イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#935 Mwaliko/Lionel Loueke (Blue Note-CD)

Lionel Loueke - Mwaliko

1.Ami O
2.Griot
3.Twins
4.Wishes
5.Flying
6.Intro to L.L.
7.L.L.
8.Nefertiti
9.Vi Ma Yon
10.Shazoo
11.Dangbe
12.Hide Life

Lionel Loueke (g,vo) Esperanza Spalding (b,vo→only3,5) Richard Bona (b,vo→only4,12)
Massimo Biolcati (b→only2,7,10) Ferenc Nemeth (ds→only2,7,10) Marcus Gilmore (ds→only8)
Angelique Kidjo (vo→only1,9)

Rec-Unknown



CDを大量に買っているとケース割れやキズ盤などの不良品にあたることは珍しくないが、新譜で届いたマイロン・ウォルデンの "Momentum Live"(Demi Sound Records) にはビックリした。今までトラブったのは輸入盤が殆どだし、それこそCDというモノが出現してからかれこれ五千枚以上は輸入盤を買っているけれど、さすがにほぼ真っ二つに割れたCDに出くわすとは思いもしなかった。シュリンクを解いてすぐ盤が脱落したので嫌な予感がしたのだが、まさかここまでヒドイとは。憮然としつつクレームのメールを入れる。楽しみだっただけに開封直後にお預けになるのは気分が悪いもんですなぁ。連日大量に届くCDをシッカリと聴き切れてないクセに文句を云うのもなんですが、やっぱり早めに開封だけはやっておいてよかった。そんなわけで改めて入手し直したマイロンの二枚をはじめ、他の新譜も含めてスポーツ観戦の合間に必死に聴いているところです。言っていることが趣味人過ぎて、客観的に見ても酔狂なことこの上ないですが。

この作品もひと月ほど前に到着したアルバム。思うに本家本元のアメリカのブルーノート(ヨーロッパのEMI系列からのリリースのものを除く)から出る作品は、このアルバムのようにアフリカ色の強めのものがあったり、またヒップホップ色の強いものがあったり、また大胆なエレクトロニクスを導入したものがあったり、ポップでフォーキーなヴォーカルものがあったりと、もはや狭量な嗜好の人間は受け付けないくらいのヴァラエティ豊かな作品がラインアップされていて、その裾野の広がりを見るにブルーノートの提唱するジャズは、もはや広義であるということを証明しているかのようです。このアルバムも前作である "Karibu"(Blue Note) のカラーを踏襲した、よりエスニック色の強い内容のものが多く聴かれます。

ちょいと脱線しますが、アフリカン・ミュージックを学生時代に生で観ていたのは今思えば貴重でした。1984年にジュジュ・ミュージックの第一人者であったナイジェリアのキング・サニー・アデのステージを、国立代々木競技場で体験したことがあります。「シンクロ・システム」の頃でしたか、あの時のスティール・ギターとトーキング・ドラムの応酬はなかなか刺激的でした。地鳴りのように響くパーカッション群にシビれつつ、やはりリズム好きであったことを自認したライブになったのですが、それと同時にエスニックな音楽にも開眼したキッカケにもなっています。最近はジャズ以外の音楽に対して完全に疎くなってしまいましたがその下地は未だに失われていないようで、ベナン生まれのリオーネル・ルエケが生み出すサウンドにも心地よさを感じ取っています。

