホランド率いるクインテットはかなり前から完成されていて、高いクオリティーを長く誇っていることがこのアルバムを聴けば明らかに解ります。張り詰めたテンションとハーモニーの深さ、強靭なベースに爆走するドラムはそのままで全く見劣りすることがありませんでした。それにしてもネイト・スミスという強烈なドラマーに引けをとらないビリー・キルソンのドラムには恐れ入る。演奏を引き締め、且つ煽り立てる効果は絶大でその存在感は抜群です。いつもながらのスティーヴ・ネルソンのヴァイヴ&マリンバとクリス・ポッターの3種のサックスが絡む様は怪しさをも漂わせ、そこに加わるロビン・ユーバンクスは艶やかさも感じさせます。ギターのケヴィン・ユーバンクスはリーダー作を含め何度か経験していましたが、ロビンのトロンボーンも良いですね。彼名義の作品を聴いてみたくなりました。

そんなわけで、暫らくはホランド三昧を続けそうな勢いです。

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  1. 2008/05/14(水) 21:18:42|
  2. Bass
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#541 Live at the Royal Festival Hall/John McLaughlin Trio (Winter & Winter-CD)

John McLaughlin - Royal Festival Hall


1.Blue in Green
2.Just Ideas - Jozy
3.Florianapolis
4.Pasha's Love
5.Mother Tongues
6.Blues for L.W.

John McLaughlin (ac-g,g-synth) Kai Eckhardt (el-b) Trilok Gurtu (ds)

Rec-1989



ドイツのレーベルであるウィンター&ウィンターが、その前身と云えるJMTというレーベルのレア盤を統一されたデザインで81枚復刻したうちの一枚で、コレは35番ということになっています。強化ダンボールのような素材で作られたジャケットはかなり個性的で堅牢な作りは目を見張りますが、如何せんCDの出し入れが非常に難儀でどうにかならんかと思います。出すのは問題は少ないのですが、しまう時にCDを差し込む縁の切れ目が非常に入れにくく毎回往生しています。個人的にはプラケース崇拝者で割れても代替品の都合がつきやすいのが便利で有難いのですが、デジパックであるとかこういう特殊な入れ物は不良の多い外盤ですと確率的にカスを掴まされることも多く、爪折れとかの場合に応用が利かないのが腹が立ちます。最近ではヨーロッパの一部の盤で採用されているスーパー・ジュエル・ボックス(Super Jewel Box)というケースは良いですね。4つのコーナーが丸みを帯びていて、ケースの側面を指の腹で押すと蓋の開くヤツ。コレに統一してもらいたいくらいによい感じです。

インナーのブックレットにオリジナルのジャケットがレイアウトされていました。

John McLaughlin - Royal Festival Hall (Booklet)

ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライブ盤。この作品はトリオ編成で中心はアコギになるのですが、ギター・シンセなども導入したこの時期のスタイルを感じさせる内容。若干のスペイシーさを感じさせるトラックも含まれているこのライブを聴いていたら、1992年のドラム・シンセを導入した『Que Alegria』(EmArcy)という作品を思い出したよ。ただエレクトリックを中心とした奇抜な演奏は含まれておらず、あくまでもマクラフリンのギター・プレイを中心に据えられています。ヴォイス・パーカッションなどを効果的に使用し、マクラフリンの世界観が良く表れた好内容でした。

ウィンター&ウィンターはクラシックや現代音楽まで網羅したレーベルですが、ジャズではM-Baseやフリーなどのカタログが多く、目下の狙いはティム・バーンの諸作品を聴いてみたい衝動に駆られています。

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  1. 2008/05/13(火) 19:01:25|
  2. Guitar
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#540 Generations/Georges Paczynski Trio (Arts & Spectacles-CD)

Georges Paczynski


1.Emmi
2.Alma Mia
3.Free for Three
4.Part One Fantin's Song
5.Miss L
6.Part Two for Helena
7.Patchwork
8.L'etang des Perches
9.Part Three for Isa

Georges Paczynski (ds) Renaud Palisseaux (p) Laurent Fradelizi (b)

