イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#798 Solobsession/Bojan Zulfikarpasic (Label Bleu-CD)

Bojan Zulfikarpasic - Solobsession

1.Fingering
2.Who's Bob
3.Multi Don Kulti
4.Solobsession
5.Don't But Ivory, Anymore
6.Tout Neuf
7.Zulfikar-Pacha
8.Valse Hot
9.Mothers of the Veil
10.Uci Me Majko, Karaj Me

Bojan Zulfikarpasic (p)

Rec-2000



やっぱり一筋縄でいかないアーティストはピアノ・ソロでも超然としていますね。セルビア生まれのピアニスト、ボヤンZことボヤン・ズルフィカルパシチの独自な世界を感じられる作品です。ラベル・ブルーと云うレーベル一筋で、この作品は彼の4枚目のアルバムになります。彼は複数の来日経験があるのですが、自分が彼を知り夢中になってからはまだ来られてはいないようですね。是非ともバルカンの薫風漂うようなピアノをなんとか体験したいのですが。

彼のオリジナルが大半を占めるなか、5曲目に自身と関係の深いアンリ・テキシェの作品を、8曲目にロリンズ、9曲目にオーネット・コールマン、ラストにマケドニアのトラッドを持ってきています。ピアノ単体で奏でられるからか、いわゆる出自を感じさせるような民俗臭は薄まっているような印象も受けますが、そこここに散りばめられたスパイスはやはり香りの強いものであり注意を惹き付けられる威力を持っていますね。

鍵盤を弾いたり叩いたりするだけにはとどまらないボヤンの才気溢れる解釈が、冒頭の1曲目のピアノ線攻撃から炸裂しています。抑揚の付け方も大胆でゴツゴツとした質感で攻める傍ら繊細なフレーズも絶妙に編み込んできて、単調になりがちなソロと云う形式ながら飽きさせることがありません。但しどちらかと云えばパワーのあるアタックの強いピアニストであることに変わりはなく、また音の選び方がその土地を感じさせる独特のものであるので明らかに平均的なピアノとは一線を画しています。

どちらかと云えば個人的には聴くことに集中力の伴うピアノ・ソロと云うフォーマットですが、実際に多数のアーティストの作品を色々と試してみると、イカれ耳ながらも表現方法の多様さを実感します。そういう意味ではボヤンのピアノは極めて個性的であるので、印象に残り易いのは間違いのないところなのですが。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/31(土) 23:56:29|
  2. Piano
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#797 Garage/The Thing (Smalltown Superjazzz-CD)

The Thing - Garage

1.Art Star
2.Aluminium
3.Haunted
4.Eine Kleine Marschmusik
5.Hey Flask
6.Have Love Will Travel
7.Garage

Mats Gustafsson (ts,bs) Ingebrigt Hakar Flaten (b) Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2004



テナー&バリトンのマッツ・グスタフソンにアトミックのリズム陣を配したトリオ「ザ・シング」の名盤(と云って差し支えないでしょう)。かなり短期間にアトミック関連のミュージシャンの音源を積極的に吸収してきましたが、そのどれもが個性的な色合いを持っていて楽しませてくれています。

このアルバムも吹き出すぐらいに最高ですね。あまりに圧倒されると人間ヘラヘラ笑い出すと云った按配になってしまいます。迫力のある演奏とともにある種のベタさ加減が何ともいえずに愛嬌もあり、比較的輪郭が見えやすいその解り易さとグスタフソンの「プギョ~」と云う叫びのような嗚咽のような悲哀のような咆哮の対比が相まって、バリバリのフリー&アヴァンギャルド・ジャズであるにも拘らずとても入り込み易くて何度も聴いてしまう作品です。

このサウンドを最初に聴いたときは何ともプリミティブで野性味溢れるジャズであるなぁと感じました。特に1曲目を聴いてすぐに思い描いたのはサルやゴリラなどが威嚇してくるようなシチュエーション。バリトンでの愛嬌(?)のあるテーマの直後にグスタフソンが絶叫するサマは、ロックにも通ずる堪えられない痛快さと、全てを超越した可笑しさまで漂ってきます。グスタフソンを類人猿化するつもりは毛頭ないですが、向こう側から石を投げつけてくるような勢いです。いやぁそれにしても凄すぎます。2曲目のホーケル・フラーテンのグラインドしまくるウッド・ベースに地上を揺るがすくらいの変態的な凄みが感じられ、ラストのタイトル曲での鬼気迫る三人のインプロはあまりにも強烈ですが、特にニルセン・ラヴは何かが降臨したかのような暴れっぷりで呆れてしまいます。メンバー同士の気合いも盛り上がりとともに大声となり、とぐろを巻きながら突き進んで行く猛烈な展開です。

潜在的に濃厚なものが備わっている連中が集えば、こう云った爆薬のようなアルバムに仕上がると云うことを身を持って証明してくれたかのような出来映えです。フリーの旨味どころを手探りしている素人ですが、この作品には自分のような経験値の浅い人間でもスッと入り込める要素が沢山あって、とても満足のいく内容でした。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/30(金) 23:59:14|
  2. Combo
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# 796 Open Reel Deck/Marcus Strickland (Strick Muzik-CD)

Marcus Strickland - Open Reel Deck

1.Intro (Vista)
2.Open Reel Deck
3.In-
4.Pilgrimage
5.Sneaky Deaky
6.-cep-
7.Subway Suite 2nd Movement (J. Cowherd)
8.-tion
9.Prospectus
10.Virtue
11.Volatility
12.Outro (Vista)

Marcus Strickland (ts) Mike Moreno (g) Carlos Headerson (el-b)
E.J. Strickland (ds)
feat.
Keyon Harrold (tp→only1~4,10,12) Malachi (spoken word→2,4,6,10,12)
John Cowherd (p→only7)

Rec-2007



昨日の記事で引用されたこのアルバムを聴き直してみる。やっぱりこれは何度聴いても新鮮で、この時代であるからこそ生まれたタイプのジャズであるなぁと深く頷きます。でも最新のジャズを聴きかじっていると、こう云ったアプローチは最早珍しいものでもなくなってきたようにも思われます。但しこの作品に対して大層にジャズであると断言するのも憚られ、また断じてジャズではないと云う意見も聞こえてきそうな気もします。個人的には全くの許容範囲なのですが。

聴いている当事者としては、実際のところ捲し立てられる早口のスポークン・ワードの意味すら判らずそれを単に音楽的な効果としか解釈出来ていないので、このジャズに対しての理解度は果てしなく遠いですが滲み出てくるネットリとした黒さや湿気を帯びた雰囲気にはヤラれっぱなしで堪らない魅力があります。このあたりは下地に以前からラップ&ヒップポップを聴いていた個人的な経験が活かされているような感じです。元のライブ音源自体には奇抜な要素は少なく感じられ、しかもかなり濃厚でエネルギッシュな演奏であるだけに、この音源を凝りに凝って編集したことが逆に大きく好みが分かれる結果になるのかもしれません。そういう部分では加工されていない音源を聴いてみたいという正直な気持ちもありますが。

パリパリに乾燥したように響くマーカス・ストリックランドのテナーは土臭くて、独特なミキシングによってその感をより強くします。曲によっては荒々しいトランペットも加わりホットに展開するのですが、その熱を帯びた演奏に独自の世界を注入しているのがやはりマイク・モレノのギターで、この人が音を出せば空気感を一変させる力があります。どのようなサウンドにも融合する対立することのないソフトな音色には唸らされるものがあり、どのような音にも完全に溶け合う万能な物質のようなギターは、その存在をより強固にさせています。E.J.のタイトなドラムも演奏を締め上げていて、硬質なリズムと浮遊感のあるギターの対比が面白い効果を生んでいると思います。

マーカスが以後どのような歩みを魅せてくれるのかは凡人の考えの及ばないところなのですが、継続して聴く者の興味を惹き付けてくれるような活躍は期待出来そうです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/29(木) 23:52:35|
  2. Tenor Sax
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#795 Offering/Marc Ayza (Fresh Sound New Talent-CD)

Marc Ayza - Offering

1.Offering
2.Matilda
3.Sisters in Love
4.Marvin Gaye
5.So Far to Go
6.Embrace
7.Juanito's Groove
8.Ego Dance
9.Jalish
10.Hotel Alexander
11.Outro

Marc Ayza (ds) Roger Mas (p,el-p,hammond-org,nord lead II→only10)
Tom Warburton (b) Helios (turntables) Core Rythm (vo→only1,7)

Rec-2008



満を持して引いてみたアルバム。スペインのドラマー、マーク・アイザの作品。個人的には大いに期待出来そうな惹句が並んでいたことにつられて購入してみました。

昨年末にユニオンでCDを購入した時に付いてきた小冊子『Favorite Disc 2008 + 1』にこのアルバムが取り上げられていました(ウェブでも読めますね)。この紹介文の効果が当方にとっては覿面に効きました。大好きなレーベルからの新譜であるので元々気になってはいたのですが、購入へ一押しも二押しもプッシュさせてしまう訴求力が、この評の中で引用されていたアーティストによって火が点けられた格好となりました。そしてこの作品の聴後に大いに納得させられることにもなったのです。

まず、評にある「ラップ、ポエトリー・リーディング、ターン・テーブルが乗り(中略)、このあたりの手法はマーカス・ストリックランドの『Open Reel Deck』を彷彿とさせます」で惹き付けられました。個人的にマーカス・ストリックランドは大好きで、リーダー作並びにサイドのかなりの作品を今までに押さえることが出来ました。マーカスの作風は録音が新しくなればなるほどかなり劇的な変化を見せてきており、ココで引用されている近作の『Open Reel Deck』(Strick Muzik)は畳み掛けてくるスポークン・ワードや、タイトルのオープン・リールを連想させるような音質に加工し3曲に分割された、"In- / -cep- /-tion"など斬新なアプローチでビックリさせられました。かなり大胆な手法であったので既存のジャズの枠を大きくはみ出した内容には賛否もありそうですが、自分のような何でも屋には興味深く聴くことが出来ました。

それと評の〆にある「ロバート・グラスパーなどが好きな方は外せない1枚ではないでしょうか」と云う一文で完全に無視することが出来なくなりました。グラスパーの近作『In My Element』(Blue Note)は自分にとっては大切な一作であり完全に刷り込まれているアルバムです。来日時には勇んで上京し眼と耳に焼き付けてきました。ストリックランドとグラスパーには長い共演歴がありますし共通項も見出せますので、彼らを引用されたらそりゃもうパブロフの犬宜しく涎を垂らし尻尾を振ってしまいます。