先日、ビルボードライブで来日公演をおこなったばかりのリチャード・ボナや、エスペランサ・スポルディングなど個性派のメンバーが脇を固めていて、ショーターやハンコックが二曲で客演した前作よりもヴォーカル(特に女性の)に軸を置いているように感じます。このアルバムでは特に二曲(1,9)でフィーチュアされている女性ヴォーカルのアンジェリーク・キジョーの存在感が抜群です。調べたら彼女はルエケと同郷なんですね。ヴォーカル・トラックとコンテンポラリーな演奏が面白いコントラストを生んでおり、ルエケの相変わらずの個性的なギター・ピッキングがサウンド・インパクトを際立たせていることはいつもの通りです。そんななかで、コンテンポラリー色の強い8曲目の「ネフェルティティ」に反応します。ドラマーのマーカス・ギルモアとのデュオですが、シンプルであるだけに掛け合いがスリリングで、思いのほかカッコ良く当方にとっての出色のトラックでありました。本音を云えばこのような一面をもう少し押し出してもよいのかなぁとも感じてはいるのですがね。
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  1. 2010/02/28(日) 02:51:56|
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#934 At Home/Avishai Cohen Trio & Ensemble (Razdaz-CD)

Avishai Cohen - At Home

1.Feediop
2.Madrid
3.Leh-Lah
4.Remembering
5.Renoufs Last Tooth
6.Gershon Beat
7.No Words
8.Punk (DJN)
9.Meditterranean Sun
10.Saba
11.Toledo

1
Avishai Cohen (b) Yosvany Terry (ss) Barsh (el-p) Mark Guiliana (ds)

2
Avishai Cohen (b) Anne Drummond (fl,alto-fl) Diego Urcola (fl-h) Barsh (p)
Mark Guiliana (ds,perc) Tomer Tzur (perc)

3
Avishai Cohen (b,vo) Yosvany Terry (chekere,vo) Barsh (p,el-p,vo) Mark Guiliana (ds,vo)
Anne Drummond (vo)

4
Avishai Cohen (b) Barsh (p) Mark Guiliana (cymbals)

5
Avishai Cohen (b) Barsh (p,el-p,org) Mark Guiliana (ds,perc)

6
Avishai Cohen (b) Anne Drummond (alto-fl) Diego Urcola (fl-h) Yosvany Terry (as)
Jeff Ballard (perc)

7,8,11
Avishai Cohen (b) Barsh (p) Mark Guiliana (ds)

9
Avishai Cohen (b) Anne Drummond (alto-fl) Diego Urcola (fl-h) Yosvany Terry (perc)
Mark Guiliana (perc)

10
Avishai Cohen (el-b) Yosvany Terry (ss) Barsh (hammond-B3) Mark Guiliana (ds)

Rec-2004



メタボ化してきましたが無類のスポーツ好きで、楽器も出来ずジャズの知識も不足していますが音楽好きです。この時期はどうやって時間を遣り繰りしようか悩ましい状態です。結局寝る時間が減るのですが、一日ボーッとしたままで過ごす訳にもいかないので困りものです。ここのところ必然的にオリンピック中心となってしまい音楽に割く時間が減ってきました。ただでさえ新譜が鬼のように届いているのに聴くことに相変わらずモタモタしています。

なのでずいぶん前の話で恐縮なのですが、またもやお茶を濁します。昨年の彼岸の頃だったか墓参りを済ませた帰りしなにわざわざ都心経由で自宅に戻りました(ハッキリ言って相当遠回りです)。その時に意識的に秋葉原の石丸電気の前を歩いたのですが、見事に捕まり予定外の散財をしてしまいました。未開封新品の旧譜が500円均一で店頭にてワゴンセールされていたのです。なにやらジャズとクラシックだけの品揃えで7台ほどのワゴンが並んでいて、こちらとしてもいわゆる権利の切れたインディーズのオムニバス程度のものだろうと、冷やかし程度のつもりで期待をせずに覗いてみたのが運のつき(?)、題記のアルバムをはじめデヴィッド・マレイ、ティグラン・ハマシアン、ホーコン・コーンスタ、イーサン・アイヴァーソン、ウルフ・ワケニウス、マリア・カンネゴール、アンソニー・ブラクストン、ホーヴァル・ヴィーク(祝!アトミック再来日決定!)、その他(輸入盤の日本人のアルバムもあり喜んで買ったのですが、さすがに名前を書くのは憚られます。)もろもろ合計15枚の購入と相成りました。高を括っていただけにインパクトが大きく、ネットで新品を引っ張ろうとしていたアルバム(今日のコレもそう)も数枚あったので思わず鼻血が出そうになりました。いやぁ、東京は素晴らしい!羨ましいぞ!となったのですが、こんな調子ではすぐに破産が見えているので、やっぱり田舎で引っ込んでいたほうが身の為かもしれませんな。