Rec-2006



ある雑誌の特集で2007年度にリリースされた作品の中で、その筋の専門家(?)の投票により一番録音(オーディオでの再生音)が優れているとの評価を得たジャズ作品。もとより貧弱なステレオ、且つ最近はCDプレーヤーが暴走するような状態のイカれシステムを、だましだまし使用している当方には、正直云って録音云々の惹句は「良いに越したことはない」程度のことで、そもそもPCにリッピングして聴くことのほうがストレスなく楽しめるという何とも情けない状態でありますから全く興味のない記事と言うことになります。先方の云う企画の趣旨からすれば何の問題もないのでしょうが、興味のない人間にとってはこれは単なる「良い音質作品」の順位付けの羅列であり、タコ耳を向上させたいと思っても肝心の作品の内容について言及がないことが寂しく憤慨してしまいます。「いい音」の概念は人それぞれなのでコレを参考にする好事家の方々には有益なのかもしれませんがね。当方にとっては去年にリリースされた作品のリスト(当然全てではない)という意味合いしかないので取り敢えずは一番だった作品を引っ張ってみました。

ドラマーのジョルジュ・パッチンスキーがリーダーとなったピアノ・トリオ。CDプレーヤーが瀕死状態なので早速PCにリッピングして聴いてみたら確かに物凄くクリアなサウンドが出てきました。ピアノの透明度とスネアを擦るブラシがリアルに聴こえ、シンバルの荘厳な響きも印象的で、そらぁ本格的なシステムで聴けば感動はするのだろうなぁとは感じました。肝心の中身はなかなかスッと入ってこずダークな雰囲気を基調としたような内容に感じられました。届いた直後に数回聴いてみたのですが単純な私のような人間には割と難しい作品で暫らくは間をおいていました。静寂な部分を多分に持っている作品であるのですが、繰り返し聴くことによって氷解させていくことは可能のようなので、徐々にモノにしていきたいなぁとは思っています。

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  1. 2008/05/12(月) 23:54:21|
  2. Drums
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#539 Piano for Nuria/Tete Montoliu (MPS)

Tete Montoliu - Piano for Nuria


A
1.Blues for Nuria
2.Tranquillogy
3.Alone Together

B
1.Speak Low
2.Visca L'ampurda
3.I Surrender Dear
4.Stable Mates

Tete Montoliu (p) Peter Trunk (b) Al "Tootie" Heath (ds)

Rec-1968



大好きな作品。忘れた頃にまた聴きたくなる。呆れるほど煌びやかなタッチ。カタロニアという出自も微妙に感じさせる個性的な解釈。自分にとって聴後に残る余韻まで楽しめる数少ないピアニスト。今ではスペインはピアニストの宝庫とまで云いたいぐらいに活況で、イグナシ・テラザ、イニャキ・サルヴァドール、イニャキ・サンドヴァル、チャノ・ドミンゲス等々思いつくだけでもテクニシャンを多数排出していますが、一昔前まではテテ・モントリュー以外を思い浮かべることは困難でした。テテの作品は今では殆どのアルバムが一度は復刻されている為、手に取り易い状況で有難いですが、一昔前は結構指を銜えて再発を望んだものでした。新しく接することが出来る機会があるたびに喜び、期待に違わぬ内容の作品を手に取るだびに贔屓度が増していく嬉しいピアニストで今でもその崇め方は変わりありません。

オリジナルはSABAですが所有は当然の再発盤でドイツのヴィリンゲンでの録音。テテやペーター・トルンクのオリジナルが3曲(A-1,A-2,B-2)含まれています。この作品は彼が初リーダー作をリリースしてから約10年後にあたる時期に録音されています。当方にとってはテテの作品の中でも比較的初期に入手した為、この盤との付き合いはかなり長い付き合いになります。テテのピアノは硬めの音でそのアタックの強さに聴き耳を立て、指が縺れないことが逆に不思議な感じてしまうくらいの流麗な流れに絶句してしまいます。ドイツの名手ペーター・トルンクのベースは粘っこく、年代からいけばこの時期はコペンハーゲンに在住していたであろうアル・ヒースのドラムのタイム感が実に気持ち良い。B-3のみテテのソロ・ナンバー。

やっぱり久しぶりに聴いてもこの人のピアノは自分の中では重要な位置付けにあることを改めて確認した次第です。

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  1. 2008/05/11(日) 23:46:15|
  2. Piano
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#538 West Side Stories/Lonnie Plaxico (Plaxmusic-CD)

Lonnie Plaxico - West Side Stories


1.West Side Stories
2.Climb Every Mountain
3.I Want it to be
4.Robin's Dance
5.One Less Bell to Answer
6.Funkadelic
7.I Want to Know What Love is
8.Longer
9.Duke it Out
10.Speaking in Tongues
11.Your Love Speaks to Me

