イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

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#925 Strata/Matthew Shipp Horn Quartet (Hatology-CD)

Matthew Shipp - Strata

1.Strata 1
2.Strata 2
3.Strata 3
4.Strata 4
5.Strata 5
6.Strata 6
7.Strata 7
8.Strata 8
9.Strata 9
10.Strata 10
11.Strata 11
12.Strata 12
13.Strata 13
14.Strata 14

Matthew Shipp (p) Roy Campbell (tp,pocket-tp) Daniel Carter (as,ts,fl,tp)
William Parker (b)

Rec-1997



現代のフリー・ジャズにおいて威光を放つマシュー・シップという男については、現在進行形でフリーを吸収していきたいワタクシにとっては避けられない峠であります。とは云え、約二年ほど前にやっとそれらを掘り下げようと新たに歩みだしたばかりの自分にとっては、これまでにリリースされたシップの膨大な音源を前にたじろぐばかり。全く知識のない人間が思いもしない形でこのアルバムを手にすることが出来、またシップのリーダー作を聴くのも初めてだった当方にとっては、これを文章に記すにはあまりに経験値が不足しているのを自覚していたので、この際色々な彼のアルバムを聴いてみて一度整理してみようと思ったのが運のつき。聴けば聴くほど多様で斬新なスタイルに面食らって度肝を抜かれ、しかもそのどれもが強いインパクトをもって迫ってくるので、一体彼の本質とやらはどこにあるのか、どこに的を絞って言及すればよいのか迷宮に入る始末。個人的なブログのブランクも相まって、結局このアルバムが手元に届いてから既に一年近くが経とうとしています。未だに十数枚程度という心許ないシップの経験値しか持ち合わせていませんが、おそるおそる書き出してみます。

上記で触れた通り、シップのリーダー作ではこのホーン・カルテットを聴いたのが最初です。もう少し系統立てて説明すると、そこから同レーベルの Hatology でリリースされている作品(ストリング・トリオの "By the Law of Music" や、再発の "Thw Multiplication Table" 等)を中心に聴き始めます。前者は題記アルバムに似通った匂いを醸していますが、後者の再発盤が他のアルバムと違う匂いを放っていることを感じ取りました。フリー度がそれほど感じられず、しかし強烈な個性をもって開陳されていてヤミツキになります。のちに当時直近の新譜であった "Harmonic Disorder"(Thirsty Ear) を聴いてみるのですが、やはりフリー度よりもその個性の強さのほうに導かれていきました。そしてデヴィッド・スペンサー・ウェアのサイドでの仕事などを聴いてその強烈さにブッ飛び、並行してその他のリーダー作を色々試した後に聴いた "Nu Bop"(Thirsty Ear) には心底度肝を抜かれました。ブレイクビーツというかドラムンベースというか、ギレルモ・E・ブラウンのデジタル・チックな強烈なビートに体が痙攣し、ブロック・コードを露骨に多用した強烈な個性も炸裂していて鬼気迫るシップに圧倒されます。なるほどこの御仁、DJスプーキーともコラボしているではないか!オーソドックスでもフリー・スタイルでも、また "Nu Bop" のような斬新さやエレクトリックへの融合など、当方の白子脳は許容を超えて煙を噴いてしまいました。無論今では全てが本質であり全てが彼の側面であることを素直に理解しましたが、あまりの広範囲での八面六臂の活躍に、しばらくは目を白黒させていたというのが本音です。

さてこのアルバム、ホーン・カルテットはシップの計算されたシリアスさが傑出した一品でした。いかにもフリー・ジャズのアルバムらしく無味乾燥なタイトルが並ぶ作品ですが、その段落ごとの探りあいがスリリングで、イカレ耳オヤジも思わず眉間にシワを寄せて瞑想モードに突入です。御大、ウィリアム・パーカーは今や大好きなベーシストですが、ロイ・キャンベルとダニエル・カーターというフロントの二人のことはまだ馴染みがありませんでした。お二方ともインプロの世界では既に充分なキャリアを積んでいる方だったんですね。しかもフリーで活躍するアーティストらしく何刀流もの楽器を操ります。

総じてダークで陰影のあるサウンドですが、ことさらアブストラクトさを誇示するものではなく互いの眼を凝視しながら構築していかれるような音層に痺れます。正直言って昔の自分だと、聴き所を掴めずとっつきにくさが先行する部類の音の組まれ方をしています。ココではド派手な演りあいより無音の空間も活かした即興が中心という印象です。こういう構成は自分にとって聴くのにかなりの集中力を要します。自分に一番欠けている要素であるのですが、遅ればせながらそういった奥深さや楽しさを感じ取れるようになってきたようです。鳥が空を旋回するが如きフロントのホーン陣に怪しく鞭打たれるウィリアム・パーカーのベースが絡み、地底から響くようなマシュー・シップのピアノが脳髄を混沌とした世界に引きずり込みます。ピリピリとした緊張を感じながら、即興という舞台を約1時間堪能できます。・・・いやぁやっぱり駄目だ、シップのことに言及するのはかなり困難です。

でも来月の頭にはシップのソロ "4D"(Thirsty Ear) がリリースされる予定で、まだソロを聴けていない当方にとっては新たな発見があるかもしれず楽しみです。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/01/13(水) 05:21:12|
  2. Piano
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは

ぬどいさん、こんばんは。

マシュー・シップですか。
デヴィッド・S・ウェアのアルバムではよく聴いたもんです。
自分ももっと聴きたいのですが、意外とオーソドックスなトリオ(P,b,Ds)はあまりないようで。
変わった構成が多いようですね。
というわけで躊躇してます。  (^_^;)

ではでは。
  1. 2010/01/17(日) 22:19:08 |
  2. URL |
  3. nanmo2 #-
  4. [ 編集]

nanmo2さん、こんばんは。

>デヴィッド・S・ウェアのアルバムではよく聴いたもんです。

確かにS・ウェアの頃のシップは神がかっていて鳥肌モノですねぇ。自分も強烈なインパクトが残っています。

>オーソドックスなトリオ(P,b,Ds)はあまりないようで。

私の場合は最近聴き始めたばかりなので、直近のアルバムから遡るような形で聴いていますが、おっしゃられるように純然たるピアノ・トリオの吹き込みは "Harmonic Disorder" とか "Piano Vortex" くらいであまり無いようですね。次の作品もソロのようですし。まぁ、それ以上にアプローチの手法が多彩なので、アルバムによってかなり印象が変わってきますねぇ。結構面白がって聴いていますが、確かに少し前の作品のほうに惹かれているかもしれません(笑)。
  1. 2010/01/17(日) 23:33:59 |
  2. URL |
  3. ぬどい #-
  4. [ 編集]

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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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