ベーシストのアヴィシャイ・コーエンのアルバムは、手に入る限り全て聴いてやろうと思っていたので見つけた時はとても嬉しく、この作品も彼の出自が色濃く現れた好いアルバムでした。リーダーのアヴィシャイのみならず、ココに参加しているドラマーのマーク・ジュリアーナが大好きなのです。ジュリアーナはアヴィシャイのかなりのアルバムでドラムを叩いています。昨日(18日)から東京で来日公演が行われているウェイン・クランツと演っている →コレ(YouTubeのリンクがあります)← なんかは完全にイッてしまっていて最高です。またミシェル・ンデゲオチェロなどとも演っていて、その人脈を探っていると興味深くてなかなか面白いです。まぁ、それらはこのアルバムとは全く違うアプローチであるのですが、ジューイッシュ・ジャズの極致と個人的に思っているアヴィシャイのグループでも堅実なサポート振りでいつも感心しています。

アヴィシャイ・コーエンのアルバムに関しては最近のものから遡って聴いている状態であるので、この作品などは近作と比べればツッパリ具合がどちらかといえばおとなしめに感じられるのですが、アヴィシャイの意図は全く揺るぎ無くここでも明確に開陳されています。音の節々から滲み出る哀愁を漂わせるメロディはやはり健在で、このコンセプトに弱い自分は諸手を挙げて喜びます。アヴィシャイ・コーエン&サム・バーシュ&マーク・ジュリアーナのピアノ・トリオを軸に、曲ごとに管やパーカッションを加え、サム・バーシュもピアノのみならずエレピやオルガンなどでその世界を装飾していきます。3曲目のようなヴォーカル・トラックも交えているのは、近作のヴォーカルを中心に据えたアルバムとも云える "Aurora"(Blue Note) への布石にも感じられます。しかしながらアヴィシャイのペンに依るスパイシーな楽曲群は、金のかからないミドル・イーストへのトリップを可能にさせてくれますねぇ。

と、スポーツ観戦の中休みにこの作品を今日は聴いていたのでした。え?新譜を聴け?失礼致しました。

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  1. 2010/02/19(金) 03:51:51|
  2. Bass
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#933 Jo & Co/Anna Maria Jopek (Universal Music Polska-CD)

Anna Maria Jopek - Jo & Co

1.Cisza Na Skrinie, Na Powieki Slonce
2.Sprobuj Mowic Kocham
3.Moun Madinina
4.Aya 1984
5.Tengoku
6.Confians
7.Tea in the Sahara
8.Zrob Co Mozesz
9.Dina Lam
10.Teraz I Tu
11.Dwa Serduszka, Cztery Oczy

Anna Maria Jopek (vo) Marek Napiorkowski (g) Krzysztof Herdzin (key,shaker)
Jan Smoczynski (el-p,org→only3) Henryk Miskiewicz (ss→only8,10)
Robert Kubiszyn (b,piccolo-b→only10) Pawel Dobrowolski (ds)
Richard Bona (b,vo→only8,9,10,11) Mino Cinelu (ds,vo→only3,5,6)
Dhafer Youseff (oud,vo→4,7,10,11)

Rec-2006,2007



先日リリースされたばかりのパット・メセニーの新作を聴いて、その流れで過去にメセニーと共演しているアナ・マリア・ヨペックのアルバム "Upojenie" を聴き、そしてメセニー抜きの近作であるこのライブ盤へとさらにバトンタッチです。当方はこういう関連性を持たせた聴き方をよくやるのですが、時たまどこで終わらせてよいのか収拾がつかなくなるので今日はこのアルバムで〆にしてみました。

