イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#710 Edgewise/Rob Schneiderman (Resarvoir-CD)

Rob Schneiderman

1.Cleopatra's Dream
2.Edgewise
3.Just One of Those Things
4.I'll Keep Loving You
5.What is This Thing Called Love
6.Bud Powell Boulevard
7.In Walked Bud
8.Blue Pearl
9.Blues in the Closet
10.I'll Remember April

Rob Schneiderman (p) Ray Drummond (b) Winard Harper (ds)

Rec-2000



やっぱりなぁと思ったのです。多分自分にとってはあまり聴かない部類の作品になるだろうなぁ、と充分推測が出来ていながら取り寄せてみたのがだいぶ前。それから聴いたのは何回くらいあっただろうか。予想通り長らく寝かせることになりました。ただし放置はしません。こう見えても(どう見えても?)音楽に対してはしつこいんです。目につけば「もう一度聴いてみよう」となるのです。まだ両手で足りる程度しか聴いていません。何か新たな発見が出来るのでしょうか、それともまた一定期間寝てもらうのでしょうか。ただでさえ最近の自分の趣向がさらにハードなベクトルに向きつつあります。ちょっと自信がありません。

ロブ・シュナイダーマンのピアノ・トリオ。彼のHPで確認するとリーダー作は10枚と云うことになるのでしょうか。最新作はチャールズ・マクファーソンのアルトを迎えた『Glass Enclosure』(Reservoir)と云うカルテットの作品になるようです。シュナイダーマンよりもマクファーソンの健在が嬉しかったりするロクでもない奴です。どちらかと云うとトリオ・フォーマットに一途なアーティストなのではないかと思っていたのですが、ディスコを眺めていたら管入りも結構リリースされていたので、まずは勝手な先入観を壊してくれました。

改めて聴いてみて最初のイメージとはさほど変わらないのに参りました。真っ当なピアノ・トリオと云えばいいのか極めてオーソドックスに聴こえます。ということは自分にとっては物足りなさの方が上にくるということになります。ただしタイム感に当初持っていたイメージから少し変わって面白さを感じることが出来たのと、少し冒険したフレーズを編み込んでいることに気づいたことは収穫でした。ただし決定的に根幹を覆されると云う意味ではやはり皆無といっていいに等しく、よく唱うピアノであるけれどそれ以上でもそれ以下でもないと思ってしまいます。ピアノ・トリオの見本系のような演奏は安心感があるけれど、人畜無害ならぬ有害なものをより好む人間と成り果てた今ではどうしてもどうしても・・・。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/31(金) 23:56:10|
  2. Piano
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#709 Solo/Andreas Oberg (Hot Club-CD)

Andreas Oberg - Solo

1.Manha de Carnaval
2.Gingerbread Boy
3.All God's Chilluns' Got Rhythm
4.Old Folks
5.But Not for Me
6.Soon
7.Tenderly
8.Doxy
9.Venus
10.Open Road
11.Yesterday

Andreas Oberg (g)

Rec-2005



男前ギタリスト、アンドレアス・エーベルグのソロ・アルバム。どこぞの宣伝みたいだけれど、巧い・早い・深いと三拍子揃っている。以前取り上げた最新作の『My Favorite Guitars』(Resonance)もバラエティに富んだ作風の曲が沢山パッケージされていて飽きさせない秀作でしたが、この作品は純粋に彼のギター1本のみにスポットを当てたアルバムです。彼のリニューアルされたHPで確認するとこの作品は3枚目と云うことになるようですが、彼のファースト・アルバムになるのでしょうか『Andreas, Ritary & Yorgui』(Hot Club)というギター3本で演っているアルバムを少し前にiTunesで聴いてみて、あまりに強烈なジプシー・ギターの共演で思わず驚喜していたのですが、これは2004年の作品と云うこともありひょっとしたら国内のCD販売サイトではなかなか手配が難しいのかも知れません。是非とも聴きたくなったので取り敢えずはオーダーをかけて気長に待ってみようかと思っています。

ギター1本と云う制約でプレイすることは並大抵のことではないと思うのですが、全く破綻のない指捌きと緩急自在に操られるテクニックは、他のアルバムやYouTube(本人のID=andreasobergで多数投稿されています!)などのプレイを前もって確認しているとは云え、やはり素晴らしく圧倒的な存在感です。ただテクニカルであるわけではなくフルアコでもアコギでも表現力が豊かで、それこそ指の腹から血が滲むぐらいの練習をしたんだろうなぁと、ギターを齧り即座に挫折したオッサンは呟いてしまいます。極私的なそんな過去がありますので尚のこと感情移入が大きくなってしまいます。何度聴いても唸らされるインパクトを持っていてコレだけ弾ければ楽しいだろうなぁ、と単純に羨望の眼差しで眺めてしまいます。

自身の曲は2曲(9,10)のみで馴染みのナンバーを多く取り上げています。ソロになるとしっかりとした聴かせるアレンジが必要になってくると思うのですが、印象としては彼のエモーショナルなフィーリングが素直に出ているような感じがして、特別に練りに練った計算されたものと云うような感じではなく、自然に湧き上がった感性の趣くままに表現されているような感じを受けました。ですから耳に憑くようなあざとさは皆無でギターの持つ魅力は存分に引き出されている内容に感じました。

坂を滑り降りるような耳心地のよさと我に返るテクニックが満載で、シンプルながらも聴き流すことが出来ない深みも持ち合わせたプレイに釘付けになります。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/30(木) 21:24:16|
  2. Guitar
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#708 Jazz Reunion/Pee Wee Russell, Coleman Hawkins (Candid)

Pee Wee Russell - Jazz Reunion

A
1.If I Could be With You (One Hour Tonight)
2.Tin Tin Deo
3.Mariooch

B
1.All too Soon
2.28th and 8th
3.What am I Hear for

Pee Wee Russell (cl) Coleman Hawkins (ts) Bob Brookmeyer (tb)
Emmett Berry (tp) Nat Pierce (p) Milt Hinton (b) Jo Jones (ds)

Rec-1961



久しぶりにこの手のジャズを聴いています。ピー・ウィー・ラッセルとコールマン・ホーキンスの双頭名義と云ってよいのでしょうか。他にも名手ナット・ピアースやジョー・ジョーンズと云った、マッタリとしたジャズを聴かせてくれる御馴染みのメンバーが揃っています。ジャズが徐々に変貌してきていた1961年という年代にこのメンバーがセプテットとして"Reunion"し、楽しいジャズを聴かせてくれます。個人的には闘争的な内容のものが多いイメージが植え付けられているキャンディドというレーベルにこのような作品があることが面白く、ほんのりと艶っぽいサウンドが日頃の緊張から解放させてくれます。

全6曲のうちA-3は、ピー・ウィーのクラリネットとピアノ・トリオのカルテットでの演奏になります。のっけからエメット・ベリーのミュート・トランペットでの導入が雰囲気作りに欠かせない好演を魅せており、太く男らしく鳴らされるホークのテナーが洒落たピー・ウィーのクラリネットに絡み付くサマは、自分のジャズ経験のルーツを喚起させてくれるに充分なサウンドです。良く転がるナット・ピアースのピアノと丸くふっくらとしたブルックマイヤーのトロンボーンは控えめながらも要所を押さえており、ミルト・ヒントンとジョー・ジョーンズのリズム陣は軽やかにスウィングし演奏を鼓舞し続けます。

ココのところは新譜を探ることに余念がなく、しかもフリーやアバンギャルドのジャズが面白い当方にとってはなかなか顧みることも少なくなってきた類いのジャズと云えるのですが、物心ついた時には既に家で鳴らされていたスウィングやディキシー・ジャズには思い入れもあり、聴いていると刷り込まれた記憶が甦るような懐古的な聴き方にもなってしまいます。こういう類いのものからは一生離れられない運命にあるのでしょう。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/29(水) 23:58:32|
  2. Flute, Clarinet, Tuba, Violin, etc
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#707 Misery/Laika Fatien (Blujazz-CD)

Laika Fatien - Misery

1.Strange Fruit
2.Lady's Back in Town
3.Don't Explain
4.You Can't Lose a Broken Heart
5.What's New
6.All of You
7.How Deep is the Ocean
8.Lover Come Back to Me
9.Misery
10.You Turned the Tables on Me
11.Gloomy Sunday
12.Left Alone

Laika Fatien (vo) Robert Glasper (p) David El Malek (ts→only4,5,12)
Daryl Hall (double-b) Gregory Hutchinson (ds)

Rec-2008



ロバート・グラスパー聴きたさに買ったライカ・ファティエンのヴォーカル・アルバム。バティスト・トロティニョンとの共演でも御馴染みのデヴィッド・エル・マレクも3曲だけとは云え彼女のデビュー作に続き参加しています。

この作品は彼女のセカンド・アルバム(ファーストは『Look at Me Now』(Body & Soul))だそうですが初めて知ったヴォーカリストでした。副題からビリー・ホリデイへのトリビュート作のようで初っ端には「奇妙な果実」が特徴のあるアレンジを施されて収録されていました。ネットからの受け売りですが1968年生まれと云うから今年40歳ということですね。彼女のHPを見ると生まれはパリと云うことなのでフランス人になるのでしょうか。モロッコ系ジューイッシュとのことです。やはりビリー・ホリデイの影響もあるようですがフェイクを多用するわけでもなく、またそれほど重々しいわけでもないけれど情感タップリな歌唱は存在感があります。低域から広域まで伸びがあり実に深みのある巧さを感じさせるヴォーカリストでした。

お目当てだったグラスパーの歌伴がどんな感じになるのかが想像出来なかったのですが、ライカのヴォーカルを上手く引き立たせつつも世界観は彼そのものだったので、意外とマッチするものだなぁと変に感心しています。「いかにも」と云うフレーズは封印されているようにもみえたのですが、時々顔を出す美味しいフレーズがやっぱり滲み出てきて「あっ!」とか「おぉ!」とか言いながらかなり楽しめています。忘れた頃に参上するエル・マレクの太いテナーも良いアクセントになっています。

久しぶりに聴いてみた新録のヴォーカルものは大満足の内容で、こちらのジャンルにも興味が湧いてくると己の懐具合も心配になってくるという、いつもの無限ループに陥りそうなパターンが目に見えてきて困ったものです。

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  1. 2008/10/28(火) 23:58:04|
  2. Vocal
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#706 Autumn in New York/Najponk Trio (Cube Metier-CD)

Najponk Trio - Autumn in New York

1.Mr Beautiful
2.Back at the Chicken Shack
3.If I Fell
4.Dreaming
5.Dream for Two
6.Nine Eleven 2001
7.Harlem Waltz
8.Autumn in New York
9.Girl of My Dreams
10.In the Groove
11.I'll Remember 21st May

Najponk (p) Petr "Mr PD" Dvorsky (b) Martin Sulc (ds,perc)