Lonnie Plaxico (b,key→only3) Gary Thomas (ts→only1,2,4,6,7,9,10) Ravi Coltrane (ss→only6)
Steve Coleman (as→only5,8) Gary Pickard (ts→only8) David Lee Jones (as→only11)
Alex Norris (tp→only1,2,4,6,7,9,10) Jeff Hermason (tp→only8)
George Colligan (hammond B3-org,p,el-p→1,2,4,5,6,7,8,9,10,11)
Kenny Grohowski (ds→only1,2,4,5,6,7,9,10,11)
Jeff Haynes (perc→only3,8,11) Khalil Kwame (bell-perc→6,7,11)
Cassandra Wilson (vo→only3,5,8,11) Carla Cook (vo→only7)

Rec-2004



ロニー・プラキシコのこのアルバムは猛烈なジャズ・ファンクでした。ビートの塊。そして目まぐるしく変わる旋律。こういうのは大好きです。ジャズとは云いにくい要素もありますが。

そもそもM-Baseという言葉を聞いた事はあっても、彼らが一時代を築いていた10数年前に当方が全くジャズから離れていた為、漠然とイメージするもの以外に当方には何の知識もありません。ですからその中枢で活躍し、このアルバムでも存在感を示しているスティーブ・コールマンやゲイリー・トーマスやカサンドラ・ウィルソンのリーダー作は一枚も聴いたことがない為、連想から来るイメージでしか捉えることが出来ません。このアルバムでの方向性も一貫しているので似たような感じなのだろうと思うのですが決め付けるのはやっぱり良くないのかな。ということでウェブで調べてみたら・・・。

M-Base(マクロ・ベース)。特徴としてリズムが複雑である、変拍子の多用、伝統的フレーズを使わない等々既成のジャズから踏み出した解釈を掲げ、ブラック・ミュージックの利点を取り入れているとのこと。なるほど、M-Base一派が集合した作品とユニオンのHPで説明されているこのアルバムの内容はその通りで、一聴した時の感想は冒頭に述べた通りの印象でした。オーソドックスなジャズ愛好者からすれば、恐らくこれは違うジャンルの音楽として受け取られる類のサウンドなのでしょうか。

先の展開が読めないメロディ・ラインのビートの強い曲と、ソウル・ミュージックを彷彿とさせるヴォーカル・ナンバーが交互に配置されたような感じでなかなか濃厚です。7曲目に聴いたことがある曲があるなぁと思ったら、フォリナーの大ヒット曲だったりして柔軟なセレクトがこのバンドのカラーにマッチしており面白いところです。メンバーが曲ごとに変わり付け合せ作業が大変ですが、前述の通り筋が通っているのでバラバラな感じは全くしません。ジャズにとっては亜流なのかもしれませんが当方にとっては新鮮で歓迎できる連中なのでした。前に聴いていた『Live at the 5:01 Jazz Bar』(Plaxmisic)も強烈で、何度も聴いていただけにこの作品も充分楽しめました。

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  1. 2008/05/10(土) 21:33:46|
  2. Bass
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#537 Songs From the Heart/Johnny Hartman (Bethlehem)

Johnny Hartman - Songs From the Heart


A
1.What is There to Say
2.Ain't Misbehavin' (I'm Savin' My Love for You)
3.I Fall in Love too Easily
4.We'll be Together Again
5.Down in the Depths
6.They Didn't Believe Me

B
1.I7m Glad There is You (in This World of Ordinary People)
2.When Your Lover Has Gone
3.I'll Remember April
4.I See Your Face Before Me
5.September Song
6.Moonlight in Vermont

Johnny Hartman (vo) Howard McGhee (tp) Ralph Sharon (p) Jay Cave (b)
Christy Febbo (ds)

Rec-1955



男性シンガーは低音域を活かしきれる太い声に魅力を感じています。なのでこの人の歌唱は当方にとって理想的と思っています。どこまでも深く沈みこむバリトン・ヴォイスと無理のないユッタリとした伸びのある高域。カッコいい。渋い。男である当方がゾワゾワくる声というのは何とも気色悪い感想でしょうか。変な風に勘繰られると非常に不本意であるのですが。

