イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#947 Tribute to Radiohead/Amnesiac Quartet (Sebastien Paindestre-CD)

Amnesiac Quartet - Tribute to Radiohead

1.Everything in its Right Place
2.Morning Bell
3.A Wolf at the Door
4.Sail to the Moon
5.I Might be Wrong

Sebastien Paindestre (key) Fabrice Theuillon (ss) Joachim Florent (b)
Antoine Paganotti (ds)

Rec-2007



どんなジャンルの音楽でも先入観の無いように満遍なく接してきたつもりではあるのですが、ジャズに復帰してからというもの空白の十数年を埋めようと、ここ二~三年は軍資金をジャズに集中投下しているので、ほかのジャンルの動向にかなり疎くなっていることは否めません。しかしながら「昔取った杵柄」ではないけれど、自分好みの音というのはジャズ以外のジャンルにも沢山転がっているわけで、フラフラと浮気心をくすぐられる事も多々あります。そんな折、現代ジャズという範疇では自分の中で最多のライブ目撃回数を誇るロバート・グラスパーの音源が、トラック・メイカーでありヒップホップ・プロデューサーであるフランス人の "Dela" の手によって加工され、その9曲が一ヶ月ほど前からアップロードされています。その名も "The Robert Glasper Beat Tape"(リンクあり)。ただでさえラップ&ヒップホップとの結びつきの強いロバート・グラスパーですが、改めてサンプリングされるとその相性の良さからかグレードの高いものに仕上がるのは必然といった出来映えで、ノネナール臭が気になってきたオッサンも思わず "dope!" と叫んでしまう始末。いやぁ最高だ。彼の特徴とも云える流麗なリフがスポイルされること無くしっかりと抽出され、心地良い打ち込みと相俟って新たなステージに昇華している。ココのブログに迷い込んでくる方は十中八九ジャズ目的でしょうが、全くジャズに関係ないものとも言い切れないので載せておきます。興味のある方は上記のリンクから試してみてください。

そしてジャズ・ファンが恐らく手を出しにくいアルバムを今日はこの流れ(理由は下記に)で聴いています。UKオルタナティヴ・ロックバンドの「レディオヘッド」へのトリビュート作品。その名も「アムニージアック・カルテット」。個人的にはレディオヘッドは "Pablo Honey" であり "Bends" であり "OK Computer" であり "My Iron Lung" であるので、アムニージアック ("Amnesiac") 以前の初期の頃に入れあげていたということになり、馴染みの楽曲はこのアルバムでは少なめなのです。アムニージアック・カルテットのリーダーが誰なのか定かではありませんが、レーベルの関係からキーボードのセバスチャン(セバスチアン)・パンデストルが主導しているのかなぁと推察されます。パンデストルは2003年のピアノ・トリオ作 "Ecoutez Moi"(Jazzseb) で聴いているけれど、こういうものも出していたんですね。

そもそもレディオヘッドがジャズの素材として多数起用されていたことに、出戻りジャズ・マニアの当方は面食らっていたのです。前述のロバート・グラスパーも彼らのトラック "Everything in its Right Place" (このアルバムでも1曲目に演奏されています)を "Maiden Voyage" とともにカップリングし演奏していました。例えばサム・ヤエルのピンク・フロイドものとか、他ジャンルの楽曲をジャズメンが演奏するのはもはや珍しくはないけれど、この流れはこれからも続いてジャンルを超えた沢山のトリビュート作が出てくるのでしょうなぁ。個人的にはレディオヘッドとも繋がりのある、同じくUKロック・バンドの「ミューズ」(ジャズのレーベルではないよ)あたりもジャズ向きな感じを抱くのですがどうでしょう?

はてさてこのアルバム、ソプラノ・サックスでのワンホーン・カルテットになっており、そしてパンデストルはピアノではなくキーボードのみで演奏しています。聴いてみると彼らの独自色を強く打ち出していると云うほどでもなく、各自のソロは随所にあるもののどちらかといえば原曲に忠実な演奏と云えるのではないかと感じました。ですから曲の持つ魅力が発揮されとても聴きやすいアルバムに仕上がっている反面、ジャズ的なスリリングな要素には若干乏しいんじゃないかというのも率直な感想であります。個人的には初期のレディオヘッドの狂気さをも含んだような激しいトラックも採用してガンガン攻めて貰いたいのですが、やはりというか取り上げられているのはそれ以降のどちらかといえば内省的なナンバーがほとんどで、アルバム全体としても少し抑揚に欠けていて物足らないかなぁ。まぁ自分の欲求のような内容になるとこのグループのコンセプトと合わなくなるのかも知れませんが。それでもクリアなソプラノの音色にソフトなキーボードが描くレディオヘッドの世界は瑞々しさを以って表現されており、改めて曲の持つ威力を感じさせる好内容の作品には違いないのですが。
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  1. 2010/04/29(木) 04:44:34|
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#946 That's Gonna Leave a Mark/Matt Wilson Quartet (Palmetto-CD)