Rec-2002



この前の休日に最新の「ジャズ批評146号」を買ってきました。ロードバイクを駆ることを趣味にしているくせになかなか乗れず体が鈍ってきたので久しぶりに自転車を持ち出して行きました。売っている本屋まで往復で約20キロ。僻地住まいだと目的を達成する為にはこのような距離を踏まなければならないのですが、本格的な選手にとっては暖気にもならない程度の距離です。道程は趣味人のオッサンにとっては結構厳しいアップダウンもあって丁度良い距離なのですが、乗らないとへばり具合が覿面に違ってくるので今回は慣らし運転で行きました。

本の特集はピアノ・トリオ。繰り返しピアノトリオの特集がされるということは相変わらず人気が高いと云うバロメーターなのでしょうね。基本的には好きなのですが最近は趣向が異様に幅広くなってきたので以前のような熱の入れようではなくなってきました。それでも今回取り上げられていた、ココ4年間のリリース分として扉に載っている161枚のセレクトのうち17枚を聴いていました。個人的にはそこそこ多かったと思うのですが、中には半数以上を既に聴いている強者もおられるような気もしますが。

この本で触れられている訳ではないけれど、ピアノ・トリオということでなんとなーくチェコのピアニストであるナイポンク関連の復刻がここのところ活発だったことを思い出し久しぶりに聴いてみようと云う気になりました。一連の復刻によって沢山の作品に接することが出来ましたが正式に何枚リリースされているんでしょうね。例によって調べることをしないグウタラです。これは元来セカンドと云う位置づけだったようですが、先日『Birds in Black』(Gallup Music)という1994年&1997年の音源のCDが出たために、『Ballads Blues & More』(Cube Metier-1999)に続く3枚目という解釈でよいのかと思います。

本作を含めた上記3枚は全て聴いてみましたが一番自分に合っているのはこの作品です。クサレ耳らしい理由なのですが奏されている曲が一番フィットするのがこのアルバムでした。結局3枚のうちでは一番新しいCDと云うことになるのですが、聴いていて演奏も熟れてきていると思うのはジャズのわからない人間のこじつけになってしまうでしょうか。彼のオリジナルは5曲ですがその中の1曲目などはとても良い曲で繰り返し聴いてしまいます。リズムの二人は全く知らないのですがとても小気味良くスウィングする好サポートで素晴らしいです。どっかで聴いたことあるなぁ、と思っていた3曲目はジョン・レノンのナンバーだったんですね。

ちなみにナイポンクと云う人はコレが名前ではなくJan Knopというのが本名なんですってね。輸入盤しか持っていない当方はこの事実をウェブで知ったのですが、Najponk→Jan Knopなのだそうです。解りますよね?

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  1. 2008/10/27(月) 23:58:34|
  2. Piano
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#705 Blues in Trinity/Dizzy Reece (Blue Note)

Dizzy Reece - Blues in Trinity

A
1.Blues in Trinity
2.I Had the Craziest Dream
3.Close-Up

B
1.Shepherd's Serenade
2.Color Blind
3.'Round About Midnight

Dizzy Reece (tp) Donald Byrd (tp) Tubby Hayes (ts) Terry Shannon (p)
Lloyd Thompson (b) Art Taylor (ds)

Rec-1958



ディジー・リースのこのアルバムのパーソネルを見ていてイギリス人のタビー・ヘイズが参加していることに気がついたので聴いてみました。ということはヨーロッパでの録音なのかな?と思い調べてみたらやっぱりパリの録音でした。そこからディジー・リースがジャマイカ人でイギリスで成功したトランぺッターであると云うことを初めて知ります。モノを知らんということはいつでも勉強ができるので得な役回りですねぇ。

このリースの作品を指して云う訳ではないのですが、最近の新譜にシフトした聴き方を続けていると、50~60年代とかの録音はどうしても懐古的と云うかそんな音に聴こえるのは致し方のないことなのでしょうか。しかもココのところ激しいものを積極的に摂取しているので生半可なものだとどうしても負けてしまうのです。アヴァンギャルド方面まで突進する入れ込みようなので平衡感覚をとっていくのが結構難しかったりします。そんなことを言いつつもやっぱり古いブルーノートを聴いていると途端に心に安寧が訪れていい気分になるという、単純な構造の人間であることを有難く思います。

三管のセクステットですが、リース以外にもトランぺッターにドナルド・バードが加わっています。リースのBNでの初吹き込みであるこの作品にアルフレッド・ライオンがジャズ・フェスの為に渡欧していたバードとアート・テイラーを参加させたのだそうです。従って駄耳を持つ人間に対して曲と構成によってはトランペットの聞き分けが必要となってくるのですが、ソロ・パート以外の部分はいつものように全体的なサウンドのみで楽しむようにしてこの場は逃げてしまいます。

A-1のタイトル曲の若干スピード感を持たせたテンポに身を委ねると何とも良い気分になってきます。ディジー・リースのトランペットは抜けのよい気持ちのいい音で、アップテンポの曲をバリバリ吹いてもバラードをユッタリと吹いても巧みにコントロールされた演奏がサマになります。B-3は何故かトランペットの二人が抜けたタビー・ヘイズのワンホーン・カルテットですが、彼の太い男らしい音色はココでも健在で嬉しくなってしまいますねぇ。

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  1. 2008/10/26(日) 23:59:16|
  2. Trumpet
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#704 River/Herbie Hancock (Verve-CD)

Herbie Hancock - River

1.Court and Spark (Norah Jones-vo)
2.Edith and the Kingpin (Tina Turner-vo)
3.Both Sides Prophecy
4.River (Corinne Bailey Rae-vo)
5.Sweet Bird
6.Tea Leaf Prophecy (Joni Mitchell-vo)
7.Solitude
8.Amelia (Luciana Souza-vo)
9.Nefertiti
10.The Jungle Line (Leonard Cohen-vo)

Herbie Hancock (p) Wayne Shorter (ss,ts) Dave Holland (b) Vinnie Colaiuta (ds)
Lionel Loueke (g)

Rec-2007



遅ればせながらこのアルバムを取り寄せてみた。ケースには後付けで貼られたであろう"2008 Grammy Award Winner for Album of the Year!"の文字と例の蓄音機のトレードマークをあしらった黄色いシールが。いわゆる賞レースにはその事情やしがらみ等が垣間見えそうな気がして一切の関心もないけれど、いざ発表されて様々なメディアで取り上げられるとなんとなーく気になって、自分の中に潜在的に潜んでいる何かが購買欲を刺激されて購入してしまうという、結果的にメディアを含めた発信者側の戦略にまんまとハマっていてなんともバツの悪いものがあります。

全10曲のうち6曲がヴォーカル入り4曲がインストと云う内容で、このヴォーカル入りと云う部分に多分に評価された要因を窺うことが出来るのではないかと推察します。そしてハンコックという存在はもちろんトリビュート作品であると云うことも。自分の本音を言えばこのメンバーなら全部インストで演ってもらったほうが有難いのですがね。ちなみに最後の10曲目のレナード・コーエンはヴォーカルと云うよりも語りと云った方がよいかと思います。

主役とも云えるジョニ・ミッチェルを含めた6人が1曲ずつヴォーカルを執るのですが、当然のこととは云えノラ・ジョーンズはノラ・ジョーンズでありジョニ・ミッチェルもまた同様でして、ティナ・ターナーのような畑が違うと思わせるようなシンガーもその個性は揺るぎないものであることが再確認出来ます。どんな舞台に立っても歌い出せばその人の世界に変換させることが出来るというのは改めて凄いことだと感じます。そういう意味ではかなり異質なジャズ・アルバムである気がしますが、そんなことを考えるのは変にジャズに制限を設けたがる粘着質なオヤジの戯言と一喝させるのがオチでしょうな。

それでも聴くものに関しては何でも屋であるのでバックの演奏とともに各ヴォーカリストの持ち味を楽しんで聴けています。荘厳さを漂わせるハンコックのピアノとショーターのサックスを従えて深みのあるヴォーカルを聴いているとナイトクラブの客席にいるような感覚になります。インストも全体の空気感と相違ないもので静謐な世界を描いています。

自分の中にあるジャズの概念などを持ち出そうとせずに、ただ音と声に身を委ねてしまうのも悪くないものですね。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/25(土) 20:35:25|
  2. Piano
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#703 4 Corners (Clean Feed-CD)

4 Corners

1.Alfama (for Georges Braque)
2.Spin With the EARth
3.Short Stop (for Bobby Bradford)
4.Lucia
5.Ashcan Rantings
6.Tommorrow Now (for Lester Bowie)
7.ChiChi Rides the Tiger

Ken Vandermark (bs,cl,b-cl) Magnus Broo (tp) Adam Lane (double-b)
Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2006



ポール・ニルセン・ラブ関連を探っていたら、是非聴かねばならないと義務感が生じたのがこのアルバム。この作品にはここのところ再三聴いていたマグヌス・ブルーが参加していたし、当方の駄ログにコメントを寄せて下さるsheppさんが以前触れておられたケン・ヴァンダーマークが参加している。先日はVandermark 5という彼のグループの『Beat Reader』(Atavistic)という作品を聴いてみて、その独特な音圧とフリーらしからぬアンサンブルで興奮の坩堝に落されていた当方にとっては違うグループでの彼の一面も窺うことが出来るチャンスも生まれます。在庫があったので早々に到着、どのような演奏なのかワクワクします。

聴いてみて気づくマヌケさはいつも通りのことですがこの作品はポルトガルでのライブでした。ドスの効いたケン・ヴァンダーマークのバリトンやバスクラを聴いていると、当方のチープなフリー・ジャズの経験値では、タイプが全然違うのに楽器が共通するというだけでジョン・サーマン辺りしか浮かんでこないのが悲しい。厚みがあると云うのか塊になっていると云えばいいのか、ヴァンダーマークのリードはゴツゴツとした巨大な岩が崖崩れで落ちてくるようなヘビーさを醸しており、絡むブルーのトランペットもいつにも増して血管が切れるかのような火の噴きようです。どういうエフェクトなのかイマイチよく判らないのですが、曲によってアダム・レーンのベースにハウリングを伴ったディストーションのような歪みが加えられていて、それをアルコ奏法で引っ掻き回すサマは強烈なインパクトを与えてくれます。エキサイティングなステージのトドメはニルセン・ラブのブッ飛んだ重戦車ドラムにダメージを負わされ、往復ビンタを連続で食らったようなホットな演奏です。フロントの暴れ具合とリズムの強靭さが最高で、このラフさ加減が病み付きになります。

とても理解と云う水準まで行かない当方のフリー・ジャズ体験も積極的に接していることが功を奏しているのか、以前では思いもよらなかった感慨や新たな発見などが自分自身に芽生え、後を引くかのように未知の作品に手を伸ばしている最中です。とは云え近年のフリーに関しての参考書を持ち合わせていないものですから、参加しているミュージシャンを芋づる式に聴いてみたり、レーベルに特化して聴いてみたりと試行錯誤の毎日です。