近年の両者が提示しているジャズと同じ方向性を、マーク・アイザと云うドラマーがこの作品によって示していることを理解するのに時間はかかりませんでした。強いて云えば両者の中間点に立っているかのようなサウンドに彼らと共通の心地良さを感じ取っています。カラーとしては浮遊感を持ったローズ・ピアノやB3がアコピよりもサウンドの色合いを決定づけているように感じられ、沈み込むベースに柔軟な解釈のドラムが絡むサマが実にうまく溶け合っています。ターン・テーブルは過度にならずに効果的な使われ方をしており、気づく部分では、マーカス・ストリックランドやロバート・グラスパーよりもヴォイス・サンプリングを多用しているように感じられました。程よくレイジーでウットリする艶かしさも漂わせ、心地よい繰り返されるリフを時折挟み込んできます。インタールードの用い方などはグラスパーの近作にソックリです。そして若干エスニックな要素も感じさせるのはこの人の特色のような気もします。

予想通りの音が出てきて満足であるとともに、このアルバムはこの手のサウンドが確立してきていることを充分に証明した内容であると思いますが、ジャズという音楽に厳格なリスナーであればあるほど受け入れ難いムーヴメントであるのかも知れませんねぇ。彼が参加しているジェイソン・リンドナー盤も試してみようと思います。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/28(水) 23:46:44|
  2. Drums
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#794 To My Friends/Lasse Lindgren Band (Dragon-CD)

Lasse Lindgren - To My Friends

1.May Suite I (May Funk)
2.May Suite II (May Dreams)
3.May Suite III (May Flies)
4.To My Friends
5.Lemon Pepper
6.Tove's Song
7.Help
8.Night Time
9.Two Bass Fishers Walking Down the Line I
10.Two Bass Fishers Walking Down the Line II
11.Ice Eyes
12.Blues in Algot Major

Lasse Lindgren (tp,fl-h) Mikael Raberg (tb) Esbjorn Svensson (p)
Jan Adefelt (b) Raymond Karlsson (ds,perc)

Rec-1992



スウェーデンのトランぺッター、ラッセ・リンドグレンのアルバム。彼の作品で一番最初に聴いてみたのは『Spirits!/The Lasse Lindgren Big Constellation』(Imogena)。このアルバムに付いていたサブ・タイトルの"Plays in the Spirit of Maynard Ferguson"につられて聴いてみました。今を遡ること数十年前の中学生時代にブラバンに属していた友人がメイナード・ファーガソン好きで、コピーする為に買い込んでいたのか沢山のファーガソンのレコードを貸してくれました。それらはいわゆる「スタートレック」や「ロッキー」などの映画音楽で、それ以前のルーレットやエマーシー等のレーベルに録音されたジャズは含まれていませんでした。その友人はもちろんトランペットをやっていて、当時ファーガソンの素晴らしさを力説していたことを思い出します。

上記のアルバムは、ファーガソンばりのハイノート・ヒッターと化しているリンドグレンの豪快なビッグバンド作品で、聴いていて思わず懐かしくなってニヤニヤしていたのですが、このアルバムのことを調べていた流れでファーガソンが2006年に亡くなっていたことを先ほどウェブで初めて知り、その追悼の意味合いがこの作品にあったことを今頃になって気づく間抜けさなのでした。なるほどライナーをシゲシゲと眺めるとそのような表記がありました。いつまで経っても進歩しない自分の愚脳と鈍い感覚に絶望します。

このアルバムを聴いた後にビッグバンド以外のリンドグレンの作品を探していて、ちょっと古めの作品ですが行き当たったのがこのアルバムです。注目すべきは故エスビョルン・スヴェンソンの参加になるでしょうか。当方の場合スヴェンソンの訃報に接してからE.S.T.の作品を聴き始め、しかも入門が遺作になってしまった『Leucocyte』からであるのでまだまだ浅いリスナーであるのですが、E.S.T.の名義作も以降に7枚ほど聴くことが出来、今さらながら徐々に彼らのカラーが見えてきているところです。ここでのスヴェンソンはかなりストレートなジャズをバリバリと弾いていてE.S.T.諸作との印象とはかなり違います。

トランペットとトロンボーンのニ管クインテットですが、ビッグバンドでのリンドグレンとはこちらも趣を異にしていますね。ハリがあり艶もあるトランペットながらも力任せに来ずにコントロールされた気持ちのよい演奏で、曲によっては僅かにエフェクトも取り入れクールな肌触りに仕上がっています。トロンボーンとのハーモニーも絶妙でピリッと引き締まった曲が並んでおり、非常に清々しい真摯な演奏に好感の持てる名演だと思います。リズムの切れ味もなかなかで、美味しさが凝縮された密度の濃いプレイに大変満足しました。

ちなみに冒頭のファーガソン追悼作は「金管王」と云うタイトルでキングから国内盤が最近リリースされたんですねぇ。正にピッタリなネーミングで思わず吹き出してしまいました。あまりに的を得たネーミングなので、敢えてシリーズ化して「木管王」や「鍵盤王」など、他のアーティストでもリリースしてみるのも面白いんじゃないかと考えてしまいました。

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  1. 2009/01/27(火) 23:45:17|
  2. Trumpet
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#793 Arcanum Moderne/Ellery Eskelin With Andrea Parkins & Jim Black (Hatology-CD)

Ellery Eskelin - Arcanum Moderne

1.It's a Samba
2.43 RPM
3.Five Walts
4.For No Good Reason
5.Half a Chance
6.Arcanum Moderne

Ellery Eskelin (ts) Andrea Parkins (accordion,p,sampler) Jim Black (ds,perc)

Rec-2002



Hatologyと云うレーベルがとても面白いことに気づき、色々と試している最中です。エラリー・エスケリンと云うテナー奏者も、デイヴ・リーヴマンとの同レーベルの共演作で知ることになりました。そして彼の作品はこのレーベルに沢山あるのですが、恐らくこの会社は初回にプレスするイニシャル数が極端に少ないようで、新譜の時機を逃すとメッキリ見かけなくなってしまうと云う状態にすぐ陥ります。エスケリンのアルバムを色々と探りたいのですがなかなか手に入り難く、このアルバムと『Forms』(Hatology)は中古を見つけることが出来ました。エスケリンではないのですが、新譜としてリリースされて間もないジョー・モリス(Joe Morris)の『High Definition』をウェブから発注しているのに、2ヶ月以上経っても全く入荷してきません。フリーなどの個性的な色合いを持つレーベルはすぐ廃盤になり易いのでこれからは神経を使いそうです。

このアルバムは簡単に云えばピアノ・トリオのフォーマットですが当然一筋縄ではいきません。この三人での録音がハットロジーには多く吹き込まれています。アンドレア・パーキンスは女流のピアニストですが、アコーディオンの名手でもあるようでこのアルバムでもかなり特異なサウンドを放出しています。どちらかと云えばピアノ以外の楽器の方に聴き耳を立ててしまうくらいにアコーディオンやサンプリングが音楽に色濃く反映されており、このトリオでは彼女が面白い効果を上げていますね。エスケリンのテナーはここでも快調です。リーヴマンとの作品よりも若干フリー寄りの演奏も魅せており、縦横無尽に奏される音色は太くガッツがありパワフルです。なかなか面白いテナー奏者を見つけたとほくそ笑んでいます。そしてジム・ブラックはやはりこちらの期待を裏切りません。内蔵を揺すられるほどの豪快なドラムがズバズバと決まりまくっており、好みのジャズを聴くと前のめりになるクセのある当方が、突っ伏してしまう状態の見事なタテノリを披露しています。

こうなるとやはりその他の録音が気になるところですが、なかなか事が簡単に進まないであろうことは冒頭に触れた通りであり、容易いこととはとても云えないようです。まぁ気長に探索して行かざるを得ない状態であることに変わりはないようですね。

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  1. 2009/01/26(月) 23:43:41|
  2. Tenor Sax
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#792 Fountain of Youth/Roy Haynes (Dreyfus-CD)

Roy Haynes - Fountain of Youth

1.Greensleeves
2.Trinkle Tinkle
3.Summer Night
4.Ask Me Now
5.Butch and Butch
6.Inner Trust
7.Green Chimneys
8.Remember
9.Question & Answer

Roy Haynes (ds) Marcus Strickland (ts,ss,b-cl) Martin Bejerano (p)
John Sullivan (b)

Rec-2002



御大ロイ・ヘインズのバードランドでのライブ・アルバム。このライブ収録時で78歳、素晴らしすぎます。「チョイ悪オヤジ」なんて云う言葉が少し前に流行っていましたが、このジャケのロイ・ヘインズの風貌はどうよ。赤いカッターに明かりを反射するグラサン。イカしています。こういうカッチョイイ爺さんに憧れますなぁ。まぁ当方も生え際が順調に後退してきて「M毛」化してきているのですが、こういう真似が出来るかどうかはどうやら望み薄のようです。

マーカス・ストリックランドをフロントに置いたカルテットでの演奏です。取り上げられた曲は多彩ですが、モンクが3曲(2,4,7)入っていることが特色になるでしょうか。よく知られた曲が多いなか、メセニーやデイヴ・キコスキのトラックなどが入っているのも興味深いところですねぇ。

このライブを聴いていて感じたのは、ロイ・ヘインズのドラムの一撃一撃が重々しく響くこと。このパワーの源は何なのでしょうか。日本で云う「喜寿」を過ぎた年齢であるにもかかわらず、ダイナミックなドラミングは乱れを知らず猛々しさを漂わせることは並大抵では為せる技ではありません。ロイ・ヘインズはドラムへのスピード感と云う若干欠け気味の側面に対して、音のデカさと云うエネルギーに変換してそれを補い開陳しており、バードランドのステージの上に屹立していました。エルヴィンを感じさせるようなアタックの強い凄みのあるドラミングをここでの彼から連想しました。そういう意味に於いてはマーカス・ストリックランドのサックスの方に、御大からパワーを吸い取られて若干のブレがあるような気がしないでもないのですが。ストリックランドはいつものようにテナーとソプラノ、そしてここでは1曲目にバスクラも用いています。ピアノやベースも好演で全体のバランスが悪くなっているわけでもありませんが、やはり主役を張っているのはロイ御大であることに変わりはなく、穿った見方をすれば「若いモンには負けんぞ」と云った気概すら垣間見えるようです。

御大は現在83歳。米Wikiで調べるとまだまだ現役のようで頼もしい限りです。

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  1. 2009/01/25(日) 23:13:46|
  2. Drums
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#791 It's Alright With Me/Inge Brandenburg (CBS Germany-CD)

Inge Brandenburg

1.a) C'est la vie, b) Valse Hot
2.Round Midnight
3.Out of Nowhere
4.Summertime
5.It's Alright With Me
6.Lonesome Road
7.Falling in Love With Love
8.What's the Mattar, Daddy

Inge Brandenburg (vo) Gunter Hampel (vib,fl) Bobo Stenson (p)
Vicktor Kaihatu (b) Pierre Courbois (ds)