のっけから題記アルバムとは脱線して恐縮ですが、どうやらメセニーの来日が6月9日~12日で決まったようですね。当然新作の再現をステージで行うのでしょうが、アレを運んでくるのは大変じゃないのか、アレはどの程度の規模の装置なのかと勝手な想像をしちゃうのですが。ちなみに今回は東名阪で予定が組まれているようで、チケットの販売は3月6日(土曜日)からのようです。あの装置を実際に見てみたいなぁということもあり、是非とも今回は馳せ参じたいという気持ちもあるのですが、当方の予定をこの時点で制約することが出来ないため今のところは悶々としております。何せライブを逐一チェックしても、自分自身は未だに今年一発目の口火すら切れないでいる状態です。そういえば昨年末に大掃除した時、過去に観に行ったライブやコンサートの半券が大量に出てきたのですが、その中にパット・メセニー・グループのものもありました。約25年前の1985年10月3日、場所は中野サンプラザ、S席4000円。今やそんなお値段では海外のアーティストのライブに関しては、殆どといっていいくらい観ることは不可能でしょうなぁ。

そういえば彼女もアルバム "ID"(Universal Music Polska / EmArcy) の国内盤発売に併せて昨年に来日していましたね。このアルバムにも参加しているギターのマレク・ナピュルコフスキ、ベースのロバート・クビスジン、ドラムのパヴェウ・ドブロヴォルスキを従えたステージとなったようです。当時、観ることを切望していたのですが都合がつかず、いつものこととは云えやはり叶いませんでした。個人的にヴォーカルで「観たい!」と思うことが少ないだけに、今となってはとても残念に思っています。

アナ・マリア・ヨペック(公式サイトで日本語の選択が出来るなんて!)は云わずと知れたポーランドの代表的なシンガーで、1997年から現在までにアルバムもかなりのタイトル数をリリースしていて、このライブ盤は13枚目ということになるのでしょうか。前作 "ID" にも参加していたリチャード・ボナやミノ・シネルらもこのライブに客演していて、ゴージャスでエレガントな歌唱に華を添えています。「目力(めぢから)が強い」と云う表現がありますが、彼女の場合は「声力が強い」とでも引用したくなるくらいに妖艶でインパクトのある声質で、透明感がありながらも麻薬的に響くヴォイスには駄耳オヤジを腑抜けにさせてしまうのです。独特の節回しや聴き馴染みのないポーランド語の歌詞は、時に器楽的に鳴っているようにも感じられて幻想的です。バックの水準の高さも見事。聴きようによってはこのライブもメセニー的なサウンドに仕上がっていますが、奥行きのある深みのあるサウンドは荒さがなく緻密さも窺えます。ただし、6曲目のようなライブならではのくだけた雰囲気も記録されており、質の高いパフォーマンスはポーランドのアーティストのレベルが半端ではないことを証明しています。ちなみに5曲目の "Tengoku" とは「天国」のことで、彼女の2005年のアルバムである "Niebo"(Universal Music Polska) がポーランド語での「天国」の意であるそうな。2005年の来日時の体験がよほど好印象であったということは、応援している日本人としてはとても嬉しいものです。

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  1. 2010/02/13(土) 03:15:44|
  2. Vocal
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#932 Riitta Paakki Trio (Impala-CD)

Riitta Paakki - Trio

1.Timetable
2.His Divine Grace
3.Joy
4.Swing
5.Balladi
6.Sofia
7.Rock
8.Wedding Song
9.Jore
10.Q Home

Riitta Paakki (p) Ari-Pekka Anttila (upright-b) Mikko Hassinen (ds)

