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イカれた駄耳にジャズの洪水

今宵も円盤漬け・・・     since 23rd Oct. 2006

#936 Never Forgotten, Always Remembered/The Godforgottens (Clean Feed-CD)

The Godforgottens - Never Forgotten, Always Remembered

1.Always Forgotten
2.Never Remembered
3.Remembered Forgotten

Magnus Broo (tp) Sten Sandell (hammond-B3,p,vo) Johan Berthling (double-b)
Paal Nilssen-Love (ds,perc)

Rec-2006



濃厚なインプロ&フリー・ジャズを提唱する Clean Feed が活発である。えー、猛烈に活発でちょいとビビってます。火山が噴火したかのようなリリース・ラッシュでフォローが大変です。しかも自分のような入門者にとっては知らないプレイヤーが多いので、好みに合うアーティストを探しにウェブサイトに試聴しに行きます。フリーを聴く耳が出来上がっていない当方にとっては色々試してみるものの、違うアーティストであるにもかかわらず、ともすればあまり差異が感じられずに聴こえてしまうこともあったりして、我ながら残念なことこの上ないのですが、強烈に感銘を受けるものも少なくないことからかなり楽しめているのだと自己分析しています。ここのところの Clean Feed の作品では "Nicolas Masson Parallels" の "Thirty Six Ghosts" や、以前に「渋さ知らズ」に在籍されていた "Nobuyasu Furuya"(古谷暢康さん)の "Bendowa"(弁道話)等のアルバムが刺激的でした。特に古谷さんは「地底レコード」からも5月に "Stunde Null" というタイトルで新譜の予定があるようなので、スッゴク楽しみにしています。

今日はトニー・マラビーのアルバムと同時に発売されたコレを聴いていました。新しいユニットでの作品とのことなので新しい録音だと思っていましたが、実際は2006年にレコーディングされた作品のようです。ちなみにこのアルバムにクレジットされているトランペットのマグヌス・ブルーとドラムのポール・ニルセン・ラヴは、別ユニットである "Atomic" で4月に来日が決定しています。琴奏者の八木美知依さんのブログで結構前に知ったのですが、4月の10日(土)と11日(日)にいつもの新宿ピットインでステージがあるようで、3月になってピットインのウェブを確認したらちゃんとアナウンスがされていました。他は京都(6日)神戸(7日)大阪(8日)名古屋(9日)のようですね。それとアトミック名義のニュー・アルバム "Theater Tilters Vol.1 & Vol.2" もリリース予定なので早めに予習しなきゃいけませんな。って、まだどこの国内の量販サイトも告知を出していないのだが、ライブ前に予習が間に合うのか?その前に本当に自分は行くことが出来るのか?今年に入ってまだ一本も観ることが出来ていないのに。

ブルーとニルセン・ラヴの他、ステン・サンデルのB3とピアノ、ベースにヨハン・バットリング(バースリングとの表記もあるけど、正確な発音に近いのかは不明)と云う、ノルウェー&スウェーデンの北欧四人衆という布陣。インプロ系のジャズらしく、45分3本勝負。全てにおいて残念な耳であることを自負しますが、フリーの作品に関しては特に耳の完成度の低さを露呈しているので、もはや云々することすら憚られます。印象としては「静」に始まり「動」に転じていくサウンドはなかなかカッコよくて、波の満ち引きのようにその表情を変えていくところに聴きどころを見出しています。全体的には統一されたカラーで進行していき、徐々にエネルギーが炸裂していくようなパワーとともに、その後の静寂も印象的に仕上げています。100%全開とまでいっていないと自分は判断しますが、時折アグレッシヴに迫るブルーのトランペットは満足度を高めてくれました。また、手数の多いドラムはまさにニルセン・ラヴの真骨頂と云った様相で、この人のリズムが加わると演奏がスリリングになります。既に言及されていることとして、こういったジャズにハモンドが使用されているのは異色と云うことがあるのですが、実際に聴いてみると不思議と違和感は全くありません。ステン・サンデルは、あくまでもアコピとの二刀使いを基本としていて、B3の扱われ方が装飾的な一面を担っているかのようにも感じられます。

何とも意味深なグループ名とそれに付随する曲名がメッセージを発していますが、己の凡庸な感性が真意を汲み取っているのかは甚だ疑問であり、全くもって誠に遺憾なことであります。

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/03/04(木) 04:23:15|
  2. Combo
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

to ぬどい

ぬどいさんこんにちは。

新着記事を見て驚きました。
こういうフリー系のもので、organが使われているということでトンガリ系organが好きな私も、要注意アルバムとしてチェックしていたのですが、ぬどいさんのブログに飛び出してくるとは、思ってもいませんでした。