Rec-1965



アナログ(LP)時代にジャズにのめり込み、生活環境やらその他諸事情でジャズの中抜けを余儀なくされた当方にとって、当初どうやってもお目にかかれなかった盤がカムバック出来た現在にいとも容易く入手出来るこの状況が大変有難く、またその復刻内容にココまでやるかと云う驚きのような思いもあります。この作品は2年ほど前に購入したのですがSonorama Recordsと云うドイツのレーベルが、オリジンである独CBS原盤のこの作品を復刻していました。Sonoramaはエルジー・ビアンキのSABA盤などもリイシューしていてマニアックなラインナップを形成しており、自国の貴重な音源を世に問い直す姿勢は評価に値します。しかも前述の二作品ともにアナログ(LP)でも復刻したようですね。ビニール・マニアはさぞ喜んだことでしょう。私のはCDですが。

ドイツのインゲ・ブランデンブルグのこの作品は、当方にとってはなんといってもギュンター・ハンペル・カルテットがバックに陣取っていることにより垂涎の的になっていました。ハンペルの『Heartplants』(SABA)は大好きな作品で、それこそ麻薬的にシツコク反復して聴かされる威力抜群のアルバムです。ハンペルのヴァイヴはこの楽器の特性から考えると珍しくスリリングなのですが、ESPなどのフリー系のレーベルからも作品をリリースしているように、下地にそういった土壌があることもサウンドに関係がありそうです。

肝心のインゲの歌唱をそれまでに聴いたことがなくて、このCDを初めてかけた時に想像とのあまりのギャップに腰を抜かしそうになりました。なんとも豪快で野太い声に思わず絶句しました。若干ハスキー気味な声質で低めの声をパワーで押し出すような歌唱法に最初は馴染めなかったのですが、彼女の持ち味として自分のなかに徐々に定着してきました。ハンペルはいつも通りヴァイヴとフルートの両刀でドライヴ感のあるサウンドを構築します。ピアノは現在もECMから精力的に作品を発表しているボボ・ステンソン。太めの声との対比でより煌やかに響きます。曲によってはピエール・クルボワのドラムがキンキンにつんざきバタつきますが、コレもまた一興ではないかと。まぁ苦手な方もおられそうですが。ちなみに5曲目のタイトル曲はそのドラムとヴォーカルのデュオで、強烈なドラムをバックにガナり気味に疾走するヴォーカルがなんともいえない一品です。

いわゆる日本で人気のあるヨーロッパ人の女性ヴォーカルと云う基準に於いてはかなり異質な部類に属するような気がしますね。特に彼女に関しては黒人的な唱法に感じられ、とにかくダイナミックに迫ってきます。バラードもなかなかゴツくて真似出来ないワン・アンド・オンリーな世界観を持ち合わせています。好き嫌いの分かれそうなヴォーカリストに間違いはないようです。

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  1. 2009/01/24(土) 17:07:07|
  2. Vocal
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#790 The Shell Game/Tim Berne (Thirsty Ear-CD)

Tim Berne - The Shell Game

1.Hard Cell (for Tom)
2.Twisted / Straight Jacket
3.Heavy Mental (for Wayne Krantz)
4.Thin Ice

Tim Berne (as) Craig Taborn (key,electronics) Tom Rainey (ds)

Rec-2001



昨日も書いたように、ピンと来なかったCDでもシツコク何度も反復させて聴く執念深い一面を持つ小生ですが、やはり稀にはビコーンと心の臓に突き刺さり、取り憑かれたようにそればかり掛けてしまう衝撃的な出会いもあったりします。最近ではこの作品なんかがそうです。

ティム・バーンは是非とも通過しなければならないアーティストであると以前から思っていました。しかしながら相変わらず膨大な音源の前で右往左往し、どれを手に取ってよいのか判らずに迷走します。なかなか参考になるようなサイトを見つけられずにジャズの掲示板あたりまでも覗き見してしまいました。するとあるんですねぇ、フリージャズ関連のスレッドが。今の小生にはウハウハなネタが満載でかなり重宝しました。で、ティム・バーンで目星を付けてみたのがこのアルバム。知っているクレイグ・テイボーンの名前もあったので速攻で手を出してしまいました。

いやぁ、この一本気な資質を思わせるようなアルトと重々しいビートに早速ヤラれています。ティム・バーンの演奏を聴いたのが何せ初めてであるので、このアルバムがどのような位置づけにあるのかが全く理解出来ていませんが、フリーキーにならずに艶っぽさまで漂わせるバーンのアルトが実にカッコいい。余裕を感じさせる吹きっぷりは懐が深く、フリーというよりも質の高いオルタナティブなジャズを感じさせるようなサウンドで、バーンの太いアルトが炸裂しています。実際のところクレイグ・テイボーンのキーボードやエレクトロニクスがある種のスペイシーさを醸し出していて規範のジャズにとどまらない豪快さで迫っており、トム・レイニーのドラムが直情的で何ともアグレッシヴ且つパワフルで痺れます。自分としては恐らく初めて接したドラマーでしたが素晴らしい収穫となりました。1曲目や3曲目の繰り出されるバーンのリフが強烈で、歪みまくるキーボードと連射されるドラムの渦のなかに身を投射したかのようなエネルギッシュなプレイには絶句させられます。いやぁ素晴らしいです。

しかしながらこの作品がリリースされている「サースティ・イヤー」と云うレーベル名は秀逸ですねぇ。まさに耳の渇きを潤す音の洪水に納得の一枚となりました。このレーベルのHPを覗いてみると、自分にとって掘り起こしてみたいアーティストが満載で、これからのお付き合いが頻繁になりそうです。

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  1. 2009/01/23(金) 21:38:25|
  2. Alto Sax
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#789 Bruno Hubert Trio Live @ The Cellar (Cellar Live-CD)

Bruno Hubert - Live @ The Cellar

1.Sweet & Sour
2.In My Life
3.Dolphin Dance
4.Lush Life
5.Edda
6.Sempre Amore
7.Joy Spring
8.My One & Only Love
9.Latina La Cap

Bruno Hubert (p) Andre Lachance (b) Brad Turner (ds)

Rec-2007



少し前に話題(と云うほどのものではないけど)になっていたアルバム。

個人的にはピアノ・トリオに若干食傷気味ではあるのですが、基本的には好きなフォーマットであるので気になるものは買っています。いわゆる稀少な盤の待望の復刻などに飛びついても、何度も繰り返し聴かされてしまうような自分にとっての一生モノになる盤として巡り会う機会が少なくて残念に思うこともしばしば。それは復刻ものに限らず話題になっているこう云った比較的流通の少ない新録モノなどにも当て嵌まったりします。しかしながらどの盤に対しても、生来のしつこい性格が功を奏しているのか、それとも救いようのない悪い耳を持ったことが功を奏しているのか、一度聴いただけで結論が出ることはなく何度も繰り返し聴いて試すのは昨日のログでも判断頂けるのではないかと。それによって感想が好転することも結構あったりして、傾聴に値しない盤など無いと思って接するようにしています。

ブルーノ・ヒューバートと云うカナダのピアニスト。数年前の彼のスタジオ録音盤に関して、とあるサイトで芳しくない評価であったので取り寄せるのをどうしようかと考えたのですが、前述の通りで扱き下ろされたりしている作品が見事に自分のツボに嵌ったりして、オイラはいったいどんな耳をしているんだと云う経験を今までに数多くしているので今回も自分の直感に頼って引いてみました。

彼のオリジナルはラストの一曲のみ。ショーターやハンコック、エリントンなどを取り上げ、レノン&マッカートニーのナンバーである2曲目までもとヴァラエティに富んでいます。この作品は彼のライブでリラックスした良い雰囲気が録れています。特にウェイン・ショーターの1曲目が出色ではないか、と。いや、結構良いではないですか。ガンガンと弾きまくるタイプというより味のあるピアノを聴かせてくれますね。そして決して流暢な語り口でもないのですが、それが彼にとって良い方向性で現れているのではないかと勝手に想像しております。若干雑な部分も感じられるものの全てを彼のカラーとして受け取ってしまうお気楽なリスナーです。ベース&ドラムのリズムも派手さはないもののリラックスした演奏は聴いていて心地良くなります。突出した何かを求めるのではなくて、安心して聴ける寛げるジャズと云う意味に於いては充分にその要素を満たしていると思いますよ。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/22(木) 23:45:39|
  2. Piano
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  4. | コメント:0

#788 Profile/Jeremy Pelt (Fresh Sound New Talent-CD)

Jeremy Pelt - Profile

1.Aesop's Fables
2.The Trivium
3.Mystique
4.Pieces of a Dream
5.A Song for You (Lovebird)
6.Jigsaw
7.We Share a Moon
8.You Won't Forget Me

Jeremy Pelt (tp) Jimmy Greene (ts→except4,8) Jaleel Shaw (as→only4)
Mike Moreno (g→only1) Robert Glasper (p) Gerald Cannon (b) Ralph Peterson (ds)

Rec-2001



メンバーを見た時に絶対に聴かなければならない使命感を勝手に抱き発注するも、ウェブでは軒並み取り扱い終了との回答で悶々としていましたが、昨年末に都内のショップで普通に新品で棚に入っていたので拍子抜けするとともに、思わず握りしめてしまったアルバムです。ところが最初聴いた時に、ちょっと違うなぁとなかなか馴染めなかったのです。メンバーとしては個人的に大好きなミュージシャンが勢揃いと云った様相で、まさに垂涎の眼差しで思い描いていたアルバムであっただけに、すぐには入り込めずそしてその理由も判らず何故なんだろうかとしばらくは首を傾げていたのですが、あれこれ考えずに繰り返し聴いているうちに徐々にコレに嵌ってきています。

ラストの8曲目以外をジェレミー・ペルトのオリジナルで固めています。基本的にはリーダーのペルトとテナーのジミー・グリーンの二管クインテットが中心になっており、曲によってジャリール・ショウのアルトが入ったり、マイク・モレノのギターが加わったりしています。耳心地のよい曲は殆どなく硬派なオリジナルが核になっており、辛口のサウンドがこのアルバムを支配しています。なかなか一発では理解出来ない楽曲であったことが自分自身の戸惑いに繋がっていたのかも知れません。

繰り返し聴いていてやはりただ事ではないと実感したのがラルフ・ピーターソンのドラム。何をそこまでと云わずにはいられないくらいに彼のドラムが主張していて、とてつもない存在感であることを思わされてしまいます。ひょっとするとあまりにも手数が多く、ド派手なドラミングであるので敬遠してしまう方がおられても不思議ではないような目立ちっぷりです。まぁ逆から見ればリズム好きにはこたえられない作品と云えるのかも知れません。ペルトのトランペットはエネルギーを抑制されながらも勝負どころではハチのひと刺し宜しく切れ込んできます。対するジミー・グリーンのテナーもまずまず健闘していて荒削りながらも勢いがあります。ここでのロバート・グラスパーはピアノのみに専念していますが流れるような旋律の捌き方には注意を惹き付けられます。但し2001年の録音ということもあって、現在見受けられる彼のカラーはココではそれほど色濃くは出ていないような気もします。