ここでのラルフ・シャロンの歌伴が実にいい。シャロンは同レーベルであるベツレヘムに自身のリーダー作もあるのですが、味わい深い控えめなプレイがジョニー・ハートマンのヴォイスに良くマッチしていて素晴らしい。ちなみに翌年の1956年に録音されたシャロンのベツレヘム盤『Thinking Man's Music』はピアノ・トリオでココで参加しているベーシストのジェイ・カーヴとドラマーのクリスティ・フェボと組んでおり、これまた渋さ全開の好盤であります。シャロンは他にもクリス・コナーのベツレヘム盤『This is Chris』と『Chris』等にも参加しており、元来歌伴の素晴らしさは定評があります。さらに加わっているのがトランペットのハワード・マギー。リリカルで鉛色に光るマギーの参加がアクセントになって、この作品のチャーミングさをグッと引き上げています。消え入るような渋い演奏にゾクゾクします。ハートマンを初めて知ったのはコルトレーンとの共演盤。おそらく入り口はこの作品という方が殆どではないかと予想します。コルトレーンとのアルバムの印象が大きかったことで色々聴いてみましたが、自分の中ではこの初期の作品が一番好きですね。以前にはハンク・ジョーンズやイリノイ・ジャケー等が参加した『I Just Dropped by to Say Hello』(Impulse)も取り上げました。

この作品は自分好みのコンボもののヴォーカルということもあって、部屋を薄暗くして久し振りに水割りを飲りながら聴いてみています。味気ないショボイ部屋で虚勢を張ってムード作りに励んでみましたが、それ以前にアルコールで気分が良くなったみたいで酔ったモン勝ちみたいな状況となってしまいました。全くもって風情のないオッサンでございます。

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  1. 2008/05/09(金) 23:58:59|
  2. Vocal
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#536 The Ultimate/Elvin Jones (Blue Note)

Elvin Jones - The Ultimate


A
1.In the Truth
2.What is This ?
3.Ascendant

B
1.Yesterdays
2.Sometimes Joie
3.We'll be Together Again

Elvin Jones (ds) Joe Farrell (ts,ss,fl) Jimmy Garrison (b)

Rec-1968



未明の地震で今日一日微妙にテンションが上がっていた。単に寝不足気味なせいもあるだろう。そもそも当地は直下でも近海でも地震の巣だらけという地域なので震度4程度であれば普通に対処というか、普段は何とも思わずやり過ごすのであるが、週に何回も揺れることが珍しくない当地でもさすがに久し振りにビビった。前兆の震度3、本震の5弱、さらに未明に続く微弱な余震。夜が明ける前には収まったが、不安定に積み上げられた大山のような状態のレコ棚が崩壊し、数多の皿の下敷きになってペッタンコになるのだけは避けたい。いや、本望なのか。厳密に云えばココでの最大は4なのであるが、安普請の家がメリメリいうのには焦ったよ。

なので気分はエルヴィン・ジョーンズ。意味が解らないだろうし解らなくてよい。取り上げていないアルバムを探したらコレがまだだった。取り上げたリーダー作や双頭作としては『Together !/Philly Joe Jones & Elvin Jones』(Atlantic)『Puttin' it Together/The New Elvin Jones Trio』(Blue Note)『Elvin Jones Live at the Lighthouse』(Blue Note)『Heavy Sounds/Elvin Jones and Richard Davis』(Impulse)等々、過去に結構多数をチョイスしている。コレはBNのリーダー作としては2作目。各人の火の出る応酬といった豪快なパワフル・ジャズを期待するが実はそうでもないと自分では感じている。絶妙な互いの駆け引きのほうが際立っておりそれを意識して聴くと面白い。ファレルのリードの奔放さ、ギャリソンのゴリンゴリンいうベース、エルヴィンの腹に響くドラム。どれもが堪能できるのはお得意の編成であることも一因かな。当方がピアノ・レス・トリオに目がないという事実もあるので、こういう説明は私が云うと贔屓の引き倒しにもなるのかな。

ブルーノートのエルヴィンは9枚のリーダー作があるのですが、手元には初期の3枚とライブ盤の4作品しかありません。その中では圧倒的にライトハウスのライブが好きですが、このあたりの作品もあまり主役として取り上げられることは少ないですが、彼らしさが出ていてなかなか良いですよ。

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  1. 2008/05/08(木) 21:04:15|
  2. Drums
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#535 Blues for Hiroshi - Swingin' With the Anthony Wonsey Trio (Sharp Nine-CD)

Anthony Wonsey


1.Damn That Reality
2.Waltz for Debby
3.Brother Hiroshi
4.Just in Time
5.The Peacocks
6.Just You, Just Me
7.Black Fairy Tales
8.Nobody Else But Me
9.Relaxin' at Camarillo

Anthony Wonsey (p) Richie Goods (b) Tony Reedus (ds)