Matt Wilson - That's Gonna Leave a Mark

1.Shooshabuster
2.Arts & Crafts
3.Rear Control
4.Getting Friendly
5.Two Bass Hit
6.Area Man
7.Lucky
8.That's Gonna Leave a Mark
9.Celibate Oriole
10.Come and Find the Quiet Center
11.Why Can't We be Friends?

Matt Wilson (ds) Andrew D'Angelo (as,b-cl) Jeff Lederer (ts,ss,cl) Chris Lightcap (b)

* Guest Vocalist *

-The Swayettes- (only11)

Karlie Bruce (vo) Ayana Del Valle (vo) Elizabeth Dotson-Westphalen (vo)

-The Wilson Family Singers- (only11)

Audrey (vo) Henry (vo) Max (vo) Ethan (vo) Felicia (vo) Matt (vo)

Rec-2008



連日新譜がドカドカと届き収拾のつかない状況ですが、昨日も3枚届いて取り敢えずはかじり聴き。各々一回ずつ聴いてみた。まずはトランペッターであるウォレス・ルーニー (Wallace Roney) の "If Only for One Night"(HighNote)。オーソドックスな内容と思いきや、イリディウムでのライブということで意外と多彩。キーボードを使用した1曲目が引き立っている。次にドラマー、ジョー・チェンバース (Joe Chambers) の "Horace to Max"(Savant)。タイトル通り、シルバーやローチほか大御所のナンバーで固めた作品。王道を往くジャズながら多様な編成で楽しい。チェンバースのドラムはもちろんヴァイビストとしての演奏も聴ける。ヴォーカルが二曲あり、ピアノのヘレン・スン(サング)(Helen Sung) が一曲で参加していることに萌える(なんでだぁ?)。最後はトロンボーン・ショーティ (Trombone Shorty) の "Backatown"(Verve Forecast)。かる~くジャズを超越している。最早ファンクでありロックである(なるほど今年のフジ・ロックに参戦予定だそうでちょっと気になってしまった)。分厚いブラスに濃厚なヴォーカル。素敵。以上、ツイート風でおおくりしました。ちなみにツイッターのアカウントはまだ取っていません。このブログをサービスしている FC2 もツイッターでインフォメーションを配信しだしたようなのでコチラもいよいよ乗り出してみようかな。

それとこれから発売されるものも豊富で相変わらず懐が苦しくなりそうだ。つい先日リリースのあったクリス・クロス・レーベルからさらに4枚が5月18日の予定でアナウンスがあった。今回はアレックス・シピアギン (Alex Sipiagin) の "Generations"、ティム・ウォーフィールド (Tim Warfield) の "Sentimental Journey"、ウォルト・ワイスコフ (Walt Weiskopf) の "See the Pyramid"、デヴィッド・ヘイゼルタイン (David Hazeltine) の "Inversions"。メンツ的なサプライズは少な目かな。クセのあるもの好きの当方が楽しみなのはベン・モンダー (Ben Monder) の "Bloom"(Sunnyside)。どんな浮遊ギターが飛び出すのか楽しみ。アヴァンギャルドでは "The Ex Guitars Meet Nilssen-Love / Vandermark Duo Vol.1"(Smalltown Superjazzz) の "Lean Left" かな。ケン・ヴァンダーマークとポール・ニルセン・ラヴ、そしてテリー・エックス (Terrie Ex) とくれば絶対に凶暴でノイジーなサウンドであることは自明でしょう。6月のリリース情報も徐々に出てきているのでますます取捨選択に悩みます。んなわけで相変わらず旺盛なジャズライフですが、蜘蛛の巣の張った己の鈍い感性には一度二度の摂取では「暖簾に腕押し」であり「糠に釘」であるので、全く筆が進まないということで今回も新譜はツイートのみで諦め、ちょっと前に出たものでお茶を濁します。