聴く回数を重ねるたびにこれはラルフ・ピーターソンのドラムを聴く作品であるとの認識を強くしています。それほど際立ったパフォーマンスを魅せており、彼のファンにとってはご馳走盤になることは間違いないようです。

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  1. 2009/01/21(水) 23:59:43|
  2. Trumpet
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#787 Blues Holiday/Paul Serrano Quintet (Riverside)

Paul Serrano - Blues Holiday

A
1.Me, Too
2.Dream of Igor
3.Blues Holiday

B
1.Little Niles
2.Mr. Lucky
3.Everything's Coming Up Roses

Paul Serrano (tp) Bunky Green (as) Jodie Christian (p)
Don Garrett (b) Pete La Roca (ds)

Rec-1960



マイナーなトランぺッターの唯一残されたリーダー作として知られているこのアルバムですが、それだけのものにしておくには勿体ない出来の好作品だと思います。ポール・セラーノと云うトランぺッターのことを殆ど知らなかったので、ちょっと首を突っ込んで調べてみると他のアルバムでも彼が聴かれることが判りました。エディ・ヒギンズの『Eddie Higgins』(Vee Jay)や、ウォルター・パーキンスとボブ・クランショウが実質リーダーを務めた『MJT+3』(Argo)等に参加しており、他ではブルース関連の演奏にも関わっていたようです。前述の二作品は自分の所有する盤でありながらもポール・セラーノと云うトランぺッターとは長い間結びつかず、つくづくいい加減なリスナーだと思います。なるほど彼はシカゴのミュージシャンで、どちらかと云えばコッテリ系のサウンドも納得がいきます。

のっけからゴキゲンなセラーノのオリジナルであるA-1のノリの良さ。ジャズが難しいことを善かれとする音楽であるならばコレは安っぽく聴こえるのかもしれないが、何とも泥臭くて明瞭なテーマとリズムが当方の単純な駄耳を喜ばせてくれます。暑苦しいくらいの熱気を孕んだセラーノのペットとバンキー・グリーンのアルト。ツッカケ気味に突進するピート・ラロカのドラムスが微笑ましいです。ブルージーなA-2を挟んで、ピアノのジョディ・クリスチャンのオリジナルであるA-3はまたもやドライヴ感抜群の曲。気合いの入ったセラーノのハイノートが聴けます。そんななかランディ・ウェストンの著名曲B-1がとてもいい味を出しています。曲の持つ気怠いムードを活かしながらキリッとした主張も見られます。セラーノがミュートを聴かせてくれるB-2に続いて、このアルバムの〆に相応しいB-3もラテン・フレイバーを盛り込みながら疾走します。

楽しいジャズと云う面ではこの作品は基準を充分にクリア出来ているのではないかなと思っています。はてさて「エディ・ヒギンズ」と「MJT+3」で聴かれるセラーノを全く思い出せないので早速これから復習です。



お知らせ:ちょいと明日から北国の温泉巡りに行ってきます。21日(水)に復帰する予定です。

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  1. 2009/01/17(土) 23:59:24|
  2. Trumpet
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#786 Five for Fun/High Five (Blue Note EMI Music Itary-CD)

High Five - Five for Fun

1.Five for Fun
2.Ojos de Rojo
3.Cosi Come Sei
4.Pandaguru
5.Happy Stroll
6.Estudio Misterioso
7.Inception
8.Evan's Even
9.Nino's Flowers
10.Naty

-High Five-

Fabrizio Bosso (tp,fl-h) Daniele Scannapieco (ts) Luca Mannutza (p)
Pietro Ciancaglini (double-b) Lorenzo Tucci (ds)

Rec-2008



いわゆる売り上げチャートなるもの一切に興味がなく、傍観者から見ればどちらかと云うとマイナーであるものを傾向として好んでいるフシのありそうな当方にとっても、このアルバムはなかなか楽しめるものでした。ジャズと云うジャンルの特性上セールスとしてはたかが知れていることは承知しているとは云え、そしてまたどの程度の年間順位なのかもハッキリとは判りませんが、このアルバムは実際のところ売れに売れたようで(EMIヨーロッパの)ブルーノートへの移籍も含めてハイ・ファイヴにとっては昨年は素晴らしい一年となったようです。殆どの場合ウェブでしかCDを買えない田舎住まいの当方ですが、なんでも店頭でもコーナーをつくって展開していたそうで力の入れようが判ります。それもそのはずで昨年末のブルーノート東京での来日の模様を収めた『Live for Fun』(Blue Note EMI Music Japan)が来月の2月18日にリリースされるようで、日本国内でもその勢いの凄さを感じさせます。どうやら8曲収録のようで、@タワーJPのサイトではいち早くジャケ写や曲目が確認出来ます。イタリアの伊達者らしく真っ赤なフェラーリに集う5人がイカしています。当方の場合は同時期に来日していたアーロン・パークスと天秤をかけて、結局観ることをしなかったハイ・ファイヴの演奏をCDで聴けるのは大変有難いことであるのですが、また実際に見ていたら感慨の大きさも違っていただろうにと未だに後悔してみたりと痛し痒しの状態です。

「クインテット」と云う冠もつけていた初期の頃からこの連中は洗練されていましたが、ここに来てさらにその感を強くする仕上がりになってきましたね。特に冒頭のタイトル曲などはその出来に唸らされるものがあります。ファーストの『Jazz for More... / High Five Quintet』セカンドの『Jazz Desire / High Five Quintet』(ともにVia Veneto Jazz)も好きで未だによく聴いていますが、最新作は荒削りな部分が殆どなく角が取れて丸くなったような感じがします。ただしインパクトのある曲を前半に続けて持ってきている為に、当方の場合は正直云えば多少のなかだるみを感じることも事実ではあるのですが。この作品はメンバーのオリジナルが中心になっていますが、シダー・ウォルトンやマッコイ・タイナーの曲も編み込んでおり、マッコイの7曲目はなかなかスリリングです。それにしてもファブリツィオ・ボッソとダニエル・スカナピエコのカッチリと纏まったアンサンブルは、このグループが5人のみであることを忘れさせるかのような厚みのある演奏を繰り広げています。ルカ・マヌッツァのピアノのグルーヴ感は独特の雰囲気を創り、ピエトロ・チャンカリーニとロレンツォ・トゥッチのリズム陣も演奏を巧みに鼓舞しています。

さすがにココまで盛り上がるとは予想もしていませんでしたが、この調子であればグループの継続はもちろんのこと、オリジナルの新譜としての次作のリリースも、そしてグループでの再来日も期待出来そうですね。ライブ盤が出る前からそんなことまで期待させてしまう連中なのです。

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  1. 2009/01/16(金) 21:58:05|
  2. Combo
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#785 Jazz Sur Seine/Barney Wilen - Milt Jackson (Philips)

Barney Wilen - Jazz Sur Seine

A
1.Swing 39
2.Vamp
3.Menilmontant
4.John's Groove
5.B.B.B.

B
1.Swingin' Parisian Rhythm
2.J'ai ta main
3.Nuages
4.La Route Enchantee
5.Que Reste-t-il de nos Amours ?
6.Minor's Swing
7.Epistrophy

Barney Wilen (ts) Milt Jackson (p) Percy Heath (b) Kenny Clarke (ds)
Gana M'bow (perc→A-1,B-6)

Rec-1958



昔リイシューされたこの国内盤のアルバムは、ライナーで確認するとバルネ・ウィラン名義で発売されていたようですが、実質的なリーダーかどうかはさておきジャケットの表裏を観察しても特にそのような表記にはなっていません。素人考えでもバルネ名義にすればセールスに結びつくと云う想像は簡単にできますが、訴求力を重視して名義を変更したりジャケットを改変したりすることは昔も今も国内外盤ともに変わりはないようですね。個人的にはミルト・ジャクソンがピアノに専念しているということも興味深くそちらの面も強調してほしい部分なのですが、このLPの帯にはどのような惹句でこの作品を要約していたのか気になるところです。メンバーを見て判る通り、バルネのワン・ホーンにMJQの一部のメンバーがピアノ・トリオでのバッキングとして参加しています。2曲のみパーカッション奏者も加わっています。

バルネ・ウィランは初期のリーダー作や、マイルスとの共演で知られる「死刑台のエレベーター」もさることながら、80年代中期以降の"IDA"や"Alfa"辺りに吹き込まれた盤が注目されていたことも思い出します。聴いたことは無いのですが晩年には"Venus"からも複数リリースされていますね。どちらにも彼の良さが出ていますが、個人的にはムードに過ぎる面も若干垣間見える後期の作品よりも、何の衒いもなく真摯にジャズと向き合っている古い録音の方がどちらかと云えば好みではあります。

この作品もジックリと抽出されたかのような豊潤なバルネのテナーが艶やかに響きます。深みのある太くてドッシリとした音色がゆったりと表現されていて、力まずに大らかなプレイで余裕の感じられる寛げるサウンドです。ミルト・ジャクソンのピアノは訥々としていて味わい深いプレイですが、決して流暢ということではなく35歳の頃の演奏ながらいぶし銀とも言えるような渋さを醸し出しているのが何とも良い雰囲気です。堅実なMJQのリズム陣も引き締まった好サポートを魅せています。

改めて全体をとして聴いてみると、やはりバルネ・ウィランのアルバムと云って差し支えないような内容ではありますね。バルネの20歳の時に吹き込まれた作品とのことなのですが、全くブレの無い潜在能力の高さを見せつける王道の演奏を披露していることに唸らされます。

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  1. 2009/01/15(木) 23:35:35|
  2. Tenor Sax
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#784 Tomorrow Came Today/Joe McPhee & Paal Nilssen-Love (Smalltown Superjazzz-CD)

Joe McPhee & Paal Nilssen-Love

1.Tomorrow Came Today
2.Go
3.Ibsen's Ghost
4.Build and Break
5.Acts of Time
6.Sun and Steel
7.Body Sound
8.Crossing Messages

Joe McPhee (ts,pocket-tp) Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2007



昨日のピアノ&ドラムのデュオに引き続き、今日はテナー(またはポケット・トランペット)&ドラムのデュオを聴いています。やはりオーソドックスな演奏ではなくインプロ系のものを。ベテランのジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴのデュオによるフリー・ジャズ。