Rec-2004



ヒロシが気になったので聴いてみた。なぁにキッカケなんてなんでも良い。日本人に訴求するタイトルをつけたアンソニー・ウォンジーの勝ちである。で、肝心のヒロシさんは東京のレストランのオーナーだそうで、アンソニー・ウォンジーも彼のレストランで演奏をしていたようです。お互いの信頼関係が読み取れるような良い話じゃないですか。3曲目はその名も「ブラザー・ヒロシ」。素晴らしいじゃありませんか。ただウェブ上ではこの作品の内容に賛否があったので万人に受けるということはつくづく難しいなぁと思いますね。自分としては良く唱ういいアルバムだと思うのですがねぇ。例えば個性的なピアノを欲する向きには平凡に聴こえるのでしょうか。それとも駄耳には理解できない何かが、ウォンジーには欠けているのでしょうか。まぁ当方にも好みがあるので毎回無条件に賞賛することは不可能であるし、送り手というのはそういう様々な受け手の意見の矢面に立たなければならないわけで大変だなぁと思うわけです。私のような小心者がその立場なら折れてしまいますよ。

ということで結構気に入って聴いています。シャープナインというレーベルにはデヴィッド・ヘイゼルタインという多作家ピアニストがおりますし、タード・ハマーなど趣味の良いピアノ・トリオもあって嬉しい会社なのですが、冒険的なサウンドには殆どお目に掛かれず、ややもするとカラーが単調なものになりがちな中で、ごきげんなドライブ感溢れるバップに根ざした実直なピアノは気持ちよく入り込んでくれます。メリハリの効いた明るいタッチと絶妙なブルース感は、オーソドックスなスタイルが好きな方ならきっと気に入ると思います。自然に体を揺らされてしまう楽しさが充満した内容でした。

例によってアンソニー・ウォンジーのアルバムを聴くのはコレが最初になるのですが、このアルバムの後に『The Thang』(Sharp Nine)という作品もリリースしており、それ以前のリーダー作としてはクリスクロスでのクインテット編成の『Open The Gates』や、Evidence等に録音があるようです。まぁ今後じっくりと攻めて行きますよ。

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  1. 2008/05/07(水) 23:08:15|
  2. Piano
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#534 Berney Kessel Plays "Carmen" (Contemporary)

Barney Kessel Plays Carmen


A
1.Swingin' the Toreador
2.A Pad on the Edge of Town
3.If You Dig Me
4.Free as a Bird

B
1.Viva el Toro !
2.Flowersville
3.Carmen's Cool
4.Like, There's No Place Like
5.The Gypsy's Hip

A-1,B-1,B-5

Barney Kessel (g) Ray Linn (tp) Harry Betts (tb) Herb Geller (as)
Justin Gordon (ts) Chuck Gentry (bs) Andre Previn (p)
Joe Mondragon (b) Shelly Manne (ds)

A-2,B-2,B-4

Barney Kessel (g) Justin Gordon (fl,alto-fl) Buddy Collette (cl,fl)
Jules Jacob (cl,oboe) Bill Smith (cl,b-cl) Pete Terry (b-cl,basoon)
Andre Previn (p) Joe Mondragon (b) Shelly Manne (ds)

A-3,B-3

Barney Kessel (g) Victor Feldman (vib) Andre Previn (p) Joe Mondragon (b)
Shelly Manne (ds)

A-4

Unknown Members

Rec-1958



これはもう持って生まれた当方の中の潜在的な性分だと思っており、誠にどうしようもないとハナから諦めていることなのですが、映画を観るということをここ十数年くらい全くしていません。まぁそれによって何かを得る可能性を逸しているのでしょうが観なくても個人的には全く困らないわけで、ここのところどんな映画でも特に興味も沸かず、映画館にも10年以上行っていません。自分には行為自体が向いていないことが分かったからです。ちなみにテレビでやっていても映画は観ませんし、ドラマなども海外・国内問わず一切観ません。そもそもテレビは気になるスポーツなら金を払って契約してでも見ますがそれ以外はわずかな特定の番組のみしか観る気がおこらずその分音楽を聴いたり本を読んだりしているほうが性分に合います。そういう意味ではジャズ・ライブに行く機会を是非とも増やしたいのですが、地理的なことがネックでなかなか足を伸ばせず情報のみを指を銜えて眺めているような状態です。

言わずもがなではありますが、オペラのような高尚なもの(と敢えて云う)を当方が知る由もありません。「カルメン」と聞いて「闘牛」を漠然と思い浮かべる程度の体たらくですので原作を読んだこともありません。そういう「ないないづくし」の人間に聴かれるミュージシャンはさぞ不本意かと思いますが、まぁご勘弁頂きたい。実際に聴いてみれば知っている曲が半数ぐらいは演奏されていた。過去から全く学んでいないという学習能力の欠落が痛すぎるけれども、ものを知らん人間なりに今まで無意識のうちに接してきているのだなぁ、と改めて実感する。ただコレが自分の好みに合致するかどうかはやっぱり聴かなきゃわからないわけで、結論を云えばあまり得意ではない部類でした。

