イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#896 Live in Berlin/David Murray Black Saint Quartet (Jazzwerkstatt-CD)

David Murray - Live in Berlin

1.Dirty Laundry
2.Banished
3.Sacred Ground
4.Murray's Steps
5.Waltz Again

David Murray (ts,b-cl) Lafayette Gilchrist (p) Jaribu Shahid (double-b)
Hamid Drake (ds)

Rec-2007



米Wikiにあるデヴィッド・マレイのディスコグラフィーで彼の作品がどれくらい出ているのか調べてみたのですが、その数の多さに改めて絶句しています。ソロからデュオ、トリオにカルテットにクインテット、オクテットにビッグバンドとその編成もヴァラエティに富んでいます。しかもワールド・サクソフォン・カルテットまで。例によって70~80年代の一部の作品しか聴けていない当方にとっては、これから追っかけるにはちょっと萎えるタイトル数です。差し当たっては新譜として出てくる作品を中心に聴いていこうと思っていますが、それすら手に入れるのも結構時間がかかって難儀しています。このアルバムも昨年に出たばかりにも拘らず注文してからかなりの期間音沙汰がありませんでした。このアルバムはブラック・セイント・カルテットのベルリンでの実況盤です。

マレイのスタイルからくる土臭さと云うか泥臭さと云うか、そんな部分からなんとなく演歌のような世界を感じ取ってしまうのですが、このライブ・アルバムでもその独特の節回しが大いに発揮されており、彼らしさをタップリと堪能することが出来ます。ライブということもあって、2曲目以外の殆どが15分以上の熱演です。ヨガりまくり、のたうち回るかのようなマレイのそのサウンドは一曲目から全開で、サイドがいたって真っ当なスタイルで演奏するため彼がひと際目立っているような感もあります。演奏している姿がイメージ出来てしまうような特有のパフォーマンスからこのアルバムの幕が開けるのですが、2曲目~3曲目はわりとシットリと聴かせています。2曲目ではバスクラを用いたマレイが聴けるのですが、当方にとってはあまり馴染みがなかったので新鮮でした。続く3曲目はアウトしつつも唱い上げるテナーが爽快感を残してくれます。4曲目はどこかで聴いたことがあるなぁと思っていたらどうやら"Giant Steps"をもじった曲のようで、タイトルからもそれが解るようになっていますね。咆哮するマレイ節が相変わらず炸裂しています。5曲目はタイトル通りワルツなのですが、荘厳に迫りつつもやはり彼の暑苦しさが全編で発揮されていて笑ってしまうのです。

かようにマレイのサックスは一聴して判るワン・アンド・オンリーの魅力がありますが、改めて近年モノの作品を聴いてみてそのスタイルが不変であることを確認しました。今度は大きめの編成で演っているものを聴いてみたいなぁと画策しています。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/31(日) 23:22:16|
  2. Tenor Sax
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#895 Ten/Ellery Eskelin (Hatology-CD)

Ellery Eskelin - Ten

1.If Not Now
2.Tell Me When
3.Anyone's Guess
4.Say it Again
5.Ask to be
6.More Than That
7.Anywhere, Not Here
8.If so
9.Ask Me Why
10.No Illusions
11.I Couldn't Say
12.Take Me

Ellery Eskelin (ts) Andrea Perkins (p,accordion,sampler) Jim Black (ds,perc)
Mark Ribot (el-g) Melvin Gibbs (el-b) Jessica Constable (voice)

Rec-2004



エラリー・エスケリンはデイヴ・リーヴマンとの濃厚なバトルを堪能して以来気にしているテナー奏者です。エスケリンの参加しているアルバムは極力聴いてみたいと云う衝動に駆られて色々と取り寄せて試しています。シッカリとこちらの期待に応えてくれるアルバムももちろんあるのですが、頭の中に「?」が浮かんでしまう作品もしばしばあったりして今ひとつ彼のことを掴みきれていません。このアルバムは一聴して「あぁ、これは俺には時間がかかるなぁ」と思ってしばらく放置していたのですが、ここにきて手に取っては執念深く聴くことを繰り返していました。消化しきれない作品をしつこく耳にオミマイするのはいつものことであるので、当方にとっては何も珍しいことではないのですが。

いや、理由は解っているのです。曲によって現れる女性ヴォーカルがおどろおどろしくてどうも苦手です。ヴォーカルというよりも怪しさを醸すヴォイスと云ったほうが的確な表現でしょうか。こういった感想はこの作品のコンセプトを理解していないイモ耳の持ち主らしい、なんともイタイ意見になってしまうのでしょうか。

ということで、ヴォイスの入らないトラックを中心に集中して聴いてみることにします。んー、やっぱり難しい。解り易くて単純なものを好む当方には、混沌としたサウンドになかなか入り込めず聴き所を掴むのか厄介です。女流ピアニストであるアンドレア・パーキンスがアコーディオンやサンプラーを駆使することは過去に聴いたアルバムで学習済みでしたので突飛な印象は受けないのですが、コンセプチュアルなこの作品の流れのなかではなかなか馴染むことが出来ません。いつもなら爆裂ドラムを期待してしまうジム・ブラックも当然控えめです。マーク・リボーのギターはサウンドを装飾するにとどまり表舞台には出てきてくれません。んー、やっぱり難しい。でもまだまだ聴き倒しますよ。

自分にとってのエスケリンはシンプルな編成でガンガン攻めてくるものがどうやらベストなようです。そういう自分の趣向が明確になったことが収穫になるのでしょうか。そういえばエスケリン・トリオのライブ・アルバム『One Great Night...Live』(Hatology)がリリースされたようですね。聴いてみなくては。

ところでジャケットの見返しに、タイトルの"Ten"のほかに"EEwAP&JB+3(10)"と云う暗号のような文字の羅列が。しばし考え"Ellery Eskelin with Andrea Parkins & Jim Black plus Three (Ten)"であることを理解しました。すぐ気づけって?オッサンになると頭の回転が悪くなるんですよ。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/29(金) 02:45:22|
  2. Tenor Sax
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#894 Blessed Ones/Orrin Evans Trio (Criss Cross Jazz-CD)