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  1. 2008/10/24(金) 23:19:10|
  2. Combo
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#702 I am I am/J.D. Allen Trio (Sunnyside-CD)

JD Allen - I am I am

1.I am-I am
2.The North Star
3.Hajile
4.Titus
5.Louisada
6.Id
7.The Cross+The Crescent Sickle
8.Othello
9.Ezekiel
10.Pagan

J.D. Allen (ts) Gregg August (b) Rudy Royston (ds)
Eric Revis (ghost-b) Gerald Cleaver (ghost-ds)

Rec-Unknown



わりと最近リリースされたJ.D.アレンのサックス・トリオ。詳しいデータが表記されておらず、トリオ演奏であるのですがゴースト・ベースとゴースト・ドラムなんてのもクレジットされていて、調べものが苦手でお勉強のキライな私にとっては何のことだかサッパリ解りません。確認してみたいのだけれどまた英語と格闘するのかぁ、といった心境です。今年の春頃のリリースであるので普通の解釈をすれば2007年の音源かと云うことになるのですがこれまた表記が全く無いので判りません。

ダークで怪しげな曲調の10曲が収録されています。曲によってはかなり呪術的な雰囲気で、こういうのはワクワクします。個人的に大好きなサックス・トリオですが、テナーのラフな質感とコンパクトな編成ならではのリズムのキレ具合がハッキリ解るフォーマットにウキウキしてしまいます。この作品も例外ではなくザックリとした荒々しさが三者から感じられ、ドラムの刻むビートにいちいち過敏に反応してしまいます。J.D.アレンのテナーはイキむこともなく滑らかにフレーズが出てきますが、クセのあるメロディと即興性の強さも相まって独特の世界を演出しています。それに呼応するリズムも自由度が高く、さながら互いの呼吸を計りながら繰り出してくるような感覚。淡々としたように聴こえながらも実はメラメラとした闘志のようなものも感じさせる奥の深さも持ち合わせているように感じました。

いろんなサックスのトリオを聴いてきましたが、自分はやっぱりこの編成が好きであると再確認しました。ワン・ホーンでごまかしの利かない真摯なテナーの取り回しの妙味に加えて、いつもよりも輪郭がクッキリと滲み出るゴリっとしたベースに、メリハリが効いていてツボでスパーンと決めてくれるドラムの心地よさがサックス・トリオの醍醐味であると確信する好内容の作品でした。まだ聴いていないのですが、先日出たドニー・マッカスリン(Donny McCaslin)の『Recommended Tools』(Green Leaf)というサックス・トリオもまたタイプが違っているようで興味をそそられる存在です。



御礼:おかげさまで本日より3年目。身内にも知人にも一切内密でこんなことをやっていますが、飽き症であったはずの当方がPCトラブルや旅行や不意の用事以外はほぼデイリーで更新出来ているのは自分でも首を傾げる思いです。内容がショボく信憑性に乏しいことに対しての自重が働きつつも、延々と垂れ流し続けているのは如何なものかと云う自問自答もあります。反面何気なく日課になってしまった行為を止めてしまう気持ち悪さというのも片方にはあったりして、結論を出せずに日々悶々としていることもまた事実で全く始末に負えない話ですなぁ。まぁ気の向くままにやってみようかと思っていますので一笑に付しながらお付き合い下されば幸甚です。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/23(木) 23:29:51|
  2. Tenor Sax
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#701 Rough House/John Scofield Quartet (Enja)

John Scofield - Rough House

A
1.Rough House
2.Alster Fields
3.Ailleron

B
1.Slow Elvin
2.Triple Play
3.Air Pakistan

John Scofield (g) Hal Galper (p) Stafford James (b) Adam Nussbaum (ds)

Rec-1978



ジョン・スコフィールドの古い作品を聴いている。あんまりこの時期のものを聴いていなかったのでとても新鮮に受け取ることが出来ています。とはいえ新譜を含めた最近のものも殆ど聴けていないので、どれをとっても新鮮に聴けるのだろうとも思うのですが。ただ自分の持っていた先入観はだいぶ覆されています。どちらかと云えばキーボードを加えてデニス・チェンバースと演っていた頃の印象が強く、コンテンポラリーな側面が強いギタリストであるというイメージが残っていたのですが、陳腐な表現で恐縮ですがストレートなジャズと云えばいいのか、この作品ではシリアス且つハードに迫るカッコ良さで押してきます。それと個人的にどうしても耳に憑いてしまう彼特有のウネウネ感が少なく、音は紛れもなく後の彼の予兆を醸していることが確認出来るのですが思いのほかスッキリとしており、自分の知っている80年代後半の彼のプレイよりもこの頃のサウンドに好感を持ってしまいます。

全6曲のうちハル・ギャルパーの作品であるB-2以外の5曲がジョン・スコのオリジナル。それにしてものっけのA-1からゴリゴリと攻めてきます。ハル・ギャルパーのモーダルなピアノが炸裂し、スタフォード・ジェームスのベースがアダム・ナスバウムの豪快なドラムとともにインパクトの強いグルーヴ感を生み出します。淀みなく繰り出されるジョン・スコのフレーズは熱くスピーディーです。A-2のスローな曲で一度トーンダウンさせた後、再び煽られるA-3の展開の読みにくいスリリングな曲に突入していきます。クールに聴こえても張りつめている緊張感が伝わってくるような四者の対峙に痺れます。B-1はエルヴィン・ジョーンズに捧げられているのでしょうか。タイトル通りスローでブルージーな演奏です。B-2のギャルパーのペンに依る曲ではやっぱりピアノが活躍しています。難しい進行ながらもポップな感覚を含んでいてとても良い曲だと思います。ラストのB-3では再び疾走するギターが楽しめ、それに絡むベース・ラインがとても印象的です。

Wikiを見てみたらジョン・スコのリーダー作は1977年からのようで、この作品は3作目となるようですね。彼のことは断片的にしか聴いていないのでトータルな見地から推し量ることが出来ないのですが、今の自分の趣向からすれば良く聴いていた80年代中~後半の諸作よりもフィットするサウンドで、もう少しこの頃の彼の音源を探求したくなってきました。ジョン・スコはこの後の82年にマイルス・バンドに加入するのですが、個人的にはその頃のマイルスの音源にも殆ど触れていないと云う体たらくです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/22(水) 23:59:37|
  2. Guitar
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

#700 The Bikini Tapes/Atomic (Jazzland-CD)

Atomic - The Bikini Tapes

Disc 1
1.Geometrical Restlessness
2.Feets From Above
3.Kerosene
4.Leave Stacy
5.Boom Boom

Disc 2
1.Den Flyktiga Magneten
2.El Coto
3.Bop About
4.Alla Dansar Samba Till Tyst Musik
5.Konrads Hopp Om Livet
6.Pyramid Song

Disc 3
1.Toner Fran Forr
2.Alla Dansar Samba Till Tyst Musik
3.Hyper
4.Kerosene
5.Re-Lee
6.Boom Boom

Fredrik Ljungkvist (sax,cl) Magnus Broo (tp) Havard Wiik (p)
Ingebrigt Haker Flaten (b) Paal Nilssen-Love (ds,perc)

Rec-2004



例えば凄い音楽に接した時に、「凄いなぁ」の後にどこが優れているとか誰が凄いとかの感想が湧いてくるのが通常なのでしょうが、聴き終わった後に「スゲェ」と言ったきり次の言葉がなかなか出てこないぐらいに打ちのめされることは滅多にありません。当方にとってそういう数少ない体験をさせてくれたのがこの作品でした。書いていてちょっと大げさかなぁとも思えてきましたが、まぁかなりこれに近いくらいの衝撃は受けています。

自分の場合は、まずアトミックのトランぺッターであるマグヌス・ブルーのリーダー作である『Sugarpromise』(Moserobie)から入り、アグレッシヴでクセのあるプレイにすぐに病みつきになり、彼のリーダー作の殆どをチェックしたのが始まりです。その流れでアトミックという別バンドでも活躍していることを知り、今のところの最新作である『Retrograde』(Jazzland)(祝、国内仕様盤も発売!)と云う3枚組のCDを聴いてみて、さらにキレまくるブルーのトランペットとグループ特有のテンションの高さや暴れ具合に釘付けとなり、特に3枚目に収録されていたシアトルでのライブが恐ろしいほどにスリリングで絶句してしまいました。当然の如くアトミックの他のアルバムにも関心が行く訳で、出来るだけ彼等のアルバムには触れていきたいとの願望を自然と抱きました。色々探っていくと入手するのが難関だと思われるアルバムに遭遇。それがこの『The Bikini Tapes』(Jazzland)。このアルバムは彼等の過去のノルウェー・ツアーから選りすぐりのライブ・パフォーマンスを3枚に纏めたもので何と限定発売。当方にとっては時すでに遅しで跡形も無く廃盤になっていました。ライブ・パフォーマンスの強烈さにノックアウトされていた身としては絶対に避けて通れないアルバムであったので何とか手に入れたかったのですが、Amazonで比較的お手頃価格で中古が出ていたので即手配、首尾よく落手出来ました。

当然のように期待に応えてくれた強烈なアルバムでした。ディスク1よりディスク2。ディスク2よりディスク3とよりテンションが増していくように感じられ、メンバーのブッ飛び具合が徐々に加速していくような展開にワクワクし、ディスク3のラスト曲"Boom Boom"で敢え無く昇天します。明解な表現をすればフリー寄りの演奏も含まれていますがそう単純に結論づけられるものでもなく、徹頭徹尾の激情型で迫るわけではなくて緻密に計算された下地がハッキリと見えキレる時にはキレまくると云った強烈なメリハリを持ったサウンドです。フレデリック・ユンクヴィストのリードにマグヌス・ブルーのペットの咆哮は槍のように突き刺さり、血流促進効果が高くなる攻撃的なプレイです。ホーヴァル・ヴィークのゴツい岩石ピアノが脳天に直撃し失神したところに、インゲブリクト・ホーケル・フラーテンの鞭のようなベースにシバキ上げられ、ポール・ニルセン・ラヴのアトミック砲で撃沈させられます。緩いジャズが聴けなくなってしまう劇薬盤で、今後のリスニングに多大な影響を与えそうです。

なんなんでしょうか、この興奮度は。しかもこの連中が過去に2回も来日しているなんて。しかもPIT INNで大盛況だったそうでつくづく過ぎ去りし日を憂います。なんとか近作のプロモーションで再来日してもらえないでしょうか。何を犠牲にしても観に行くので。

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  1. 2008/10/21(火) 23:26:16|
  2. Combo
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#699 Optimism/Jaleel Shaw (Changu Records-CD)