ジョー・マクフィーをベテランと言っておきながらも、今まで当方がフリーに対して無頓着だったため全く遭遇することなく現在まで来てしまいました。そこで彼のHPでこれまでの足跡を調べてみると、作品の録音としては1967年から始まっているようです。このアルバムではテナーとポケット・トランペットを使用していますが、過去のアルバムからもサックス(テナーとソプラノ、稀にアルト)とトランペット(稀にコルネットやフリューゲルホーンも使用)が中心となっており、同等程度の使用頻度で扱っているようです。よく見てみるとさらにバルブ・トロンボーンやクラリネット(アルト・クラリネットを含む)、はたまたヴォーカルまでとかなり幅広くマルチな才能を発揮しているようですね。そして残されている作品はとてつもなく膨大で、もはや今からではフォロー不可能なリリース量です。自分の意識が向かないと、これだけの作品を残していても目の前に現れてこないと云うことを改めて実感します。一方のポール・ニルセン・ラヴはアトミックと云うグループの演奏で心酔し、実際にその神髄を目の当たりにしたことで現在進行形で作品を追っているドラマーです。こちらも作品が多くしかも様々なグループでプレイすると云う、活動範囲も多岐に亘り八面六臂の活躍を魅せています。

力に任せて爆発するようなハードな演奏というよりは、緩急をつけて互いの駆け引きを突き詰めるような手法で演奏を構築しています。どちらかと云えば静的な部分がクローズ・アップされているかも。従って音圧に屈するようなこともなくかなり興味深く聴けています。如何せんジョー・マクフィー御大の演奏を聴いたのが初めてで、且つ多種扱われる楽器の一部しか聴けていない状態であるので彼の本領を測りかねておるのですが、この作品ではパワーよりも微妙なコントロールに主眼を置いたかのような演奏に感じました。ニルセン・ラヴのプレイは相変わらず絶妙で、静かなる緊張感を表現した呼応が多いなか、2曲目のようにいきなりドラム・ソロから切れ込む鋭いドラミングも聴けてなかなか充実しています。

最初どれを聴いても同じようにしか聴こえなかったフリー・ジャズも、場数を踏んだことによって色んな表情を感じることが出来て、今現在は一番面白く聴けている状態です。但し、自分自身がこれらの演奏の髄の部分をうまく抽出できているのかは甚だ疑問の残るところですが。

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  1. 2009/01/14(水) 23:49:43|
  2. Tenor Sax
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#783 Keys and Skins/Antonello Salis & Joey Baron (Cam Jazz-CD)

Antonello Salis & Joey Baron

1.Agora
2.Eastern
3.Hands for Dance
4.Worldwide
5.Soundventure
6.Short Talk
7.Keys and Skins
8.The Travail of Passion
9.Crossgroove
10.Celler
11.Openspace

Antonello Salis (p,prepared-p) Joey Baron (ds)

Rec-2007



強烈なデュオ・アルバム。そして当方が安直に考えていたデュオの概念をブッ壊してくれました。自分の思い描くピアニストのデュオの相手はベーシストと相場が決まっていました。この作品はピアノとドラムの組み合わせです。そして即興性の強いジャズでした。ピリピリとしたテンションが堪りません。

イタリアのピアニスト、アントネッロ・サリスとジョーイ・バロンのドラムと云うデュオなのですが、ピアニストは初めて知ったアーティストです。サリスと云う人は何やらアコーディオン奏者としても著名なようで、またイタリア映画の音楽にも多数参加していて多彩な活躍をみせているようです。このアルバムではピアノ(プリペアド・ピアノ含む)に専念していますが、かのような経歴を全く思わせない実に抽象的なサウンドを開陳します。コレがもう一方の彼の素顔でもあるようです。一方のドラムのジョーイ・バロンは当方の場合はジョン・ゾーンのネイキッド・シティ(Naked City)のドラマーとして思い浮かびます。この二人の組み合わせによる緊張感のあるサウンドのことを絶賛していたので是非とも聴いてみたかったのです。

アントネッロ・サリスのピアノはゴツゴツとしたパーカッシヴな奏法で、流暢に流れるようなフレーズもところどころで魅せてくれますが、不協和音とともにかなり怪しげなアプローチも駆使した旋律で聴く者の注意を喚起します。プリペアド・ピアノ特有の異質な響きが緊張感を高め、ジョーイ・バロンの緩急自在のドラムに絡まりテンションの高さが堪りません。不安感を煽るかのような不気味さを漂わせ、大胆なヴォイスを導入して独自の世界観を築いています。重量級の重たいピアノに応戦するジョーイ・バロンは激しいインプロにはスリリングに対抗し、実験的なアプローチにはフレキシブルな呼応をみせます。

この作品の立ち位置はフリー寄りになるとは思うのですが、かなり解り易いテーマも出てくるので触れ幅の広いジャズになっていますね。最近インプロ系の演奏を聴くことが好きな当方にはかなり面白く聴くことが出来ました。なかでも4曲目の展開は最高で、ジョーイ・バロンもブッ飛んでいます。

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  1. 2009/01/13(火) 23:28:18|
  2. Piano
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#782 Humming Bird/Paul Gonsalves (Deram-CD)

Paul Gonsalves - Humming Bird

1.Humming Bird
2.Medley :
a) Body and Soul, b) What is There to Say, c) It's the Talk of the Town
3.All the Things You are
4.Sticks
5.X.O.X.
6.In a Mellow Tone
7.Almost You

1,5

Paul Gonsalves (ts) Kenny Wheeler (tp) David Horler (tb)
Stan Tracey (p) Dave Green (b) Benny Goodman (ds)

2-a

Kenny Wheeler (tp) Alan Branscombe (p) Kenny Napper (b) Benny Goodman (ds)

2-b

Alan Branscombe (p) Kenny Napper (b) Benny Goodman (ds)

2-c

Paul Gonsalves (ts) Alan Branscombe (p) Kenny Napper (b) Benny Goodman (ds)

3,4,7

Paul Gonsalves (ts) Kenny Wheeler (tp) David Horler (tb)
Alan Branscombe (p) Kenny Napper (b) Benny Goodman (ds)

6

Paul Gonsalves (ts) Alan Branscombe (p) Kenny Napper (b) Benny Goodman (ds)

Rec-1970



この作品のアナログが昨年末にリリースされていましたね。当方は既にCDで持っているので買わないですが、このアルバムはポール・ゴンサルヴェスのイギリス吹き込みでオリジンはDeramが原盤になります。CDはヨーロッパのレアな音源を精力的に復刻しているVocalionからだいぶ前からリリースされていました。なかなか良い内容ですよ。

Deramは色んなジャンルの作品を残していますが、ジャズと云えばマイク・ウェストブルック(Mike Westbrook)辺りが有名ですね。そんななかで個人的にはジョン・サーマン(John Surman)の『How Many Clouds Can You See ?』が圧倒的な存在感で大好きなアルバムです。これはかなりフリー寄りの内容ですが、サーマンの大迫力の咆哮と、今では絶対に聴くことが不可能なジョン・テイラー(John Taylor)の何かに取り憑かれたかのような鬼気迫るピアノが爆発していて、何度もターンテーブルに載せてしまう悶絶盤です。(過去ログ読んだら全く同じことを書いていました・・・。)このゴンサルヴェス盤はオーソドックスなアプローチですが、ハーモニーの美しい聴きどころタップリの作品です。

当方にとってのこのアルバムの喜びどころは、スタン・トレイシーとケニー・ホイーラーの参加です。トレイシーが顔を出すのは僅か数曲ですが、ケニー・ホイーラーは存在感を見せつけてくれています。それとベニー・グッドマンと云う名のドラマーが参加していますね。曲によってセットが微妙に変化してアルバム全体のアクセントになっています。中心はテナーとトランペットとトロンボーンと云う三管セクステットになっていて、ゴンサルヴェスはもちろんのこと、トランペットのケニー・ホイーラーが何とも大らかでいい味を出しています。伸びやかなトランペットに煤けたゴンサルヴェスのテナーが絡むと渋さがさらに滲み出てきます。トロンボーンはアシストに回って二人を立てている感じですね。聴き慣れたトラックを中心に据えていますが、原曲を極端に崩さず、どちらかと云うと熱いソロ回しよりもアレンジを活かすためのクールなハーモニーは聴いていて澄んだ空気を運んできます。そんななかキャノンボール・アダレイ作のキラー・チューン、4曲目がとてもゴキゲンに響いて個人的には楽しい演奏になっています。

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  1. 2009/01/12(月) 22:07:08|
  2. Tenor Sax
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#781 Gretchen Parlato (Gretchen Parlato Music-CD)

Gretchen Parlato

1.Skylark
2.Flor de lis
3.Come to Me
4.Nonvignon
5.Ela e carioca
6.Chega de Saudade
7.Benny's Tune
8.Juju / Footprints

Gretchen Parlato (voice,perc) Aaron Parks (p) Lionel Loueke (g,voice)
Massimo Biolcati (b) Cafe (perc)

Rec-2004



昨日のマーク・ターナーの記事で触れたブログの主であるアーロン・パークスは自身のカルテットで昨年末に来日し、その初日のステージを当方は観ることが出来たのですが、早くもまた来月(2月3日~6日)にグレッチェン・パーラト(グレチェン・パーラート)のグループで再来日するようですね。このグレッチェンのアルバムもボッサ・テイスト溢れる佳作でなかなか良かっただけに観に行きたいなぁと願望が募りますが、なんと彼女のステージの模様が昨年に再放送も含めてNHK-BSで数回放送されていたようで、テレビに疎い当方はそのどちらも見逃し誠に遺憾な事後報告をウェブで確認したのでした。はてさてコレは自分の眼で観ろと云う暗示をかけられているのでしょうか。一応アナウンスではアーロン・パークスを含むピアノ・トリオ+ヴォーカルとして来日するのですが、このアルバムで聴かれるリオーネル・ルエケのギターとヴォイスの無いサウンドはかなりもの足らんような気がする、と勝手な想像をするのですが如何でしょうか。少なくとも根本的に違う印象になるような気もするのですが。かといって興味がそがれるということも無いのですがね。

何とも心地よい内容です。5分前後のコンパクトに纏まった全8曲で今どきのCDとしては短く感じられるかも。グレッチェンの真綿のように軽い風合いのヴォーカルが絶妙で、ルエケの爪弾かれるギターとヴォイスにとてもマッチしており、全体的には明らかにこの二人の世界がこの音楽を支配しているような感じがします。中には実際に二人のデュオという形をとった演奏(6曲目)もありますしね。ジャズ的要素も見せつつ、よりボッサの風格を感じさせる作品になっていると思います。曲目もルエケのオリジナルやアントニオ・カルロス・ジョビン、ブラジリアン・ポップスのジャヴァンやアイスランドの歌姫ビョークまでと多岐にわたっています。そして最後の〆はショーターで。何でもアリと云うことではなく一本筋の通った彼女のカラーがしっかりと表現されており、惹き込まれるものがあります。