Orrin Evans - Blessed Ones

1.Autumn Leaves
2.Two Faces of Nasheet
3.Anysha I
4.Some Other Blues
5.Blessed Ones the Eternal Truth
6.The Inchworm
7.Bright Size Life
8.I Will Wait for You
9.Anysha II

Orrin Evans (p) Eric Revis (b) Nasheet Waits (ds→except4,6)
Edgar Bateman (ds→only4,6)

Rec-2001



連日のサイクル・ロード・レース中継(現在はジロ・デ・イタリア)の観戦によって、ブログの更新頻度が著しく落ちていますが、ジャズへの興味に対するポテンシャルは当然の如く持続しています。相変わらず毎晩ジャズを楽しんでおり、関心が弛むことなく探求もしております。本日もゲイリー・バートンとパット・メセニーの先日届いた新譜であるカルテット・ライブを堪能中で、CDの売り上げ不振と云うニュースとは無縁のアホみたいな買いっぷりも健在です。日々の生活に汲々とするかのような浪費は相変わらず自分の首を絞めています。と弁明し、無沙汰をお詫びしつつ本題です。

いつまで経っても耳が発達しない残念な人間ですが、オリン・エヴァンスのピアノを聴いていると「理知的」と云うイメージがなんとなく漠然と浮かんできます。いわゆるパッと聴きだとなかなか浸透してきませんが、繰り返し吟味してみると新たな発見が次々と訪れるというか。これは結構前にリリースされている作品ですが、今さらながらこのアルバムの聴き所を探りつつ徐々に輪郭を捉えようと試みている最中です。そもそも自分にとって一聴してすぐ電撃的にハマるアルバムはそれほど多くないので、作品を聴いていく上に於いては必然的なパターンであり、殆どの作品で体験しなければならない過程にもなるのですが。オリン・エヴァンスのピアノに関しては特にその度合いが強いかもしれません。

コルトレーンやパット・メセニー、ミシェル・ルグランの曲など他作で固めた9曲が収録されています。定番中の定番である1曲目などは、通常はメロディがすぐに浮かんできて曲をなぞっていきたくなるものですが、あまりの独特の展開に目を見開いてしまいます。序盤は原型を見出すことも困難ですが、聴き慣れたメロディが不意に現れ消えていくようなそんなアレンジ。そのクールで大胆な解釈にジャズの醍醐味を改めて認識し、端々から滲み出るカッコ良さが堪りません。己の確固たるスタイルを誇示するかのような自信に溢れた演奏ですね。もちろん聴きにくいと云う意味は全くなくて全体的に見ればオーソドックスに展開する曲も多いので、彼の懐の深さも実感出来る作品になっていると思います。ただし、その計算し尽くされた妙味を楽しむにはイカレ耳には幾度も注入する必要性が生じるという訳です。

オリン・エヴァンスの存在感のあるピアノにも負けることなく、エリック・レヴィスのベースも太くて重いリズムを刻んでいきます。ナシート・ウェイツはフリーなどのシーンでも活躍するドラマーですが、ここでの堅実なプレイも申し分なく、時に攻めにも転じており相変わらずパワフルなドラムを堪能することが出来ますね。ピリッと引き締まった空気感が感じられる、どちらかと云えば辛口寄りの旨口ピアノ・トリオでした。

ところで5月19日リリースでアナウンスされているクリスクロスの新譜の4枚はいつ頃到着するのでしょうかねぇ。マーカス・ストリックランドの作品が気になってしょうがない。双子の兄弟のE.J.も初リーダー作を発表したばかりですし、併せて早く楽しみたいところなのですが。

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  1. 2009/05/26(火) 18:24:09|
  2. Piano
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#893 Contemporary Jazz/Branford Marsalis (Columbia-CD)

Branford Marsalis - Contemporary Jazz

1.In the Crease
2.Requiem
3.Elysium
4.Cheek to Cheek
5.Tain Mutiny
6.Ayanna
7.Countronious Rex

Branford Marsalis (saxes) Joey Calderazzo (p) Eric Revis (b) Jeff "Tain" Watts (ds)

Rec-1999



ブランフォード・マルサリスの近作『Metamorphosen』(Marsalis Music)がなかなか骨っぽくてタフなジャズを展開しており、こういった血のたぎるサウンドが大好物である小生はこの盤を新譜で購入してから頻繁に聴くようになっていました。そもそもジャズの新譜を聴き始めたのが自分がブログを書くようになって以降ということもあり、自分の持つブランフォードのサウンドをイメージすれば、例によって彼のデビュー時の作品やスティングのバックでの演奏など、もはや古い音源の部類のものしかイメージ出来ない状態です。Amazonで旧譜を調べてみるとブランフォードやウィントン、ミシェル・カミロやE.S.T.などの"Sony Music / Columbia"音源の作品が破格値で売られていたので思わず沢山のタイトルを購入してしまいました。この作品も新品なのに800円ほどでヘタな中古よりも安価なのにはビックリしました。購入に勢いがついてしまうのが困りものですが、沢山聴きたい人間にとっては大変有難いことですな。

ブランフォードの旧譜として、今回このアルバムと『Requiem』(Columbia)の二枚を引っ張ってみました。購入後に色々と調べてみたら『Requiem』はピアノのケニー・カークランドが急逝する直前に録音された作品だったんですね。なるほどタイトルでそのことを実感させられてしまいます。今日取り上げたこのアルバムが、ケニー亡き後に新たにスタートしたカルテットと云う位置づけであることを取り寄せてみたあとに知った次第です。毎度のことながら後手後手で知識が蓄積されると云う、相変わらずの情報力のなさを露呈しています。

