イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#681 Lennie Niehaus, Vol.4 : The Quintets & Strings (Contemporary)

Lennie Niehaus Vol.4

A
1.All the Things You are
2.My Heart Stood Still
3.Easy Living
4.If I Should Lose You
5.More Than the Blues
6.Full House

B
1.Rondo
2.Star Eyes
3.Lens
4.Cross Walk
5.Troubled Waters
6.Just One of Those Things

A-1,A-3,B-1

Lennie Niehaus (as) Monty Budwig (b) Shelly Manne (ds)
Thomas Hall (viola) Christopher Kuzell (viola) Barbara Simons (viola)
Charlotte Harrison (cello)

A-4,A-6,B-2,B-4,B-5

Lennie Niehaus (as) Bill Perkins (ts) Bob Gordon (bs) Monty Budwig (b)
Shelly Manne (ds) Thomas Hall (viola) Christopher Kuzell (viola)
Barbara Simons (viola) Charlotte Harrison (cello)

A-2,A-5,B-3,B-6

Lennie Niehaus (as) Stu Williamson (tp,v-tb) Hampton Hawes (p)
Monty Budwig (b) Shelly Manne (ds)

Rec-1955



どちらかと云えば苦手な部類に入るウェストコースト・ジャズで、レニー・ニーハウスもやっぱりあまり得意ではないミュージシャン。さらに食指が動かないストリングス入りと云う、当方にとっては難敵であることがたやすく想像出来る作品です。拷問とまでは云いませんが果たしてどうでしょうか。ヴォーカルのストリングスものは問題なく聴けるのですが、インストものでは過度の甘さが演出されるようで苦手なのです。そんなわけで持っていても聴かないレコードの部類にどうしても入ってしまいます。依って内容も殆ど覚えていませんでした。

このアルバムは3つのセットから成り、4曲の二管クインテットに3曲のアルト・トリオ+ストリングス、5曲の三管クインテット+ストリングスという編成です。内容は想像出来た通り軽快なアンサンブルとソロまわしにストリングスが装飾するという典型的なサウンドが飛び出してきました。が、思ったよりも楽しむことは出来ています。まずストリングスが4人という小編成であるので軽い味付けになっているのが自分には助かっているようです。またクインテットのみの4曲がアルバム全体からメリハリを与えた存在になっていて、曲によっては意外と熱のこもったソロを繰り広げてくれていること。特にラストのB-6のニーハウスのアルト・ソロはモンティ・バドウィッグとシェリー・マンのスピーディなリズムに乗せてかなりの熱演であり、自分の先入観タップリのアイロニーをぶち壊すに値するホットなソロでした。

とは云えやっぱり当方の主食にはならないジャズであることに間違いはなく、たまに取り出して再発見するようなタイプのレコードであることは今後も変わらないようです。馬齢を重ねていけば理解出来る時期が来ることがワタシにはあるのでしょうか。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/30(火) 21:22:38|
  2. Alto Sax
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#680 Awake/Miguel Zenon (Marsalis Music-CD)

Miguel Zenon

1.Awakening Prelude
2.Camaron
3.Penta
4.The Missing Piece
5.Ulysses in Slow Motion
6.Awakening Interlude
7.Santo
8.Iamamilla
9.Third Dimension
10.Awakening Postlude

Miguel Zenon (as) Luis Perdomo (p,el-p) Hans Glawischnig (b) Henry Cole (ds)
Judith Insell (viola→only1,8) Orlando Wels (vin→only1,8)
Marlene Rice (vin→only1,8) Nioka Workman (cello→only1,8)
Tony Malaby (ts→only6) Michaek Rodriguez (tp→only6) Ben Gerstein (tb→only6)

Rec-2007



マルサリス・ミュージックというレーベルがあるのですね。最近ジャズに戻ってきた当方には今更ながらの新発見で、現代のジャズをバリバリ聴いている人にとっては失笑をかわれてしまうかもしれないですね。詳しく調べもしていないのですがブランフォードの作品も出ているようで改めて興味を持ってしまいました。

そんなこのレーベルから数枚取り寄せたなかの一枚がコレ。アルト・サックスのリーダーものを色々物色していたのですが、現代ジャズにおいて引っかかってくる作品が少なかったのは気のせいでしょうか。当方の探し方が悪いのか、それともアルトの担い手が少ないのか。ケニー・ギャレットの新譜とか知っているアーティストのものは目につくのですが、自分の未知のものをセレクトするのはアルトに関してはなかなか難しいものがありました。

ミゲール・ゼノンはプエルトリコのアルト奏者。メンバーを見てみると、クリスクロスから新譜が出たばかりのルイス・ペルドモの名前がある。また1曲のみの参加でしたがトニー・マラビーの名前が。マラビーとウィリアム・パーカーが演っている『Tamarindo』(Clean Feed)を予約しているのにタイミングが悪かったのか未だに落手出来ない。いきなり一曲目にストリングスが出てきたのでビックリした。ちょっと理想のものと違ったかなぁ、と思ったら効果的にわずかに使われているような演奏だったので少し安心する。ゼノンはクセのないアルトと感じましたが、微かに効かせるヴィヴラートが心地よく響く。曲調も滑らかなものが多いですが、シリアスに迫るナンバーもありメリハリが効いていてかなり良いです。ペルドモはピアノとフェンダー・ローズを使用していますが、ローズを使った2曲目などはかなり好みの展開でワクワクさせてくれました。またヘンリー・コールと云うドラマーの演奏がキレていてクールなカッコ良さがほとばしっています。ゲストを迎えて4管セプテットになっている6曲目は、マラビーが入っていることもあってかフリー・フォームで演奏されていて、ペルドモのローズと相まって混沌とした世界が繰り広げられています。

初めて聴いたゼノンの作品はかなり幅広い展開を魅せていて面白く聴くことが出来ました。ゼノンの作品はこのレーベルで他に2作品が既にリリースされているようで、俄然興味が沸いてきた次第です。

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  1. 2008/09/29(月) 23:52:06|
  2. Alto Sax
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#679 L'amour Dans L'ame/Luigi Trussardi (Elabeth-CD)

Luigi Trussardi

1.The Way You Look Tonight
2.Trois Petits Points
3.You Don't Know What Love is
4.Martine' Smile
5.Nica's Tempo
6.Spring is Here
7.Little Niles
8.Luisa
9.Tolu
10.Beautifull Love
11.Canto Triste
12.One Single Slap
13.Nica's Queen
14.One Oscar for Pettiford
15.Olha Maria

Luigi Trussardi (b,piccolo-b→only4,5,7,8,11,12,14,15)
Olivier Hutman (p→only1,6,12,14) Michel Graillier (p→only2,4,8,11)
Bernard Maury (p→only3,10,15) Alain Jean-Marie (p→only5,7,9,13)
Charles Bellonzi (ds)

Rec-1996



フランスのベーシスト、ルイジ・トラサルディのピアノ・トリオ。何と4人のフランス人ピアニストとの共演です。ここのところピアノ・トリオのフォーマットが個人的には食傷気味になってきているのですが、切れ味鋭いものはやっぱり補食しておかないと気がすまない。発注をかけていたCDが忘れた頃に入荷して先日届いたので早速聴いてみる。さてコレは期待に添えてくれるのでしょうか。

4人のピアニストのうち3人(オリヴィエ・ハットマン&ミシェル・グレイエ&アラン・ジャン・マリー)はリーダー作を実際に聴いた事があります。もう一人は知らなかったピアニスト。リーダー作も出ているようですが縁がありませんでした。さて何と読む?フランス人なのでベルナール・マウリー?全く自信がありませんが。この作品は何と15曲も収録されていて近年のCDからするとかなり多いような気がします。曲の多いぶん、3~6分ぐらいの中尺のトラックが中心です。どの曲も正統的なスタイルで演奏されているのですが、やはりベーシストのリーダー作であることを証明するぐらいにトラサルディの多面的な魅力は詰まっていると思います。抽象的な表現ですがセンスの良さが滲み出ていて、さらに変な言い回しを展開するとピチカートもアルコも都会的な感じです。

恥を忍んで白状すると、ピアニストが4人いることを知らされなかったら情けないことに気づかない可能性が当方にはあるような気がします。このCDは同じピアニストが続けてかかる体裁になっているところは一曲もなく、完全に交互にミックスされて編集されています。タコ耳を自認しているとは云え、そういう疑問に至らなさそうなのは我ながら情けないことですなぁ。聴く前に事実を認識していたので違いを聴き分けるよう努めて鑑賞したのですが、比較的曲調やテンポも似ている感じがして差異を明文化出来ず、前述のようなことを考えてしまいました。今現在の自分の趣向に対して引っかかる部分が決定的に少ないと云うのが本音で、洗練されたサウンドが自分にとっては逆に仇になっているような気がします。

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  1. 2008/09/28(日) 23:54:40|
  2. Bass
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#678 Inner Voyage/Gonzalo Rubalcaba (Blue Note-CD)

Gonzalo Rubalcaba - Inner Voyage

1.Yolanda Anas
2.Promenade
3.The Hard One
4.Sandyken
5.Here's That Rainy Day
6.Caravan
7.Joan
8.Blues Lundvall
9.Joao

Gonzalo Rubalcaba (p) Jeff Chambers (b) Ignacio Berroa (ds)
Michael Brecker (ts→only3,8)

Rec-1998



ゴンサロ・ルバルカバのアルバムも他の近年に活躍しているアーティストと同様殆ど聴けていません。彼のデビュー時の賞賛を持って迎えられた頃には作品を体験していますが、その後当方がジャズから遠ざかっていました。何度も述べているのですが、ここ十数年のジャズのアルバムを今になって全て後追いで追っかけているのですが、予算的にも限界を超えてしまって聴けるのもかなり限定的になっています。しかもどんどん廃盤になるので触れず仕舞の作品がゴロゴロしており半ば諦めてもいるのも事実です。気になる作品に出会えても既に入手困難、こんな作品だらけなので遡ろうとしてもかなり無理があることも承知しているのですが。そんななか、有名なアーティストや大きなレーベルは廃盤になるサイクルが弱小レーベルのアルバムよりも長いので遡って聴く身分としては大変助かっています。そもそもブルーノートが大きなレーベルというのもなんか抵抗があるのですが。

この作品も10年前のものですが何とか新品で手に入れることが出来ました。マイケル・ブレッカーが参加していたので取り寄せてみました。リーダーよりサイドで選んでしまったというのが本音なのですが、2曲のみの参加だったことを入手後に理解するのは毎度のことながら苦笑いします。

聴いてみてこんなに端正な弾き方をするピアニストだったかしらん、と考えて込んでしまいました。丁寧なタッチで淡々と弾かれる音色は悪くないのですが、何となくもの足らなさも感じます。と思ったらマイケル・ブレッカー参加の3曲目で気合いの入った演奏が飛び出してきたので小躍りしてしまいました。コレコレ、期待していたのはこういう演奏でタイトル通りハードな一撃を食らって大満足です。と思えばまた端正なピアノ・トリオに戻ります。透明感さえ漂わせた演奏はかなりイメージとは違っていて意外でしたが、なかなか情感の籠ったリリシズムは彼の別の一面を見たような気がします。思いのほかクールな6曲目の「キャラヴァン」にオッと思えば後半は完全にラテンに変身したりとなかなか面白い解釈です。8曲目はブルーノートの社長であるBruce Landvalに掛けているようですね。ブレッカーの加わるカルテットは一転してアグレッシヴでカッコ良く、テンションの高さとゴリっとした質感は最高です。

期待通りのブレッカーと、知らない一面を垣間見たようなルバルカバのトリオの対比が面白い一作となりました。

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  1. 2008/09/27(土) 16:41:14|
  2. Piano
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#677 Hommage to Africa/Sunny Murray (BYG)