Jaleel Shaw - Optimism

1.Flipside
2.Almost
3.In 3
4.Optimism
5.If I'm Lucky
6.Flight
7.Love for Sale
8.Muna's Sleeping
9.Muna's Dream
10.The Struggle
11.Optilude

Jaleel Shaw (as,hand perc→8,10) Jeremy Pelt (tp→only7,fl-h→only11)
Robert Glasper (p→except3,5,9,el-p→only2,4,6,8) Lage Lund (g→except7)
Joe Martin (b→except9) Johnathan Blake (ds→except9,hand perc→only2,8,10)

Rec-2007



メンバーを確認したときから聴きたくて聴きたくてしょうがなかったアルバム。しかもインディーズものらしく扱っているサイトが限定されていて、どこも在庫もなく取り寄せだったし高い送料をかけての発注にも躊躇していたのですが、先日のオノボリの機会に店頭で発見し思い焦がれてから半年近く経ってようやく入手出来たと云う感慨無量の一枚。値段は国内盤並みに高くて閉口しますが、欲しいものが手に入ると云う意味では都会はやっぱり良いですなぁ。それまではCD BabyやiTunesのサイトで繰り返しダイジェストを聴いていただけだったので、その執念は端から見ても退いてしまうほどの異様さでは無かったか、と我ながら自嘲しろよとツッコミを入れたくなります。

何せ前作の『Perspective』(Fresh Sound New Talent)が自分のツボに決まりまくっていて未だにヘビー・ローテーションとなっている作品でもあり、且つメンバーに変更が少なく自分にとってのキー・プレイヤーがココでも固定されていたので必然的にこちらの作品への期待も無尽蔵に膨らみます。プレイとともに発せられる楽器の音にも常に敏感に反応するジェレミー・ペルト、ロバート・グラスパー、ラージュ・ルンドと云う面々が勢揃いし、聴く前から「パブロフの犬」宜しく涎が出てしまいます。とは云えジャズの狭い世界でもとりわけ騒がれもせず全く無視されている状態で、如何に極私的な嗜好の作品なのであろうかと少し残念な気もするのですが、はてさてその出来や如何に。

前作では2曲にテナーのマーク・ターナーが参加していましたが、本作も2曲でジェレミー・ペルトのトランペット&フリューゲル・ホーンが入り二管になります。それとベーシストがヴィセンテ・アーチャーからジョー・マーティンに変更されています。細かいメンバー間の移動が曲によってあるのは前作と同様で様々な組み合わせの妙を楽しむことが出来ますが、出てくるサウンドの統一性は高くてまだ数回程度を聴いたのみですが彼等の奏でる音やスタイルの不変さに嬉しくなってしまいます。ただし正直に云えば、まだ聴いた回数の少なさが影響しているのか前作の興奮度を上回るようなことがないことも事実です。静的な楽曲が比較的多く収録されていることも関係しているのかも知れませんが、相変わらずツボを刺激する音は有しているので聴くたびに感想が良い方向へ変化していくような気がしています。

リーダーのジャリール・ショウは相変わらずメロウでマイルドな音色を提供してくれますが、アグレシッヴさが少なく感じられるのは楽曲が影響しているような感じです。このアルバムではロバート・グラスパーはピアノ以外にもフェンダー・ローズを4曲で操っていますが、エレピを弾いていてもピアノと同様に紛れもないグラスパー節が滲み出ていているのは、何時聴いても唸ってしまいます。ラージュ・ルンドのふっくらとしたギターが全面に迫り出してきて心地良さを喚起してくれて、ジョー・マーティンのベースは軽やかであり5曲目のような小さなセット(アルト&ギター&ベース)でその柔らかさを実感し、ジョナサン・ブレイクのスコーンと抜けるドラムも印象に残ります。ジェレミー・ペルトはショウのアルトを効果的に引き立たせる役回りをかっているような演奏です。

内容には概ね満足していて、当方にとっては噛めば噛むほど味の出るスルメ盤であることに間違いはない内容です。出来ればもう少し入手する選択肢の多い方法でリリースしてもらいたいものですが、アーティストにとっては制約の無い自主レーベルやインディーズにシフトするのがこれからの主流になっていきそうですねぇ。

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  1. 2008/10/20(月) 21:54:04|
  2. Alto Sax
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#698 Innocence of Youth/Xavier Davis Trio (Fresh Sound New Talent-CD)

Xavier Davis

1.The Message (Intro)
2.The Message
3.Milk With a Koolaid Chaser
4.Bell
5.Untamed Land
6.Tal Struttin'
7.Milestones
8.Amy's Presence
9.The Day Will Come
10.Innocence of Youth

Xavier Davis (p) Brandon Owens (b) E.J. Strickland (ds)

Rec-2001



E.J.がドラマーであったので買ってみた。ザヴィア・デイヴィスのピアノ・トリオでフレッシュ・サウンド・レーベルの本拠地であるスペインでの録音。彼のリーダー作品を購入したのは今回が初めて。サイドに入っているアルバムはヴァイヴのステフォン・ハリスや先日来日していたトランペットのトム・ハレル等々の数枚で体験したことがありました。彼のHPを見つけられなかったので正式に何枚のリーダー作が存在しているのかはよく判らないけれど、『Dance of Life』(Metropolitan)というアルバムが1999年にリリースされている以外は発見出来なかったので2枚だけと云うことになるのでしょうか。それで結論づけるとすればこの作品はセカンド・アルバムと云うことになるのですが。

このアルバムはザヴィアのオリジナルが多いですが4曲目にトム・ハレル、7曲目にマイルスの定番曲、9曲目に弟のドラマーであるクインシー・デイヴィスの曲を演っています。ザヴィアとクインシーはやはり兄弟、写真で比べるとよく似ています。このアルバムのドラマー、E.J.ストリックランドはリード奏者のマーカス・ストリックランドと双子であるのでほぼ同じ顔ですが。

どちらかと云えばモーダルな演奏であり、解り易く耳ざわりの良さを強調するよりも斬新且つ壮大な楽曲で攻めるタイプのアルバムで、かなり自分好みの音で気に入って聴いています。ただし火の出るようなアグレッシヴさよりも冷静且つ緻密に構成した展開を魅せてくる部分の方が鮮明な気がします。アタックの強めのピアノは硬い質感でゴツゴツと押してくる潔さがあります。ブランドン・オーウェンズのベースも輪郭をきっちり捉え、E.J.のパワフルなドラミングがやはり際立っていて演奏を引き締めています。しかしながら「マイルストーン」は原曲の片鱗をも全く感じさせないほどの斬新さで、逆に曲名が掲示してあると同名異曲が存在するのかと違和感が生じてしまうくらいです。

ザヴィア・デイヴィスという表記が多数派のようなのでそのように書いていますが、サッカーにシャヴィ(Xavi)という選手もいたりして当初は何と読むのか迷っていました。でも"Xavier"だとザヴィエルにもなるんですよねぇ。お国での読み方の違いの問題でしょうか。えっ、どうでもいい?うーん、そうですね・・・。

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  1. 2008/10/19(日) 22:56:48|
  2. Piano
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#697 Un[folk]ettable/Nico Morelli (Cristal-CD)

Nico Morelli

1.7 Show 7
2.Contropizzica
3.Cantilena
4.Abbasci'A
5.Lesson 45
6.Mena Mena Mo'
7.Pizzica Strana
8.Meriggi
9.Tarantelle
10.Yes'O Sol
11.Auralba

Nico Morelli (p) Stephane Kerecki (b) Bruno Ziarelli (ds)
Mathias Duplessy (ac-g,fl,berimbau,perc,voice→only3,4)
Tonino Cavallo (tambourine,chitarra battente,mandolin,castanet,accordion,voice→only4,6,7,10)
Andre Ceccarelli (ds→only3)

Rec-2006



突然の止ん事無き用事が出現し、家をやむを得ず空けることになってしまった。慌てて家を飛び出し任務を遂行する。結局終電までに事を終わらすことが出来ずに外泊。翌日もあーだこーだと喧々諤々しながら任務完了。戻れたのが終電と云う有様。どっと疲れた。と云う訳で2日間ブログをアップ出来なかった。行き先は都内。やっぱり都会には遊びで行きたい。どんな状況でも時間にはゆとりを持って挑みたいものである。慌ただしい行動を余儀なくさせられながらもそこは執念深いオッサンである。折を見て中古屋に出没。ウェブで買いにくいであろうめぼしいものを数枚買った。何たる不覚、帰宅後買い洩らしが発覚。今度出かけられるのは何時の日か。しかしながらオノボリすると年々疲れの度合いが増してきたのは己に皺が増えたせいか。特に人酔いが激しい。なんで東京にはあんなに人がいるんだ?かの地を仕事で闊歩したのも今は昔。田舎で長いこと暮らすと免疫も無くなるのか。ただでさえ時間がないのにそんな状況で趣味にはしるのは自業自得。案の定白目を剥きながら退散してきた。

前置きが長いですが無事帰還したのでジャズを浴びるほど聴いています。うーむ、自分の時間を自由に使っていると云う贅沢な感覚。良いですねぇ。色々聴いていたのですがこのアルバムが面白いので取り上げてみました。イタリアのピアニスト、ニコ・モレリのアルバム。とても楽しい、と云う惹句に引っかかり大分前に買ったのですがやっぱりとても楽しい作品でした。タイトルはUn[folk]ettable。Unforgettableに掛かっていることはすぐに解りますね。そしてイタリア特有のfolk music(=民俗音楽)がそこかしこに散りばめられた陽気なジャズであり、まさに「忘れられない」一品となっています。駄洒落好きのオッサンにとっては実に良いタイトルですね。座布団一枚です。

紛れもなくジャズに軸足を置きつつも遊び心が満載で、自然に備わっていなければ湧いてこないイタリアの空気感がとても爽快です。しかも強烈なドライブ感を持ったピアノが圧倒的で、リズム等のバッキングの水準も非常に高くベースは音が巨大で強靭、ドラムは切れ味が鋭くスリリングでハートをむんずと掴まれてしまいました。知らないビリンバウやキタラ・バッテンテと云う楽器がほんのりと異国情緒を醸し出し、演奏を鼓舞するヴォイスも非常に効果的で楽しくなります。イタリア語のヴォーカルも余りある雰囲気作りに役立っていますが、さらに避けて通れない存在感があるのがアコースティック・ギターのような気がします。パワフルなピアノに負けじと掻き回されるアコギにヤラれること請け合いです。そういえばキタラ・バッテンテと云う楽器もギターの仲間なんだそうな。

なお、この作品には先日ライブ・アルバムを出したドラマーのアンドレ・チェカレリも一曲でゲスト参加しています。極端に異質なものでもないと思うので先入観無く受け入れられるアルバムではないかと思っています。

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  1. 2008/10/18(土) 21:55:36|
  2. Piano
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#696 Marsalis Music Honors Michael Carvin (Marsalis Music-CD)