Rec-Unknown



毎度同じことばかり書いておりますが、直近で到着したCDの量が多すぎて相変わらず新譜をジックリと聴くことが出来ない状態が続いているので、今回も少し古めのものでお茶を濁しておきます。フィンランドのピアニスト、リータ・パーキ女史のアルバムが復刻されていたので、だいぶ前にではありますが買ってみました。彼女は既に作品を3枚リリースしていますが、コレはデビュー・アルバムとなるようです。当方が彼女のアルバムを聴くのはこの作品が最初ですが、その実力を評価するレビューが散見されたので手を出してみたというのが本音です。いつものことながら全く馴染みのないメンバーで、ベーシストのアリ・ペッカ・アンティラ(と読むのか?)とドラマーのミッコ・ハッシネンは、セカンド&サード・アルバムでも共にトリオのメンバーとして参加しており、デビュー時から不動のメンバーで活動していると解釈してもいいのでしょうか。なお、この作品が録音された時期が判らないのですが、アルバムが発売されたのはどうやら2000年頃のようですので既に10年ほど経っているということになるようです。

ノルウェーやスウェーデンと違って、フィンランドのジャズというのは当方にとっては殆ど馴染みがなく、過去に経験したもので思い出させるのはサックス奏者のイーロ・コイヴィストイネン "Eero Koivistoinen" ぐらいで、フィンランドのジャズ・シーンの実態が全く浮かばない状態です。しかも女流のピアニスト、単に綺麗にまとまっていると云うだけでは個人的な嗜好からちょっと手を出しづらいのですが、ロックとかファンク・テイストも兼ね備えていると聞けば興味も湧いてきます。それと彼女はフィンランドでの賞レースにもノミネートされるような実績があるので、地元ではかなり評価されたピアニストでもあるようです。

全てメンバーのオリジナルで全10曲。聴いてみると、全体的な印象としてはクリアで颯爽とした欧州のピアニストらしさを漂わせながらも、所々に挟み込まれる思いのほかアグレッシヴなナンバーに惹き付けられたり、またタイトルとは相反した3曲目のようなダークで陰鬱な世界も表現したりと、カッチリと型に嵌ったかのようなピアニストとは云い難いようです。曲単位で見れば、4曲目などはブルージーに迫ってくるし、ハッシネンのドラム・ソロで幕を開ける、コチラはタイトルからも想像できるような7曲目などがあったり、スリリングに疾走するモーダルな8曲目(コレはなかなか)、エキゾチックさも漂わせる9曲目などとかなり多彩です。サイドの仕事も引き締まった巧みな仕事振りで、ダレることのない纏まりをみせていて気持ちの良いピアノ・トリオに仕上がっています。

女流ピアニストといえば、最近ではマリア・カンネゴールやマイラ・メルフォードのようなインプロ系の奏者や、日本人の近作ばかり聴いていたのですが、リータ・パーキは畑は違えどなかなか印象に残る作品を提供してくれました。特筆すべき個性というのはこの一枚では感じないものの、こうなると残りの二作品も気になってしまうのでした。

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  1. 2010/02/12(金) 03:44:08|
  2. Piano
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#931 Wise One/Bobby Hutcherson (Kind of Blue-CD)

Bobby Hutcherson - Wise One

1.Wise One
2.Like Sonny
3.Aisha
4.Equinox
5.All or Nothing at All
6.Nancy (With the Laughing Face)
7.Spiritual
8.Out of This World
9.Dear Lord

Bobby Hutcherson (vib) Joe Gilman (p) Anthony Wilson (g) Glenn Richman (b)
Eddie Marshall (ds)

Rec-2009



前回取り上げたマイク・ジャニシュのアルバムを聴いていたら、しっかりと曲の髄が出たヴィヴラフォンが聴きたくなったので今日はこんなアルバムをチョイスしました。日々届く新鮮なアルバムを横目に見ながら少し前に出ている作品を振り返ることも忘れません。これもリリースされてから既に3ヶ月ほど経ったでしょうか。