Sunny Murray - Hommage to Africa

A
1.Suns of Africa Part 1
2.Suns of Africa Part 2

B
1.R.I.P.
2.Unity

Side-A

Sunny Murray (ds) Lester Bowie (tp,fl-h) Clifford Thornton (cor)
Grachan Moncur III (tb) Roscoe Mitchell (as,fl) Kenneth Terroade (ts,fl)
Archie Shepp (ts) Dave Burrell (p) Alan Silva (b) Malachi Favors (balafon,bells)
Earl Freeman (tympani,bells) Arthur Jones (gong,tambourine,bells)
Jeanne Lee (voice,bells)

Side-B

Sunny Murray (ds) Clifford Thornton (cor) Grachan Moncur III (tb)
Roscoe Mitchell (as) Kenneth Terroade (ts) Dave Burrell (p) Alan Silva (b)

Rec-1969



最新のアーティストが紹介されているフリー・ジャズのサイト及び書籍がないか、常々ウェブを徘徊したり本を探してみたりするのですが、該当するようなものを見つけ出すことが出来ずモヤモヤしています。フリー・ジャズのサイトやブログは勿論あるにはあるのですが現在活躍しているアーティストに焦点をあてて纏めているものをなかなか見つけられず、書籍でもクラブの視点からのスピリチュアル・ジャズのガイド・ブックやそれこそ60年代後半から70年代に掛けておきたムーヴメントを、重要なディスクを絡めながら紹介するような本しかありません。というのも当方の手元にある音源の殆どが60年代後半のフリー・ジャズ勃興期のみのものであり、新たに聴こうと思ってもその指針となるような取っ掛かりを見つけることに難儀しており、踏み出す一歩目で立ち往生しているような状態です。なので今日も懐メロ宜しくフリー・ジャズ隆盛時のアルバムを聴いています。とは云え相変わらず内容を良く覚えていない体たらくであるのでこの機会に確認しているのですが。

サニー・マレイのアクチュエル・シリーズものの一枚。名うての闘士たちが勢揃いですね。サニー・マレイの作品は以前『Sonny's Time Now』(Jihad Productions)を取り上げたことがあります。あれ、このアルバムと「サニー」のスペルが違っていますね。どちらも正しいということでしょうか。A面はタイトル通りアフリカへのオマージュを演出した内容。パーカッションやベルが鳴り響くリズムの洪水の中をデイヴ・バレルのピアノが切り裂き、徐々にホーンが加わってきて壮大な原野を彷彿とさせます。プリミティヴなヴォイスとともに進行するサウンドはフリー・ジャズと云うよりもアフリカそのものの表現であり、印象的なリフが繰り返されるなか各々のインプロヴィゼーションが炸裂します。B面は編成がグッと小さくなった2曲。こちらは逆にホーンが中心となった即興性を高めた演奏で混沌とした世界が迫ってきます。ただし解り易いリフの上に即興が構築されているので入り込むことは容易で、マレイの描く世界感はフリーの凡人の当方にとっても見えやすく感じられました。

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  1. 2008/09/26(金) 23:23:14|
  2. Drums
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#676 Winter's Tale/Kaltenecker Trio (R & V Records-CD)

Zsolt Kaltenecker


1.Still Around
2.Lights of Shinjuku
3.Ivory Tower
4.Pasolini's Dream
5.Swamp-Road Possibilities
6.Walls
7.The Lion's Song
8.Paris, 1972
9.Caffeine
10.Winter's Tale
11.Mr.Brooks

Zsolt Kaltenecker (p) Viktor Hars (b) Gergo Borlai (ds)

Rec-2007



ハンガリーのピアニスト、ソルト・カルトネツカーの今のところ一番新しいピアノ・トリオ。彼の作品はまだ3~4枚ほどしか聴いていません。現在までは彼のアコースティックなものを中心に聴いてきましたが、彼はピアノ以外にキーボード等のエレクトリックな演奏も得意としているようで、かなり斬新なアプローチを取り入れていそうな感じもするし、意外な楽曲のセレクトもされていて聴く前から想像を膨らませてしまいます。そんな折、彼が中心で演っていたユニットのCDを手に入れることが出来たので聴いてみました。そのアルバムは『SAD/A:K:A』というもので、カルトネツカーが全編キーボードを使用してサイドにエレベとターンテーブルを配置した、どちらかと云えばフュージョンというよりテクノと云える内容で、このCDをPCにリッピングしてみたところ当然ジャズではなくジャンルがElectronica/Danceになっていました。ジャズ的要素は皆無ながら哀愁の漂うメロディを打ち込みのリズムによって演出する手法は、珍しいものではないもののこの手の音楽にも興味を示す当方にはなかなか楽しめるものでした。一筋縄ではいかない多彩な表現方法に彼の幅広さや奥行きを感じさせます。

このアルバムはアコースティック・ピアノでの5年ぶりの作品とのことで、追っかけて聴いている人には待望のピアノ・トリオであったようです。彼のピアノのアルバムである『Rainy Films』(KCG)やパーカッションとデュオで演った『In the Beginning There Was the Rhythm』(KCG)はカルトネツカーのスピード感溢れる爆走ピアノが堪らなく、圧倒されまくりの好きな作品でしたが、このトリオはどちらかと云えば派手な印象はなく前述の作品と比較すると落ち着いた内容に感じました。

スリリングに疾走するピアノを期待した向きがあったのでちょっと拍子抜けしたと言ったほうが本音に近いかも知れませんが、決して退屈な内容というつもりは全くなく静的な楽曲を辛口に表現する巧さには唸らされるものがあります。アルバムを通して表情の変化があまり感じられないのが当方にとってはマイナスに働いているのかも知れません。もうちょっと爆発する曲があっても良いのかなぁと思ったのですが、タイトルから類推するにこう云った統一感こそ彼が目指した部分なのでしょう。冷静に聴いてみると4曲目や6曲目などは上記の『A:K:A』のアコースティック・ヴァージョンのようにも聴こえて、当然のこととは云え改めて同一人物の創造した通ずる部分に気づかされました。

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  1. 2008/09/25(木) 23:57:18|
  2. Piano
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#675 Pass it on/Dave Holland Sextet (Sunnyside-CD)

Dave Holland - Pass it on

1.The Sum of All Parts
2.Fast Track
3.Lazy Snake
4.Double Vision
5.Equality
6.Modern Times
7.Rivers Run
8.Processional
9.Pass it on

Dave Holland (double-b) Antonio Hart (as) Robin Eubanks (tb)
Alex "Sasha" Sipiagin (tp) Mulgrew Miller (p) Eric Harland (ds)

Rec-2007



デイヴ・ホランドの新譜が出たので買ってみた。今度はセクステットだ。彼のグループの作品を極僅かに聴きかじった程度の当方には、彼の経た変遷を把握しているとは到底云えないのですが、取り敢えず今のところはヴァイヴ+トロンボーン+サックスで構成されたクインテットものをライブ盤を含めて3枚ほど聴いたぐらいの理解度です。他はグッと遡ったマイルスのグループやチック・コリアのところでの演奏ぐらいしか体験していないのが実情です。

で、今回手に入れたコレはヴァイヴが抜けていました。スティーヴ・ネルソンのヴァイヴは存在感抜群のキーとなる楽器だっただけにサウンドの変化に興味が尽きません。そしてセクステットになったことによってフロントを三管にしてきました。ロビン・ユーバンクスのトロンボーンは今回も健在ですが、サックスをクリス・ポッターからアントニオ・ハートのアルトに変更しています。それと今までいなかったトランぺッターとしてマンデイ満ちるの旦那であるアレックス・シピアギン(シピアジン)という布陣で臨んでいます。またクインテットではお目にかからなかった楽器のピアノが入っており、それをマルグリュー・ミラーが務めています。そしてドラマーにあらゆるセッションで引っ張りだこのエリック・ハーランドが新たに加わっています。自分の経験しているホランドの作品では、結局サイドはユーバンクスのトロンボーン以外のメンバーが全て変わっていたのでどんなサウンドが飛び出してくるのかとても楽しみでした。

聴いてみると意外と今までのサウンドを踏襲したような音が出てきたので、編成やメンバーが違えど創造される音はホランド独自の世界感として統一されていることが改めて解りました。且つ、これまでの演奏に興奮していた当方としては当然のことながらすんなりと入り込めてかなり楽しめました。自分にとってそう感じるポイントは、今まで通りロビン・ユーバンクスの変わらない個性的なリフが効きまくっていることと特徴のあるリズムの解釈が今回も鮮明であることが要因として非常に大きく、やはり潜在的な共通項が引き出されてそういう感想に落ち着いているような気もします。ホーンに厚みが増したことによって以前よりも一段とメロディアスな曲が増えたような感じを受け、相変わらずのストレートに放出されるテンションの高いサウンドに没入できます。重厚なストーリーを持つカッコ良さは変わることがなく、何度もリピートさせられる威力は以前と同様のパワーを持っているアルバムでした。

クインテットと甲乙付け難いセクステットの出来映えに嬉しくなり、どちらも自分好みの音に仕上げられていてこの作品も長く付き合える一枚になったようです。ホランドのアルバムは彼のベースの素晴らしさももちろんですが個人的にはドラムスにワクワクさせられることが多く、クインテットでドラムを担当していたビリー・キルソンとネイト・スミスの両名も、エリック・ハーランドとはタイプの違うスピード感で圧倒する爆発力を秘めていて、当方の刺激を鼓舞するドラミングで魅了してくれました。ここでのハーランドの独特な間のパーカッシヴなドラムももちろん最高で、リズムによって興奮度が倍増する当方にとっては理想的なジャズを体現してくれるプレイが堪りません。今回も最高な一品となりました。

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  1. 2008/09/24(水) 19:13:39|
  2. Bass
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#674 Groovin' With Junior/Junior Mance (Sackville-CD)

Junior Mance - Groovin' With Junior

1.Falling in Love With Love
2.Ask Me Now
3.Blues for the Bistro
4.For Dancers Only
5.Bags Groove
6.Stormy Weather
7.The Theme

Junior Mance (p) Dan Thompson (b) Archie Alleyne (ds)

Rec-2006



ジャズに戻ってきてブランクを埋めようと色々な新録を漁っていて気づくのが、活きのよい若手の充実ぶりと今まで接してきたアーティストの消息など。ベテラン勢ではもうだいぶ日が経ちましたが、見に行くことが出来たドン・フリードマンも温もりのある演奏が良かったですし、マッコイ・タイナーも来日していたり複数のギタリストと共演した新譜がHalf Noteから今月末にリリースされるようですし(かなり楽しみで予約してしまった!)。そんな中ジュニア・マンスの健在ぶりに嬉しくなった。この作品はつい最近発売されたものですが何と先月にも『Blue Minor』(Mojo Records)という新譜をリリースしていて活発な近況を窺えることが出来ます。まぁこのライブの収録は2年ほど前のものですので実質は立て続けと云うわけでもないのですが、この精力的な活動は完全なオッサンと化した自分にも勇気づけられるものがあります。まぁ先方に云わせればそんなこと知ったこっちゃないですな。あれ、全員ピアニストになってしまった。

久しぶりに聴いたジュニア・マンスは、彼の持つ潜在的なグルーヴ感やブルージーなピアノにやっぱり頷くものがありますね。自分の知る50~60年代の名盤と単純に比較するのもどうかと思いますが、この作品はライブ盤ということが影響しているのかもしれませんが往時のピアノよりも純粋に楽しく弾かれているような気がしました。技術的なことを云々出来る理論も備えておらずピアノのスキルもない人間ですからタッチの部分や奏法のことなどをとやかく云うことが不可能ですが、このアルバムは既知のどのアルバムよりもマンス自身が楽しげでリラックスしており、とにかく演奏をエンジョイしていることが伝わってくる内容だと感じました。それがメンバーや観客に充分伝わっておりとても良い雰囲気を醸しているライブになっています。

長年培われてきた旨味のあるピアノに、大きくクローズアップされるダン・トンプソンのベース。ネットリとした蜜のように纏わりつくフレーズにマンスとの相性の良さを感じさせます。ドラムも控えめながら好サポートが献身的でトリオの一体感を実感する演奏です。使い古された表現ですが、長いこと一線で活躍したものしか表現出来ない円熟の領域にあるジャズは、若さ溢れるパワフルなジャズばかりでは満足出来ないオッサンにはなくてはならない活力源になってくれます。

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  1. 2008/09/23(火) 23:45:59|
  2. Piano
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#673 Greek Cooking/Phil Woods (Impulse)

Phil Woods - Greek Cooking

A
1.Zorba the Greek
2.A Taste of Honey
3.Theme From Antony & Cleopatra
4.Got a Feelin'

B
1.Theme From Samsom & Delilah
2.Greek Cooking
3.Nica

Phil Woods (as) Chet Amsterdam (el-b) Souren Baronian (cl,cymbals)
William Costa (accordion,marimba) Iordanis Tsomidis (buzukie)
Stuart Scharf (g) Bill LaVorgna (ds) Seymour Salzberg (perc)
John Yalenezian (dumbeg) George Mgrdichian (oud) Norman Gold (arr.,cond.)