リリースされてからボチボチ一年が経とうとするこのアルバム。最初聴いたときオーネット・コールマン風のサウンドに感じられてクセになり、マット・ウィルソンと云うこのドラマーの名前が己の愚脳に刷り込まれました。本当は意外と一般的な名前なので結構時間が掛かりましたが・・・。彼は90年代後半から既に結構な数のリーダー作品を残しているようですが、買ってみたのは初めてです。よくよく調べてみればマイラ・メルフォード (Myra Melford) の Trio M の一員とのことで既に聴いていたのと、他流試合を凝視してみると彼の目指すジャズの立ち位置が垣間見れるのでした。

オーネットを想起させたのはピアノレスであったことが多分に考えられるのですが、ココはトリオでは無くカルテットという編成。もちろん宙を旋回する二管フロントも大いに起因しており、アンドリュー・ディアンジェロとジェフ・レデラーの素直でないプレイがオッサンを惑わします。ココでのマット・ウィルソンのドラムはミドル・テンポが多く、テクニカルというよりはラフなスタイルに感じられます。クリス・ライトキャップのベースはしっかりとした骨格を生み出していて効果的ですね。そういえばライトキャップも強烈なメンツを従えた Bigmouth という名義で "Deluxe"(Clean Feed) と云うタイトルの新譜が出るようで、スティーヴ・リーマンやルドレッシュ・マハンサッパの参加する "Dual Identity"(Clean Feed) とともに楽しみな作品が同時期にリリースされる予定です。

脱線したので話題をこのアルバムに戻すと、自分の印象としては水分の少ないドライなサウンドで、ザックリとしたプレイが飄々と奏でられるサマが不思議な感慨をもたらしてくれます。メンバーのオリジナルが大半を占める中にヒッソリと忍ばせてある5曲目が意表を突いていて面白いですねぇ。ラストはヴォーカルやコーラスを大胆に導入した曲ですが、うーんコレどうなんだろ。ウィルソン・ファミリー・シンガーズなので家族と共演といったところでしょうか。気になる方はレーベルサイトの →ココ← からお試しを。全曲をダイジェストではなくフルで聴くことが出来ますよ。

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  1. 2010/04/24(土) 03:31:55|
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#945 Theater Tilters Vol.2/Atomic (Jazzland-CD)

Atomic - Theater Tilters Vol.2

1.Roma
2.Sanguine
3.Edit
4.Two Boxes
5.Barylite

-Atomic-

Fredrik Ljungkvist (ts,bs,cl) Magnus Broo (tp) Havard Wiik (p)
Ingebrigt Haker Flaten (b) Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2009



なるほど、ツイッターというのは何かと利用できるものであるなぁと実感した次第です。色々と気になるキーワードをブッこんでみると興味深い情報が取れて面白い。先日のエントリーでpiouhgdさんにご教示頂いたアトミックのCDの件を検索するとしっかりとソレが出てきた。"Vol.2" に関しては本来は8月予定であるということ、先日のライブの期間中に急遽 "Vol.2" が約100枚工場から直送されて来たということ、それとハコの関係でポシャりかけていた大阪公演も無事開催されていたこと等々。この流れでいくとこの時期に今回買えたCDを聴くことが出来ているのはやはりラッキーだったということでしょうねぇ。暫く待ってりゃ出回るのは理解しつつもやっぱり早く聴いてみたかったので本当に有難いことです。

かたやツイッターでアカウントをとって当方が発信した場合、オッサンがゴニョゴニョとつぶやくのをフォローしてくれる奇特なお方が居られるのかどうかは甚だ疑問ですなぁ。『現在来日中のニルス(ネルズ)・クライン (Nels Cline) の新譜 "Initiate"(Cryptogramophone) がかなりイカしていて最高!』とか、『アイヴィン・オプスヴィーク (Eivind Opsvik) の旧譜を一気に揃えて現在鑑賞中・・・』とか、『来日予定のダニー・グリセット (Danny Grissett) とステフォン・ハリス (Stefon Harris) のライブ観たいなぁ』とか、『アラン・アパロー (Alain Apaloo) の "Flood Gate"(Stunt) は予想以上のエスニック度だった!』とか、『探していた AALY Trio + ケン・ヴァンダーマーク (Ken Vandermark) のCDがやっと手に入った!』とかとか。うーむ、やっぱり情報として有益なことを発信しない限りこりゃぁ難しそうですねぇ。ツイッターがどんなものかすらよく把握していない人間ですが、自分の場合はフォロワーとして徹したほうが良いような気もします。