ケニー・カークランドに替わってピアノを務めたのがジョーイ・カルデラッツォ。以来直近のアルバム『Metamorphosen』までメンバーが一緒で早10年。彼のHPにも"Celebrating 10 Years"の文字が。個人的に10年という空間の比較が楽しみでした(大いに中抜けだけど)が、このアルバムも同様にかなりアグレッシヴですね。スリリングな展開の曲が満載で、特に3曲目などはゴッツイですねぇ。浮き上がって見えた4曲目などもパワーで迫る演奏に笑いがこみ上げてきます。ブランフォードの泉のように湧き出る雄弁なフレーズが演奏を変幻自在に操り、カルデラッツォのピアノのきりもみフレーズが炸裂しています。エリック・レヴィスのベースが霞むぐらいにジェフ・ワッツがブッ叩いていて、昔も今もこの人のゴツさは変わらないことを再認識しました。ワッツ自身の新作『Watts』(Dark Key Music)でも、スネアの皮をブチ破るんではないかという勢いで暴れていたので、ある程度の爆発の想像はしていましたがまさに期待通りと云ったところでした。

ブランフォードのコレより以前の作品に目を転じてみれば、ピアノ・レス・トリオを演っていたり、大編成のヴォーカルものやオヤジさんとのデュオなど様々なアプローチで自己表現していたようですね。賞レースに絡んだ作品も沢山あるようですが殆どを聴けていない状態です。好みの分かれそうなラインナップにも感じましたが、折りを見て試してみようと思っています。既に多くの作品が廃盤であることがイタイですが。

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  1. 2009/05/23(土) 21:39:41|
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#892 Morning Prayer/Chico Freeman (Whynot-CD)

Chico Freeman - Morning Prayer

1.Like the Kind of Peace it is
2.The in Between
3.Conversations
4.Morning Prayer
5.Pepe's Samba
6.Pepe's Samba (Long Version)

Chico freeman (ts,ss,fl,pan-pipe,perc) Henry Threadgill (as,bs,fl,perc)
Muhal Richard Abrams (p) Cecil McBee (b,cello) Steve McCall (perc)
Ben Montgomery (ds,perc) Douglas Ewart (b-fl,bamboo-fl,perc)

Rec-1978



Whynotのアルバムで取り寄せたもう一枚はチコ・フリーマンのこのアルバムですが、先日取り上げたエアーのメンバーであるヘンリー・スレッギルとスティーヴ・マッコールもこの作品に参加しているんですね。ということは自ずと音を空想してしまうのですが、実際に聴いてみるとバリバリとアグレッシヴに吹きまくっており、ほのかにスピリチュアルな側面も含まれているように聴こえました。とは云え難解さを伴うような内容でもなく、どちらかと云えばわかりやすく聴き易い作品であるので自分のような考えがちな人間でも自然に楽しむことが出来ました。例によってWhynotのレコード発売時のジャケ写を下に掲載しておきます。

Chico Freeman - Morning Prayer (Vinyl)

が、チコのHPを見てみるとこのアルバムには"India Navigation"というレーベル名が表記されていました。プロデューサーは悠雅彦氏であるのでWhynotのリリースかと思っていましたが、このあたりはどういうことになるのでしょうかね。昨日の「エアー」のアルバムも"India Navigation"のカタログに載っているのですが、両者の関係性が当方にはまーったくわかりません。下掲のものは"India Navigation"のジャケットです。

Chico Freeman - Morning Prayer (India Navigation)

チコ・フリーマンとスレッギルの濃厚なバトルが活きていて当方の姿勢も自然に前傾になってきます。全体的にドラムを含めてパーカッションがとても効いているので印象的なサウンドに仕上がっていますね。黒さの滲み出てくるムンムンとした暑苦しさに嵌ってしまいます。4曲目のタイトル曲などはそのものズバリの雰囲気で空気が張りつめており、ダグラス・エワートのフルートがパーカッションとともに怪しさを伴って響いてきます。また、ココでのベースを聴いているとセシル・マクビーの良さをやはり実感せずにはいられません。

チコと云えば個人的にはチコ・ハミルトンばかりしか聴けていませんでしたが、チコ・フリーマンはシカゴ・テナーの重鎮ヴォン・フリーマンの息子さんなのだそうですね。親子での共演も多数あるようで、『Lord Riff and Me』(Whynot)なんてアルバムもこのレーベルにはあることを発見したりして、またまた興味の幅が広がっています。彼は多作家らしくドン・プーレンとも演っていたそうなので新たに聴いてみたいものが沢山出てきました。本当にこの時期のジャズの知識は浅く、個人的に滅法弱い年代です。

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  1. 2009/05/20(水) 21:52:10|
  2. Tenor Sax
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#891 Air Song/Air (Whynot-CD)

Air- Air Song

1.Untitled Song
2.Great Body of the Riddle or Where were the Dodge Boys When My Clay Started to Slide
3.Dance of the Beast
4.Air Song

-Air-

Henry Threadgill (ts→only1,bs→only2,as→only3,saxes,fl→only4)
Fred Hopkins (b) Steve McCall (ds)

Rec-1975



悠雅彦氏の"Whynot Records"の作品が、ロンドンの"Candid Productions Ltd."というところから今年になって4枚リイシューされていて、このなかに探していたこのアルバムがあったので喜んで取り寄せてみました。今回の再発にはエアーの他にはジョージ・ケイブルス、ウォルト・ディッカーソン、チコ・フリーマンという3作がラインナップされており、チコ・フリーマンも引っ張ってみたのですがどちらも男臭いムンムンとした硬派なジャズで大変満足しています。ちなみにこのアルバムのLPは下掲のようなデザインだったんですね。コレ、過去に何度も中古屋で遭遇しているなぁと今さらながら気がつきました。でも同様のジャケット・デザインでの作品が6枚もあるそうなのでどれかはよく判らないのですが。趣向の幅が広がった今では当然食指が動きまくるのですが、当時はこのグループのことすらなんにも知らなかったので手にはとれなかったというのが本音です。この二枚を体験した現在、Whynotレーベルの他の作品にも俄然興味が湧いてきましたが、何枚ほどの作品が生み出されているのかイマイチよくわかりませんでした。私設のディスコグラフィーは見つけることが出来たのですがどうやらコンプリートではないようですし、ここにある16枚以外にもケニー・バロンの「いもはうす」でのライブ盤とか、色々あるようなので全貌を知りたいものです。