バーニー・ケッセルが織り成す「カルメン」はウェスト・コーストの代表的なミュージシャンが並んでおり、主たる3つのグループに分かれて演奏されている、いかにもその筋のサウンドが全編に展開されます。緻密に練られた編曲、トラックによっては室内楽的なアプローチもとられておりアンサンブル重視のスケールの大きな作品になっています。ただ、A-4のトラックはハーブ・ゲラーのいるグループとバディ・コレットのいるグループの混成メンバーということのようです。手元には確定できる資料がないのでウェブ上でのディスコグラフィーを参照したのですが、出て来る楽器のパート等を検証した結果どうやら誤った表記がされているような・・・。従って正確なパーソネルが判らなかったので敢えて掲載しませんでした。

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  1. 2008/05/06(火) 23:49:07|
  2. Guitar
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#533 Serenata/Bobby Scott (Verve)

Bobby Scott



A
1.The Nearness Of You
2.I Remember You
3.Serenata
4.Blues For Jamie
5.Fine And Dandy

B
1.Every Woman
2.The Poddler
3.Black Coffee
4.New Orleans Stomp
5.Lover Man

Bobby Scott (p,vib→onlyA-1,A-2,B-5) Dick Garcia (g) Teddy Kotick (b)

Rec-1958



個人的にヴァーヴというレーベルが好きで、もちろん現在進行形のレーベルであるのですが過去の膨大なカタログの全貌も掴んでみたいなぁとか常々思っています。恐らく中間派のカタログを多く持っていることが自分が惹かれる要因であると分析しています。ウェブ上のディスコグラフィーなどを重宝して拝見させて貰ってはいますが、全てのジャケットを網羅して系統立てて編纂してあるようなものがあれば是非とも見てみたいし、そのような本があれば安価でないことを承知しても奮発して手元におきたいなぁと思ってしまいます。ただ実現させるにはかなり厄介なレーベルのようで、過去国内で編まれた本に関しては満足のいく物に出会うことは出来ませんでした。まぁアチコチの番号でリイシューしたり、ジャケ違いのものがゴロゴロと複数転がっていたり、ミュージシャンの変名参加ものの存在とか、すこし思いつくことだけでも確かに面倒くささは否めませんね。

そんなヴァーヴに残された(といってもクレフ・シリーズと銘打っていますが)ボビー・スコットのピアノ・トリオ。ココでの編成はドラム・レスでギターが加わっている。ピーターソン・トリオにもこの編成の作品が多いですよね。ただ全体的に云えばディック・ガルシアのギターの存在はソロの部分以外は希薄で、実質ピアノ・デュオ、あるいはヴァイヴ・デュオといった様相でスコットとテディ・コティックの二人三脚がハイライトのような感じです。先に触れましたがヴァイヴを披露している曲が3曲あります。コレが実に瀟洒で良い感じです。この盤もご多分に漏れず膨大なカタログ数のヴァーヴの中で完全に埋もれている作品ですが滋味深さは格別でたまに取り出して聴いています。

そのスタイルはオーソドックスであり派手さはなくひょっとしたらカクテル・ピアノのような感をもたれる可能性もありそうですが、なかなか煌びやかな響きで雰囲気で聴かせるピアニストとも言えそうです。我流のヴァイヴは渋さが滲み出ておりチャレンジは成功していると思います。またココでは披露しませんが彼はヴォーカリストでもあり、また唱伴も上手いのでその片鱗はこのアルバムでも窺える部分があります。

ヴァーヴには私自身にとってまだ見ぬこの手のマイナーな盤が大量にあるわけですが、全貌を掴むことは無理としても少しずつでも触れていければと思っています。ただ結構ハズレ(失礼!)が多かったりするのが難点ですが。
  1. 2008/05/05(月) 00:10:20|
  2. Piano
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

#532 African Tarantella /Stefon Harris (Blue Note-CD)

Stefon Harris


-From the New Orleans Suite by Duke Ellington & Billy Strayhorn-
1.Thanks for the Beautiful Land on the Delta
2.Portrait of Wellman Braud
3.Bourbon Street Jingling Jollies

-From the Queen's Suite by Duke Ellington-
4.Sunset and the Mocking Bird
5.The Single Petal of a Rose

-From the Gardner Meditations by Stefon Harris-
6.Memoirs of a Frozen Summer
7.African Tarantella
8.Dancing Enigma