で、手に入れた2枚のCDをかなり聴き倒しました。公演のフライヤーに書いてありましたが、このアルバムはアトミックの10周年記念盤という位置づけの意味合いもあるようです。録音は両盤ともに2009年10月6日~7日の音源で、ストックホルムの "Teater Lederman"(リンクあり)というハコでの演奏です。古そうですが良い雰囲気の会場ですねぇ。二日間の演奏を2枚のCDにパッケージということで、その2枚の内容に明確な差異は感じませんが、曲の配置などの編集の妙を感じさせる「聴かせるアルバム」に仕上がっていました。

"Vol.1"の1曲目はこれからのライブでも看板となるトラックになりそうですし、2曲目は「静寂」から「動」への進行のさせ方がなかなかスリリング、3曲目はこのグループらしいテンポが変幻自在の爆発力のあるトラックで、ニルセン・ラヴの暴走が止まりません。4曲目は互いの駆け引きが引き立ったナンバーで、ラストはトリッキーな印象すら漂うインパクトの強い曲を〆に持ってきています。"Vol.2" の1曲目に置かれた "Roma" は既知のナンバー("Happy New Ears!" に収録)で、ライブならではの攻めの演奏が熱いです。2曲目はパラグラフを多く仕込んだかような変化に富んだ一品になっており、3曲目はユンクヴィストのバリサクがダークに潜行し、4曲目はホーヴァル・ヴィークのキレるピアノが印象的で、曲の後半の怒涛のプッシュに屈します。そして "Vol.2" のラストもどうやったらこう云う旋律が浮かんでくるのか理解に苦しむほど絶妙なメロディ・ラインで、一度聴いただけで惹きつけられ即座に脳髄に刷り込まれる強烈なインパクトを有しています。

今回は新曲を中心としたステージになりましたが、知らないはずのこれらの曲が彼ら独特の色づけによってあたかも聴き覚えがあるかのように錯覚させられることが多々あり、いかに個性が突出したグループであるかということを改めて認識させられました。CDを聴くのみではその面白さや凄さを100%理解したことにはならないことを、ライブを観る事によって実感してしまいます。特にフリーやインプロに関してはその念を強くします。

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  1. 2010/04/19(月) 04:53:13|
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#944 Theater Tilters Vol.1/Atomic (Jazzland-CD)

Atomic - Theater Tilters Vol.1

1.Green Mill Tilter
2.Andersonville
3.Fissures
4.Murmansk
5.Bop About

-Atomic-

Fredrik Ljungkvist (ts,bs,cl) Magnus Broo (tp) Havard Wiik (p)
Ingebrigt Haker Flaten (b) Paal Nilssen-Love (ds)

Rec-2009



全く以って己をコントロールする意志が薄弱な男である。兎に角今回は「動かざること山の如し」と肝に念じていたのです。動くことによって自分に跳ね返ってくるツケが解っているのに、欲求が抑えられないもう一方の自分がいます。困ったモンです。だって観に行ったら終電に間に合わないもの。始発帰りとなる月曜日は大変だもの。とブツクサ云いつつ結局のところ参戦してしまいました。アトミックのジャパン・ツアー最終日(4月11日)。嗚呼、やっぱり無視できなかったよぉ。というわけで先日の日曜のことを今さら書いてみます。

彼らのライブに参戦するのは2008年の「アトミック忘年会!」に続いて2回目。当時は3枚組のアルバム "Retrograde"(Jazzland) が来日記念盤という意味合いで国内発売されたことを思い出します。あのステージの興奮をもう一度というのが主たる目的なのですが、今回はもうひとつ。彼らのウェブ・サイトで新譜のアナウンスが出ているのに一向に予約すら始まらないことに業を煮やし、ひょっとしたらそのアルバムが手に入るかもという淡い期待を目論んでいたのです。そもそも Jazzland のサイトでは未だに発表がないので事情は解らんでもないのですが。会場にはやはりCDが用意されていたので読みどおりでした。しかしVol.2まで置いてあったのは予想外。Vol.2に関しては発売時期が夏以降と聞いていたのでイキんで飛びついたのですが、新品なのに猛烈なキズ盤を掴まされて萎えています。微妙に物事が上手くいかなかったりする残念なクォリティーが発揮されるのはいつもの通りです。まぁ仕方が無いですな。