Air - Air Song (Vinyl)

ヘンリー・スレッギルに興味を抱いて以来エアーと云うグループは避けては通れないものになったのですが、如何せんスレッギルの作品の殆どが廃盤であったため追っかけるのにも時間がかかります。今回このファーストが復刻され、以前から手に入れることの出来た1977年のサード・アルバム『Air Time』(Nessa)の2枚、他には個人名義の『Song Out of My Trees』(Black Saint)を聴くことが出来ています。まだまだライヴ・アルバムとか"New Air"と名を変えてリリースしたものとか、近年のものは全く違うグループ名義の作品であったりして、当方にとっては未知な部分がまだまだ多い状態です。早いところセカンド『Air Raid』(Whynot)も復刻してくれないかなぁと期待しています。

エアーでのルーツとなるこの作品は、スレッギルの特筆すべきキャラクターが溢れ出た濃厚さがなんとも魅力的ですね。一番最初に聴いた『Song Out of My Trees』(Black Saint)がかなりコンセプチュアルな内容であったので、今ひとつ彼の本質が掴めない状態で悶々としていました。対するエアーでは吹きまくるスレッギルのタフガイさがタップリと捉えられており最高です。テナー、バリトン、アルト、フルートと曲ごとに楽器を持ち替え野太く逞しいサウンドで迫ってきます。彼にはアルトのイメージが個人的には付いていましたがそれ以外もかなりいいですね。テナーなんかも艶っぽくて入り込みます。聴いていてよくわかったのがベースとドラムスとの相乗効果が何とも云えずゾクゾクし、ネットリと黒いリズムに相見えるサックスにヤラれます。フレッド・ホプキンスとスティーヴ・マッコールは既に故人なのが残念なところですが、体験済みの2枚で聴けていない作品への期待がさらに高まりました。

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  1. 2009/05/18(月) 23:58:45|
  2. Combo
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#890 Red Hail/Tigran Hamasyan Aratta Rebirth (Plus Loin Music-CD)

Tigran Hamasyan - Red Hail

1.Shogher Jan
2.Red Hail
3.The Glass-Hearted Queen
4.Love Song
5.Falling
6.Sibylla
7.Corrupt
8.Part 1 : Serpentine
9.Part 2 : Moneypulated
10.Chinar Es
11.The Awakening of Mher
12.Amran Gisher

-Aratta Rebirth-

Tigran Hamasyan (p,el-p,key,syn) Ben Wendel (ss,ts,bassoon,melodica)
Sam Minale (b,el-b) Nate Wood (ds) Areni Agbabian (voice)
Charles Altura (g→only3,7,11)

Rec-2008



そもそもこのアルバムは2月中旬発売のアナウンスであったのですが、やはりと云うか極東の地に届いたのは4月の中頃でした。"Aratta Rebirth"のMySpaceで、年初の1月下旬頃からこのアルバムのなかの4曲(2,7,11,12)が既に試聴出来ていたのですが、轟音ギター(3曲のみですが)とともにかなりド派手なアプローチで迫ってきたことからいきなり度肝を抜かれていました。ここではジャズというジャンルにとどまらない新たなステップを感じさせる方向性を示しており、早くこのイカレ耳で全貌を確認したかったこともあってこの作品の発売を心待ちにしていました。彼の過去2作品の作風を踏襲しつつも、女性ヴォーカル(ヴォイス)の大胆な導入とエレクトリック・テイストを効果的に活かした手法には、ティグラン・ハマシアンというミュージシャンの柔軟性が如何なく発揮されていて、その発想の豊かさに感嘆することしきりです。現在の若手が創造するジャズには驚きと大胆さが兼ね備えられていることが侭あって嬉しくなるのですが、彼に限らず今後ともジャンルの垣根を越えたアプローチで生み出されていく作品は増えていきそうですね。そういうものも好みの当方はオッサンの割には保守的とは言い難いタイプの人間のようですな。

ハマシアンの3作目はグループ名義でのリリースですが、コレが一過性のものなのか否かは当方の貧弱な情報力では確認出来ません。個人的には過去の路線も含めて新たなユニットの一つとして継続していって欲しいなぁとは思っています。今作もアルメニアと云う彼のルーツを感じられる曲が沢山並んでいて、そのなかの3曲(1,10,12)はアルメニアのフォークソングであり、それ以外はハマシアンのオリジナルとなるようです。

最初は強烈なインパクトを伴って響いてきて衝撃を受けましたが、何度も聴いていると言うほどの奇抜さはないなぁとも思えてきます。彼のピアノの巧さは相変わらずで、楽曲が醸すその特有の雰囲気は当方の琴線を揺さぶります。ベン・ウェンデルのリードは時に呪術的にも響き、ハマシアンとの相乗効果でぐいぐいと引っぱり込まれてしまいます。リズムの重厚さはジャズのそれを超越し、ハードなギターがまみえればさしずめプログレのようです。全編で絡み付く女性ヴォーカルは妖艶で、作品のカラーを決定づけさせる威力に満ちています。似ている訳では全く無いものの、シスター・オブ・マーシーのアルバムに参加していたオフラ・ハザあたりが漠然と浮かんできたところが駄耳ならではというところでしょうか。

20~30年前のシーンから鑑みれば想像することも出来たかった国々のミュージシャンが、雨後の筍のように刺激的な作品を生み出してくれるので、単純なオッサンはそれに小躍りして手を出し続けてしまいます。当然のことながら御足も飛ぶように消えていって悲鳴をあげる毎日です。

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  1. 2009/05/17(日) 01:47:38|
  2. Piano
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#889 Usaquen/Inaki Sandoval Trio (Ayva Music-CD)