Rec-1967



このレーベルのラインナップの広さと云うか、様々なカラーを持った作品が出てくることに面白さを感じてしまいます。これは何も水準が高いとかそういう意味で云っているのではありません。いろんな側面を魅せているこのレーベルのこれもまた一端なのでしょうね。インパルスの作品群から考えればガボール・ザボあたりのテイストに似通ったものを発散しているように感じられます。

「グリーク・クッキング」と銘打たれたフィル・ウッズのこのアルバム。ギリシャ風に料理されたジャズと考えても宜しいのでしょうかね?同名曲がB-2に収録されています。フィル・ウッズ以外のアーティストを知りませんし民俗楽器の類いも複数使用されています。その多数は地元のミュージシャンなのでしょうか。

そもそも民俗臭の強いジャズは当方の大好物であります。ただそこには「ジャズ」というキーワードを含むことが大前提になります。そういう意味ではこの音楽はジャズというよりもモロにそのサウンドではないのか?ジャズ的な要素がかなり希薄でフィル・ウッズのアルトのフレージングでジャズ・ミュージシャンが加わっていることを認識させるくらいのシロモノです。ギリシャの音楽というものを目の当たりに体験したことがなく、ここで展開されているものがトラディショナルに近いものであるのであれば、サウンドは中近東の香りがタップリと放たれているような感じがしました。約3年前に隣国のトルコに行ったことがありますが、若干の違いがあるのかも知れませんがそういえば共通の香りのする音を耳にしていたことを思い出します。やはりどうやってもジャズというよりも民俗音楽そのものに聴こえ、強烈なエキゾチックさとその上で踊るウッズのアルトという構図が成功しているのか、それとも云うほどのものでもないのか難しいところです。

個人的にはジャズ的な芳香が感じられない作品でしたので期待ほどの刺激を受けられなかったのですが、当地のトラディショナルな音楽として聴けば意義深いものだと思いますねぇ。なんだかマクラフリンのシャクティものを聴いているような感覚になりました。

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  1. 2008/09/22(月) 20:08:48|
  2. Alto Sax
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#672 Bossa Nova Bacchanal/Charlie Rouse (Blue Note)

Charlie Rouse - Bossa Nova Bacchanal

A
1.Back to the Tropics
2.Aconteceu
3.Velhos Tempos
4.Samba de Orfeu

B
1.Un Dia
2.Meci Bon Dieu
3.In Martinique

Charlie Rouse (ts) Kenny Burrell (g) Chauncey "Lord" Westbrook (ac-g)
Lawrence Gales (b) Willie Bobo (ds) Potato Valdez (conga) Garvin Masseaux (chekere)

Rec-1962



チャーリー・ラウズはモンクのグループで飄々と吹くテナーがなんと云っても一番好きです。前もどこかで書いたのですがモンクのグループにいたラウズの評判はジャズ好きの猛者の前ではイマイチのようで、朴訥な雰囲気が最高であると思っていた自分との乖離を認識して改めて自分の耳がスタンダードでないところにあるのを気づかされました。

ブルーノートで唯一リリースされたラウズの作品。このアルバムについて書かれた論評ではどうもこの頃のボサノヴァ・ブームの時流に乗った作品であるとの位置づけになっています。自分の中でジャズ・ボッサと云えば、決定打はスタン・ゲッツがアストラッド・ジルベルトと演った『Getz / Gilberto』(Verve)であるので、手元にある盤を眺めてみたらラウズのこの作品(1962年11月)の約半年後の1963年の3月だった。なるほどその前からこのムーヴメントがおきていたということなんですね。それでゲッツ絡みのみで調べてみたら、この路線は62年の2月録音の『Jazz Samba / Stan Getz & Charlie Byrd』(Verve)から始まっているようです。なるほどチャーリー・バード名義の作品にもその要素が含まれていますね。ゲッツのそれ以降の作品を年代順に並べると、『Big Band Bossa Nova / Stan Getz & Gary McFarland』(Verve-1962.4)、『Jazz Samba Encore ! / Stan Getz & Luiz Bonfa』(Verve-1963.2)、上記のゲッツ&ジルベルト、『Getz With Laurindo Almeida』(Verve-1963.3)、『Getz au Go Go』(Verve-1964.8)、『Getz / Gilberto #2』(Verve-1964.10)とまぁ、出るは出るはのリリース・ラッシュですなぁ。いかに需要があったかを物語りますが、ブームの期間を考えれば供給過多であったような気もします。ブルー・ノートではこの路線は二作目で、一作目は6日前に録音されているアイク・ケベックの『Soul Samba / Ike Quebec』とのことがライナーに言及されていました。

前置きが長くなりましたが、このアルバムのラウズはいつも通りの熱がこもっているのかが判らない飄々としたプレイぶりで可笑しくなってしまいます。極めてシンプルに抑揚も少ないテナーは淡々としていて良くも悪くも彼の真骨頂であるような気がしました。サイドで知っているのはケニー・バレルとウィリー・ボボ。バレルはブルージーなギターというイメージが強かったのですが、こういう演奏もソツなくこなしますねぇ。ウィリー・ボボもパーカッショニストとしてのイメージが強かったのですがボッサ・テイストのドラムはカッチリとキメまくっています。パーカッション陣はあまり派手な取り回しなどは演らず心地よいリズムを刻んでいますが、複数で奏でる厚みのあるリズムに自然に体を揺すられます。引き立っていたのはギターのウェストブルック。おりを見て現れるアコギはこの手のサウンドには無くてはならない効果を生み出し、異国情緒を醸し出す有意義なプレイを展開します。

常時載せるような盤ではありませんが、気分転換にはこういうのも良いですね。もっと暑い真夏に聴けば雰囲気も倍増しそうな感じです。今日は比較的涼しく、また生憎の雨でちょっとマッチしませんでした。

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  1. 2008/09/21(日) 17:18:57|
  2. Tenor Sax
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#671 Brandeis Jazz Festival/Orchestra Conducted by Gunther Sohuller and George Russell (Columbia)

Brandeis Jazz Orchestra

A
1.All About Rosie
2.On Green Mountain
3.Suspensions

B
1.Revelations (First Movement)
2.All Set
3.Transformation

Art Farmer (tp) Louis Mucci (tp) jimmy Knepper (tb) Hal McKusick (sax)
John La Porta (sax) Robert Di Domenica (fl) Manuel Zegler (bassoon)
James Buffington (fr-h) Bill Evans (p) Teddy Charles (vib) Margaret Ross (harp)
Barry Galbraith (g) Joe Benjamin (b) Teddy Sommer (ds)

Rec-1957



或る本にこのアルバムが載っていた。またかとお思いかも知れませんが「見たことあるなぁ」で棚を探し始めた。結構時間をかけて見つけ出す。当然内容が全く頭に入っていない。ビル・エヴァンスが入っているなぁ、から始まりハル・マクシック?ジョン・ラポータ?なんとなーく音が見えてくるなぁ、と思いつつひょっとしたら退屈かも?に変わっていく。それと同時にガンサー・シュラーとジョージ・ラッセルの名前でかなりの輪郭が見え、おおよその見当がついてくる。トドメに現代音楽の作家の曲を取り上げているということで、自分には厳しい内容であろう予想がハッキリと見えてきた。このアルバムはなにやらビル・エヴァンスを冠にしてジャケを改変し、ドン・エリオットのNewport Jazz Festivalでのエヴァンスが参加している3曲の音源と、この作品の6曲とカップリングして全9曲にし『Bill Evans and Orchestra』(Gambit)というCDで発売されているようです。やっぱりエヴァンス名義だとある程度売れるんでしょうね。

ジャズはジャズらしく演って欲しい人間であるので、デカい編成ならば豪快にドバァっと食らわして欲しい。ハラハラするような猛烈にスリリングなものを食したいのであります。だから編成がデカくてもジョン・ルイスのサード・ストリ-ム・ジャズのようなものには食指が動かないのです。というわけでこの作品は自分の趣向から離れたものでありました。演奏の内容をとやかく云うのではなく、あくまで自分の興味の範囲外にある音楽という意味です。

これはブランダイズ大学の委嘱によりジョージ・ラッセルとガンサー・シュラーが主導した演奏であるようです。ジャズ・フェスと銘打っていますがいわゆるライブものとは一線を画しています。ラッセルのA-1、シュラーのB-3、現代音楽作家(ハロルド・シャペロ&ミルトン・バビット)のA-2,B-2、ジミー・ジュフリーのA-3、ミンガスのB-1の全6曲。駄耳で聴いた印象を表せばジャズというよりもアレンジを重視したり、不協和音を前面に出した現代音楽、それにクラシックの要素を感じさせるような演奏です。先に挙げたジョン・ルイスが目指したものに重なる感覚があります。フリー・ジャズには食いつく自分ですが、この手のものにはなかなか歩み寄れない厚い壁があります。ただハッとさせるフレーズやジャズらしく響かせるセンテンスが一瞬現れて注意を惹き付けられる部分があることもしばしばですが。この手の演奏を理解出来る日が当方にやってくるのでしょうか、本音は自信が全くないのですが。

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  1. 2008/09/20(土) 23:25:48|
  2. Modern Big Band
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#670 Night Sounds/Toni Sola & Ignasi Terraza Trio (Swingfonic-CD)

Toni Sola & Ignasi Terraza Trio

1.End of a Love Afair
2.You've Changed
3.Just in Time
4.Quintessence
5.Beautiful Love
6.My Romance
7.Afternoon in Paris
8.Ciao, Ciao
9.Do Nothing till You Hear From Me
10.When Sunny Gets Blue
11.Night Sounds Blues

Toni Sola (ts,ss→only5) Ignasi Terraza (p) Oriol Bordas (b) Manuel Alvarez (ds)

Rec-2000



Swit Recordsからこの作品のリイシューが手に入ったので聴いてみた。比較的新しめの作品で、この手のサウンドのものに触れるのは久しぶりのような気がした。一言で云えばアルバム・タイトル通りの音が出てくる。艶かしいテナーにアルコールを要求してしまう。とてもビールでは合わんし、ましてや日本酒や焼酎などは想像もできん。コレは洋酒が欲しい。ブランデーあたりが良さそうだ。あいにく手元にないのでシングル・モルトのグレン・フレイザーを飲る。ぬぁ~、コレは堪らんぞ。