久しぶりにヴォーカルもの、しかもボサノヴァを聴いていましたが、このサウンドを吸収していると寒いこの時期でも何故だかヌクヌクと心地よくなるものですね。加味されたパーカッションのポコポコした音によってその効果がさらに高められているような感じもします。若干の気怠さも漂わせたこの雰囲気はホット・コーヒーとともに寛ぐのが当方にとってはベストのようです。あぁ、好い塩梅です。

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  1. 2009/01/11(日) 23:29:59|
  2. Vocal
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#780 In This World/Mark Turner (Warner Bros.-CD)

Mark Turner - In This World

1.Mesa
2.Lennie Groove
3.You Know I Care
4.The Long Road
5.Barcelona
6.In This World
7.Days of Wine and Roses
8.Bo Brussels
9.She Said, She Said

Mark Turner (ts) Brad Mehldau (p→only1,2,3,5,7,el-p→only4,6,9)
Larry Grenadier (b) Brian Blade (ds) Jorge Rossy (add-ds→only8,9)
Kurt Rosenwinkel (g→only6,8,9)

Rec-1998



テナー奏者、マーク・ターナーの約10年前のアルバム。メンバーを確認すると馴染みのメンツ勢揃いだったので買ってみました。基本はワン・ホーン・カルテットになっていて、曲によってホルヘ・ロッシのドラムが加えられたり、カート・ローゼンウィンケルのギターが入ったりしています。そしてブラッド・メルドーがピアノとフェンダー・ローズの両刀使いで彩りを添えています。ヴァラエティ豊かな組み合わせが見られるので聴く前から楽しみでした。マーク・ターナーのリーダー作を聴くのはコレが初めてだったのですが、それまではローゼンウィンケルのグループやメルドーとの共作などで耳にしていたので、そういう意味ではメンバー的にそれほど差異がないアルバムであることから目新しさがあるとは云えないのですが。

一聴してクールな色合いの作品であることが判ります。そして聴き易さとか解り易さと云ったものが簡単にダイレクトに伝わってこない作風はブラッド・メルドーの諸作を彷彿とさせます。ただそれを難解と捉えることはなくて、静かに燃える種火のような、そして不注意に近寄れば火傷をしてしまうようなピリピリとしたシリアスさが感じられます。この静かにキレる芸当が大好きである当方にはこのアルバムは繰り返し聴かされてしまう威力を持っています。何せ一聴しても全貌が見えないので学習しなければなりません。出来は悪いですがジャズのお勉強は大好きなのです。

マーク・ターナーのテナーは滑らかで高音域の伸びが素晴らしいです。ただ明解な楽曲が少ないので耳心地はそれほど爽快な感じを受けません。解り易さと云う意味に於いては定番曲である7曲目が入っていき易いでしょうか。メルドーのローズ・ピアノはアコースティックと変わらず同じ色彩ながらも若干の暖かみを感じさせます。ローゼンウィンケルは3曲しか聴かれませんが、加わった楽曲には浮遊感を加味したような効果が得られています。また2ドラムの効果も判り易く、奥行きの広がったようなサウンドに面白さを見出しています。

マーク・ターナーは昨年末にチェーンソーで指を二本切断したと云う衝撃的なニュースがあったので事実なのか調べてみたのですが、アーロン・パークスのmyspaceの2008年11月5日のブログに出ているのでどうやら本当の様ですね。そのソースから既に2ヶ月以上経っていますが彼の指はどの程度まで回復しているのか、そして今後の演奏活動にどのような影響を与えるのかが心配なところです。

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  1. 2009/01/10(土) 23:39:16|
  2. Tenor Sax
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#779 The Fo'tet Augmented/Ralph Peterson (Criss Cross Jazz-CD)

Palph Peterson - The Fo'tet Augmented

1.Shade of Jade
2.Surrender
3.The Burning Sands
4.Johnny Come Lately
5.Status Flux
6.Beautious B
7.Acceptance
8.The Commute
9.Keep it Simple

Ralph Peterson (ds) Don Byron (cl,b-cl) Bryan Carrott (vib)
Belden Bullock (b) Eguie Castrillo (perc)

Rec-2003



はてさて困ったなぁ、どうしようかと迷っていました。クリスクロスの新譜が2月17日と云うアナウンスで4枚リリースされるのです。今回のラインナップは『Mostly Standards/Dave Kikoski』、『Mirages/Alex Sipiagin Quintet』、『Shared Contemplations/Joe Cohn』、『Night Songs/Jonathan Kreisberg』です。リーダーから見れば、ピアノにトランペット、そしてギターが2枚ということになりますか。個人的にはデヴィッド・キコスキとジョナサン・クライズバーグが楽しみですね。で、このレーベルは毎度のことながら予約しても思いっきり待たされることが多いです。ちなみに前回の新譜3枚は、発売前に予約しているのに予定から2ヶ月以上遅れで手元にバラバラと1枚ずつ別々で届けられました。他にも色々と聴きたいものがある当方にとって多少の遅れは気になりませんが、このレーベルに関しては本当に届くのかどうかと新譜を発注するたびに毎回ヤキモキさせられます。勝手な予想なのですが、過去の実績通り今回もユニオンはガッチリと確保し予定とほぼ相違ない時期にストックすると思うのですがはたしてどうでしょうかね。今回の当方の発注先はアマゾンが良心的な価格であったので4枚とも予約してみました。はてさて期日通りに到着するのか、ほんの少しだけ期待して待ってみようと思います。

で、無理矢理ですが過去のクリスクロスの作品を聴いてみました。ラルフ・ピーターソンのなかなか面白い組み合わせのクインテット。フロントにはクラリネット或いはバスクラを配し、ピアノではなくヴァイヴを起用しベースにドラムにパーカッションと云う、当方にとってはちょっと珍しい編成が興味をそそられます。改めて振り返ればラルフ・ピーターソンはこのようなアプローチで録音された作品が沢山あることに気がつきます。それこそ1980年代後半から何作ものFo'tet名義のアルバムをリリースしており、当方のジャズの中抜け時期から彼は同様のアプローチで仕掛け、世に問うていたことが判りました。基本はヴァイヴが入っていて、フロントにはクラリネットかバスクラ、時にはソプラノやアルト等が鎮座しているようです。何せラルフ・ピーターソンに関しても、OTBの頃とジェリ・アレン等と演った"V"ぐらいしか聴いておらず、最近になってクリスクロスの諸作をあれこれ取り寄せて聴くようになったものですから全く知識のない状態です。そもそもFo'tetって何なのだろうと思って色々探ってみると、どうやら"4 tet=Quartet"であるような感じがします。でもこのアルバムは5人編成。パーカッションがプラス・ワンと云う位置づけになるのでしょうか。確信は無いのであくまでも想像の域を出ませんが。

この編成からして本来なら洒落たもの、または牧歌的なジャズが聴けそうですがそこはラルフ・ピーターソン、リズムの権化となっておりパーカッションが加わったことによってさらにそれが増幅されています。あたり前ながらこれは落ち着いて聴くジャズにはなりません。1曲目からキレキレのリズムを浴びせられてなかなか新しい発見です。クラリネットやバスクラは自分の大好きな楽器で、近頃はそれらをフリー・ジャズから吸収していましたが、久しぶりに艶かしい音色がドン・バイロンによってもたらされました。ブライアン・キャロットのヴァイヴがやはり際立った効果を上げていますね。彼は他のFo'tetのアルバムではヴァイヴ以外にマリンバでも応戦しているようで、是非とも聴いてみたいと思っています。

トータル・サウンドとしてとても面白く興味深く聴けましたが、一般的なフォーマットではないだけになかなか人によっては評価が分かれそうな気もします。ピーターソンはこのセットにかなりの思い入れを持っていたように感じられるのですが、そろそろ新しい作品をリリースしてもよい頃なのではないかと思っています。ただこのアルバム以降音沙汰がない状態で、彼の消息が気になるところではあります。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/09(金) 23:05:20|
  2. Drums
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#778 Body and Soul/Marian Petrescu (Hot Club-CD)

Marian Petrescu - Body and Soul

1.Beautiful Love
2.Corcovado
3.Funk 2000
4.Body and Soul
5.Mr PC
6.Here's That Rainy Day
7.Marylebone Road
8.Lover Man
9.If I Should Loose You
10.Yhere's No Greater Love
11.Indiana

Marian Petrescu (p) Andreas Oberg (g) Mihai Petrescu (b)
Hakon Mjaset Johansen (ds)

Rec-2006



ルーマニア生まれのピアニスト、マリアン・ペトレシュのカルテット。彼の演奏はこのアルバムにも参加しているギタリスト、アンドレアス・エーベルグ(Andreas Oberg)の作品で何度も耳にしてきた。・・・はずなのですが、正直に言います。彼のピアノに対してあんまり印象が無かったのです。エーベルグのリーダー作全4枚の作品中、カルテットでの『Young Jazz Guitarist』(Hot Club)と、大胆にストリングスやオーケストラも導入した『My Favorite Guitars』(Resonance)の2枚にペトレシュは参加していて唯一無二のグループ・パートナーであるはずなのですが、何せエーベルグのギターが呆れるほどの超テクでそちらばかりに耳がいってしまうと云う、当方にとってペトレシュには何とも分の悪いマッチングになってしまっています。モダンなプレイも圧倒的でしかもジプシー・ギターの担い手でもあるエーベルグは、鑑賞値の低い当方の駄耳に猛烈なインパクトを食らわし、もはや演奏の全体像を掴み取れなくなってしまうほどに度肝を抜かれました。さて、上記の2作と同様にエーベルグのギターがフィーチュアされたペトレシュ名義のこのカルテットはどのような感じなのか、ペトレシュが「おのれ、何を聴いていたんだ!」と私の頬を張り倒すのか。

で、見事に張り倒されました。しかも鼻血が出ました。当然のことながらピアノが全面に出てきています。そしてゴリゴリと弾きまくっています。とても力強く繊細さも持ち合わせています。あれぇ、こんなに凄かったっけ?こりゃ前述の作品を聴き直す必要がありそうです。そして猛省をしなければならない様です。まぁ、本来ならあたり前と言った方が良いのでしょうか、エーベルグのお株を奪ったパワフルでエネルギッシュな演奏で、またスピード感に溢れており流暢で雄弁な指捌きです。あまりに良いので唸ってしまいました。叙情派というよりはどちらかと云うと強打使いのテクニシャンです。そう、派手なエンターテイナーのギタリストと同様に。エーベルグのギターもやはり主張してきますが、このアルバムではペトレシュの豪快でゴージャスなピアノの引き立て役に回らざるを得ない状況です。ミハイ・ペトレシュのベースが若干埋もれ気味に聴こえるのが残念ですが、ホーコン・ミョーセット・ヨハンセンのドラムはピリッと効いていてシビれます。