9.[Untitled]

1~4,6~9

Stefon Harris (vib,marimba) Steve Turre (tb) Anne Drummond (fl)
Greg Tardy (cl) Junah Chung (viola) Louise Dubin (cello)
Xavier Davis (p) Derrick Hodge (b) Terreon Gully (ds)

5

Stefon Harris (vib,marimba) Louise Dubin (cello) Derrick Hodge (b)

Rec-2005



コレは渋い。最初はとっつきにくくてどうかと思ったがジンワリと渋さが伝わってきた。こりゃいい傾向だ。長く付き合えそうな気がする。

ステフォン・ハリスというヴァイヴ奏者のアルバム。複数の作品をリリースしていますが例によってコレが初めて接した作品。頭の上にタランチュラを乗せるという悪趣味極まりないジャケットで、どれだけおどろおどろしい音が飛び出してくるかと構えていたのですが、ダークな音感のオーケストラに拍子抜けしました。でも沁みてくるんですよ、だんだんと。HMVのサイトに記されている「非商業主義的」との文句に逆に惹かれて引いてみたのですが確かにコマーシャルなところが全く見えずその通りですわ。昨日聴いたEgea Orchestraと同様インテリジェンスを感じるものの、その質が違うというか当方にとって抵抗のないカッコ良さを実感することが出来る演奏に徐々に嵌り込んでいます。派手さの全くないプレイが逆に潔く感じられます。こういう作品に反応した自分がちょっと意外に感じられました。

この作品はエリントンとビリー・ストレイホーンに捧げられた作品。ハリス自身のゴージャスなオーケストレーションが展開され、ヒンヤリとしたクールに仕上げたサウンドが全編を支配しますが4曲目のように陽の部分を感じられる曲や、5曲目のように大編成から離れてヴァイヴにスポットをあてた小品も含まれているのがこのアルバムが単調にならない要因となっているようです。しかし全体的にメリハリを付けるとまでは云えず、あくまでも一本筋の通った統一感を与えています。7曲目のタイトル曲も良いですね。隠れトラックの9曲目はこの作品の中で一番ホットな演奏になっていてドラマーがパワフルに全体を鼓舞しています。

自分の趣向の範疇からかなり離れた作品との認識なのですが、思いのほかこのクールなサウンドにヤラれていて自分自身の新しい一面が開けたのかな、などと思っています。そもそも積極的に拾おうとしなかったタイプの作品ですので、彼を通じて受け入れ態勢を築いていければと思っています。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/04(日) 03:09:36|
  2. Vibraphone
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#531 Di Mezzo il Mare/Egea Orchestra (Egea-CD)

Egea Orchestra


1.Il Bacio della Tarantola
2.Porto Antico
3.Staccomatto
4.Festa Ionica
5.Terra D'ombre
6.Mezzo e Mezzo

-Egea Orchestra-

Pietro Tonalo (ss,ts) Marco Zurzolo (as,ss,fl) Gabiele Mirabassi (cl)
Gianpaolo Casati (tp) Alessandro Tedesco (tb) Enrico Pieranunzi (p)
Giancarlo Bianchetti (g) Piero Leveratto (b) Alfred Kramer (ds)
Fulvio Maras (perc)

Rec-2005



イタリアのペルージャにあるイギア(杉田宏樹氏は自著の中でエジェアと紹介している)というレーベルの旧作が一斉に復刻されている。全くの情報を持ち合わせていなかったのでこの際色々と探ってみた。レーベルのラインナップを見ていて知っているアーティストがエンリコ・ピエラヌンツィとエンリコ・ラヴァ、ジョン・テイラー、ケニー・ホイーラー、パオロ・フレス、ステファノ・バッタグリアぐらいしかいない。実際ピエラヌンツィの作品が結構リリースされているので彼がこのレーベルの根幹を担っていると云えそうだ。

沢山のカタログの中から有名なこの作品に目星をつけて聴いてみた。デジパック仕様ながら豪華な装丁でブックレットも貼付されていてエラい高級感のある見栄えと質感。名を連ねているメンバーはイギア(エジェア)で過去に何らかの形で関わっているミュージシャンが中心のようで、エンリコのほかガブリエル・ミラバッシのようにリーダー作を複数残しているアーティストもいます。何せ初めてなのでオーケストラと云う編成のこの作品が入り口として適切であるのかは大いに疑問なのであるが、集約されているのだと勝手に解釈しています。