トニ・ソラはスペインの奏者。聴くのは初めてで予備知識でこの音は想像し得なかった。同じくスペインのピアニスト、イグナシ・テラザ率いるピアノ・トリオをバックに豊潤な世界を繰り広げている。スペインと云えば期しくも三大グラン・ツールのひとつでスペイン全土で展開されるサイクル・ロード・レース、ブエルタ・ア・エスパーニャが佳境に入ってきている。今日はデカイ山岳二つを超えてセゴビアへゴールする。無理矢理結びつけたが個人的には楽しさ倍増。

中間派の奏するジャズも愛でる当方にとってはまさしくど真ん中。従って刺激的なジャズを求める向きには退屈になる可能性もありでしょうか。でもアップ・テンポでアグレッシヴに攻めるスタイルのものも数曲は仕込まれているんですよ。スタイルの違いを承知で敢えて云えば、グラント・スチュワートやエリック・アレキサンダーの音色が脳裏に微かながらよぎってしまいました。ドッシリと太い音色で吹き切るテナーは厚みがあって、低音部での煤け具合はバラードにはもってこいに感じます。このアルバムでは5曲目だけソプラノを使用していますね。イグナシ・テラザのアルバムはピアノ・トリオものを3枚ほど聴きましたが、編成の違いを差し引いても今まで接したトリオのものとは全然異なっていてちょっとビックリです。トリオではどちらかと云えば清々しさが表れた演奏が多かったですが、ここでの管が加わった伴奏中心にシフトした演奏は、これほどの夜のイメージを感じられなかったし実に深みのあるプレイを聴かせてくれます。互いの旨味成分がサウンドに滲み出て贅沢なコクのあるジャズに仕上がっていると思います。

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  1. 2008/09/19(金) 22:20:59|
  2. Tenor Sax
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#669 Setting the Pace/Booker Ervin (Prestige)

Booker Ervin - Setting the Pace

A
1.Setting the Pace

B
1.Dexter's Deck

Booker Ervin (ts) Dexter Gordon (ts) Jaki Byard (p) Reggie Workman (b)
Alan Dawson (ds)

Rec-1965



プレスティッジにある膨大な作品の中から先日取り上げたソニー・スティットの『Night Crawler』『Night Letter』などのアルバムを聴いて改めて感じたのは、著名で幾度も復刻されるごく僅か一握りの作品(しかも殆どがビッグ・ネーム絡み)と、その他大勢の作品の陽のあたらなさ具合の対比が極端であるなぁということ。まぁジャズを代表するようなプレスティッジの作品とは云え、知られていなさそうなものがその大半であるという現実はカタログを見るとよく解りますね。無論ブルーノートやリヴァーサイドなどの他のレーベルの構成もこのことが当て嵌まると云ってもいいのではないかと思っています(BNだと4200番代以降とかBN-LAとかね)。

個人的には今は作品を買うと云えば殆どが新譜のCDになるのですが、ジャズを聴き始めて数年後、ひと通り名盤と云われる作品を通過した頃に、この膨大なレーベルのカタログに埋もれるように存在する無数のレコードが猛烈に気になり掘り起こすのに躍起になっていた時期があります。結果的には大量に漁った訳でもないですし物珍しいモノでも何でもないのですが、今思えば何ともニヤける渋いものが棚に刺さっていて我ながら呆れてしまいます。

このアルバムに関しても、演奏者も有名どころで珍しいアーティストが参加しているでもなく特筆すべきものは無いのですが、なんとなーくジャケットから漂うカルト的な雰囲気に気になるものを感じさせます。まずメンバーにビンビンくる。ブッカー・アーヴィンと云う人物が放射するイメージにほくそ笑み、サイドに連なるメンツでは特にバイアードとレジー・ワークマン。バイアードはよくアーヴィンと一緒に演っていますね。そして編成。クインテットながら2テナーという組み合わせ。またライブでもないのに両面1曲ずつという潔さ。まぁズラズラと御託を並べ立てていますが、この感覚は極私的なことで他人様には理解しかねることなのかも知れませんねぇ。その部分が心配です。

アーヴィンがおとなしい演奏をすることはあり得ない訳で、ムッサくて湿度の高いテナーをデクスター・ゴードンとともにゴリ押しする様は痛快で、熱気で汗が噴き出してきます。吹き出したら止まらない演奏はアーヴィンの十八番ですが、ご多分に漏れずこの作品も笑いが出てしまうほどの勢いを保持しています。バイアード以下のピアノ・トリオのバッキングも彼等の大ブロウ大会には存在感を危うくさせられますが、ところどころに出てくるバイアード節は健在で、ワークマンの張り切るベースにアラン・ドーソンの機関銃のようなドラムが何ともゴキゲンではないですか。

あまりにも濃厚な一撃でヘロヘロになること請け合いの猛烈盤です。

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  1. 2008/09/18(木) 23:40:13|
  2. Tenor Sax
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#668 New for Now/Jonathan Kreisberg Trio (Criss Cross Jazz-CD)

Jonathan Kreisberg - New for Now

1.Gone With the Wind
2.New for Now
3.Stardust
4.Peru
5.Five Bucks a Bungalow
6.From the Ashes
7.Ask Me Now
8.All or Nothing at All

Jonathan Kreisberg (g) Gary Versace (hammond-B3-org) Mark Ferber (ds)

Rec-2004



先日新譜で出たドラマーのアリ・ホーニッグ(Ari Hoenig)のアルバム『Bert's Playground』(Dreyfus)を楽しんでいました。クリス・ポッターなどの多彩なゲストが数曲で演奏を披露しており、そこに同様に参加しているのがギタリストのジョナサン・クライスバーグ。スピード感のあるスリリングなプレイを満喫したので少し前のこの作品を改めて聴いてみようと思いました。このアルバムはギター・トリオでの録音。やはりつい最近クリスクロスからリーダー作をリリースしているゲイリー・ヴァセイシ(ヴェルサーチ)がオルガンで加わっています。そしてドラムにマーク・ファーバーという布陣。

聴いてみて改めてギターとオルガンの相性の良さを認識出来る内容でした。それはギターとオルガンの会話のようなやりとりに聴こえ、ドラムが合いの手を入れているような感じに聴こえるのはおかしな表現でしょうか。購入した当初からそのように感じ1曲目を聴いた途端にそんな捉え方をしたのですが。ふっくらと丸みを帯びたホーン・ライクなクライスバーグのギターに、短めの呼応で答えるヴァセイシのオルガンが活き活きとしていて素晴らしい出だしの一品である思います。クライスバーグのギターの運指の動きにはツバを飲み込むような強烈なインパクトを受けるのですが、シンプルでクリアなサウンドがそれを打ち消すかのようにスムースな響きに変換されます。ヴァセイシのB3は曲調に合わせて七変化の音色を放出させており、オルガンの持つ多彩な音色をタップリと聴かせてくれます。そんな中スタンスが変わらないのがマーク・ファーバーのドラム。この人の演出するタイム感覚はとても好みのもので複雑に絡み合う手さばきに興奮が止まりません。己の体がリズムに合わせて動く様は、音に反応して動くおもちゃのダンシング・フラワー(古いね・・・)のようで何とも間抜けなことこの上ない醜態であり人様に晒せるようなものではありません。

テクニカルな側面が理解出来ればこの演奏はもっともっと印象的なものになるのでしょうが、理論を理解しない残念なオッサンはなんだか判らない状態で諸手を挙げて喜んでいるのでした。文句無く大好きなアルバムです。

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  1. 2008/09/17(水) 23:09:09|
  2. Guitar
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#667 Three for All/Theo Saunders (Blue Chip-CD)

Theo Saunders


1.The Kicker
2.In a Sentimental Mood
3.When You Wish Upon a Star
4.Nardis
5.Wish From the Heart
6.Cry Me a River
7.Come Rain or Come Shine
8.Waiting for You
9.Ellie's Night Out
10.If I Should Lose You
11.Misterioso

Theo Saunders (p) Chris Symer (b) Michael Stephans (ds)

Rec-Unknown



このアルバムについて書かれていた論評を読んで、ある程度自分の好みではないであろうというアテをつけてこの作品を引っ張ってみたのがかなり前。意に反する可能性が高いであろうシロモノに目を付けてなおかつ入手しようと行動する、今までこういうことをわりとよくやってきました。しかし到着したこの作品は相反してわりと好みのピアノ・トリオでした。それ以来手に取る機会が多い作品になっています。だいたいの目利きは無駄に長いジャズ歴である程度の見当は付くようになってきたのですが、こういう嬉しい誤解もあるので何でも手を出すクセは直りそうにありません。

テオ・サンダースと読んでいいのかな。硬軟取り混ぜた楽曲の中で自分の好みはもちろん「硬」の部分。はやく「軟」の良さも理解出来るような聴き分けの出来る良い耳になりたい。とは云ったものの大層に「硬」を強調したものではなく、このアルバムでのメリハリという意味で引用した語句であるのであまり大仰に捉えられると困ってしまう。このアルバムで云えば「硬」は1,2,4,7あたりでしょうか。テオ・サンダースのピアノはアタックの強さで押してくるものと深遠に響かせるものがうまくバランスよく配合されているように感じます。ただスタイルからくるものなのか、静かに弾かれる曲のタッチにソフトさを感じることはありませんでした。自分の趣向から特にガンガン攻めるピアノは聴いていて爽快であるのですが、この作品ではドラマーがより大変な効果を上げていると思います。この人のオカズの入れ具合とシンバル捌きは当方にとって堪らない魅力がありました。マイケル・ステファンズと読んでいいのかな。グラサンにヒゲという人相にピッタリなプレイなのかどうかはよく判らないが、絶妙なスティック・ワークとキレの良さに鼻の穴が広がります。こりゃあカッコいい。自分の中ではこの作品の主役として崇めてしまいますね。仕事の細かさとダイナミックさを兼ね備え、とにかく鳴りが大きくインパクトは抜群です。ひょっとしたら騒々しいと感じる方もおられるかもしれません。あまりにドラムが強烈なのでベーシストが霞みがちになるのですが、力強いドラムに負けじと気合いの入ったプレイを聴かせておりソロなどもなかなかの存在感でした。三位一体と云うのかタイトルが内容を証明するかのような好盤でした。

しかし日本のジャズ好きというのはとことん探究心旺盛で、めざとくこういう渋いものをよく見つけてくるなぁと改めて感心します。ビッグネームのみならず人知れず愛聴されていると思われるアーティストが大挙来日していることを見るにつけ、自らの手で発掘し育成するかのようなこの国のファンはミュージシャンにとっては有難いことなのではないかと勝手な想像を巡らせます。生で見る機会が限られている人間としては悶絶モノですが。

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  1. 2008/09/16(火) 19:04:15|
  2. Piano
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#666 Reaching Out/Dave Bailey Quintet (Jazztime)

Dave Bailey

A
1.Reaching Out
2.Our Miss Brooks
3.A Flick of a Trick

B
1.One for Elena
2.Baby You Should Know it
3.Falling in Love With Love

Dave Bailey (ds) Frank Haynes (ts) Grant Green (g) Billy Gardner (p)
Ben Tucker (b)

Rec-1961



デイヴ・ベイリーのテナー&ギターを配したクインテット。あまりよく判らないこのアルバムのことを調べようとネットで調査していたら、あることに気がついた。筋金入りのジャズ好きには常識なことなのかもしれないが、このアルバムはグラント・グリーン名義で後にリリースされていたんですね。タイトルは『Green Blues』(Muse-5014)。持っていないので直接確認出来ないのですが、どうやら6曲で同内容のようです。またこのセッションには3曲("Reaching Out""Our Miss Brooks""One for Elena")で別テイクがあるようで、それがグリーン名義のBlack Lion盤に加えられ全9曲で収録されているようです。そしてタイトルが『Reaching Out』(Black Lion)。なんという気の毒なデイヴ・ベイリー。マイナー・レーベルでの吹き込みの宿命とは云え、再発では商業的にグリーンの名前を冠した方が売れると云う判断なのでしょうか。