Inaki Sandoval - Usaquen

1.Kaizen
2.The Jewel
3.Hotel Existence
4.Don't Forget to Smell the Roses
5.Torcacita
6.Cabure
7.Alejo's Pub
8.Usaquen
9.Copla Para Alberto
10.El Detective Fumero
11.Peewy
12.Invencion a 3 Voces
13.Luna Llena
14.Usaquen - Piano Solo

Inaki Sandoval (p) Horacio Fumero (b) David Xirgu (ds)

Rec-2008



瑞々しく新鮮な果物を切ると果汁が滴りますが、このアルバムの1曲目のピアノの切り口などは天然のジュースが溢れ出すかのようなそんな雰囲気。かといって耽美に終始するような演奏でもなく、前作ではどちらかと云えば影を潜めていたアグレッシヴに迫る場面もかなりあってなかなかのせられる内容でした。デビュー作『Sausolito』(Ayva Music)も素晴らしいクォリティで大変満足のいく内容でしたが、最近の自分の趣向のベクトルが正反対に向いているためにリリース時に取り寄せるかどうか悩んでいました。結局は聴きたくなったときに既に手に入らないパターンの恐怖に負けて購入したのですが、新たな発見などもあって聴いてみてよかったと胸を撫で下ろしています。

スペインのピアニスト、イニャキ・サンドヴァルのセカンド。全てが3人のオリジナルで占められており、2曲(5,6)がベーシストのオラシオ・フメロの曲で、1曲(12)が3人の共作になります。それ以外の全てはサンドヴァルのペンに依るものです。そして5分前後の様々なニュアンスで彩られた14曲が収録されており、70分近くあるフルにパッケージされた作品です。前作からはドラマーのみが変更されていますね。

思わず目を閉じて聴き入ってしまう元来の美しい旋律を持つ曲もシッカリと収められており、その土地を感じられるような香り高いメロディは相変わらずです。自分が描いている彼のイメージは保たれていますが、どちらかと云えば動きのあるトラックというか攻めに転じるピアノを実感出来る曲が前作よりも聴くことが出来たことは前述の通り収穫でした。統一感という意味においては明らかにヴァラエティに富んだ印象を受けるので希薄になったかと思いますが、自分の趣向に対しては彼のほうからかなり近寄ってきてくれた感があって嬉しいものがあります。それにしても3曲目や8曲目の印象的なメロディは堪らんですなぁ。タップリと哀愁を含んだ旋律を持った曲が書けるのは、彼のスペインの血も大いに関係がありそうですね。そして7曲目や10曲目のようなアップテンポの曲は自分の印象を新たにしてくれるキッカケになりました。

彼自身が持っている特徴を生かしつつもさらなる側面をみせてくれたことに、今後の活動も気になるであろうピアニストとなりました。それにしてもジャズに自身の出自を反映させていくミュージシャンに、自分が専ら弱いことを改めて実感させられてしまいました。

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  1. 2009/05/15(金) 22:33:40|
  2. Piano
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#888 The Wizard/Aaron Parks Quintet (Keynote Records-CD)

Aaron Parks - The Wizard


1.Greasy Little Cookies
2.The Enchantress
3.Child's Eyes
4.Haunt
5.Planting Flowers
6.Winter Poem
7.The Wizard

1,7

Aaron Parks (p) Jay Thomas (tp) Tim Green (as) Jeff Johnson (b)
Obed Calvaire (ds)

2

Aaron Parks (p) Jay Thomas (ts) Tim Green (as) Jeff Johnson (b)
Obed Calvaire (ds)

3,6

Aaron Parks (p) Josh Ginsburg (b) Obed Calvaire (ds)

4

Aaron Parks (p) Jay Thomas (ss) Tim Green (as) Jeff Johnson (b)
Obed Calvaire (ds)

5

Aaron Parks (p) Jay Thomas (fl-h) Jeff Johnson (b) Obed Calvaire (ds)

Rec-2001



今でこそ確固たる自身のカラーが出てきたアーロン・パークスですが、当初はオーソドックスなアプローチでジャズを演っており、Keynote Recordsからリリースされている4枚のアルバムを続けて聴いてみると徐々にオリジナリティを発揮していく変遷が垣間見られます。このアルバムはその4枚のリーダー作のうちの3番目のアルバムになります。デビュー作である1999年の『The Promise』と、続く2000年の『First Romance』では端正なピアノで好感の持てる作品を残していますが、アーロンの16~17歳での作品であるので個人的には若々しさと云うかフレッシュさがもっと出てもいいのではないかと思っていました。ちょっと無難にまとまり過ぎているようなそんな感覚。彼の師事したのがマーク・シールズやケニー・バロンでその色彩が作品に反映されているところもなるほどなぁと思ってもみたり。いや、基本的に好きなんですけれどね。最初の2枚と4枚目はそれぞれピアノ・トリオでの演奏でしたが、3枚目のこの作品は2曲のトリオを含め、カルテットが1曲、クインテットが4曲と多様なアプローチでまとめられています。そういう意味ではこの時期の4枚のなかでは変化のある作品と言ってもいいかな。

演奏されている7曲は全てアーロン・パークスのオリジナルであり、録音時18歳でありながらもそのクォリティの高さは特筆すべきで、この当時から末恐ろしさを彷彿とさせており自身の才能の片鱗をみせています。管入りではブルージーなものやボッサなど編成のみならず収録曲にも変化を付けていて、アグレッシヴに迫るモーダルな4曲目などアーロンの持つさまざまな側面を魅せてくれます。ラストの7曲目などはダンディズムをも感じさせるカッコいいナンバーですね。トリオは期待に違わぬ瑞々しいピアノが小気味よく飛び跳ねていて、さらにもう一歩新たなステージに突入したアーロンの潜在能力の豊かさを証明しています。ジェイ・トーマスがトランペット(フリューゲル・ホーン含む)の他にテナーやソプラノでも好演していて、ティム・グリーンのアルトもエモーショナルに花を添えていますね。ジャケ内のスナップを眺めてみればアーロンより年長の布陣がサイドを固めていることを窺い知れるのですが、それを感じさせない落ち着きを既に有しているところが凄いなぁと感じさせられます。それ故に前述したような感想が出てきてしまったりします。