Michael Carvin

1.I'll Remember April
2.The Lamps is Low
3.Prisoner of Love / Body and Soul
4.In Walked Bud
5.Forest Flower
6.A Night in Tunisia
7.You Go to My Head
8.Hello, Young Lovers

Michael Carvin (ds) Marcus Strickland (sax) Carlton Holmes (p)
Dezron Douglas (b) Branford Marsalis (sax→only3)

Rec-2005



マーカス・ストリックランドのHP(音が出ます)を眺めていたら、彼がこのアルバムに参加していることを知って取り寄せてみました。マイケル・カーヴィンと云うドラマーの作品で、自分は全然知らなかったのですが相当なベテランだったようで、フレディ・ハバードのところでドラマーを演っていたんですね。またジャッキー・マクリーンやヒノテル等とも共演があるようで、まだまだ自分の粗末なジャズ体験から洩れている知らないミュージシャンが沢山いることを教わります。ロニー・リストン・スミスのファンク・アルバムではパーカッションやクラヴィネットなども演奏しているようですし、長いことドラムの先生として教鞭を執っているようなので門下生も沢山いるということです。1944年生まれですからこの作品の録音時は61歳と云うことになるようですね。

マーカス・ストリックランド目当てで買ってみたこのアルバムですが、実直にスウィングする作品でなかなか良かったです。マーカスにスタンダードを演奏するイメージがあまり湧かなかったのでそういう曲も収録されているこの作品には興味深いものがありましたが、硬派に迫っていたイメージが崩れるくらいストレートな奏法が多く、どちらかと云えばテクニカルに迫るよりはテナーと云う楽器を鳴らしきるといった塩梅に聴こえました。ただし音色は紛れもなく彼のものであるのが面白く、自分の知らなかった新たなる一面を見た気がしました。スピード感溢れる曲とメロウに迫る曲が織り込まれていて、3曲目にブランフォード・マルサリスとの共演があるのですが、これぞジャズといった甘く艶っぽいプレイを堪能できます。一方の主役のマイケル・カーヴィンのドラムですがテクニックを誇示するような派手な取り回しは殆どないのですが、堅実な手さばきと云いますかツボをしっかりと押さえた小気味良いプレイで、ソロ等も手堅く決めてくれて気持ちよく感情移入が出来ます。カールトン・ホルムズのピアノも情感豊かに弾かれて痒いところに手が届く細やかさが良いですね。

ジャズの旨味がタップリ詰まっているハート・ウォーミングな演奏はスリリングな演奏を求める向きには合わないかも知れませんが、オーソドックスなスタイルのジャズとしても上質な演奏を提供してくれています。

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  1. 2008/10/15(水) 23:59:12|
  2. Drums
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#695 Boogie-Woogie String Along for Real/Rahsaan Roland Kirk (Warner Bros.)

Roland Kirk - Boogie-Woogie String Along for Real

A
1.Boogie-Woogie String Along for Real
2.I LovesYou, Porgy
3.Make Me a Planet on the Floor
4.Hey Babebips

B
1.In a Mellow Tone
2.Summertime
3.Dorthaan's Walk
4.Watergate Blues

A-1

Rahsaan Roland Kirk (ts) Eddie Preston (tp) Steve Turre (tb) Kenneth Harris (fl)
William S. Fischer (el-p) Sammy Price (p) Philip Bowler (b) Sonny Brown (ds)
Selwart Clarke (viola) Linda Lawrence (viola) Julien Barber (viola)
Harold Kohon (vin) Sanford Allen (vin) Kathryn Kienke (vin) Regis Iandiorio (vin)
Tony Posk (vin) Yoko Masuo (vin) Doreen Callender (vin) Jimmy Buffington (fr-h)
Eugene Moye (cello) Jonathan Abramowitz (cello) Charles Fambrough (cello)

A-2,A-3,B-1,B-2

Rahsaan Roland Kirk (ts→onlyA-2,B-1,cl→onlyA-3,harmonica→onlyB-2)
Sammy Price (p) "Tiny" Grimes (g) Arvell Shaw (b) Gifford McDonald (ds)

A-4,B-4

Rahsaan Roland Kirk (ts,fl,harmonica→onlyB-4,electric karimba→onlyA-4)
Hilton Ruiz (key) Steve Turre (tb) Percy Heath (cello) Philip Bowler (b)
Sonny Brown (ds)

B-3

Rahsaan Roland Kirk (ts) Hilton Ruiz (key) Steve Turre (tb)
Philip Bowler (b) Sonny Brown (ds)

Rec-1977



ローランド・カークの最終作。こういう言い方をするのは何だけど、えも言われぬユルい風の吹いたようなサウンドが心地よく、刺激的なカークとは対照的な聴き手がゆったりとした体で挑むことが出来る作品であると思います。カーク特有の同時吹きは聴かれませんが、肩肘張らないところが大好きな作品です。

大雑把に分ければ4つのセットということになりますが曲によってはデュオだったりと細かいメンバー間の移動もあるようです。改めてメンバーを見ていたらココにトロンボーンのスティーブ・ターレが入っていることに気がつきました。最近も自身のリーダー作を精力的にリリースしており水準も高く、ラテンものやオーソドックスなものなど演奏の幅も広く喜んで聴いているアーティストの一人です。初っ端のタイトル曲はその名前から類推出来る通り「ブギウギ」のリズムに中編成くらいの「ストリングス」が融合した作品ですが、対比をすれば結構面白いアプローチであることが判ります。ノリが良くしつこいくらいに粘っこいベタなビートにチープに絡むストリングスの様は、70年代後半と云う時代を感じさせるものがあります。個人的に大好きなA-2は2分弱の短い小品ですが、擦れたカークのテナーがしみじみとして鳥肌の出るインパクトでした。A-3はカークのクラリネットにヴォーカルが楽しめると云うおまけもついた味わい深い一品。A-4は野太いベースにカリンバというカークらしい面白い組み合わせが最高です。B-1の艶かしさはゾクゾク来ます。導入のテナーとベースのデュオから堪らないものがあります。B-2もA-2のような2分弱のナンバーですが、ココではカークのハーモニカが哀愁を感じさせてくれます。B-3はブルージーに迫ってくるナンバー。ラストのB-4はカークの多彩な定番楽器が、自身の吹くフルートやハーモニカとともにマッチした彼ならではの演奏です。濃ゆいナンバーで嬉しくなります。

この作品は現在は『Kirkatron』(Warner Bros.)との2in1でCDになっているんですね。CDの容量だと確かに2枚分になればお得感が増しますからねぇ。改めて聴いてみてもローランド・カークと云うミュージシャンの個性が満載で、今なお色褪せずに輝いている様がよく解る内容であると思っています。

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  1. 2008/10/14(火) 23:58:56|
  2. Tenor Sax
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#694 Annie Ross Sings a Handful of Songs (Everest)

Annie Ross - Sings a  Handful of Songs

A
1.A Handful of Songs
2.All of You
3.Fly Me to the Moon
4.Nature Boy
5.What's New
6.Love for Sale

B
1.A Lot of Livin' to Do
2.Let Me Love You
3.All the Things You are
4.I'm Gonna Go Fishin'
5.Like Someone in Love
6.Limehouse Blues

Annie Ross (vo) John Barry (prod.) Eric Tomlinson (engn.)
Johnnie Spance (arr.,cond.)

Rec-1963



久しぶりにヴォーカルなんぞを聴いている。しかもオケがバックの作品はあまり取り上げたことがないし、こちらとしてもヴォーカルものはコンボがバックであった方が好きであるのでなかなかターンテーブルに載せる機会も限られています。取り立てて何の心境の変化もありませんが、強いて云えば手持ちの作品をまんべんなく聴いていかないと、徐々に残りの作品に偏りが出てくると云った、極めて極私的な便宜上の問題でしょうか。というのもオケものやストリングスもののヴォーカル・アルバムを割と大量に抱えていたりします。勿論嫌いと云う訳ではないし、昔は中古屋でめぼしい作品がない場合にヴォーカルを買って帰ったことが多かったのです。しかもヴォーカルはコンボよりもバンドやストリングスものの方が圧倒的に多いですしね。比較的安価でタイトル数も莫大であるので一枚くらいは気になるものが引っかかってくるもので、そんなことをしているうちにかなりの枚数が棚に収納されることになったというのが真相です。しかしながら買わずは気まずいと云う小心者の典型のような対処法ですな。

で、何を聴こうかなと抜き差ししていたら、好きなヴォーカリストのアニー・ロスを発見。この辺りはあまり記憶がなかったので復習してみました。エベレストと云ういぶし銀レーベルから出ているこの作品は、実はイギリスのEmber(エンバー)というレーベルから出たのが初出のようであるので手持ちのこの盤は復刻ということになるようです。見知った曲が大半を占める12曲入りのアルバムです。ストリングスと云うよりもフルバンドをバックに歌っているのですが、ゴージャスなサウンドに乗せて微妙にフラット気味の気怠さも漂わせたアニー・ロス節とも云える歌唱が存分に堪能出来る渋い内容だと思います。アニー・ロスに関しては上手いというよりも味のある、わりと個性の強めのヴォーカリストと云う当方の認識がありますが、ぶっきらぼうに聴こえたりする歌い方が良い意味で彼女のトレード・マークとなっているような気がします。

彼女の作品ではズートやマリガンといったウェストの名手と組んだコンボものが筆頭に挙げられるのでしょうが、このようなオーケストラを従えての歌唱も特徴のあるフェイクが効きまくっていてなかなか良いものです。アニー・ロス・クラスのヴォーカリストであれば当然なのかもしれませんがこの作品も幾度かCDにもなっているようですし、こういうマイナーなレーベルものも手に取り易いというのはリスナーにとっては有難いものですねぇ。

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  1. 2008/10/13(月) 21:13:03|
  2. Vocal
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#693 Angel Eyes/Gene Ammons (Prestige)

Gene Ammons - Angel Eyes

A
1.Gettin' Around
2.Blue Room
3.You Go to My Head

B
1.Angel Eyes
2.Water Bug
3.It's the Talk of the Town

A-1,A-2,B-1,B-2

Gene Ammons (ts) Frank Wess (ts,fl) Johnny "Hammond" Smith (org)
Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)

Rec-1960

A-3,B-3

Gene Ammons (ts) Mal Waldron (p) Wendell Marshall (b) Ed Thigpen (ds)

Rec-1962



またもやあまり陽が当たらないであろうと思われる、こんな作品を聴いていました。ジーン・アモンズのこのアルバムはオルガン入りの二管クインテットとワンホーン・カルテットの二つのセットからなっており、録音年代も離れていることからどちらかと云えば未発表ものを纏めたような要素の方が強いのではないかと、出自を知らない人間は勝手に勘ぐっています。しっかり調べれば何らかのアルバムから洩れたトラックであるのかが判るのかも知れませんが、全く違う可能性もあるのでこちら側の邪推でしかありません。くれぐれも鵜呑みにしないで下さいね。