Grant Green - Green Blues

あぁこのジャケット何度も見たことがある。Museなので1970年代初頭にリイシューされたんですね。今ここで気がつく遅さなのですが、グリーン好きでもある小生には私的とは云えダブり買いを避ける有益な情報を得たことになりました。余裕があればコレクトすることもやぶさかではありませんが、生憎そんなに余裕は無いし出来れば新譜にまわしたい。

この流れでも判る通り、当作品はグラント・グリーンの活躍も出色の出来映えと云えると思います。時は61年、グリーンがブルーノートから初リーダー作をリリースした頃とほぼ一致しています。全編で主導権を握るような演奏ではありませんが、満を持して登場するグリーンのソロはとてもスムーズでカッコ良くて惹き付けられます。個人的にはこの中ではビリー・ガードナーというピアニストが実はかなり良くて、とてもブルージーでネットリと黒く表現されるピアノに集中させられてしまいます。聴きようによってはレッド・ガーランドのようにも感じられ、録音の少ないピアニストのようなのですがそれは実に勿体ないことだと感じました。フランク・ヘインズのテナーはフレーズを崩さずシンプルでありながらも土臭さを含んだプレイは好感が持てます。リズム陣のベン・タッカーとこのアルバムの主役であるデイヴ・ベイリーはセットで聴くと効果が倍増するかのような渋さを含有していて、互いに派手なタイプではないのですが屋台骨としては太く強靭でドッシリとしています。

変身しながら幾度か登場してきたこのアルバムは世に問われ続けることも頷ける好内容で、特に黒人特有のブルージーでネットリしたジャズが好みの方には好感を持って受け入れられることは間違いない水準の出来だと思います。

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  1. 2008/09/15(月) 22:38:25|
  2. Drums
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#665 Oasis/MIlan Jazz Quartet (Dire)

Milan Jazz Quartet - Oasis

A
1.Scrapple From the Apple
2.All the Things You are
3.Oasis
4.Heart Transplast

B
1.Au Privave
2.Blue Note Mood
3.Groovin' High
4.All Blues

-Milan Jazz Quartet-

Carlo Bagnori (bs) Rudi Migliardi (tb) Attilio Zanchi (b,cello) Carlo Sola (ds,perc)

Rec-1982



ミラン・ジャズ・カルテットはこのアルバムと、以前取り上げた『Travellin'』(Dire)以外知らないのですが、アルバムとしてはこの他に作品があるのでしょうか。ネットで色々試みたのですが探しきれませんでした。フロントに低音楽器を配したなかなか個性的なサウンドが好きで、特徴のある音は忘れた頃にたまに取り出し聴きたくなります。未知の作品があるのであれば喜んで買うのですが、果たしてあることを知らないだけなのか、それとも無い物ねだりなのか。バリトンとトロンボーンの組み合わせというのはなかなか印象的で病み付きになってしまう効果があると思います。

チャーリー・パーカーのA-1,B-1、ガレスピーのB-3、マイルスのB-4、スタンダードのA-2以外がメンバーのオリジナル。思いのほか滑らかなサウンドがこのグループの良いところと感じますが、それはソロ交換の時に感じることであり、やはりバリトンとトロンボーンのツー・ホーンでテーマを奏でるときのアンサンブルの重量感にはクルものがあります。ゆったりとした音を出しがちな二つの楽器が曲によってはスリリングに化けているところがカッコ良くて入れ込んでしまいます。それらは特に彼らのペンに依るオリジナルに良く表れていて、男らしさと云うか男臭さと云うかムンムンとした熱気に溢れています。恐らくピアノ・レスであることも関係していると感じられ、重厚なホーン・アンサンブルが直接リズムの上に乗っかっており、ゴリゴリしたベースが鞭打つように表現され、ドラムも重々しくプレイされていることが男臭さを増幅しています。ただそれほど奇抜な印象は受けず、ノリが良く上質な演奏は無条件に楽しく笑みがこぼれます。

こういう個性的な編成で演奏されるジャズはどうしても食指が動いてしまうし、実際に聴いてみて気に入ることが多いです。ただ最近自分のアンテナの感度が落ちているのかなかなか該当するような気になる編成での新譜を見つけることが出来ません。いつのまにか凝り固まってしまった自分の趣向を打ち破るには、不意打ちででもジャンルに隔たりなく強制的に耳にすることの出来る環境がやはり必要なのでしょうかね。そんな訳で情報を求めるべくネットラジオに繋いだり、ウェブを徘徊してみたり。

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  1. 2008/09/14(日) 23:44:23|
  2. Combo
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#664 Night Crawler/Sonny Stitt With Don Patterson (Prestige)

Sonny Stitt - Night Crawler

A
1.All God's Chillun Got Rhythm
2.Answering Service
3.Tangerine

B
1.Night Crawler
2.Who Can I Turn to ?
3.Star Eyes

Sonny Stitt (as) Don Patterson (org) Billy James (ds)

Rec-1965



あんまり続けて同じアーティストの作品を取り上げることは、同タイトルで続編とハッキリ判るような明らかな組ものの時以外やらないのですが、昨日聴いていた『Night Letter』(Prestige)と対比させるには興味深い作品が手元にあるので今日はこちらを取り上げてみます。この両者のアルバムには共通項と相反する違いが混在し、果たして制作者側としてはシリーズの一環とした意識下にあって制作したのか、それとも、数作りゃ似るものぐらいあるだろ的なものなのか。まわりくどい言い回しで恐縮ですが自分としては何のことはない後者であろうと推察します。以下勝手な考察。

まずアルバム・タイトルが似ている。単に両者に"Night"という単語が入っているだけですが。しかもどちらも収録曲をアルバム・タイトルに冠しているだけですので作品のコンセプトとしての筋として考えるにはあまりに心許ないし無理があるような気がしました。そしてオルガン入りである。昨日の『Night Letter』はカルテット、このアルバムはギターの抜けたトリオです。一番興味深いのはスティットの扱う楽器が違うこと。ほぼテナーに専念している「ナイト・レター」に対しアルト専念の「ナイト・クローラー」。そして決定的なのが録音年がずいぶん離れている。前者は69年、このアルバムは65年。まぁややこしい方面にわざわざ持っていかなくても比較するには面白そうな素材かなぁと漠然とは思っていました。

さてこのトリオもなかなか良いですね。プレスティッジに沢山作品を残しているドン・パターソンを相棒に迎えた一品で、「ナイト・レター」よりもグルーヴ感がありパワフルで、ギタリストのいないぶん演奏も濃密でウネっています。スティットのアルトは節回しが軽くスピーディーでやっぱりこの人はうまいですね。とにかく軽快で前日のような情緒的な側面よりも、よりテンポ良くノリを考えて演奏されていて爽快です。パターソンのオルガンは前日のジーン・ラドウィックに比べても豪快且つ奔放。主張を止めないオルガンは主役に躍り出るかのような楽しさで、音を細切れに発射するかのような奏法は耳に憑きます。もう一人、ビリー・ジェームスのドラム。シンプルながらも手数の多さと派手さで演奏にマッチしており、大いなる盛り上げ役としてなかなかの存在感です。

しかし前日の夜のムードはどこへ行ったのか。B-2以外は実に激しく楽しいサウンドで両者のアルバムには何の接点もないことを証明するに足る演奏ですね。まぁオルガンだけをとっても以前からパターソンと複数録音していたり、他にはジャック・マクダフとの共演もありますしね。スティットの「無理矢理ややこしくして、いつもくだらねぇことばかり考えてんじゃねーよ」と云わんばかりの演奏に「はぁ、すみません」と謝ってしまいそうです。でも対比の素材としては結構おもしろかったですが。

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  1. 2008/09/13(土) 23:26:56|
  2. Alto Sax
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#663 Night Letter/Sonny Stitt (Prestige)

Sinny Stitt - Night Letter

A
1.Night Letter
2.When It's Sleepy Time Down South
3.Stringin' the Jug
4.Pretend

B
1.Blue String
2.You'll Never Know
3.Loose Walk

Sonny Stitt (ts,varitone) Gene Ludwig (org) Pat Martino (g) Randy Gelispie (ds)

Rec-1969



この作品が結構好きなのである。山あるソニー・スティットの作品の中でも恐らく地味な部類に入るのではないでしょうか。オルガン入りカルテットで個人的に入れ込んでいるパット・マルティーノも参加しています。このアルバムに対し各自のテクニックがどうだとか、そういう次元で云々するつもりは当方には毛頭なくただただ放出される雰囲気が好きである。

テナーにほぼ専念しメロウに表現するスティットはどこまでもソフトでまろやか、イキむこともなくありのままのナチュラルなテナーを聴かせてくれます。そんな熟れたテナーの音に派手さはないものの深みのあるジーン・ラドウィックのオルガンの音色、これが非常に心地よく響く。もちろん彼のソロにも惹かれるのですが、どちらかと云えばオルガンでのバッキングがとても良く、コードでテナーを包み込むかのようなアシストぶりが何とも云えず絶妙です。そして傍らにはオルガンにはマッチするギターという楽器が佇んでいます。シングル・トーンでピッキングされ、時には快速で飛ばすマルティーノのギター。あくまでもスティットを際立たせる役回りに徹し、全曲全編で自己顕示するものではありません。大トリはそれほど目立たず控えめに仕事をするドラマーのランディ・ギレスピー。小気味良いリズムを淡々と刻み、影武者のように我を主張しない黒子ぶり。全てが絡むと薄い膜が幾重にもなって厚くなり、何故か贅沢な空間を作ってくれる。「ナイト・レター」だからと言うわけではないがこの作品は夜のジャズ。そして揶揄する意味合いも全くなく当方にとってはムード・ミュージックとしても一級品。スピード感のある曲よりも徹底的にムードで迫るA-2,A-4,B-2や、ブルージーなB-1などの曲がゾワゾワっとして痺れてしまう。あぁ、今日もアルコールがすすんで仕方ない。

どんな曲調やスタイルでも臨機応変に対応出来るスティットのサックス。ピアノのみならずオルガンにも滅法相性が宜しいようで。

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  1. 2008/09/12(金) 23:45:22|
  2. Tenor Sax
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#662 Plays Stephane Grappelli/Florin Niculescu (Blujazz-CD)

Florin Niculescu

1.Opportunity
2.Hesitation
3.La Chanson des Rues
4.Automne
5.Lighht
6.Tournesol
7.Dephne
8.Andre
9.Eveline
10.Souvenir de Villingen
11.Old Man River
12.Blues for Stephane

Florin Niculescu (vin) Peter Beets (p) Bruno Ziarelli (b) Daryl Hall (ds)
-Guests-
Christian Escoude (g) Marc Fosset (g)

Rec-2008



例によって量販CDサイトでウロウロしていたらちょいと気になったものを発見。フローリン・ニクレスクというヴァイオリニスト。まず目がいったのがオランダのピアニスト、ピーター・ビーツの名前。ヴァイオリン+ビーツのピアノという構図で意識的に想像を掻き立てる。うん、なかなか良さそうだ。そしてゲスト・ギタリストとしてクリスチャン・エスクードの名前が!これで興味が倍増。マルク・フォセというギタリストの名前も聞いた事があるなぁ。はて、どんなんだったっけ?それとグラッペリのヴァイオリンはたまに聴いても必ず満足するのでタイトルに冠しているだけあってその路線だろう。間違ってもジャン・リュック・ポンティのような音は出まい。しばらくヴァイオリンのアルバムも買っていないし新たなヴァイオリニストに接してもいないし。思い返せばかなり前に知った寺井尚子以来かな。あーだこーだ思案しているうちに勢いで注文、無事落手。