前回よりも思いのほか客の入りが少なかったので拍子抜けしたのですが、演奏のほうは魅力が充分引き出された期待通りの内容でした。新曲で統一されたステージになるのかと思いきや、"Db Gestalt" や "King Kolax" あたりを演奏してくれたのには感激しました(本当は "Boom Boom" を演ってくれるとオッサンは失神すること確実ですが、古い曲なので今後も無理だろうなぁ)。相変わらずのアトミック・ワールド満載の特異な空間が広がっていました。フレデリック・ユンクヴィストの豪快なブロウはそのままに、巧みなコンダクトを交えてのテナーやバリサク、クラリネットでのパフォーマンスは独特の世界を開陳します。ミュートでシリアスさを醸したかと思えば、転じて速射砲の如き連射を繰り出すマグヌス・ブルーのペットが煽り、トレースし辛いテーマを二管のユニゾンで仕掛けてくるサマはこのグループの醍醐味と云えるでしょう。奔放なホーヴァル・ヴィークのピアノは健在で、ピアノ線攻撃も決めてみたりと相変わらずのパフォーマンス。インゲブリクト・ホーケル・フラーテンのベースはさほどの露出を見せませんでしたが、彼の重々しさを伴うプレイはしっかりと光っており、ノコギリ・アルコも炸裂させていました。唯一前ノリで来日し、八木美知依さんや坂田明氏とのステージをこなして来たポール・ニルセン・ラヴは、今回も変幻自在のドラミングが冴えに冴えていました。前回のステージでその表現力の多彩さに絶句させられた経験をしている当方にとっては、やはり彼は興味の的になってしまいます。ドラムを中心に据えたパーカッショニストといった体で、そのプレイはますます磨きがかかっており、静寂と轟音を淀みなく演出する空間の生かし方は相変わらず唸らされるものがあります。マーク・ラパポート氏の仕切りによって二曲のアンコールが聴けたのも収穫でした。

ところで今回リリースされたこの作品はライブ・アルバムだったんですねぇ。情報収集能力が貧弱なので、実際に手にしてみて気づくことが多くて情けなくなります。ライブ・アルバムと云えば、彼らの3枚組の大作 "The Bikini Tapes"(Jazzland) を擦り切れるほど聴きまくった当方にとっては朗報であります。CDは擦り切れないですが誇張しただけですので流して下さい。早速キレまくっている内容を確認し快哉を叫んでしまいました。やっぱりこのバンドはライブで映えます。最高過ぎてたまらんです。

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  1. 2010/04/14(水) 03:23:09|
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#943 Shangri-Tunkashi-La/Mederic Collignon (Plus Loin-CD)

Mederic Collignon - Shangri-Tunkashi-La

1.Billy Preston
2.Bitches Brew
3.Early Minor
4.Shhh Peaceful / It's About That Time
5.IFE
6.Interlude
7.Nem Um Talvez
8.Mademoiselle Mabry
9.Kashmir

Mederic Collignon (pocket-tp,voice,el-p,perc,arr.) Frank Woeste (el-p,effects,voice)
Frederic Chiffoleau (double-b,el-b,voice) Philippe Gleizes (ds,voice)

Francois Bonhomme (horn) Nicolas Chedmail (horn) Philippe Bord (horn)
Victor Michaud (horn)

The White Spirit Sisters (vocals→only4)

Rec-2009



もう一年ほど経ったでしょうか。フランスのレーベル、ノクチューン "Nocturne" のウェブサイトに繋がらなくなったことに気がついたのは。当初はアドレスでも変えてリニューアルしているのだろうと思っていました。しかしいくら探しても見つからず。それから少ししてこのアルバムのレーベルであるプリュ・ロワン "Plus Loin" がノクチューンの後継レーベルにあたることが判明するのにはそれほど時間が掛かりませんでした。そんなプリュ・ロワンのカタログは新録やノクチューン時代の旧譜で構成され、最近はピエリック・ぺドロンやティグラン・ハマシアン、エリザベス・コントマノウ(コントマヌゥ)などのアーティストのすでにリリースされていたアルバムを 2in1 にして廉価でリリースしたり、今月にはクリスチャン・エスクーデ(エスクード)"Christian Escoude" のマヌーシュ・ギターの新譜が予定されています。精力的なリリースとその提案されるジャズへのアプローチはまさにレーベルの名が意味する通り、『より先へ(遠くへ)』進んでいることを実証しています。恥を晒すと、このレーベル名をはじめて見た時に「プラス・ライオン」と読み間違えてしまったことは内緒です。嗚呼、またもやいらぬことを白状してしまいました。