この4枚のアルバムから最新作の『Invisible Cinema』(Blue Note)までリーダー作としては約6年のブランクがありましたが、その間は様々なアーティスト(テレンス・ブランチャード、マット・ペンマン、マイク・モレノ、ケンドリック・スコット、ウォルター・スミス、阿部大輔、等々)のアルバムにサイドで参加しているのですが、徐々にオリジナリティが発揮されてきておりその活躍は目を見張るものがあります。グレッチェン・パーラトなどのヴォーカリストの作品でも、歌伴もうまいと云うところをしっかりと証明していますしね。将来おとなしくまとまることを感じさせない大器を感じさせるピアニストです。

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  1. 2009/05/14(木) 18:09:05|
  2. Piano
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#887 The Complete Machine Gun Sessions/The Peter Brotzmann Octet (FMP-CD)

Peter Brotzmann - The Complete Machine Gun Sessions

-The Origial BRO LP-
1.Machine Gun
2.Responsible / For Jan Van de Ven
3.Music for Han Bennink

-Alternate Takes-
4.Machine Gun (Second Take)
5.Responsible /For Jan Van de Ven (First Take)

-Machine Gun Live-
6.Machine Gun

Peter Brotzmann (ts,bs) Willem Breuker (ts,b-cl) Evan Parker (ts)
Gerd Dudek (ts→only6) Fred Van Hove (p) Peter Kowald (b)
Buschi Niebergall (b) Han Bennink (ds) Sven-Ake Johansson (ds)

Rec-1968



最初コレを聴いた時に思わず吹き出してしまった。なんじゃコレは、と。コレはカオスの塊だなぁと漠然と思いました。タイトルからイメージされるそのものズバリの音塊が飛び出してきて仰け反ります。そもそもドン・チェリーが「マシンガンのようだ」と言ったのが由来なんだそうな。この頃の大編成のフリー・ジャズと云えばコルトレーンの「アセンション」がスポットを浴びそうですが、個人的にはコルトレーンが霞むくらいの衝撃です。そしていつものようにヘラヘラと笑ってしまうのです。無力のときにこうなってしまいます。笑うしかないと云うヤツです。

何がコンプリートなのかもわからずに引っ張ってみましたが、どうやら頭3曲がオリジナルな部分であるようです。それに別テイク2曲とライブをパッケージし、合計6曲にしたということのようですね。それにしてもヨーロッパ・フリー・ジャズ界の巨人が勢揃いしていますねぇ。ブロッツマンにエヴァン・パーカー、ウィレム・ブロイカーにゲルド・デュデク(ライブのみ)にフレッド・ヴァン・ホーフ、ペーター・コワルドにハン・ベニンク、そしてスヴェン・オキ・ヨハンソン等々。絶句モノのメンツですな。

当方の貧弱な英文解釈ではこのアルバムはBROと云うレーベルが1968年当時に限定でリリースしたものがオリジナルで、そのジャケットは下記に掲載したものであるようです。(確かオリジはペラジャケだったような・・・。)

Peter Brotzmann - The Complete Machine Gun Sessions (Inner)

そしてジャケットの絵はブロッツマンの手によりシルク・スクリーンで描かれたもので、4年後の1972年にFMPが改めてリイシューしたとのことでよいのでしょうかね。かなり怪しいモンですが。

コレ以上の音圧を経験したことが無いと断言したくなるほどの強烈なインパクトです。ノイズと表現してしまうのはあまりに短絡的な発想かもしれませんが、音の洪水も度が過ぎるとノイズになってしまいます。ただしこの破壊的なサウンドを浴び続けていると、意外と協調的なところも垣間見えたりしてどんどん惹き込まれていき、かなりスリリングなジャズであることが解ります。コアな部分に触れようとしてさらに首を突っ込みたくなるような麻薬的な要素もあります。昔の自分にはなかなかクリア出来なかった音楽でしょうが、今の自分にとっては容赦ないこのテンションとキレ具合には度肝を抜かれつつも嵌り込んでしまう威力があります。「もっと探求せよ!」と煽られるかのような強迫観念まで植え付けられてしまう悶絶盤です。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/10(日) 03:25:35|
  2. Tenor Sax
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#886 New Blues/Third World Love (Anzic-CD)

Third World Love - New Blues

1.Joy of Life (Intro)
2.Joy of Life
3.Homeland
4.Little Echo
5.La Camerona
6.Gigi et Amelie
7.Nature's Dance
8.Hamina
9.Beauty of Death
10.New Blues (Aint No Thing...)
11.So

-Third World Love-

Avishai Cohen (tp,fl-h) Yanatan Avishai (p) Omer Avital (b) Daniel Freedman (ds)

Rec-2007



サード・ワールド・ラヴは今まで4枚のアルバムをリリースしており、今のところ一番新しいのがこの作品です。彼らの演奏はイスラエルが出自の他のミュージシャンと同様に、その土地のニオイを感じさせる要素が多分に含まれており、聴いているだけでその世界観が現れてきます。今やその名も認知されつつある名うてのメンバーが揃ったカルテットで、奏される楽曲の殆どがメンバーのオリジナルであり、トランペットのアヴィシャイ・コーエンが3曲(6,7,10)、ピアニストのヨナタン・アヴィシャイが1曲(9)、ベーシストのオマー・アヴィタルが4曲(1,2,3,8)、ドラマーのダニエル・フリードマンが2曲(4,5)という配置です。ラストの11曲目にエリントンのナンバーを据えてあるのですが、彼らのカラーに染まっているのが面白いところです。

あくまでも個人的な見解ですが、テクニカルで派手なパフォーマンスで聴かせるグループではなく、上記で言及した通りで楽曲の持つ香しいテイストを満喫させてくれることに重きが置かれたグループに感じます。もちろん凡庸で退屈な演奏という意味合いで言っている訳ではなくて、必要以上に脚色するようなプレイではなくシンプル且つ明確に、また絶妙な緩急をつけながらその意図するところを伝えてきます。それによってそこここに立ち上る香気がストレートに感じられて堪らんのですよ。難しいことを考えることなく自然体で接してこそ沁み入り具合が増大しそうな音楽です。ですからシリアスに展開するジャズが好みの向きには手が伸びにくい作品であるかもしれませんね。