で、現在格闘中であります。云われるような絶賛の評価を咀嚼しながら必死に聴いていますがどうも今の当方には厳しく手強い代物でした。ただ一回目より二回目、二回目より三回目と徐々に好転してきているのは良い傾向のようです。まぁ、ある程度こういう展開になることは予想していたのではありますが、クラシックの土台を感じさせる緻密な音楽はやはりこのレーベルのカラーなのでしょうな。何せこの一作のみ聴いただけなので結論付けるのは無謀なのかもしれませんが、何となく統一されたジャケットの雰囲気からも察するにこのレーベルのカラーはハッキリしているように見受けられます。じっくり練られた複雑に絡み合う演奏は、元来そういうのに興味深々な当方にとっても入り込むには時間を要しそうです。コレはひとえに当方の知的なものに対するコンプレックスが噴出した形ではないかと自覚します。ジャズにおける計算された部分を多く感じ取り、当方が得意な「ガツンと一発」系とは一線を画します。バリバリ吹かれるハードなオーケストラではなく、プレイからインテリジェンスを感じます。

とまぁ御託を並べ立てても改善するわけではないので半ば諦め気味ですが、このようなジャズを自然に受け入れられる技量は具えたいなぁ、とは切望します。はい、勝手な絵空事です。失礼しました。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/03(土) 22:26:08|
  2. Modern Big Band
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#530 This Way/Myron Walden (Fresh Sound New Talent-CD)

Myron Walden - This Way


1.What Goes Up Must Come Down
2.Right Here
3.3 Up 4 Down
4.Swamp Thing
5.Too Far to Turn Back
6.Like I See it
7.Sooner Than Later
8.Descent From the Clouds

Myron Walden (as) Jimmy Greene (ts) Vicente Archer (b) E.J. Strickland (ds)

Rec-2003



ピアノ・レスでフロントがアルト&テナーの2管カルテット。メンバーと編成に惹かれて買ってみた。とは云えアルトのマイロン・ウォルデンのリーダー作を聴くのは今回が初めて。彼のHPに因ればこの作品が一番新しくて通算6作目ということになるのでしょうか。サイドの作品ではジェレミー・ペルトの『Identity』(Max Jazz)(この作品はソプラノとバスクラで参加)で聴いたことがある。リズム陣は大いに期待できるし、ジミー・グリーンは彼のリーダー作『Gifts and Givers』(Criss Cross Jazz)がかなり良かったので楽しみにしていました。この作品ではアルトに専念していますが、上記の通り様々な楽器を操り、他にはテナーやフルートもこなすようです。フレッシュ・サウンドのもう一方の『Higher Ground』もピアノ・レス・カルテットなのですが、そちらはテナーにマーカス、ドラムにE.J.のストリックランド兄弟とベースにブランドン・オーウェンズという強力な布陣で見逃せるはずもなく、こちらも速攻で注文したのですが2ヶ月以上も音沙汰無し。

ハードなプレイは彼の関わってきた仕事での人脈などからある程度は想像出来ていました。そして期待通り男らしいゴリゴリしたサウンドが飛び出してきたので小躍りして喜んでいます。ピアノ・レスでのサックス・トリオが好きなことはそのフォーマットでの作品を取り上げるたびに表明し続けてきたのですが、ココではテナーをさらに加えた事により、サックス対リズムの対決軸とアルト対テナーという新たな楽しみも増え、豪快さが一段と増すであろうことも嬉しい要因のひとつとなっています。ただ一聴した後は、サックス同士は対決と表現するよりも同じ方向を向いて疾走すると言ったほうが良いような感じに受け取ったのですが。

収録された8曲がアグレッシヴなプレイで、息もつかせぬホットな一時間弱が得られました。ユニオンのサイトのレビューで合点がいったのですが、確かにケニー・ギャレットを彷彿とさせるプレイでギャレットが録音したピアノレス・トリオ『Triology』(Warner Bros.)にも通ずる硬派な内容です。ウォルデンは若干のフリーキー・トーンも交えながら突進するスタイルと、感情をコントロールしながらクールにキメていくスタイルの両方を併せ持ち、それに触発されたジミー・グリーンがうまく呼応しているのが面白い。リズムは文句なしの迫力でアーチャー独特のゴリッゴリのベースとE.J.の物凄いレスポンスのドラムに熱い血潮がドクドクと流れます。

自分の好みの反映されたフォーマットですと何でも諸手を挙げて喜びがちになるのですが、これはもう理想の形を体現してくれており定期的に聴く一枚として確定したも同然の素晴らしい演奏でした。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/02(金) 17:14:16|
  2. Alto Sax
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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