聴いてみた。うーむ、安定感のあるヴァイオリン。表現もウィットに富んでなかなか良いじゃあないですか。フランス&ヴァイオリンですぐにエスプリという単語が浮かぶ単気筒構造の白子脳が空しい。ラストの12曲目の自作以外はグラッペリのペンによるもの。グラッペリ集ということが関係しているのか、かなり彼の演奏に通ずるものがあるなぁと思った。もっと言えば似ているなぁと。ヴァイオリンに限らずどんな楽器に対しても知識の浅い残念な人間なのであるが、愚耳がそう判断したので適当にあしらって頂けるとありがたい。なので奏法等に触れることすら出来ないのであしからず。ビーツのピアノもとてもマッチしていて心地良いし、元々ヴァイオリンとは相性のいいギターのカッティングの音も最高です。

最後に、あまりに彼のことを知らないので少しでもと情報をウェブで探ってみる。まず関連事項で解ったこととして今年はグラッペリの生誕100周年なんだそうな。確かにジャケットを開けばそれらしき内容の記述がフランス語で書いてある。指摘されて気づく相変わらずの鈍さが今日も発動していてもはやうんざりなのだがいつものことなので諦めている。それと彼はルーマニア人で後にパリに移住したとのこと。彼のHPを見ると予想以上に活躍の幅が多岐に亘っていることが判りました。このアルバムはリーダー作としては3作目になるのでしょうかね。

久しぶりに手に入れたヴァイオリンのアルバムは描いたイメージをほぼ忠実に再現してくれた嬉しい内容で、彼の過去の作品や新たなる他のヴァイオリニストへの探求に火をつけてくれるようなカンフル剤となったようです。今後も楽しみなアーティストでした。

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  1. 2008/09/11(木) 23:01:06|
  2. Flute, Clarinet, Tuba, Violin, etc
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#661 Maryland/Maria Kannegaard (Moserobie-CD)

Maria Kannegaard - Maryland

1.Sjufire
2.Ruslende
3.Ballade 1
4.Av Veien
5.Bethesda
6.En Talmodig Sjel
7.Ballade 2
8.Hit og Dit - Ingen Hast
9.Forste Vake
10.Year, Year

Maria Kannegaard (p) Hakon Kornstad (ts) Ole Morten Vagan (double-b)
Hakon Mjaset Johansen (ds)

Rec-2007



デンマーク生まれでノルウェーで活躍する女流ピアニスト、マリア・カンネゴールのテナーを据えたカルテット作品。「北欧」や「女性」から連想するキーワードは当方の場合は「静謐」。しかし購入前にチェックしたMP3は異様なサウンドを醸していました。こりゃ是非とも全てを聴かねばならぬと義務感が生じ取り寄せてみました。これはMoserobieから出た彼女の三枚目のリーダー作。つい最近発売されたのですが昨年初旬に録音され今年初旬にミックスされたもの。実はこれまたつい最近に四枚目のアルバム『Camel Walk』(Jazzland)もリリースされ、こちらはピアノ・トリオなのですがやはり一筋縄でいかない個性的な作品に仕上がっていました。よく考えればMoserobieというレーベルはトランぺッターのマグヌス・ブルーや彼も参加するAtomicなどの作品を抱えており、一般的ヨーロッパ・ジャズのイメージから一線を画する骨太のゴッツイ演奏を聴くことが出来るアーティストを列挙することが出来るレーベルであるので、これをふまえれば彼女の作風はこのレーベルに合致しているといっても過言ではないようです。

メンバーはテナーで参加しているホーコン・コーンスタは知っていますがベーシストとドラマーは初めて聞く名前でした。ただベーシストはACTレーベルから発表された一作目を除く彼女の二作目から最新作まで共演しています。殆どが彼女のオリジナルで5曲目のみベーシストの作品。とにかく一曲目の出だしから強烈で女性らしからぬゴツゴツしたサウンドに度肝を抜かれました。かなり自由度の高い演奏で複雑なリズムに絡み合って進んでいくブロック・コードと執拗に繰り返されるリフでメッタ打ちにあいます。混沌とした雰囲気が全面に出ており脳内にドーパミンが溢れ出てきます。情報が少ないのでウェブで調べると彼女はジェリ・アレンやハービー・ニコルスを崇拝しているようで、ニコルスの名前を見た時に「なるほど、そういうことか」と合点がいきました。とにかく岩石落しのような演奏と情念が籠ったかのような静かに爆発する怪しげなメロディが交互に編まれており、コーンスタの法則のないテナーがリズミックに放射されます。その効果をさらに倍増させるのがリズム陣が繰り出す不規則なビート。触れると静電気が起きるかのようなピリピリした神経質なパルスは興奮の坩堝に引きずり込んでくれます。

時折見せるフリー・アプローチやヒンヤリと冷たく一切の甘さを排除した演奏は当方の生温い想像を嘲笑うかのように一徹で、強烈なインパクトを持って屹立しています。決して耳馴染みの良い音とは言えませんがこの世界は当方の胸ぐらをむんずと掴んで離してくれません。万人向きとは云えませんがかなり衝撃を受けた一枚になりました。

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  1. 2008/09/10(水) 23:18:23|
  2. Piano
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#660 Earfood/The Roy Hargrove Quintet (EmArcy-CD)

Roy Hargrove - Earfood

1.I'm Not so Sure
2.Brown
3.Strasbourg / St. Denis
4.Starmaker
5.Joy is Sorrow Unmasked
6.The Stringer
7.Rouge
8.Mr. Clean
9.Style
10.Divine
11.To Wisdom The Prize
12.Speak Low
13.Bring it on Home to Me

Roy Hargrove (tp,fl-h) Justin Robinson (as,fl) Gerald Clayton (p)
Danton Boller (b) Montez Coleman (ds)

Rec-2007



ロイ・ハーグローブに関してはもっとバリバリと吹きまくるタイプのトランぺッターではないのかと勝手に想像していたのですが、この近作を聴いてみると比較的冷静にブレス・コントロールされた表現方法や楽曲にもジャズっぽくないウィットに富んだものなどがあり、そういった彼の一面に初めて触れてみて、こちらがイメージしていたものと違っていたので戸惑ってしまった。というのも再三表明している通り、いまや中堅と云われるミュージシャンでも当方のジャズのブランクにスッポリと当て嵌まっていて未だに彼らの残した殆どの作品を聴けておらず、遅ればせながら遡って辿っていこうとしている人間であるので基本的な知識に乏しく、己の妄想のみで作り上げていたイメージであったため実態は本質を全く掴んでいません。このアルバムが新譜でリリースされるタイミングに合わせて本格的に聴いてみようと思ったので、彼のリーダー作に接したのもコレが初めてであり上記のような感想になりました。ただイメージと違うからといって内容に不満があるという訳ではなく、当方の違う部分のツボが刺激されてなかなか興味深く聴かせてもらいました。

アルト&フルートを加えたクインテットでの演奏で、前述の通り火の出るソロ応酬ではなくどちらかというとハーモニーを第一に置いたプレイのように感じられます。でも個人的にはこのラッパの音色はストライクですね。眉間に血管の浮き出るような壮絶なプレイも刺激的で大好きですが、ゆったりと構えた大らかな音色というのも聴いていて気持ちのいいものです。脇を固めるサイドメンに馴染みのあるミュージシャンがいないのですが、ホーンのジャスティン・ロビンソンは崩しの少ない解り易いフレーズを奏でます。ジェラルド・クレイトンのピアノはほんのりとアーシーさも含んでいるように感じられリズミックに響きます。そしてモンテス・コールマンのスコーンと抜けるスネアが印象的です。

このアルバムのジャケ裏に "In Memory of Bob Popescu 1930 - 2008"という記述がありました。ちょっとウェブで調べてみたらバーのオーナーのようで年初に77歳で他界されたとの記事がありました。ハーグローブが彼に捧げたアルバムなのでしょうか。

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  1. 2008/09/09(火) 23:57:34|
  2. Trumpet
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#659 Once Upon a Time/Earl Hines (Impulse)

Earl Hines

A
1.Once Upon a Time
2.Black and Tan Fantasy
3.Fantastic, That's You
4.Cottontail

B
1.The Blues in My Flat
2.You Can Depend on Me
3.Hash Brown

A-1

Earl Hines (p) Cat Anderson (tp) Bill Berry (tp) Clark Terry (tp) Ray Nance (tp)
Lawrence Brown (tb) Buster Cooper (tb) Johnnny Hodges (as) Russell Procope (as)
Jimmy Hamilton (ts,cl) Paul Gonsalves (ts) Harold Ashby (ts) Richard Davis (b)
Elvin Jones (ds)

A-2

Earl Hines (p) Cat Anderson (tp) Ray Nance (tp) Lawrence Brown (tb)
Pee Wee Russell (cl) Johnnny Hodges (as) Russell Procope (as)
Jimmy Hamilton (ts,cl) Paul Gonsalves (ts) Harold Ashby (ts) Aaron Bell (b)
Sonny Greer (ds)

A-3

Earl Hines (p) Jimmy Hamilton (cl) Aaron Bell (b) Elvin Jones (ds)

A-4

Earl Hines (p) Cat Anderson (tp) Ray Nance (tp) Lawrence Brown (tb)
Buster Cooper (tb) Johnnny Hodges (as) Russell Procope (as)
Jimmy Hamilton (ts,cl) Paul Gonsalves (ts) Harold Ashby (ts) Richard Davis (b)
Sonny Greer (ds)

B-1,B-2

Earl Hines (p) Cat Anderson (tp) Ray Nance (tp,vo) Lawrence Brown (tb)
Pee Wee Russell (cl) Jimmy Hamilton (ts,cl) Paul Gonsalves (ts) Aaron Bell (b)
Elvin Jones (ds)

B-3

Earl Hines (p) Cat Anderson (tp) Lawrence Brown (tb) Pee Wee Russell (cl)
Johnnny Hodges (as) Russell Procope (as) Jimmy Hamilton (ts,cl)
Paul Gonsalves (ts) Harold Ashby (ts) Aaron Bell (b) Sonny Greer (ds)

Rec-1966



アール・ハインズの滋味深いアルバムでエリントンの門下生が勢揃いしています。1966年録音とのことですので彼のキャリアから考えれば後期の入り口あたりの録音ということになるでしょうか。一曲一曲編成が微妙に変わりA-3のみカルテットの演奏がありますが、その他は比較的大きな編成を従えて豊潤なムードで寛ぎを醸し出す作品です。解り易いテーマにドライブ感溢れるソロ、各々の円熟の極みを満喫出来る内容は熟れた果実のような美味しさです。

ジョニー・ホッジス作のA-1からノリノリで、転がるアール・ハインズのピアノを導入にテーマに突入、以後ソロ交換が続き終盤にはクラーク・テリーのものと思しきハイノートが炸裂しています。エルヴィンのドラムが「俺だ!」と主張しているのが微笑ましいところです。A-2はエリントン・ナンバー。各自の節回しはスウィングの王道を往く独特のものでさしずめ演歌のコブシを想像させるくらいの定番のものですが、この手のサウンドは慣れ親しんだ自分にとってはもの凄く安心感のある音で、ミュートを掛けて馬の嘶きの如く操られるトランペットを聴くたびにニヤけてしまいます。A-3のみ少人数のコンボでジミー・ハミルトンのクラリネットをフィーチュアしたカルテットはビッグバンドのサウンドの中では一服の清涼感をもたらす効果があります。A-4は音圧のあるスピード感溢れるエリントン・ナンバー。大きな編成では欠かすことの出来ない定番曲でハインズのピアノも流暢な語り口で聴かせます。B-1はライオネル・ハンプトンの名ブルース。ピーウィー・ラッセルのクラリネットを全面に掲げ、レイ・ナンスはヴォーカルで参戦しています。B-2はミディアム・テンポのナンバーで、各ソロイストの楽器の唱わせ方が絶妙な楽しい作品。ラストのB-3はホッジスの作品で〆ます。リズミックで無条件に体を揺すらされる威力を持ち、コレはひとえにソニー・グリアーの軽快なドラミングの賜物と感じます。