余談ですが、イスラエルのジャズと云えばダニエル・ザミールの新譜『One』(Acum)がリリースされているようなのでダイジェストを聴いてみました。『Amen』(Acum)は良質なジューイッシュ・ジャズで、ソソられるメンツとともに強烈なインパクトを持って受け止めましたが、『One』に関しては軸足がジャズと云うよりも、より自身のルーツに置かれているようですね。そもそもジャズに限定して活動しているアーティストでもないのですが、やはりかの地のアーティストは色濃く刷り込まれた己のカラーを、より主張していく傾向があるようです。このあたりは好みが分かれるところでしょうね。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/09(土) 21:40:31|
  2. Combo
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#885 Return of the Lineup/One for All (Sharp Nine-CD)

One for All - Return of the Lineup

1.Jackpipe
2.But Not for Me
3.Silver and Cedar
4.Treatise for Reedus
5.Dear Ruth
6.Forty-Four
7.Road to Marostica
8.Blues for JW

-One for All-

Eric Alexander (ts) Jim Rotondi (tp,fl-h) Steve Davis (tb)
David Hazeltine (p) John Webber (b) Joe Farnsworth (ds)

Rec-2008



久しぶりに、これぞ王道のジャズと云った趣のグループを聴いている。リリースされたばかりのアルバムで、この際良い機会なので聴いてみようと思い立って注文してみました。このようなキッカケですので彼らのアルバムを聴くのは今回が初めてなのですが、「ワン・フォー・オール」というグループのことは存在を知っていたし、かなりの多作家であり10年以上のキャリアを有していることも前もって知っていました。現在までにこのレーベルであるシャープ・ナイン(4枚)やクリス・クロス(5枚)、日本のヴィーナス・レコード(4枚)などに作品を発表しています。ざっと眺めてみたところ発足当初から三管セクステットであることに変動はなく、ベーシストのメンバー・チェンジ(ピーター・ワシントン、レイ・ドラモンド、デヴィッド・ウィリアムス、ジョン・ウェバー)が幾度かあったようですね。各々のミュージシャンは既に馴染みがあるので、聴く前から出てくる音の予想は出来ていましたが、奇を衒うことのない演奏は清々しく潔さも感じさせてくれて、思いのほか没入している自分がいます。なかなか気持ちの良いグループですな。

ゆったりと懐が深く、太い音色でテナーを鳴らすエリック・アレキサンダーはいつも通りの存在感ですね。それに絡むジム・ロトンディのペットが煌びやかで爽快感があり、味わい深いミュートもわずかに披露しています。スティーヴ・デイヴィスのトロンボーンはフックラとした艶のいい音で、これら三者のホーンが絡むサマはなかなか雄大です。デヴィッド・ヘイゼルタインのよくスウィングするピアノも健在で、オーソドックスなアプローチでの安定感は抜群ですね。ベースのジョン・ウェバーにドラムのジョー・ファーンズワースの両名もカッチリとサポートしていて、小気味よく刻まれるリズムに自然に体を揺すらされてしまいます。

どちらかと云えば保守的なスタイルの集合体とのイメージがあるので、画一化された紋切り型のサウンドを当方は想像していたのですが、ことのほか動きのあるトラックが自分にとっては印象的に響いてきて唸らされています。過去のアルバムを試していくことによって自分の主観がどう変化していくのか、また全く変わらないのかが興味のあるところです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/07(木) 23:11:17|
  2. Combo
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#884 Manifold/Steve Lehman Quartet (Clean Feed-CD)

Steve Lehman - Minifold

1.Interface D
2.Is This Rhythm?
3.Dusk
4.Interface F
5.Interface C
6.Cloak & Dagger
7.Interface A
8.Berceuse
9.For Evan Parker

Steve Lehman (as,sopranino-sax) Jonathan Finlayson (tp)
John Hebert (double-b) Nasheet Waits (ds)

Rec-2007



こりゃかなりザックリとしてカッコいいではないか。グッと来たんで発売当初に手に入れて以来このCDを繰り返し聴いていて、いまだに何気に手が伸びてしまう回数が多いです。スティーヴ・リーマンのポルトガルでのライブ。リーマンはこのアルバムではアルトはもちろん、これまたよく使用するソプラニーノも導入しています。さすがポルトガルのレーベルであるClean Feed、しっかりとコレを世に問うたところに感心します。フロントはリーマンとトランペットのジョナサン・フィンレイソン。リズムはアンドリュー・ヒルのグループにいたベースのジョン・エイベア(ハバート、ヒバート、エベールとの記載もあり。)に、バカテク・ドラマーのナシート・ウェイツ。ここのところリーマン参加のアルバムにハマっていて、リーダー作のみならずヴィジェイ・アイヤーなどと共演しているグループ「フィールドワーク」なども聴く頻度が高くなっています。

リーマンの逞しく吹かれるアルトは音圧が強くてしっかりとしており、緩急が付いたインプロは病み付きになってしまいます。フィンレイソンのトランペットも自由度が高く、シリアスさとともにある種の大らかさも兼ね備えた奏法はリーマンのリードとともに宙を旋回します。リズムの露出も格別なことこの上なく、生々しく振動するエイベアのベースは臨場感抜群で、ナシート・ウェイツの生み出すパルスは大胆且つエネルギッシュで血圧が上がること必定です。火花を散らすインプロ合戦が中核を為すなか、個人的にはなんといってもアンドリュー・ヒルの名曲「ダスク」が3曲目に収録されていることが嬉しいです。