というところまで書いていたら同セッションでの他のアルバムがあることを発見。その名も『Velvet Soul』(Prestige-7320)。ディスコでジャケットを確認してみたらやはり当方は見たことのないアルバムで、そちらには1960年の同日のセッションから2曲、1962年のセッションから3曲、他に1961年6月のセッションから1曲の計6曲が収録されていました。ということは、ここでの二つのセッションは二つのアルバムに分配されていて、未知の方にはさらに違う計3つのセッションで構成されているということになります。こんな駄文を日々拝していると思わぬ勉強が出来て有難いことこの上ないのですが、根っからの劣等生だった性分で3日も持たずに忘却するのでしょう。少しは進歩したいものですなぁ。

聴いてみて気づいたのが先日まで楽しんでいた、マル・ウォルドロンの一連の諸作のメンバーが複数散見されること。マルはもちろんフランク・ウェスにリズムはほぼ同メンバー。まぁそれらの作品と同レーベルで、また近い時期の録音ということもあって何も不思議なことではないのですが、やはり人数構成と使用楽器でサウンドの印象はだいぶ変わるものですね。インパクトがあるのはやはりジョニー・ハモンド・スミスのオルガンでしょうか。オルガンの音だけチョイスしても奏者によってだいぶ雰囲気が変わるのが興味深いところです。それに絡むウェスのフルートが新鮮に聴こえます。オルガンとフルートの組み合わせはそんなに記憶がないのですがこうやって聴くととても良いものです。アモンズの太いテナーもスミスのオルガンにマッチしていて濃厚な効果が得られていると思います。コテコテ過ぎない好い塩梅のサウンドに寛いでしまいます。一方のカルテットはワンホーンらしくアモンズの男らしい音色のテナーを満喫出来るのが魅力ですね。オルガンに慣れた耳にマルのピアノが飛び込んでくるのが丁度いいアクセントになっている感じです。明解なサウンドに身を委ねるにはなかなか良いレコードだと思いました。

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  1. 2008/10/12(日) 23:19:20|
  2. Tenor Sax
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#692 Mal 2/Mal Waldron (Prestige)

Mal Waldron - Mal 2

A
1.From This Moment on
2.J.M.'s Dream Doll
3.The Way You Look Tonight

B
1.One by One
2.Don't Explain
3.Potpourri

A-1,A-3,B-1

Mal Waldron (p) John Coltrane (ts) Sahib Shihab (as) Idrees Sulieman (tp)
Julien Euell (b) Ed Thigpen (ds)

A-2,B-2,B-3

Mal Waldron (p) John Coltrane (ts) Jackie McLean (as) Bill Hardman (tp)
Julien Euell (b) Art Taylor (ds)

Rec-1957



このアルバムも二つのセットからなるセッションになっています。昨日の『The Dealers』(Status)に関連があるのはA-2,B-2,B-3の3曲。その他はどうなっているのかと目を移すとやはりコルトレーンが関わっており、最近復刻で注目されたサヒブ・シハブとトランペットにアイドリース・シュリーマンが加わったセクステット。それらがミックスされて配置されています。振り返ればこの辺りのアルバムも殆ど覚えがない(聴いていない)ので良い機会になったようです。

気になったのはジャケ裏(オリジナルのコピー)の曲目の順番と所有のアルバムの順番が若干違っていること。手元のアルバムは昔の日本盤ですがライナーやレーベルを確認するとA-2とB-2が入れ替わっている。これが正しいのか誤植であるのかが知識のない当方には判らないので取り敢えずは日本盤の表記に沿ってみるけれど、後で他のアルバムで確認出来ないかを含めて調べてみようと思っています。知識がないとこう云う時にまどろっこしいことになります。

例によって流れに逆らわずA面から聴いてみた。マルのオリジナルは3曲(A-2,B-1,B-3)。A-1のコルトレーン&シハブ&シュリーマンのセクステットはスピード感のあるコール・ポーターの個性的な一曲です。この曲のみならずアルバム・トータルでサヒブ・シハブはバリトンではなくアルトのみに専念しており、コルトレーンに負けじとシハブのカラーが滲み出ていて面白い。A-2はマクリーン&ハードマンのセットで、マルのオリジナルによるマクリーンとその妻に捧げた曲です。スローテンポでジックリと進行する曲で、マクリーンのいつもの音色が哀愁を帯びて響きます。A-3はシハブのセット。定番のナンバーをちょっと崩し気味に料理したアレンジの妙が際立った解釈で、ノリが良くスウィングする楽しい演奏になっています。B-1はこれまた個性的なマルのオリジナル。テーマの怪しさは一級品でこういう曲を聴くとマル・ウォルドロンの作曲の優れた一面が窺えます。ブルージーに踏んでいるベースが最高です。B-2はマクリーンとのセットでダークに潜行する内省的な演奏です。ラストのB-3は対照的に軽快に疾走します。マクリーンのフラットががったアルトにハードマンのペットが切れ込んできて、コルトレーンも続けて応戦しています。

という感じで3日間に亘って関連作を聴いてきたけれど、何となくこのアルバムを最初にして逆に聴いていった方が良かったのではないかと云う根拠のない感想が浮かんできます。自分でもどうしてこう思うのかが説明できないというモヤモヤが充満しており相変わらずメンドクサイ人間だなぁと自虐的になります。

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  1. 2008/10/11(土) 23:51:46|
  2. Piano
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#691 The Dealers/Mal Waldron & John Coltrane (Status)

The Dealers - M.Waldron & J.Coltrane

A
1.Blue Calypso
2.Falling in Love With Love

B
1.Dealin' #1
2.Wheelin' #1

Side-A

Mal Waldron (p) John Coltrane (ts) Jackie McLean (as) Bill Hardman (tp)
Julian Euell (b) Art Taylor (ds)

Side-B

Mal Waldron (p) John Coltrane (ts) Paul Quinichette (ts) Frank Wess (ts)
Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)

Rec-1957



昨日の『Wheelin' & Dealin'』(Prestige)の流れで聴いてみたこのアルバム。厳密に云えばSide-Bの2曲のみが関連しているので半分だけということになります。では残りの2曲は何であるのか。メンバーにはマルとコルトレーンの他にマクリーンやビル・ハードマンが加わったセクステットで、マル・ウォルドロン名義の『Mal 2』(Prestige)から洩れた未発表曲であるようです。ですのでこの作品は関連作品に収録されなかった4曲を合わせてパッケージしたものということになります。Statusというレーベル自体がこういう要素の作品を多くリリースしているので、さもありなんと云ったところでしょうか。そういう意味ではマルとコルトレーンの双頭名義というのも完全に後づけということが解りますなぁ。

流れに逆らわずA面から聴いてみた。例によってコルトレーンのプレイに耳が行ってしまう。A-1のマルのピアノの露出具合により昨日の作品よりも主導権を握っているような気がする。とは云え昨日のノンリーダー・セッションの指揮官もマルなんだそうな。ここは自身名義のリーダー作ということが関係しているのか、それとも相変わらずの耳の悪さか。ビル・ハードマンの火の出る勢いで切れ込んでくるトランペットが爽快で、コルトレーン&マクリーンという曲者サックスが現れる様もかなり個性的で面白く、曲名からも判る通りにリズム陣が醸すラテン・ビートに心地よくなります。A-2は転じてストレートなハード・バップ。ノリが良く各人が思いっきりソロを回しているので清々しさを感じさせる、なかなか楽しい演奏です。

さて主題のB面を聴いてみます。B-1のブルージーさは相変わらずです。ただ困ったことにクサレ耳には別テイクの聴き比べは恐ろしくハードルの高いものだということを再認識しました。多分それらが並べて収録されていたとしても、いまいちピンと来ないと云う変な自信があります。ソロのフレージングが絶妙に変化していることは判るのですが、それ以上に踏み込んで何かを発見することが出来ませんでした。これら複数のテイクを吟味し選択している訳ですから現場の意見というものを是非とも参考に聴いてみたいもんだと思いつつ、結論を出すという作業をしなければならないことには本当に頭が下がります。そういうことでB-2も同様の結果になってしまいました。個人的な好みはA面の演奏の方かな。

ついでの流れの勢いで、明日はこの作品のA面の2曲を押しのけて収録された『Mal 2』を聴いてみようかと思います。この作品の場合はテイク云々の問題ではないので、より純粋に楽しめるのかなぁ、と。

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  1. 2008/10/10(金) 23:35:14|
  2. Piano
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#690 Wheelin' & Dealin' (Prestige)

Wheelin' & Dealin'

A
1.Things Ain't What They Used to be
2.Wheelin'

B
1.Robbins' Nest
2.Dealin'

Frank Wess (ts,fl) John Coltrane (ts) Paul Quinichette (ts)
Mal Waldron (p) Doug Watkins (b) Arthur Taylor (ds)

Rec-1957



久しぶりに50年代のジャズを聴いてみた。渋どころのメンバーの中にコルトレーンの名前があったりして面白い。プレスティッジのノン・リーダーもののセッション。

サウンドはやはりこの年代を反映した王道路線を踏襲したものでさすがに目新しさはないけれど、たまに聴くと何故か安心する作用が働くのが個人的には面白かったりします。このセクステットは3本のホーンをフロントに配しており、聴いていると各々の特徴がハッキリと現れていていることが興味深いところです。フランク・ウェスがフルートと両刀で参戦する曲があるので厳密に云えばもっと複雑ということになるでしょうか。いわゆるテナー・バトルというものではなく基本的には各人のソロ・パートを小節ごとに交換しているような形をとっています。

自分の耳がどうしても優先的に追いかけて聴いてしまうのがコルトレーン。というよりもあの特徴的な節回しが出てくるとどうしても注目してしまう。まだ若々しさの残るコルトレーンから対比すれば、煤けたたくましい音を出しているのがポール・クィニシェット。そしてウェスの八面六臂の活躍。マル・ウォルドロンが淡々とバッキングしているのが可笑しい。でもピアノの転がり方は当方の好みのもので心地よく聴けます。そして御馴染みのリズム陣。フロントの乗せ方はお手のものです。

A-2とB-2に関しては別テイクがあって、テイク1はマル・ウォルドロンとコルトレーンの双頭名義の『The Dealers』(Status)に収録されているようで、このアルバムの2曲はテイク2だそうな。マルの作品を持っているのに今まで全く知らずにおりました。昔は関連性を持たせながら作品を買ってこなかったので、数年経ってから本で知り得た情報によって互いのアルバムが結びつくと云うことにかなり頻繁に出くわすので、いかに自分がそういうデータをないがしろにしてジャズを聴いてきたのかがよく判り自己嫌悪に陥ります。

この後マルの上掲の作品をかけて聴き比べをしてみようと思います。

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  1. 2008/10/09(木) 23:58:24|
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#689 Time Enough/Dag Arnesen (Taurus-CD)