いろんなブログ見てるんですが、この種のものを出してくれるところって皆無です。
あらためて、ぬどいさんのブログは、当方にとってはまさに宝の山であることを感じているしだいです。

organに関しては、musicianの絶対数も少なく、他楽器と比べると、その分、革新性を持ったmusicianも少ないということで、新しい感性を持った希少価値あるorganistは、大事に見守っていきたいなどと思っておりますが、このSten Sandellは、本来pianoが本職であろうと思いますが、今後を見守りたいと思います。

今、トニー・マラピーの嫁さんAngelicaSanchezのpianoを流しながら、ぬどいさんのブログを見てたら、このトニー・マラピーの名が記事中にありましたね。
なんという偶然でしょう。オドロキです。
  1. 2010/03/04(木) 10:06:56 |
  2. URL |
  3. J works #-
  4. [ 編集]

こんばんは。

J worksさま、こんばんは。

コメント有難うございます。思わぬ記事に反応されたので当方もビックリ致しました(笑)。

私が本格的にフリーを聴くようになったのはまだ二年ほど前と浅いのです。アナログの頃からフリーのアルバムも沢山買っていたのですが、当時は入り込むほどには至っておらず、今になって古典も聴きなおしているような状態です。ただ現行のフリーに関しては、なるべく同時進行で情報を得ようと思って試行錯誤するのですが、おっしゃられるようにメインストリームのジャズとは一線を画しているようで、なかなかうまくいかず難儀な状態です。それでも同好の士はいるようで、絶対数は多くありませんが、様々なブログで発信されておられています。思えば当方のブログでもフリー関連の記事のほうに反応を頂くことが多いような気もしてきました(笑)。

ステン・サンデルはこのアルバムで初めて聴いたアーティストです。なるほどピアノが本職なのですね。このアルバムでは場面によって両方を使い分けていますが、記事にした通り全く違和感のないサウンドでした。おそらくアルバム・コンセプトが色濃く出ているゆえ、トータル・サウンドとして自然に吸収できているからだと解釈しています。なかなか面白いアプローチだと思いました。

>なんという偶然でしょう。

本当ですね(笑)。私も J works さんに倣ってマラビーとアンジェリカ・サンチェスのアルバムをこのあと聴いてみようと思っています。
  1. 2010/03/04(木) 18:29:34 |
  2. URL |
  3. ぬどい #-
  4. [ 編集]

ポルトガルのサムライ!!

ぬどいさん、こんばんは。

以前古谷暢康さんを紹介したところ、ご本人から直々のコメントがありビックリしてしまいました。

記事はこちら
http://wonderfulmusicblog.blog93.fc2.com/blog-entry-619.html#comment

文面から察しが付くようにかなり頭の切れる方のようです。
今度新譜が出るようで、興味津々ですな。
海外で孤軍奮闘(本人は否定してますが)している日本のミュージシャンは応援したいですね。

ではでは。
  1. 2010/03/04(木) 23:24:14 |
  2. URL |
  3. nanmo2 #-
  4. [ 編集]

とても揺さ振られるスゴいアルバムでした。

nanmo2さん、こんばんは。

記事を拝見致しました。私の場合はフリー&インプロを聴くようになってから Clean Feed (ちなみにポルトガルの会社です)と云うレーベルを追っかけしていて、その流れで古谷さんに興味を持ちました。ユニオンの『弁道話』の紹介ページに、くだんの YouTube が貼ってあったのを試聴し、その演奏に圧倒されすぐさまオーダーを出しています。パワフルでありながら琴線に触れる音にシビれてしまい、それこそ繰り返し愛聴しているのですが、さらに新しいアルバムがリリースされるとのアナウンスがあったので、とても楽しみにしているのです。

是非とも古谷さんには日本でツアーを組んで頂きたいと思っていて、新しいアルバムと併せてそのアナウンスが近いうちにあることを待望しているのです。生の演奏に身を置いてみたいという衝動に駆られる、自分にとって稀有な存在だと感じました。
  1. 2010/03/05(金) 00:58:55 |
  2. URL |
  3. ぬどい #-
  4. [ 編集]

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ぬどい

Author:ぬどい

タイトル通りのブログです。聴くジャズに垣根をつくらずがモットーです。駄耳の持ち主ですがジャズが好きで連日湯水を浴びるが如く聴き続けています。しかし自分の耳は全く向上しません。近年ジャズに戻って来たためここ10数年のアーティスト&作品には非常に疎く探求中です。今までに所有してきたレコードの聴き直しと新たなる発見を求めて購入したCDの感想を備忘録を兼ねて更新しております。ど素人が主観のみで書いているログですので当然ココではお勉強は出来ません。検証は他所でやって戴いたほうが確実かと思いますのでその旨ご了承願います。(ただ今さぼりモード突入中)


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