そもそもこのCDを引っ張ってみたキッカケは、売り文句になっている「エレクトリック・マイルス」というキーワードだったのですが、メデリック・コリニョンと云うトランペッターに関しては何の知識もありませんでした。奇しくもこのCDとほぼ同時期にリリースされた、Martux_m の "About a Silent Way"(Itinera) と云う、ファブリツィオ・ボッソ入りのマイルス絡みのアルバムもリリースされ、とりあえずは即座に両方を取り寄せて聴いてみたのですが、個人的な好みでは断然メデリック・コリニョンのほうに軍配が上がりました。Martux_m はエレクトロニクスを導入したテクノのようなテイストを持った内容で、今は無き "Cisco Records" でそのテのジャンルの円盤を大量に買っていた当方にとっては間違いなくツボに嵌るサウンドなのですが、現在の自分の趣向はよりハードにより大胆に畳み掛けるものに吸い寄せられてしまいます。若干の変態性も垣間見られるメデリックのこのアルバムは、当方の笑いのツボまで刺激してくるなんとも不敵なサウンドでした。

まずは主役のことを全く知らないので調べると1970年生まれのフランスのトランペッターで、かの地では大変な注目株のようです。ウェブサイトを持っているかどうか探してみるも発見出来ず。リーダー作はこれ以外に澤野工房がディストリビュートしている "Porgy and Bess"(Minium) と云う作品があるようで早速ダイジェストを試してみれば、いかにもコンパクトには纏まらない面白いサウンドが飛び出してきました。このアルバムを聴いた後だけにインパクトは薄れてしまいましたが、知らずに聴けばやっぱり引き込まれてしまうアクの強い個性的な音として捉えただろうと思います。

お勉強の苦手な当方は、このアルバムでマイルスとの関連づけを敢えて放棄し、ただただ出てくる音だけを純粋に楽しんでいます。マイルスの楽曲で統一されていると思いきや、レッド・ツェッペリン(9曲目)まで演っているのには思わず吹いてしまいました。ワイルドに邪悪に猥雑に迫ってくるコルネットが痛快で、エフェクトを豪快にかけてバリバリ鳴らされるサマはジャズを超越しロック的な感覚をも誘発します。ローズ・ピアノが歪みタテノリのドラムが感情的にビートを刻む、圧倒的な音圧で攻撃を仕掛けてきます。トラックによってはヴォイスを効果的に使用していますが、コリニョンの奔放なヴォーカルは他を寄せ付けないエグみを放ちながら耳にこびり付いて離れません。効果絶大です。

やることなすことが壮大で、いろんな要素によっていちいちツボに入りまくるという何だか訳の分からない状態ですが、当方にとっては一級のエンターテインメントとして享受させて貰いました。最高です。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/04/08(木) 05:33:05|
  2. Trumpet
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#942 Mirror/Miles Okazaki (Jazz Engine-CD)

Miles Okazaki - Mirror

1.Theme I
2.Spiral
3.Mirror I
4.Howl
5.Invention
6.Theme II
7.Metamorphosis
8.Halfway
9.Momentum
10.Canon
11.Theme III
12.Improvisation
13.Volcano
14.Mirror II
15.Chorale

Miles Okazaki (g,kanjira,computer) David Binney (as→only4,5,6,8,10,13,14,15)
Miguel Zenon (as→only3,7,9) Chris Potter (ts→only12)
Christof Knoche (b-cl,ss,as→5,9,10,15) Jon Flaugher (el-b,double-b)
Dan Weiss (ds,tabla,frame-drum,drum-samples)