前作 "For Sentimental Reasons"(Kind of Blue) からはメンバーを完全に入れ替え、カルテットからさらにギターを加えたクインテットとして3年ぶりに大御所ハッチャーソンが帰ってきました。60年代のブルーノート時代の彼のサウンドは鋭利にトンがっていて、ヒリヒリするくらいにシリアスなアルバムを立て続けに発表していましたがそれも過去の話、現在はまさに円熟の境地、音からも「まろみ」を感じさせます。前作はハート・ウォーミングな穏やかさを感じさせる音色が横溢していて、当方のささくれ立った感情を鎮静するのに大変効果のあるアルバムで日頃から愛聴しておりましたが、今回は前作と比較すると少し雰囲気が変わったようです。メンバーや編成が変われば印象に違いが出てくることは理解できるのですが、どうやら基本的にアルバム・コンセプトから相違があることが感じられます。常日頃からそれこそ「トンがったジャズ」が大好きな自分であるので、ここのところ購入しているものもその路線が多いのですが、そんなトンガリ親父にも前作のハッチャーソンは心の安寧を与えてくれました。彼自身がもはや60年代のサウンドを踏襲するようなことはないでしょうが、このアルバムの若干の雰囲気の違いは取り上げられた素材から来ていることに気づくのには時間が掛かりませんでした。

アルバムのタイトルで前もって把握はしていましたが、ここまでコルトレーンの曲を前面に出していたとは思いが至りませんでした。全9曲のうち5曲(1,2,4,7,9)でコルトレーンの楽曲が取り上げられています。しかも3曲目にはマッコイ・タイナーまで。もちろん現在のハッチャーソンのフレーヴァーで料理されているので当時の空気とは似て非なるものですが、当方の頭の回路は単純に出来ているので曲名を聞いただけですぐにあの時代のサウンドが湧いてきます。ましてや同年代にブルーノートで存在を示したハッチャーソンであるので脳内で変なシンクロを起こし、聴く前から勝手な誤変換をして白子脳がプスプスと音をたてます。何のことは無い、出てくる音を素直に吸収するだけでいいのにいらぬことをする、我ながら全く疲れる男であります。

今作のクインテットは不勉強なことに御大以外のサイドメンに殆ど馴染みがありませんが、ギターが加わったことによってさらなるコクが出ているように感じました。コルトレーンの楽曲には当然のことながらその独特の芳香があり、特に1曲目や7曲目などは荘厳さを漂わせてニヤリとさせられます。シンプルな響きながらもエモーショナルなハッチャーソンのヴァイヴはいつものように高尚で、アンソニー・ウィルソンのシングル・トーンが楽曲の輪郭を浮かび上がらせます。ジョー・ギルマンのピアノは煌びやかさも兼ね備え、リズムの二人は必要以上の装飾を排除した堅実さでサポートします。現在のスタイルから見ても、ハッチャーソンがことさらソロを強調したりとか他のメンバーが個を全面に突出させるような演奏ではなく、やはり彼らの醸すトータル・サウンドに身を任せて楽しむのが本筋ではないかと考えます。オリジナルを取り上げている訳では無いので既知のトラックが多く、さすがの駄耳でもトレースが容易でそれなりに理解度が深まった感じを抱きました。自信過剰かしらん?

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/02/09(火) 01:31:50|
  2. Vibraphone
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#930 Purpose Built/Michael Janisch (Whirlwind-CD)

Michael Janisch - Purpose Built

1.Precisely Now
2.Adelante
3.Love is a Many Splendored Thing
4.Shumshi
5.Milestones
6.Serenade of the Seas
7.Pukl-n-Pappo
8.Sofa Stomp
9.Lost Creek
10.Blood Count
11.Beep
12.Moment's Notice

Michael Janisch (b,el-b) Aaron Goldberg (p) Jim Hart (vib) Jason Palmer (tp)
Paul Booth (ts) Walter Smith III (ts) Patrick Cornelius (as) Mike Moreno (g)
Phil Robson (g) Jonathan Blake (ds)

Rec-2009



3月にはデイヴ・ホランド閣下のアルバムが2枚リリースされる予定になっているけれどこれはどういうものだろう?他にはジェリ・アレン女史の作品も予定があったり、重鎮デヴィッド・スペンサー・ウェアのソロまでもがラインナップされていたりと、相変わらず山ほど出る新譜情報に振り回されています。ちょっと許して欲しいぐらいの量にクラクラしている日々です。