Dag Arnesen - Time Enough

1. Would I ?
2.Trio II
3.Madam Felle
4.Stripen
5.The Aunts
6.View From a Mountain
7.Three Each
8.Time Enough
9.Line Down
10.Til Jens

Dag Arnesen (p) Terje Gewelt (b) Pal Thowsen (ds)

Rec-2004



このアルバムは以前にテリエ・ゲヴェルトとクリスチャン・ジェイコブのデュオ作品に感銘を受けた延長で、他にないか関連作を探っていて見つけた一枚だったかと思います。最近ではピアノ・トリオでもゴツいサウンドで迫るものに重きを置くようになって、美し綺麗系のものは当方の好みが徐々に変化して今はすすんで聴くようなことはなくなって来たけれども、そういう作品でも忘れた頃に手に取るような聴き方は未だに継続しています。こう振ると北欧特有の静謐なピアノが出てきそうですが、この作品はその要素+αが楽しめる緩急の利いた構成が嬉しいアルバムです。

ノルウェーのピアニスト、ダグ・アルネセン(アーネセン)にベースにゲヴェルト、ドラムにポール・トーセンという布陣。潤い豊かなアルネセンのピアノにリリシズムを際立たせるゲヴェルトのベースが絡めば美しさの極みのようなサウンドが醸し出されそうですが、流暢な語り口のアルネセンのピアノは決して甘さのみを追求する訳ではなく多様な変化を付けて迫ってきます。そこにデュオではピアノに絡み付くような耽美なプレイだったゲヴェルトのベースがしっかりとピアノを持ち上げており、トーセンのドラムがスパイスとなって演奏を引き締めスリリングなプレイに仕上げています。特にドラムはスピーディなテンポの曲では細かく刻みながら疾走し、スネアの小気味よさと突き抜けるシンバルの効果が効いていて盛り上げてくれます。静かな曲では絶妙なブラシも披露されており溶けていくかの様な儚さも漂わせています。

三者の呼吸が楽器の対話で垣間見ることが出来る好演で、久しぶりに聴いたけれども新たな奥深さを毎回感じられるような新鮮さも与えてくれる滋味深いアルバムです。

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  1. 2008/10/08(水) 23:50:44|
  2. Piano
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#688 Retrograde/Atomic (Jazzland-CD)

Atomic - Retrograde

Disc 1
1.Db Gestalt
2.Retrograde
3.Invisible Cities
4.Painbody
5.Correspondence
6.Sweet Ebony
7.King Kolax

Rec-2007

Disc 2
1.Invisible Cities 2
2.Papa
3.Don Don
4.Folkton
5.Hola Calamares
6.Swedish Oklahoma - In the Desert of Love
7.Koloniestrabe

Rec-2007

Bonus Disc -Live in Seattle-
1.Crux
2.Db Gestalt
3.Painbody
4.Swedish Oklahoma...
5.King kolax
6.ABC 101b

Rec-2008

-Atomic-

Fredrik Ljungkvist (reeds) Magnus Broo (tp) Havard Wiik (p)
Ingebrigt Haker Flaten (b) Paal Nilssen-Love (ds,perc)



グループ名だけ聞くと到底ジャズ関連とは思えない名前のバンドが数多くあって、Happy AppleやらThe Bad PlusやらSex Mobやら、どこぞのロックバンドじゃと思うようなネーミングが踊っています。昨日のE.S.T.などもこれだけではジャズ関連のグループかどうか判らないですね。全く予備知識なく初見時にはエトセトラなのかと思っていました。あぁ、ちょっと前にはジョン・ゾーンのPainkillerやNaked Cityなんてのもありました。このAtomicなんかもありふれた名前ながらジャズを結びつけるのはちょっと困難な気がします。その上レーベル名がジャズランドときたもんだ。北欧のレーベルのようですが過去に同名の名門レーベルがあるだけに紛らわしいことこの上ないですね。

アトミックを知ったのはマグヌス・ブルーの作品からでした。海外ではカルト的人気のある水準の高い北欧のエネルギッシュなバンドであると認識し、満を持して一番新しい3枚組のアルバムを取り寄せてみました。

もの凄くラフなスタイルでザックリとしたサウンドと、掴みどころのない旋律で突進してくる様はマグヌス・ブルーのリーダー作よりもコンセプトがはっきりしているようでかなり強烈です。ところどころでフリー的なアプローチも取り入れ荒削りなワイルドさを前面に出してとにかく吹きまくっておりブルーの作品以上にのめり込んでいます。フレデリック・ユンクヴィストは各種サックスにクラリネットとあらゆるリード楽器を駆使して攻めてきており、ブルーのトランペットが切れ味鋭く応戦しています。ドラマーのポール・ニルセン・ラヴは名前だけ知っていましたが、ココでは轟音で迫る迫力とシリアスさを秘めていて最高です。2枚のスタジオ盤とシアトルでのライブの3枚組ですが、このライブがゴツくてめちゃくちゃカッコいい。斜に構えたメンバーが見えるようなバリバリと演奏しまくるサマはメンバー同士の火花散る戦いのようで圧倒的です。

今度は名盤の誉れ高い『Boom Boom』(Jazzland)を聴いてみようと思います。

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  1. 2008/10/07(火) 23:57:55|
  2. Combo
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#687 Leucocyte/E.S.T. (EmArcy-CD)

E.S.T. - Leucocyte

1.Dacade
2.Premonition - Earth
3.Premonition - Contorted
4.Jazz
5.Still
6.Ajar
7.Leucocyte - AB Initio
8.Leucocyte - AD Interim
9.Leucocyte - AD Mortem
10.Leucocyte - AD Infinitum

-E.S.T.-

Esbjorn Svenson (p) Dan Berglund (double-b,electronics)
Magnus Ostrom (ds,electronics,voice)

Rec-2007



エスビョルン・スヴェンソンの存在やE.S.T.の名前は、ここ2~3年前にジャズに復帰した当方とは云え以前から知ってはおりました。が、訃報を聞くまでは実際にアルバムを購入したことがなく、そのニュースの後に出るということを知ったこのアルバムがキッカケになろうとは思いもよりませんでした。言い訳をすれば聴きたいものを列挙すれば月にCDを100枚ずつくらいの勢いで購入していかなければとても追いつかないくらい抱えていて、新譜の数とここ十数年の旧譜諸作に気になるものが目白押しであるのでなかなか簡単には手が回りません。それでもひと月に20枚くらいは新譜を購入しているので年間で240枚くらいは聴くことが出来ています。当方の住環境が良ければ旧譜は中古中心に考えてもいいのですが、僻地住まいであることと時間的な困難で店舗には足を運ぶことが不可能で、中古のネットでの取引には若干の躊躇があります。そんな訳で何とも不本意な形で彼の作品を初めて聴く事となりました。

これを聴いて1ヶ月半くらいになりますか。当方が描いていた彼のイメージに近い音であることは確かでした。ただウェブ上ではあまりこの作品に対して芳しい評価を窺うことが出来なくて、いままで聴いてきたリスナーにとっては消化するのが難しい内容のようでした。そこで彼の過去の作品である『Seven Days of Falling』(ACT)と、廉価盤で出ていた『Somewhere Else Before』(Columbia)、『Strange Place for Snow』(Columbia)を取り寄せて聴いてみました。するとこの最終作の位置づけが少し見えてきたような気がしました。この新譜にはテーマというものがハッキリ見え、それが難解であることは遡って旧譜を聴くと一目瞭然でした。ただこの世界観は個人的にはかなり好みであり混沌としたサウンドとパルスのようなリズムはダークな世界に沈み込まずにはおれないパワーを秘めています。

彼等の個性と云えるピアノの美メロにエレクトリック・エフェクトが効いているサウンドを聴いていると、全く違うジャンルですがシューゲイザーを聴いているような感覚になります。過去のアルバムはその要素は少ないですが、この作品はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインやスロウダイヴを聴いているような、例えばギターが醸すフィードバック・ノイズの奥で聴こえる美旋律のヴォーカルが聴こえてくる感覚。単純な脳細胞はそういう音楽とスヴェンソンのこの音楽をダブらせます。シューゲイザーに一時期ハマりまくった人間としてはこのアプローチにはすんなり入り込め、且つ存分に楽しむことが出来ます。これ以降、彼のクリエイティブな作品に触れることが出来ないというのは今さらながら体験している当方にとっても残念なことです。

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  1. 2008/10/06(月) 21:24:39|
  2. Combo
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#686 Outside in/Gary Versace (Criss Cross Jazz-CD)

Gary Versace

1.Dangerous Land
2.The Grand Inquisitor
3.Blue Soup
4.Now is Then
5.Poster Boy
6.Pinwheel
7.A Thousand Words
8.Many Places

Gary Versace (org) Donny McCaslin (ts,ss) Adam Rogers (g) Clarence Penn (ds)

Rec-2007



オルガンという楽器に関してはソウルフルでどちらかと云えば脂っこいイメージを持っていたのですが、最近のオルガニストのリーダー作を聴いているとクールで洗練されているものが沢山あって、一時代前ものばかり聴いていた人間にとっては新鮮であり、また個人的にもそういうサウンドは好みであります。クリスクロスから少し前に出たゲイリー・ヴァセイシのアルバムもそんなオルガンが楽しめました。ただこの作品の場合、ヴァセイシのオルガンのみにそういう感覚を抱くのではなくアダム・ロジャースのギターやサックスのドニー・マッカスリン(マッキャスリン)からも大いにその要素が感じられ、相乗効果でクールでスリリングなサウンドを醸しているように思われました。なかなかカッコいいですね。

全編から滲み出るモーダルな演奏に当方の持つオルガンの概念が破壊され、全くの新しい世界に導いてくれるパワーを持った作品でした。彼のHPをチェックしてみたらこのアルバム以外にリーダー作が出てこないのですが、これは彼の初リーダー作になるのでしょうか。サイドではジョナサン・クライスバーグのアルバムで聴いたことがあります。何と云えばよいのか、炎であれば赤く燃えるというより青く燃えると例えた方が解り易いのかな。火で火傷するというよりドライアイスを直に触ったような感覚がこの作品から連想されました。相変わらず解りにくい言い回しをしてしまいましたが、自分の知るオルガンのリーダー作と比較すれば、熱の感じ方が単純に「熱い」というエネルギッシュなものよりも「凍った」ものを素手で握る痛みを伴うかのような刺激を持ったサウンドに感じられます。かといって解りにくいアルバムということではなく、あくまでもクールな質感でモーダルなサウンドを生み出しているのがこの作品の個性のような気がします。

静かに燃えるようなサウンドは直感的な派手さよりもスリルを喚起し、予測のつかないメロディを夢中になって追っかけてしまう、自分にとっての新しいオルガンの楽しみ方を提示してくれた病み付きになる麻薬的な演奏です。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/05(日) 23:21:05|
  2. Organ
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#685 Live in San Francisco/Archie Shepp (Impulse)