60年代のインパルスにはコルトレーンやシェップ、アイラーやファラオ・サンダース等々のゴッツイ作品の顔ぶれの中に、アール・ハインズのこのアルバムやベイシーの『Kansas City Seven』など、大御所が自身のスタイルに実直に向き合っている名盤がヒッソリと存在しているのがスウィング・ジャズを幼少の頃から刷り込まれた当方にとっては嬉しいところです。

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  1. 2008/09/08(月) 21:41:30|
  2. Modern Big Band
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#658 Live at Widener University/The Band (Imani Records-CD)

The Band (Orrin Evans)

Disc 1
1.Two Faces of Nasheet
2.Umoja
3.JD's Revenge
4.We Both Tried

Disc 2
1.WTC 911
2.Autumn Leaves
3.We Fall Down

Orrin Evans (p) JD Allen (ts) Sam Newsome (ss) Reid Anderson (b)
Nasheet Waits (ds)

Rec-2001



グループ名だけ見ればジャズのアルバムとは思われないでしょうね。はてさて「ザ・バンド」と銘打たれたこのコンボは二管クインテットでメンバーに興味をそそられて思わず注文です。独自の表現力が素晴らしいオリン・エヴァンス、快作を連発しているJD・アレン、バッド・プラスで変態ベースを小生の脳裏に刷り込んだリード・アンダーソン。既に7年前の音源とは云えちょっと音が想像出来ずにワクワクしました。リーダーがはっきりしているのかどうか、それとも便宜的にこのグループ名で一作だけ出したのか当方にとって真相は定かではありません。ただオリン・エヴァンスの自己レーベルであるImani Recordsからのリリースであり兼プロデューサーであるので彼が軸と考えるのが自然なようです。

2枚組ですが全7曲。ワイドナー大学(というのか?)でのライブで比較的長尺な曲ばかりですが、内容も濃く一本調子にならないヴァーサタイルな演奏にかなり度肝を抜かれました。特にDisc 1の初っ端からモーダル且つ前衛的なアプローチに釘付けになり、熱き血潮がほとばしるガッツのある演奏に魂を射抜かれ腑抜けにさせられます。1曲目のこの曲は18分以上の熱演で、アレンのテナーとサム・ニューサムのソプラノがコルトレーン・ライクに響き、オリン・エヴァンスのピアノは硬質で辛口です。また加わるリズムが実にアグレッシヴで特にドラムのナシート・ウェイツは豪快で壮大な世界を演出します。明らかにこのアルバムのハイライトがいきなり来たような感を持ちます。その対比としては格好の2曲目がまたいいんだなぁ。牧歌的なメロディとフレーズに鎮静作用が含まれており、毛羽立った神経を癒してくれます。バッドプラスで呆れるほどのパフォーマンスを魅せるリード・アンダーソンのベースが何とも優しく包み込んでくれてどうしたらいいのか判りません。ニューサムのソプラノが効きまくっており、心地よいリフが渦をまく印象的な一品です。3曲目はタイトル通りアレンも頑張るナンバーですが、どちらかというと曲の中盤に現れるテナー+リズム vs ソプラノ+リズムのサックス・トリオ対決を中心に据えたかのようなホットな掛け合いが強烈で、ピリピリしたテンションの高い演奏はエヴァンスのピアノの存在を一瞬忘れさせます。しかしタバスコのような刺激のピアノがところどころに振りかけられあまりのカッコよさに背筋が伸びます。その分4曲目にエヴァンスのピアノがタップリとフューチャーされ、クールながらも一筋縄でいかないフレーズを紡いでいきます。

Disc 2になると刺激的なスパイスが若干マイルドになったような印象を受けますが、やはりコマーシャルな路線にならないのはこのメンバーを見れば解ることで1曲目はサム・ニューサムのソプラノが大きくフューチャーされています。滔々と流れるソプラノがひと味違うエヴァンスのピアノに装飾され耳を簡単にすり抜けることはありません。御馴染みの2曲目のようなナンバーもパターン化されたかのような定型のものが出てくる筈もなく、アンダーソンのベースとウェイツのドラムが特急で疾走し、その上を管と鍵盤が走り回るなかなかスリリングな「枯葉」が味わえます。ラストの3曲目も美しさと怪しさが兼ね備えられた妖艶さが魅力でこの雰囲気は堪らないものがあります。

自分のツボにがっちりハマった盤を見つけて小躍りしましたが、期待に違わぬ内容に唸ってしまいます。あまりに気に入り過ぎてこのグループでの他の録音を探したい気分ですが、まずはライナーの英文と格闘するところから始めなければならないようです。

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  1. 2008/09/07(日) 23:47:55|
  2. Combo
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#657 Live at Tonic/Christian McBride (Ropeadope-CD)

Christian McBride - Live at Tonic

Disc 1
1.Technicolor Nightmare
2.Say Something
3.Clerow's Fliped
4.Lejos de Usted
5.Sonic Tonic
6.Hibiscus
7.Sitting on a Cloud
8.Boogie Woogie Waltz

Disc 2
1.See Jam, Hear Jam, Feel Jam
2.Out Jam / Give it Up or Turint Loose
3.Lower East Side / Rock Jam
4.Hemisphere Jam
5.Bitches Brew
6.Out Jam / Via Mwandishi
7.Mwandishi Outcome Jam
8.The Comedown (LSD Jam)

Disc 3
1.E Jam
2.Ab Minor Jam
3.D Shuffle Jam
4.D Shuffle Jam (part 2)

-Christian McBride Band-

Christian McBride (b,el-b) Ron Blake (ts,ss,bs,fl)
Geoffrey Keezer (key) Terreon Gully (ds)

-Christian McBride Band + Guests (Disc 2)-
Charlie Hunter (g) Jason Moran (p) Jenny Schienman (vin)

-Christian McBride Band + Guests (Disc 3)-
DJ Logic (turntable) Scratch (beat box) Eric Krasno (g) Rashawn Ross (tp)

Rec-2005



クリスチャン・マクブライドの3枚組ライブ・アルバム。だいぶ前に買っていて何度か聴いていたのだけれど、アルバム・トータルで考えればなかなか演奏に入り込めていないのが歯痒くてもう一度聴いてみて敢えて記事にもしてみようと思いました。

パーソネルや機材をなぞればすぐ判る通りエレクトリックなサウンドが全面に出たジャズ・ファンクと言ったらいいのか、いわゆるフュージョンとは一線を画するような粘っこい黒いビートが渦巻いています。演奏を一気に聴けば約3時間もの内容であり、そう云う体裁のものを一度に聴くのはやはり集中が持たず散漫になるのは落ち着きのない人間の証なのでしょうか、今までは何度試しても上手くいきませんでした。また3枚目のターンテーブルやビートボックスなどの機材を持ち込んだサウンドは奇抜な印象を持ちつつも実際に聴けばそうでもありませんでした。これは自分がジャンルを超えてあれもこれもと聴いていることが影響しているのかも知れません。そもそもこういった音のものも好物である筈なのですが、いまいちフィットしないのが不思議でなりませんでした。

基本はクリスチャン・マクブライド・バンドとしての4人が主役であり、Disc 2や3にはゲストとして複数のミュージシャンが参加しています。個人的にはジェイソン・モランのピアノが2枚目で聴けることが嬉しい。モランのリーダー作は4枚ほど聴いていますが、こういったサウンドへの対応がいともたやすいのは彼の今までの作品で証明されていると思います。

ガツンとくるロック・ビートに乗せてロン・ブレイクは4種のホーンを操り、ジェフ・キーザーのキーボードはネットリとした蜜のような表情を魅せたり水のようにサラッと流れたりと様々な変化が面白いところです。マクブライドはウッドとエレキ・ベースを曲によって使い分け、ワイルドなアルコ・ソロも含めたバラエティに富んだ奏法を執拗に披露します。テレオン・ガリーのドラムはタテノリで、時によってはエフェクトにディレイを使用したりととにかく豪快に響きます。

アコースティックなジャズばかり補食し続けると面食らう可能性もありますが、取り寄せる前からそれを期待しているので何ら問題はないのです。改めて聴いてみて何となく判ってきたことは決して苦手ではなく、むしろかなり楽しめたこと。特にDisc 1のグルーヴ感はこの上ない快楽を与えてくれています。ただDisc 1から楽しんでいくとやはり時間的に後半に行くにつれて自分自身の集中がダレていき間延びすることは否めないようです。自分の好みもDisc 1>Disc 2>Disc 3であるので一層後半のサウンドに入り込めないことが原因のような気がしてきました。これはCDをPCにリッピングして順番に聴いているのが問題なのかもしれません。今度は己の耳にDisc 3から遡って聴く逆療法や、敢えて一枚ずつしか聴かない単発攻撃を食らわしてやろうと考えています。結果が好転するのかどうかは全く判りませんが。

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  1. 2008/09/06(土) 20:29:14|
  2. Bass
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#656 Pao/Eugene Pao & Mads Vinding Trio (Stunt-CD)

Eugene Pao

1.Witch Hunt
2.Recordame
3.Infant Eyes
4.All of You
5.Alice in Wonderland
6.Blame it on my Youth
7.Dolphin Dance
8.Bud Powell
9.My Foolish Heart

Eugene Pao (g) Mads Vinding (b) Olivier Antunes (p) Alex Riel (ds)

Rec-2001



暫くジャズから遠ざかって、そして戻ってきたら随分とアジア人(系)の名前を目にするようになった。日本人の大勢のジャズ・ミュージシャンがそれこそ50年代から活躍しているのを知っているのは日本人なればこそなのであろうが、自分がジャズから遠ざかる前に認識していたその他のアジアのジャズ・ミュージシャンはフリー・ジャズの名手でアルト奏者である韓国のカン・テーファンぐらいだったような気がします。ここのところこのブログではベトナム系のトランぺッターのクォン・ヴーやギタリストのグエン・レなどを取り上げたこともあって日本以外のアジアのミュージシャンのことを妙に意識するようになった。最近の新譜でも中国のベイ・シューという女性ヴォーカリストの名前を見つけたりしてどうやら活況のようです。視野を広げればヨーロッパやアフリカでも今まで馴染みのなかった国のミュージシャンが快演をひっさげ作品を連発していることを見るにつけ、いよいよジャズもボーダー・レスの様相を呈してきて入るなぁと改めて思った次第です。

このアルバムのユージン・パオはと云えば香港生まれだそうで、高校生の時にアメリカに渡り後に取得した国籍はカナダなんだそうな。その彼がフランス人ピアニストのオリヴィエ・アントゥネスとデンマークの最強リズム陣を従え、デンマークのレーベルStuntからリリースすると云う何ともスケールの大きい生きざまに、単純に羨望してしまう人間がここにいます。このアルバムのタイトルから見る構図としてはユージン・パオとマッズ・ヴィンディング・トリオが並列になっていますね。デンマーク人ということでベーシストのヴィンディングもドラマーのアレックス・リールもStuntには比較的多く作品を残していますね。

よく知られた定番のナンバーにショーターやハンコック、ジョー・ヘンなどの曲を織り交ぜています。オーソドックスなギター・カルテットと云うと身も蓋もなくなってしまうのでしょうか。でもなかなか味わい深くて繰り返し聴いてしまいます。派手な装飾やギミックなどを多用せずユッタリと聴かせてくれます。個人的にはガット・ギターの温もりのあるプレイに感心しており、じっくりと一音一音を弾き込んでいることに好感を覚えます。オリヴィエ・アントゥネスのピアノは透明感のある音で、パオのギターにマッチしており美しさを兼ね備えた音色が特徴です。ヴィンディングのベースは指の擦れを捉えるほどの臨場感があり、アレックス・リールのドラムはスネアを細かく刻み、ブラシをサスらせたら至福の空間が広がります。