Rec-2006



もうかなり前のことになりましたが、先月に出かけたカート・ローゼンウィンケルを観に行くついでにレコ屋も回ってやろうと思い、当日は拙宅を午前中に出ることにしました。この時点で激しい出費を覚悟しています。宝の山を前に欲求を抑えられるはずがありません。結局そのときは15枚を収穫。さすがにヤバイと思ったので新譜は3枚だけに抑え、後は敢えて全て1000円以下のアウトレット品に集中させました。なので思いのほか出費を制限することができたのですが、宿泊費やら交通費やらなんだかんだでやっぱり大量の御足が飛んでいきました。こう言っちゃあなんですが、当方にとって東京はパックリ口を開けて待ち構える魔都であります。術中に嵌りまくりです。

しかしアウトレットといっても自分にとっては欲しいものばかりで、普通に新品で注文しようとしていたものが安価でゴロゴロあるのはワクワクするものです。と同時に、アウトレットに落ちる商品の経緯とそれらをとても欲していた自分を考えるとかなり複雑な心境でもあります。マイナーなもの好きを自認しているので有難いことではあるのですがねぇ。前から欲しかったこのCDは棚の中で面陳(フェイスが出ていること)されていたのですぐに発見。値段を見て思わず小躍りしてしまいました。

日系人ギタリスト、マイルス・オカザキのデビュー・アルバム。イタリアはジャズ・エンジンというレーベルからのリイシュー盤です。以前買ってみたフェレンク・ネメスもライセンス・リイシュー盤だったので、ココはそれを専門にしているレーベルなのでしょうか?このアルバムはもともとは自主制作盤だったようで、やはりジャケットもリニューアルされておりオリジナルは下掲のデザインのようです。

Miles Okazaki - Mirror (Original)

マイルス・オカザキに関しては、近作である "Generations"(Sunnyside) の一部のトラックに参加している女性ヴォーカルと自分との相性がどうしても好くないので、興味深い内容のわりにそちらはあまり入り込むことが出来ていません。自分にとってはこちらのほうが楽しく聴けていて、ギターの心地よさと楽曲の強力さも兼ね備えた嬉しい内容になっています。近作とこのデビュー作の二枚は重複しているメンバーが殆どで、このアルバムには前述の女性ヴォーカリストの変わりにクリス・ポッターが一曲のみですが参加しています。ちなみに彼はジェーン・モンハイトのグループのメンバーで来日経験もあり、ガエターノ・パルティピロとダン・ウェイス(ワイス)というトリオの布陣で挑んだ、"I Like Too Much"(Auand) というエフェクトをカマしたテナー・サックスと渡り合ったなかなか実験的でスリリングな作品も残しています(こういうのもやっぱり好きなのです)。

何度も何度も何度も聴いて理解したのは、マイルス・オカザキのギターのみならず最高であったのがダン・ウェイスのドラム。このドラマーとマイルスは結構な頻度で共演していますが、聴いてみれば息もピッタリでかなり攻めあっています。ダン・ウェイスはつい最近自身のアルバム "Timshel"(Sunnyside) をリリースしていて、これはヤコブ(ジェイコブ)・サックスのピアノとトーマス・モーガンのベースと組んだピアノ・トリオになるのですが、メンバーの特性から全然タイプの違うジャズを演っていました。個人的には今日取り上げたこの作品のほうが断然アグレッシヴで好みです。コンパクトに纏めながらも力強く、変拍子の曲も小気味良くコナすリズムは聴き所が満載です。

ボッサ・テイストあり、カッティングあり、ワイルドに歪むエフェクトありとコンテンポラリーなマイルス・オカザキのギターは変幻自在で、そのスタイルの幅広さはサイドで参加しているアルバムを含めここでも実証をされているようです。そこに乗るのが曲ごとに入れ替わるデヴィッド・ビニーとミゲル・セノーン(ゼノン)、クリス・ポッターとクリストフ・ノッチというフロント陣で、クールにしっとりと唱わせたかと思えば攻めに転じる場面も多々あって気合の入った演奏が繰り広げられています。各々のプレイは引き立っていて、アルトやテナーのみならずソプラノやバスクラまで飛び出すバラエティ豊かなサウンドは聴いていて飽きることがありません。軽快さを伴いながらも複雑に入り組んだ個性的なトラックが目白押しですが、難解さを露骨に感じさせることのない技量は清々しさすら漂います。

ちなみにこのCDの扉を開けば佇むマイルスがお出迎えするのですが、ワイルドな風貌でなかなかの男前であります。天賦の才能に伊達男とくれば、凡人のオヤジの僻みはマックスとなって炸裂するってなモンです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/04/05(月) 04:21:59|
  2. Guitar
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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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