Archie Shepp - Live in San Francisco

A
1.Keep Your Heart Right
2.Tha Lady Sings the Blues
3.Sylvia
4.The Wedding

B
1.Wherever June Bugs Go
2.In a Sentimental Mood

Archie Shepp (ts,p→onlyA-3) Roswell Rudd (tb) Donald Garrett (b)
Lewis Worrell (b) Beaver Harris (ds)

Rec-1966



またもや独自の変な理屈を恥も外聞もなく書かせてもらうと、ここのところフリー・ジャズを聴くという行為が、以前聴いていたヘビー・メタルを聴く行為に同化してきている自分がおります。自分が若かりし頃、ジューダス・プリーストやらアンスラックスやらランニング・ワイルドやらスレイヤー、その他諸々をヘッドホンを嵌めフル・ヴォリュームで鼓膜を破る勢いで聴いていた感覚に近いものを感じています。ゴリゴリに削られるギターのカッティングに頭を真っ白にさせて身を預ける感覚に似ているなぁと、ペーター・ブロッツマンの「マシンガン・セッションズ」を聴いていて思ったのでした。短くブツ切りに発射されるサックスに、ロックの歪ませたギター・カッティングが重なってシンクロするような感覚に陥ってきました。そこにはこちら側の多分にストレス発散的意味合いも含めたチョイスが前提になっています。これはフリー・ジャズが何たるかを全く理解していない人間の戯れ言であるのであまり目くじらをたてられても困るのですが。

そこへいくとシェップにはまた全然違う感慨が生まれます。シェップの生み出すジャズに愛嬌を感じている当方にはある種のコミカルさも抱いており、少なくとも上記のようなヘッドバンキングと同義になるものではありません。そこがフリー・ジャズの奥深さだなぁとつくづく感じます。無論そこに潜む民族的、思想的なものが理解出来ればずいぶんと有意義なものになるのでしょうが、残念ながらそこまで上質なリスナーに成り得ていません。この感覚はシェップのみならずこのアルバムでも共演しているラズウェル・ラッドにも同様のことを感じています。シェップやラズウェル・ラッドを聴いていると飄々としたものにまとわりつかれてしまいます。

アーチー・シェップのライブ・イン・サンフランシスコは、そんな二人とベーシストが二人にドラマーのクインテット編成。フリーにしては少人数編成であることも彼等の個性が浮き上がって見えることに拍車をかけているのかも知れません。このライブでもそんな雰囲気が演奏に滲み出ており自然と笑みが洩れます。しかしながらゆったりとした懐の深さをみせつつもしっかりとサウンドにメッセージを載せて発信することは忘れません。強烈な解釈のエリントン・ナンバーであるB-2は斬新で素晴らしいです。また、このアルバムではシェップのピアノをA-3で聴くことが出来ます。ピアニストのシェップが味わいのある旋律を奏でていて興味深いものがあります。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/04(土) 22:07:06|
  2. Tenor Sax
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#684 Chappaqua Suite/Ornette Coleman (CBS France)

Ornette Coleman - Chappaqua Suite

A
1.Chappaqua Suite, Pt.1

B
2.Chappaqua Suite, Pt.2

C
1.Chappaqua Suite, Pt.3

D
1.Chappaqua Suite, Pt.4

Ornette Coleman (as) Pharoah Saunders (ts) David Izenzon (b)
Charles Moffett (ds) and unidentified large studio band

Rec-1965



このレコードは遡ること20数年前、相当の期間をかけて探し回ったことを思い出す。そもそもオリジナルに拘る人間ではないので再発の国内盤で充分というつもりで挑んだのであるがそれすら見かけず往生したものである。なので何気にエサ箱に差さっているのを見て飛び上がるくらい嬉しかったのと同時に、あまりに唐突だったので呆気なさに拍子抜けしたことも思い出した。今ではネットで検索すればいくらでも該当作がヒットし、それ以降に復刻されたCDのみならずオリジナルまで容易く見つけることが可能であるので隔世の感がありますが、自分の足を棒にして探した作品には思い入れがタップリあることに変わりはありません。

オーネット・コールマンの「チャパカ組曲」。オーネットのアルトに当初馴染めず若干の嫌悪感すら抱いていたのに、苦手なものをしつこく攻める癖は昔から変わっておらず、しばらくするとハマっている自分がいました。彼特有のグニャグニャしたアルトはどの作品でも全開ですが、この作品も当然の如く本領発揮しております。簡単にこのアルバムの概略に触れると、「チャパカ」という映画のサントラとして録音されたものの実際には使用されずオクラ入りになっていること。明らかになっているアーティストはオーネットを含め限定的で、バックには大きめ(11人)のホーン・セクションを抱えていること。

このレコードは2枚組でチャパカ組曲のパート1~4と一曲ずつ配置されていますが、果たしてコレをトータルで4曲と考えるのか、1曲を4分割したものと考えるのか。自分としては曲調を勘案しても独立した1曲ずつと考える方が理にかなった自然な解釈になるのですが。オーネットの掴みどころのない圧倒的存在感はいつも通りで縦横無尽に吹きまくる様は爽快です。合いの手のように切れ込んでくるバックのホーンが機関車の汽笛のように響き、不可思議な不協和音とともにばく進するサウンドに取り憑かれてしまいます。なかでもしっかりとリズムを踏みまくるベースとつんのめり気味に走り回るドラマーには釘付けになります。ベーシストのチャーネット・モフェットは知っていましたが、ドラマーはチャールズ・モフェットって云うんですね。そしてベースがデヴィッド・アイゼンゾン。ちょっと忘れられないプレイヤーになりそうです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/03(金) 23:51:01|
  2. Alto Sax
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#683 Judgment !/Andrew Hill (Blue Note)

Andrew Hill - Judgment !

A
1.Siete Ocho
2.Flea Flop
3.Yokada Yokada

B
1.Alfred
2.Judgment
3.Reconciliation

Andrew Hill (p) Bobby Hutcherson (vib) Richard Davis (b) Elvin Jones (ds)

Rec-1964



ここのところの反動で、音楽も辛いものを摂取したくなった。関係ないが食べ物でも甘いものより辛いもののほうが好きである。刺激物を摂りすぎると感覚が麻痺するような気がするけれど、現状の自分を客観的に見ればあながち誤りではないような気がする。ただ食事もジャズも辛みの中に旨味が入っていないと満足が出来ない。そういう意味ではこの作品はスパイスの効いた極上の旨味を含有しており、今の自分にとっては最高の一品と云えるかもしれない。

アンドリュー・ヒルが亡くなってから、早いものでもう約一年半。その折に彼の残した新録モノや過去に遡って作品をいくつか聴いてみた。強烈な個性はそのままに残しつつも角が取れたような演奏に大いに頷くものがありました。それはここで共演しているボビー・ハッチャーソンも一緒。ハッチャーソンの近作『For Sentimental Reasons』(Kind of Blue)もふっくらとしたサウンドに、この年代とは違うという年輪を感じさせてくれました。そういう意味では60年代中期にブルーノートに残された作品はトンガッていて鋭い刃物のような切れ味が凄くて常に聴く者に刺激を与えてくれます。

この作品は全てアンドリュー・ヒルのオリジナルで彼の独特な世界感が良く出ている好きなアルバムです。特有のタイム感覚をこのアルバムでも例外なく発揮しており、呼応するハッチャーソンのヴァイヴもまた硬質です。この時期のヒルのアルバムにはよく参加しているリチャード・デイヴィスのベースも重たくドッシリとしていて、存在感がこの作品でも強烈なエルヴィン・ジョーンズとの重戦車ドラムとのレスポンスが最高にイカしています。全体に染み出しているピリピリとした臨場感とダークに疾走するハードな演奏に血流が早くなる思いです。この時期のブルーノートのヒルのアルバムではコレが一番好きかもしれません。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/02(木) 22:24:26|
  2. Piano
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  4. | コメント:0

#682 Cabin in the Sky/Curtis fuller (Impulse)

Curtis Fuller - Cabin in the Sky

A
1.The Prayer - Taking a Chance on Love
2.Cabin in the Sky
3.Old Ship of Zion
4.Do What You Wanna Do
5.Honey in the Honeycomb

B
1.Happiness is a Thing Called Joe
2.Savannah
3.Love Turned the Light Out
4.In My Old Virginia Home (On the River Nile)
5.Love Me Tomorrow (But Leave Me Alone Today) - The Prayer

Curtis Fuller (tb)
Al DeRisi (tp) Bernie Glow (tp) Freddie Hubbard (tp) Ernie Royal (tp)
Wayne Andre (tb) Kai Winding (tb) Alan Raph (bass-tb) Bob Brookmeyer (v-tb)
Ray Alonge (fr-h) Jim Buffington (fr-h) Anthony Miranda (fr-h) Morris Secon (fr-h)
Harvey Phillips (tuba) Eddie Costa (vib,p,perc) Hank Jones (p) Art Davis (b)
Osie Johnson (ds) Manny Albam (arr., cond.)

-String Section-
Hank Jones (p) Barry Galbraith (g) Milt Hinton (b) Osie Johnson (ds)
Eddie Costa (perc) Margaret Ross (harp)
and 10 violins (Harry Lookofsky is the Concertmaster), 3 violas, 2 celli.

Rec-1962



苦手なストリングス入りのインスト・ジャズを聴いてみるの巻、2日目。異端な思考回路の持ち主としては、こう云った派手なオーケストラをバックに従えたサウンドに、何故かイメージとしてクリスマスが結びついてしまう。雰囲気としての要素が大いに関係しているのですが、こういう単純な図式の思いつきを本気でなんとかしたいと考える。ただ改善する方法論を知らないので現在まで棚上げになっているのが何とも空しい。

甘い。今の俺には甘すぎる。そもそもゴージャスなサウンドが貧相な自分に合わない。スウィートなオケに乗せてカーティス・フラーのトロンボーンが朗々と唱いまくる。そこにフレディ・ハバードのトランペットが大きくフューチャーされており、何とも贅沢な空間が広がっています。好きな人からすれば堪らない魅力のある盤なのだろうと思う。でも今の自分にとってはどうしても甘美過ぎて入り込めない部分がある。あと20年くらい経てばゆったりと聴ける心境になれるのかもしれないが、やっぱり自信はない。もちろんフラーのトロンボーンやハバードのトランペットは瑞々しくハリと艶があって何とも大らかな気分になるのだけれど、どうしてもストリングスが入ることによってハードルが一段高くなってしまう、如何ともし難い自分の趣向が立ちはだかってしまう。

苦手なストリングス入りのインスト・ジャズを聴いてみるの巻、2日目にして継続断念。ただ何故かソースをまだまだ所有しているので、また忘れた頃にチャレンジしてみます。何時になるやら。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2008/10/01(水) 23:50:11|
  2. Trombone
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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