取っ掛かりの数枚がかなり好印象だったスティーヴ・リーマンは探求せざるを得ない衝動に駆られるアルティストです。またもや財布の紐が緩みがちになり肝を冷やしそうです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/04(月) 23:55:42|
  2. Alto Sax
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#883 Edmonton Festival '76/Paul Desmond Quartet (Gambit Records-CD)

Paul Desmond - Edmonton Festival '76

1.Just Squeeze Me
2.Darn That Dream
3.Wave
4.Someday My Prince Will Come
5.Wandy
6.Take Five

Paul Desmond (as) Ed Bickert (g) Don Thompson (b)
Jerry Fuller (ds)

Rec-1976



昨年にポール・デスモンドの最後のライブ音源としてリリースされたこのアルバムを取り上げます。同じ頃にデイヴ・ブルーベックのモンタレー・ジャズ・フェスのライブ集『Live At The Monterey Jazz Festival 1958-2007』(Monterey Jazz Festival records)なども出たりして、昨年は彼の関連の新しい発掘音源をよく耳にすることが出来ました。ブルーベックのジャズは硬派なファンには軽んじられるような傾向を感じていますが、自分としてはブルーベックもデスモンドも大好きです。最晩年のデスモンドはどのようなパフォーマンスをしているのか、発売前から楽しみにしていた作品でした。

ここではカナディアン・カルテットと云われた頃の演奏ですが、CTIやHorizonなどのレーベルに吹き込まれた70年代のデスモンドの演奏を殆ど体験していない(CTIの"Summertime"ぐらいしか聴けていません)当方にとっては、この時期の音源はなかなか新鮮に聴こえます。なにせデスモンドのギター・カルテットと云えば真っ先にジム・ホールが浮かんできますので。実際ここで演奏しているエド・ビッカートはジム・ホールからデスモンドに紹介されたようですね。

デスモンドのビロードのようなソフトな音色はそのままで、さらに深みを伴った音色が滋味深く感じられます。ギタリストのビッカートは大々的にフィーチュアされており、丸みのある優しい音色でアルト・サックスとの相乗効果を上げています。リズムの二人も献身的で3曲目のボッサの名曲などは実に良い味わいですね。〆には耳タコになっている十八番が演奏されていますが、ブルーベックのいない「テイク・ファイヴ」も悪くないですね。なにせデスモンド作曲ですから。彼は残念ながらこの演奏の約一年後に他界されてしまいます。

ちなみにこの作品が発売されたGambitという会社は、ジャズ・ジャイアントの旧譜の復刻はもちろんのこと、貴重な未発表音源まで発掘してくるので個人的に無視出来ないレーベルであり常に気になっています。ヘルシンキのコルトレーンとか興味深いタイトルが沢山ありますね。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/03(日) 22:48:59|
  2. Alto Sax
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#882 Alchemic Life/Kazutoki Umezu Kiki Band (Not Two Records-CD)

Kazutoki Umezu Kiki Band - Alchemic Life

1.Squirrelly Dragon
2.Monkey Mash
3.Outer Stopper
4.Hot AX
5.Nowhere House
6.Viva Chuo-Line Jazz
7.Flying Head
8.Vietnamese Gospel

-Kiki Band-

Kazutoki Umezu 梅津和時 (as,cl) Natsuki Kido 鬼怒無月 (g)
Takeharu Hayakawa 早川岳晴 (el-b) Joe Trump (ds)

Rec-2007



以前チャールズ・ゲイルの新譜『Forgiveness』を発注した時に、このNot Two Recordsと云うレーベルから藤井郷子、田村夏樹夫妻のデュオ・アルバムが出ていることに気がついた。そしてゲイルのアルバムと同時期に梅津和時氏のKiki Band名義のアルバムがリリースされることにも気がついた。ポーランドのレーベルが日本人のミュージシャンにスポットを当ててくれるのはなかなか嬉しいことですね。そういえばフリー系のレーベルではジョン・ゾーン主宰のTzadikも日本人を多く起用していましたね。

梅津和時氏と云えばオッサンの小生には「生活向上委員会」とか「どくとる梅津バンド」とかが思い出されるのですが、なにせ当時から語れるほどに聴いていないですし今現在の活動も自分にとってはヴェールに包まれています。ただし最近リリースされた『梅津和時、演歌を吹く。』(Doubtmusic)というアルバムが無性に気になっていたので、タイミングとしては聴いてみる良いキッカケになりました。現在の彼はソロ活動の他、この「Kiki Band」と「こまっちゃクレズマ」などのユニットで活躍中のようですね。

ですからこの「Kiki Band」も全く知識がなかったので先ずはYouTubeで映像を探してみると、ド派手なジャズ・ロック(と云っていいのか?)が飛び出してきて仰け反るとともに、その圧倒的なパフォーマンスに釘付けになってしまった自分がいました。アップされていた"Monkey Mash""Black Jack"を聴いてみて、今日取り上げたこのCDを即座に発注してしまいました。

このアルバムはポーランドの"Alchemia"と云うハコでのライブで、やはり爆発的なパワーで迫っており、このバンド特有の強烈なインパクトに唸らされてしまいます。還暦を迎えるにあたっても意気軒昂な梅津氏のアルト&クラリネットが炸裂し、鬼怒氏のヘビーなギターがワイルドに襲いかかります。早川氏のエレベは疾走感に溢れ、アメリカから襲来したジョー・トランプのハイ・テンションで扇動的なタテノリのビートに腑抜けにさせられます。アルバムを聴いてみて解ったのですが、轟音サウンドに終止する訳ではなく5曲目のようなクールに響いてくる音作りや8曲目のような牧歌的なものまで多彩なんですね。6曲目はいわゆるあの「中央線ジャズ」を意味する曲なのでしょうか?

奇しくも今月より"Kiki Band"でのツアーがあるようで、とても気になっている自分がいます。フットワークが軽いところに住んでいれば無条件で観に行きたいのですが、如何せん田舎住まいで条件が揃わなければなかなか出かけられない身の上です。はてさて上手くスケジュールを調整出来るのでしょうか。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2009/05/02(土) 23:23:25|
  2. Japanese
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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