と、ココまで書いて何だか互いのアルバムで単にリーダーを引き立てているだけのような感じもしてきました。どちらの潜在能力もずば抜けたものがあることはこの作品によって承知したのですが、改めて検証し直さなければならないようですね。「何を偉そうに、このイカレ耳が」との声が何処からか聴こえてきて・・・。

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  1. 2009/01/08(木) 23:31:18|
  2. Piano
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#777 Camel Walk/Maria Kannegaard Trio (Jazzland-CD)

Maria Kannegaard - Camel Walk

1.Drifting Down the Nile
2.Haunted
3.A Cup of Coffee and Some Danish Pastries
4.Camel Walk
5.Bits
6.Quite at Rest
7.Hurry, Slowly
8.Sliding Doors
9.Travelling Pass
10.We Interrupt for a Short Commercial

Maria Kannegaard (p) Ole Marten Vagan (double-b) Thomas Stronen (ds,perc)

Rec-2008



女流ピアニスト、マリア・カンネゴールの今のところ一番新しいピアノ・トリオ。一筋縄でいかないピアノが聴かれることはリリースされているレーベルによって判ります。このジャズランドと云うレーベルは当方にはアトミック関連でお馴染みになりました。その前まではいわゆる昔のリヴァーサイドの傍系レーベルと関係でもあるのかと思っていたくらいです。ノルウェーのレ-ベルから作品が発表されていることからも判る通りこのピアニストの地盤はノルウェーなのですが、彼女の出身地はデンマークです。彼女の演出する世界が好きで、テナーのホーコン・コーンスタ(Hakon Konstad)とのカルテットで吹き込まれた『Maryland』(Moserobie)は、ゴツゴツした怪しすぎる展開が最高で愛聴盤になっています。そしてピアノ・トリオと云うシンプルな形式でもやっぱりダークで怪しい手法に変わりはありません。インパクトの強い楽曲には地底へいざなう延々とループされるリフや突如出現する猛烈な美フレーズも潜んでおり、不協和音も大胆に駆使しすんなりと通り過ぎない個性的な音に唸らされます。

最近になってここのところのジャズを聴き始めた当方にとっては対比するサンプルは少ないのですが、同じ女流ピアニストとしては何となくマイラ・メルフォード(Myra Melford)辺りが音楽的な姿勢とともに近いのではないかと連想しています。どちらかと云えばマイラ・メルフォードの方がフリー寄りな感じもしますが、どちらのピアニストも先鋭的で独自な世界を築いていることは注目に値します。が、なかなかジャーナリズムの俎上に挙がらないのはとても残念なことです。

ジャズランドの主宰者であるキーボード奏者、ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)のスタジオになるのか、"Bugge's Room"で録音されたこのアルバムは静と動の緩急が絶妙で、静の部分ではトーマス・ストレーネンのパーカッションがひと際効果を上げており、動の部分ではカンネゴールの強靭なブロック・コードにオーレ・モッテン・ヴォーガンの地鳴りを伴うベースが猛烈に唸り声を上げています。コレに絡むストレーネンの手数の多いドラム&パーカッションがまた美味で美味で堪らない。どうして北欧の連中はこんなにも楽器が巧いのでしょう?

如何せん一般受けするような内容ではないので認知度も上がってこないのですが、ひと味もふた味も違うピアノ・トリオをお探しの方には是非とも賞味して頂きたいCDです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/07(水) 22:57:29|
  2. Piano
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#776 Renewal/David Liebman & Ellery Eskelin (Hatology-CD)

Dave Liebman - Renewal

1.Cha
2.The Decider
3.Out There (Take 2)
4.Renewal
5.Palpable Clock
6.Dimi and the Blue Man
7.IC
8.Free Ballad
9.Out Yhere (Take 1)

David Liebman (ts) Ellery Eskelin (ts) Tony Malino (double-b) Jim Black (ds,perc)

Rec-2007



昨日聴いていたアルバム『Different But the Same』(Hatology)が当方にとってツボに入りまくる悶絶盤であったので当然の如く続編も買ってしまいます。で、改めて悶絶するのです。素晴らしいのですよコレも。

前述の作品から約3年後に録音された本盤も同一のメンバーなのですが、さらにゴリゴリ度が増しているように聴こえるのは気のせいでしょうか。フロントのムンムンしたテナーはもちろん相変わらずで、今作は特にリズム陣のキレ具合が半端なく独特のウネリとタイムを醸し出しており、トニー・マリノはウッドにチョッパーを食らわすような迫力で、ジム・ブラックの暴れ太鼓がワタクシの心の臓を射抜きます。

前作よりもさらに読み難い展開のフレーズを駆使しカオス感を演出しており、リーヴマンとエスケリンのテナーが螺旋状のユニゾンで迫ってきます。どの曲も濃い内容で堪らないのですが、メンバーのオリジナルで固めた中にドルフィーの名曲"Out There"が2テイク収まっていて、モトを知っているだけにそのブチ切れた解釈に釘付けになります。ワイルド且つフリーキーに発する怒濤のテナーが、ビンビンに弾むベースと濃厚なビートを刻みまくるドラムの二人のリズムに触発され、それはもう興奮せずにはおれないというものです。ブッとくて男らしいテナーには妖艶さも備わっており、これを聴いていると首筋が「ゾヮ~」となります。エラリー・エスケリンのことは殆ど知らなかったのですが、なるほど彼の師匠がリーヴマンなのですね。しかも彼は藤井郷子のオーケストラにまで参加したことがあったりと目からウロコの事実を徐々に吸収しています。リーヴマンと同種で密度の濃い音塊が増幅されて注いでくるので破壊力も抜群です。

聴後に心地よい疲労感すら残る圧倒的な演奏に何度も何度もヤラれるためにコレを載せ続ける当方はMなのでしょうか?またアホなことを書いてしまいました・・・。

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  1. 2009/01/06(火) 23:59:22|
  2. Tenor Sax
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#775 Different But the Same/David Liebman & Ellery Eskelin (Hatology-CD)

Dave Liebman - Different But the Same

1.Tie Those Laces
2.Gnid
3.You Call it
4.Different But the Same
5.What is This Thing : Subconscious-Lee, Hot House, What is This Thing Called Love
6.How Do I Know
7.Vonetta
8.The Gun Wars

David Liebman (ts) Ellery Eskelin (ts) Tony Marino (double-b) Jim Black (ds,perc)

Rec-2004



まだ数ヶ月程度しか聴いていないけれど大好きなアルバムです。太い二本のテナーの音色が適度な荒々しさとともに力強く響くなかなかワイルドな作品です。ピアノ・レスの2テナー+リズムと云う変則的なカルテットですが、ゴツゴツとした岩のような肌触りを持ったテナーが、時にスウィートに時にフリーキーに表情を変えながら、厚みのあるテナー・アンサンブルと強靭なリズムが相まった男らしさ満開のアルバムでした。

テナー奏者デイヴ・リーヴマンは70年代初頭からの活躍をもちろん知っていたのですが、当方のジャズの中抜け時期の情報を補完すべく彼のHPで過去の音源をディスコを調べてみました。そしたら多作家と一言では片付けられないくらいのとてつもなく膨大な作品群に絶句してしまいました。サイドを含めて年間10作以上にコンスタントにかかわり精力的な活躍を続けている様は、後追いでフォローして行きたい当方の気持ちを挫くにあまりある一撃を食らわされた感があります。素晴らしいですね。もう一方のエラリー・エスケリンと云うテナー奏者は初めて接するミュージシャンで、調べると80年代半ばから後半にかけて登場したそうなので、当方が把握出来ていない時期から活動を始めた奏者であることが解りました。彼の作品はこのアルバムのレーベルから沢山リリースされていたので気になっていたのです。

解り易いテーマを持った曲が多い反面、怒濤の攻撃に転じる場面も多々あり、この緩急の付いた組み立ては聴く者を引き込まずにはいられません。ある種のベタさ加減と汗臭さが絶妙で、この世界観が好物である当方には悶絶ものの一品となりました。また、最近のジャズを聴き続けてきたことによって最初は名前ぐらいしか知らなかったジム・ブラックと云うドラマーの立ち位置も徐々に見えてきました。このドラミングの濃さは堪らないものがあり、脳内からドーパミンが吹き出て抑えられなくなってしまいます。

近頃はこのハットロジーと云うスイスのレーベルが非常に面白くて、これが首を突っ込まずにはいられない硬派な部分をタップリと持ち合わせており、個人的には魅力的な要素が沢山詰まった作品が散見される、興味深いラインナップによって食指を動かされています。ジャケットの装丁がチープでイカさないですが、統一感のあるデザインと方向性の見え易いポリシーには共感が持てます。意識が向かずにはおれない怪しすぎるレーベルです。

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  1. 2009/01/05(月) 16:50:41|
  2. Tenor Sax
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#774 My Foolish Heart - Live at Montreux/Keith Jarrett (ECM-CD)

Keith Jarrett - My Foolish Heart

Disc 1
1.Four
2.My Foolish Heart
3.Oleo
4.What's New
5.The Song is You
6.Ain't Misbehavin'

Disc 2
1.Honeysuckle Rose
2.You Took Advantage of Me
3.Straight, No Chaser
4.Five Brothers
5.Guess I'll Hang My Tears Out to Dry
6.Green Dolphin Street
7.Only the Lonely

Keith Jarrett (p) Gary Peacock (double-b) Jack DeJohnette (ds)

Rec-2001



今月末にキース・ジャレットのアルバム『Yesterdays』(ECM)が出るようで、詳細を読んでみると過去の東京でのライブだと言う。ということは、一昨年前に出たこのアルバムと同様に過去の音源の発掘と云うパターンになるのですね。奇しくもこのアルバムと同様の2001年のライブ音源であるのでそんなところにも共通点がありました。ラストには何やらサウンドチェック用の演奏まで入っているとのこと。うーん、聴いてみようかどうか思案中でしたが、改めて聴いたこのアルバムがかなり良いのでやっぱり無視出来ないのかな。

そもそもキースの近況を全く知らず、今現在どのような活動をしているのかも判らなかった当方は、取り敢えずウェブで把握出来る範囲で色々と調べてみました。すると2007年にはトリオで来日していたことを知り、CDではソロでのパフォーマンスは比較的新しいライブ音源がリリースされているのですが、トリオでの新録と云う意味に於いては最近ご無沙汰であること、特にスタジオ録音に関しては全てのフォーマットでもかなりご無沙汰になっていること。そして90年代後半の数年は病気で活動を休止していたこと等々、当方がジャズを聴けていなかった時期の消息がおぼろげながら見えてきました。そういう前提で見たこのアルバムは病気のブランクを感じさせない好調なパフォーマンスに聴こえ、ドライヴ感タップリの演奏はその事実を知らなければ疑問にも思わないほどの内容であると感じました。