ここのところは既に大量に届いている新譜を、とりあえずチャンネルのザッピングをするが如く軽めに流し聴きしていました。というのも手元に来たのが1月だけでも25枚オーバーという量で、アホみたいに拍車がかかった状態が年末から延々と継続していて、1枚にかける時間が必然的に少なくなるという本末転倒な状態に陥っています。グッとくるものも結構多く嬉しい悲鳴を上げていますが、やっぱり全てをシッカリと聴き込まなくちゃね。そんな中、このアルバムにはやはり手が止まってしまい、改めて真剣に何度も向き合っているところです。そもそもコレは取り寄せる当初からかなりの期待を抱いていましたが、やはり期待に違わぬ内容でなかなか骨っぽく、そこはかとなく不思議な雰囲気も漂っていて思わずニヤニヤしています。

ゲイリー・ハズバンド・ドライブでベースを弾いていたマイク・ジャニシュのどうやら初リーダー作となるアルバムのようです。彼は既にサイドでの仕事がそれなりにあって、未聴ですがピアノのアレックス・フットン "Alex Hutton" の作品にも参加しています。折りしも1月にはアーロン・イマニュエル・ライト "Aaron Immanuel Wright" の初リーダー作など、ニューカマーのベーシスト達の新鮮な作品にたくさん触れることが出来ました。

今までに聴いたものから推量してきたジャニシュへの力量の期待と、参加しているマイク・モレノやアーロン・ゴールドバーグ、ウォルター・スミスやジョナサン・ブレイクなどのメンツの豪華さに惹かれて買ってみたものですが、取り寄せる前にそもそも勘違いをしていたのは、曲ごとに編成が細かく変わっていたということ。ハナからずいぶんとデカイ編成で演っているなぁ、ギタリストが二人いたりしてなんか変だなぁとはうすうす感じてはいたのですが。最小でデュオ(12曲目でエレベ&ドラム!短いけどすげぇカッコいい!)、最大でセクステット(11曲目、これも爆発しています!)といった組み合わせになっており、ギターのシブいハーモニーやクールに響くヴァイヴなど、曲ごとに質感の違いが感じられなかなか面白く聴けます。かなり現代的な解釈で、なかにはハードな演奏もあるのでその印象が強くなるのですが、3曲目のピアノ・トリオや9曲目のギター・カルテットなど、正統派と云っても差し支えないようなサウンドも混在しているところが面白いです。

マイルスやコルトレーン、ビリー・ストレイホーンの曲を編みこみながらも、それに余りある際立ったオリジナル・トラックの濃さがジワジワと効いてきます。全12曲のうちジャニシュのエレベ占有は3曲(2曲目と8曲目、12曲目)で、他は全てアコースティックです。グングンと攻めてくる4曲目のようなライン取りは気持ちいい。5曲目の跳ねるようなベースも好みです。エレベでもスピーディでスリリングな表情も魅せ、この人やっぱり巧いです。それと楽器の特性上もあるでしょうが、インパクトに残るのがジム・ハートのヴァイヴ。彼は4曲(1,4,6,11曲目)に参加していますがメタリックな質感が堪らないです。二管のフロントが醸す、思い切りクセのある展開が強烈な2曲目や、ジェイソン・パーマーがバリバリ吹くカッコいいトランペットに、いかにもマイク・モレノと云ったギターが絡む7曲目などグィングィン惹きつけられます。ジョナサン・ブレイクのドラムも勝負どころでは見事に炸裂していて、やっぱり嵌り込んでしまう威力が満載で改めて買ってよかったとご満悦の作品でした。

ユニオンのサイトでは、ニューヨークのコンテンポラリー・ジャズ好きは見逃せないとの惹句で煽っていますが、まさにその通りの内容であると感じました。個人的には大当たり!

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/02/06(土) 03:06:37|
  2. Bass
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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