ウェブで検索しているとまだまだ未知のアジア系と思われる名前が引っかかってきて興味が尽きません。これからもどんどんとアジアの新たなジャズ・ミュージシャンが世界をまたに駆け回ることが期待出来そうで、徐々に裾野も広がっていきそうですね。

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  1. 2008/09/05(金) 21:12:20|
  2. Guitar
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#655 Parisian Thoroughfare - Byrd in Paris Volume 2/Donald Byrd (Brunswick)

Donald Byrd - Byrd in Paris Vol.2

A
1.Salt Peanuts
2.Parisian Thoroughfare
3.Start Dust
4.52nd Street Theme

B
1.At This Time
2.Formidable
3.Two Bass Hit
4.Salt Peanuts

Donald Byrd (tp) Bobby Jasper (ts,fl) Walter Davis Junior (p)
Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)

Rec-1958



昨日の続きを聴いてみた。このアルバムは第2集ということで8曲が収録されています。革ジャンを着てカフェでポテトをつまむドナルド・バードがイカしています。カフェオレかミルクティーが定かでない飲み物にシケモク、絵になりますなぁ。このアルバムではバド・パウエルやモンク等の偉大なアーティストの曲を演奏しています。そしてディジーのソルト・ピーナッツが短めに頭と尻に置かれており、丁度サンドイッチするような感じで構成されています。メンバーのオリジナルはバード自身の曲がB-1、ピアノのウォルター・デイヴィスの曲がB-2に配されています。

A-1のソルト・ピーナッツは聴きようによってはこのレコードのテーマを担っているような役割を果たしています。続くA-2はタイトルにもなっているバド・パウエルの曲ですが、パリでのライブで演奏するにはもってこいの選曲ですね。印象的なメロディと独特のリズムに魅了されます。続くA-3のバードのトランペットにはヤラれてしまいます。ジャスパー抜きのカルテットですが短いながらも艶やかな演奏で、ふっくらしたバードのトランペットが心地よく響きます。A-4はモンクのナンバーですがこの中にソルト・ピーナッツを終盤に編み込んだ演奏になっています。B-1は火の出るようなバードのソロやウォルター・デイヴィスのスリリングなピアノが満喫出来るスピード感溢れる一品です。豪快なアート・テイラーのドラムも強烈です。B-2は流麗なテーマを持つ曲で各自のソロが大きく割かれているホットな演奏が楽しめます。B-3は二管のフロントの抜けたウォルター・デイヴィスのピアノ・トリオでの作品。個人的にはこの曲のベストはマイルス・デイヴィスの『Milestones』(Columbia)に収録されているトラックかな。そしてラストのB-4もソルト・ピーナッツで〆になります。

聴いていて気づくのですが拍手の処理やフェードアウト、曲のつなぎ方など編集と云う意味では結構乱雑な印象を受けます。また音質が若干スカスカで今ひとつなのは致し方ないところでしょうか。塩豆にはじまり塩豆に終わるように編集されていて、制作者の狙い通りでしょうか結果的には脳裏に刷り込まれてしまう威力がありました。

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  1. 2008/09/04(木) 23:21:03|
  2. Trumpet
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#654 Byrd in Paris/Donald Byrd (Brunswick)

Donald Byrd - Byrd in Paris Vol.1

A
1.Dear Old Stockholm
2.Paul's Pal

B
1.Flute Blues
2.Ray's Idea
3.The Blues Walk

Donald Byrd (tp) Bobby Jasper (ts,fl) Walter Davis Junior (p)
Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)

Rec-1958



自分がジャズを聴き始めた20数年前はいわゆる幻の名盤なる惹句で好奇心を焚き付けられる盤が数多く存在し、当然それらは極めて品薄であるのでジャズに首を突っ込んでしまった以上当たり前のように己は欲求の塊の主となり、ひょっとしたら巡り合えないだろうかと願い然る場所に日参する始末。まずは一般店でのエサ箱での遭遇などは皆無で、由緒正しき廃盤屋の壁に、あり得ない金額とともにうやうやしく掲げられているのを指を銜えて見ていたこと数千度。時代は流れこれまた当たり前のように着々と垂涎盤の復刻がなされ、まずは聴ければ何でも良いと云う、果たして本当に執着していたのだろうかと思わせるぐらいの変わり身の早さでニヤニヤしながら一枚ずつ落手していったささやかな結晶が手元に沢山あります。オリジンに執着出来るほどの余裕を持ち合わせていないことが全てなのですが自分にとってはこの方が幸せだったかもしれないですね。おかげで沢山の演奏に触れることが出来ました。

今日取り上げるドナルド・バードも昔は幻化していた作品でしたが後にしっかりと復刻されました。フィガロを読むバードがカッコいいですなぁ。思えばあの頃血眼になって探していた米盤・欧盤の殆どが普通に手に入れられるようになっていて有難いことこの上なしです。かわりにここ十数年のCDが稀少になるものが多いですが、これとて注目されれば確実に再プレスされているようなので泰然自若で待った方が良いような気がします。「動かざること山の如し」ですよ。

くだらん前置きばかりになってしまいましたが、このドナルド・バードの作品はタイトル通りパリでのライブで、観客の歓声でも解る通りオランビア劇場と云う大きなホールでの演奏のようです。クインテット編成でベルギー人のボビー・ジャスパー以外はアメリカのミュージシャン。ジャスパーも活動の拠点はアメリカですね。ここで聴かれる5曲はB-1はジャスパーのオリジナルでその他はロリンズやブラウニー等のナンバーです。ライブならではの若干のラフさを醸しながらキメるバードのトランペットはゆったりと吹かれ清々しさを感じさせます。ジャスパーは個人的にテナーよりもフルートの方が大好きなので、彼のペンに依るB-1は当方にとって嬉しいプレゼントです。ウォルター・デイヴィス・ジュニアのピアノは快活でメリハリが効いており、ダグ・ワトキンスのベースがアート・テイラーのドラムとともにフロントを鼓舞しノリの良さを強調しています。

このライブには第二集があるので続きは明日に聴いてみます。

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  1. 2008/09/03(水) 23:29:47|
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#653 September Song/The Dorothy Donegan Trio (Jubilee)

Dorothy Donegan

A
1.I Can't Give You Anything But Love
2.September Song
3.Up a Lazy River
4.Happiness is a Thing Called Joe
5.St. Louis Blues

B
1.Loce for Sale
2.Tenderly - Stella by Starlight
3.Lullaby of Birdland
4.Dancing on the Ceiling
5.I Get a Kick Out of You

Dorothy Donegan (p) Unknown (b) Unknown (ds)

Rec-1956(?)



女流ピアニスト、ドロシー・ドネガンのピアノ・トリオ。この作品はあまりにも明確になっていない事柄が多くベースとドラムのメンバーすら判らない状態です。56年の録音というのはウェブ上から拾ったものなのですがこれもまた定かではありません。この作品は以前に国内盤でリリースされていて詳細がライナーに言及されているのかも知れませんが、外盤を所持している当方にとっては知る由もなくウェブでも情報を収集しきれませんでした。

ドネガンと云えばパーカッシヴなピアノで、踊りまくり歌いまくりのステージでアメリカ本国では大人気だったようですが日本での認知度は未だに低く、ただ結構な数の作品が復刻されたことにより昔よりは現在の方が徐々に知られてきているような気がします。残念ながら彼女は10年ほど前に他界されています。この作品はドネガンの初期の音源でお得意のヴォーカルは披露していませんが、やはりピアノの扱いは打楽器的でグルーヴ感の高い演奏になっています。

結構な枚数の作品を残しているのですがそれほど接していないのが正直なところです。ただそれまでのどの作品を聴いてもノリの良さは抜群で、黒人女性の持つ圧倒的迫力にヤラれること請け合いの作品がならんでいます。そんな中この初期のアルバムは後年の強烈なパフォーマンスに比して若干おとなしめですが、それでもしっかりと下地が出来上がっていることが良く解る内容です。シットリと聴かせるピアノにもエロール・ガーナーを聴いているかのような眩い装飾が施され、アップ・テンポでは突進系のゴツゴツしたピアノでどんどん責めてきます。ブギウギではドネガンの楽しさが炸裂しており破顔一笑すること間違いなしのファンキーさが魅力です。

このアルバムには同じジュビリーからジャケットの違うものが同タイトルでリリースされていて、紅葉のバックに女性のシルエットが写っているなかなか美しいカバーのものがあります。下記に掲げたのは2ndのジャケットのようですが、個人的好みは艶やかさもある2ndの方が良いなぁと思っています。コレはオス的感覚からくるものなのでしょうかねぇ?

Dorothy Donegan - 2nd

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  1. 2008/09/02(火) 22:55:04|
  2. Piano
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#652 Dream Flight/E_L_B Erskine_Le_Benita (ACT-CD)

Peter Erskine_Nguyen Le_Michel Benita

1.Dream Flight
2.Rotha & Priska
3.Jive Five
4.Song for Jaco
5.Twelve
6.Plan 9
7.Kokopanitsa
8.Romanichel
9.Montreal
10.Hanging Out on the Roofs
11.A Demain

Peter Erskine (ds,timpani,perc) Nguyen Le (el-g) Michel Benita (b)
-inviting-
Stephane Guillaume (ts,ss)

Rec-2007



ACTというレーベルに惹かれて買ってみた。いわゆるレーベル買いです。自分にとってピーター・アースキン以外はそれほど馴染みがないアーティスト。ピアノレスのギター・トリオに数曲テナーあるいはソプラノが絡むカルテットという編成になっています。どちらかと云えばジャズを踏襲しつつもコンテンポラリーな要素が強い内容で、まだACTというレーベルは殆ど聴けてはいないけれど、これはこのレーベルの特性であるのかもしれないと感じるようになってきています。そして自分の中になかなかスッと入ってこなくて未だにその感覚を引きずっています。面白い内容であることが理解出来ているのでその為に受け入れようと何度も聴いているのですが、なかなかうまくいかずどうしたもんかなぁと首を捻る毎日です。

E_L_Bという三人の頭文字をとったグループ名で、調べてみたら2001年に同様のメンバーでACTに作品があるようです。特別熱心にピーター・アースキンを聴いていたわけではないが、彼の作品にはアラン・パスクァと演った『Live at Rocco』(Fuzzy Music)ほか諸々に触れたことがありますが、ベトナム系フランス人ギタリストのグエン・レにはまだ接していなかったと思います。そしてベーシストのミシェル・ベニータはラベルブルーのアルド・ロマーノの作品やパオロ・フレス等がメンバーのPalatino等で聴いた事があります。

複雑なテンポの絡むアースキンのドラムやスペイシーな中から沸き上がるベニータのウッド・ベース、テナーやソプラノの伸び伸びとしたプレイなどなかなか聴かせどころは沢山あると感じているのですが、何となく引っかかっているのはグエン・レのギターの音ではなかろうかという気がしてきました。テクニックとかではなく純粋な音に対しての自分の反応のような気がしています。4曲目や5曲目、8曲目、10曲目のようなエフェクトの少ないナチュラルなサウンドはとても心地よく聴けるのですが、歪まされたギターの音やロック的なアプローチに関しては自分の中の何らかのスイッチが入って距離を置きたくなるような感覚があります。自分自身のことであるのになかなか断定出来ない歯痒さが常につきまとうのはいつもながらのことですが、本当にこの部分は何とかならんかと矛先が自分に向かってしまいます。

決して聴いていて退屈になるような部類のジャズではなくて、派手さよりは静かなる刺激の強さが含有されたサウンドといった認識をこの作品に持っているので、ゆっくりと時間をかけて氷解させるように付き合ってみたいと思っています。あとは自身の問題であるので。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/01(月) 23:32:25|
  2. Drums
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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