モントルーでのライブ・アルバムで2枚組の長尺盤ですが飽きさせることのない快調な演奏で、三位一体のパフォーマンスは往年と変わらない水準の高さを示していて納得のいく内容でした。しかもトラディショナル・フレイヴァーを保持したトラック(Disc 1の6曲目とかDisc 2の1曲目や2曲目とか)が多めに含まれていて、自分の好みを刺激する要素もあったりするので嬉しくなってしまいます。いつ聴いても安定感を感じられるプレイにほくそ笑み、致し方ないことながら云々されてしまうマンネリズムという部分を払拭するに余りある好演であると感じております。そんな訳でこのアルバムが発表されて既に一年以上経ちましたが、個人的には手の伸び易い作品になっています。やっぱり上記の盤も購入してしまいそうですね。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/04(日) 23:22:46|
  2. Piano
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#773 Sunny Days/Yoonchan Kwak (EmArcy Korea-CD)

Yoonchan Kwak - Sunny Days

1.Stella by Starlight
2.Autumn Leaves
3.Fish and Cake
4.Sunny Days
5.Ceora
6.I Can't Get Started
7.How Insensitive
8.Blue Shrimp
9.My Funny Valentine

Yoonchan Kwak 곽윤찬 (p) John Clayton (b) Jeff Hamilton (ds)
Clay Jenkinson (tp→only5,8) Jim Hershman (g→only4,7,8)

Rec-2000



韓国のピアニスト、クァク・ユンチャン(곽윤찬)の初リーダー作品。基本はピアノ・トリオですが曲によってギターやトランペットが入り、編成がカルテットになったりクインテットになったりと変化を与えます。ラストの9曲目はピアノ・ソロになります。このファースト・アルバムと自主レーベルでのセカンド『Daisy』(Blue Shrimp)は、後にBlue Note EMI Music Koreaからジャケットを変更し2006年にリイシュー盤が出ているようです。サードアルバムで、ジョン・パティトゥッチのベースにナシート・ウェイツのドラムで吹き込まれた『Noomas』(Blue Note EMI Music Korea)は前号のジャズ批評146号にも取り上げられていました。また2007年録音の近作『Yellowhale』(Blue Note EMI Music Korea)も既に流通していますが、あまり一般的な量販サイトのルートでは扱われていないようで、韓国専門のCDウェブ・ショップでは見かけられます。このアルバムのライナーはハングル表記なので当方には全く読解不能でした。英語でも往生するのに。

しかしながらデビュー作から名うてのミュージシャンと共演していますよね。このアルバムはロスのキャピタル・スタジオで録音されています。彼のオリジナルは3曲(3,4,8)で、それ以外は定番中の定番ナンバーが並んでいます。実に良く弾みスウィングするピアノですが、アプローチは極めてオーソドックスに聴こえます。ですので個人的には目新しさよりも安心感が先にきます。アグレッシヴさよりも丁寧さを感じさせ、プレイは流暢で淀みなくタッチも軽快でジックリと弾き込むタイプのようです。ジョン・クレイトンのベースもジェフ・ハミルトンのドラムもクァク・ユンチャンのピアノを引き立てる役に回り、献身的なプレイであまり前面には出てきません。ギターは7曲目ではボッサ・テイストのアプローチで演奏にアクセントを与え、トランペットは5曲目で朗々とリー・モーガンの名曲を唱います。全体的にはシンプルで明解ながらも曲の活かし方が上手くて、自然と演奏に乗せられてしまう表現力には唸らされるものがあります。まだこの作品とサードの2枚のみしか聴けていないので、これからどのように変貌して行くのか、それともこのスタイルで突き進むのか興味深いものがあります。

音楽はジャズに限らず何でも屋であり、ジャズに関しても枠を設けずに楽しみたい当方にとっては韓国のみならず、どのくらい存在するのか判りませんがアジアの他の国々のミュージシャンにも関心が向くところです。韓国のジャズと云えばカン・テーファンぐらいしか馴染みがなかったのですが、調べてみると意外に沢山のアーティストの名前が引っかかってきます。その中で認識しているアーティストは残念ながらいませんでしたが、自分が知らないだけでしっかりとしたムーヴメントが形成されているようですね。このレーベルである韓国ブルーノートにはギタリストのCJ Kim (Chanjun Kim)(씨제이 김)の『Stranger's Tears』なんてアルバムもあったりしてなかなか面白そうです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/03(土) 23:39:10|
  2. Piano
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#772 For Sentimental Reasons/Bobby Hutcherson (Kind of Blue-CD)

Bobby Hutcherson - For Sentimental Reasons


1.(I Love You) For Sentimental Reasons
2.Ode to Angela
3.Embraceable You
4.Along Came Betty
5.Somewhere
6.Jitterbug Waltz
7.What are You Doing the Rest of Your Life
8.Don't Blame Me
9.Spring is Here
10.I Wish I Knew
11.I'll be Seeing You

Bobby Hutcherson (vib) Renee Rosnes (p) Dwayne Burno (b) Al Foster (ds)

Rec-2006



元日のフリー・ジャズから一転して静かで平穏なお正月に併せてボビー・ハッチャーソンのヴァイヴも堪能しています。60年代あたりのハッチャーソンにはなかなか感じられなかった、ゆとりと包容力の大きさを感じさせるような実に滋味深い作品です。一音一音の響きに慈愛が感じられ、優しい気持ちになれるジャズに仕上がっています。

ハッチャーソンに限ったことではないのですが、当方の場合は50年代60年代と活躍した往年のプレイヤーの作品をそれ以降に継続して聴けていない状況が殆どです。ましてやジャズに中抜けのあるリスナー歴であるので、ハッチャーソンはブルーノート時代のイメージがこびり付いて離れません。というよりもブルーノート時代しか知らず、しかも60年代に限定されてしまっています。ですから作品の遍歴を確認するべく彼のHPのディスコを見て調べてみました。するとリーダー作に関しては活動当初の1960年代半ばから1980年代後半まではコンスタントに録音がありました。大雑把な括りかたですが1977年あたりまではブルーノートに作品を残し、それ以降はコロムビア、タイムレス、マイルストーン、ランドマーク等のレーベルからリリースされていました。やはり時代によってその頃の主流のサウンド作りがなされているようですが、聴けていないため憶測の域を出ません。90年以降はリーダー作もめっきり少なくなっており、今回取り上げたアルバムはリーダー作としては10年弱のブランクがあったようです。しかしながらそんなことは一切感じさせないふっくらとしたハッチャーソンのヴァイヴが堪能出来るアルバムで、このアルバムを聴き始めてから一年ほど経ちましたが味わい深さが日に増して感じられる、暖かいサウンドになっています。

60年代のピリピリした辛口なサウンド作りが堪らなかった当方にとって久しぶりに接した彼のジャズは、当然のことのように深みが増してデビュー時の対極のような表情を見せてくれていて顔も緩んでしまいます。ジャケットの写真のように落ち着いた佇まいのハッチャーソンの創造したジャズは各メンバーにも伝播していて、リニー・ロスネスのピアノもハッチャーソンのヴァイヴを真綿で柔らかく包むように優しいタッチで素晴らしいです。寒い部屋に灯る暖炉のような1曲目からグッと引き込まれていきます。

ジャズに対して余計な線引きをせず、要らぬ先入観を極力排して探求していきたい当方にとっては、ハッチャーソンの変遷をさらに探るべく過去の作品にも接していきたいのですが、毎度のことながら手に入れることの出来る作品は限られてくるようです。同じことの繰り返しなのですが、いつも今になって後悔してしまいます。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/02(金) 23:59:07|
  2. Vibraphone
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#771 Live at Bla/The Thing (Smalltown Superjazzz-CD)

The Thing - Live at Bla

1.Old Eyes - Haunted - Cha Lacy's Out East
2.Aluminum - Awake Nu - Dewey's Circle

-The Thing-

Mats Gustafsson (reeds) Ingebrigt Haker Flaten (double-b) Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2003



明けましておめでとうございます。今年も変わらぬマイペースでタラタラとやっていきます。お付き合い下さる方、本年も宜しくお願い致します。

一発目にはやっぱりフリー・ジャズ。振り返れば昨年の一発目もデイヴ・バレルを耳にお見舞いしたのが幸い(災い?)したのか、突如フリーに開眼しここ最近の作品を中心に色々と試していましたが、この「ザ・シング」と云うグループのメンバーのうちの2人を「アトミック」と云うグループでの新宿ピット・インでのライブで昨年末に生体験し、それはそれは刺激を受けまくって帰ってきました。「アトミック」自体はそれほどフリー色は強くありませんが、彼らの気合いの入ったインプロに度肝を抜かれ、自分の貧弱なライブ体験の中でもこのようなスタイルのジャズを聴くのは初めてのことであったので、強い印象を刷り込まれてそれこそ数日は脳内を駆け巡っていました。アトミックから派生してメンバーがかかわったグループやソロ等を系統立てて聴いてみようと思い、関連作を十数枚購入してみたのですが、これだけ確保してもなお全貌を把握出来ないくらいに枝葉が多様に分かれており、彼らの足跡の輪郭でも辿ってみようと思った思惑すらお手上げになりつつあるのですが、それらが聴かせてくれたサウンドは各々の際立つ特色とともに、ガッツのある火の出るソロが満載の猛烈盤が沢山並んでおりました。

そんな中の一つであるこのグループは、濃厚でハードなフリー・インプロと解り易いテーマも顔を出す、明解さを感じられるような作風が当方にとっては入り込み易いグループでした。ただしそれぞれの作品を聴いていると彼らは年々進化し、さらにハードさが増してきているような感じがしており、それにつけてもこの作品はライブと云うこともありスタジオ録音の作品よりもブッ飛び具合が明確に出ているように思います。彼らのアルバムはこの作品を含めて4枚あるようで、その他はデビュー作の『The Thing』(Crazy Wisdom)と、『Garage』や『Action Jazz』(ともにSmaltown Superjazzz)などがあります。あとケン・ヴァンダーマークと演った『Immediate Sound』(Smalltown Superjazzz)と云うアルバムが他にあります。このライブ盤はエキサイティング且つフリー度も高く、マッツ・グスタフソンのリードは緩急自在に繰り出され、時にはエモーショナルに時には命を削るような魂の咆哮を演出します。それに呼応するインゲブリクト・ホーケル・フラーテンのベースとポール・ニルセン・ラヴのドラムがシリアス且つスリリングで凄いことになっています。ハードなロックのようにコアな世界で聴く側のコブシにも力の入るキレまくりようです。

年始早々に濃厚な音塊を浴びまくり、好い塩梅で聴後に脱力しております。理解度はまだまだですが着実にフリー・インプロが自分の中に沁み込んできていることを実感出来ており、この分野のジャズもさらに探求していくことになりそうです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/01/01(木) 16:41:24|
  2. Combo
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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